王の帰還/あらすじ


本項目では、『指輪物語 第三部 王の帰還』のあらすじについて記述している。

王の帰還 上

一 ミナス・ティリス (Minas Tirith)

エレド・ニムライス(白の山脈)ゴンドールの烽火が東から西へと伝わる中、ガンダルフピピンを乗せた飛蔭ローハンから東へ東へひた走り、ゴンドールに到達して、首都のミナス・ティリスに到着した。そしてゴンドールを統治する執政デネソールに謁見する。ピピンはボロミアの最後の戦いのことを、ボロミアの父であるデネソールに話し、自分を助けるため死力を尽くしたボロミアに報いるためにとデネソールに忠誠を誓い、ゴンドールの兵士となった。
ピピンはゴンドールの兵ベレゴンドに出会い、共にさまざまな話をする。

ニ 灰色の一行 罷り通る (The Passing of the Grey Company)

アイゼンガルドから戻ろうとしていたアラゴルンレゴラスギムリメリー、そしてセオデンエオメルの一行は、野伏のハルバラドや、エルロンドの息子であるエルラダンエルロヒアといった灰色の一行と合流。ハルバラドらはアラゴルンに加勢するため馬を走らせてきたのだった。
やがて一行は角笛城に戻ってくる。メリーはセオデンに敬愛の念を抱いて彼に忠誠を誓い、彼の小姓となる。一方アラゴルンは、パランティアを覗いてサウロンに挑戦。またパランティアの遠方を見る力によって、ゴンドール南方から脅威が迫っていることを知った。そこでアラゴルンはメリー、セオデン、エオメルと別れ、灰色の一行を引き連れて、急ぎエドラスを経由し馬鍬砦へとやってきた。
馬鍬砦には、避難民を指揮していたエオメルの妹エオウィンがいたが、アラゴルンが死者の道を通ってエレド・ニムライスを南へ抜けようとしていることを知ると止めようとし、それができないと知ると自分も連れて行って欲しいと頼む。
だがアラゴルンは断り、灰色の一行を率いて死者の道を通過、エレド・ニムライスの地下を抜けて南側の黒根谷に出る。そしてエレヒにて死者の軍勢を召集、それから一行はひたすら東進する。

三 ローハンの召集 (The Muster of Rohan)

セオデンエオメルメリーローハンの乗手たちは兵の召集のため馬鍬砦に到着。そこでエオウィンより、アラゴルンら灰色の一行が死者の道へ向けて出発していったことを聞く。
セオデンはゴンドール救援のため兵を進めることにするが、メリーは戦場に連れて行かずエドラスに残るように命じて、彼を失望させる。だがデルンヘルムと名乗る乗手が、密かに彼を自分の馬に乗せて共に連れて行ってくれることになった。
こうして一行は、ゴンドールへと進軍する。

四 ゴンドールの包囲 (The Siege of Gondor)

ファラミアが、翼ある獣に襲われながらもミナス・ティリスに戻ってきて、ガンダルフにより救出された。
その後ファラミアはデネソール、ガンダルフ、ピピンの前で、フロドたちに出会って別れたの顛末を話す。その翌日ファラミアは、オスギリアス防衛のためまた出撃していった。
だがオスギリアスは制圧され、モルドールの兵はアンドゥインを渡河して次々とペレンノール野になだれ込んできた。ファラミアは負傷してしてミナス・ティリスに担ぎ込まれる。ミナス・ティリス周辺のペレンノール野は敵で埋め尽くされ、モルドール軍による包囲攻撃が始まった。
デネソールは重傷を負ったファラミアの側を離れようとしなかったため、ガンダルフ(ミスランディア)イムラヒルが防戦の指揮を執る。だがミナス・ティリスの城門も破られ、モルドール侵攻軍の指揮官である魔王がミナス・ティリスに入場しようとし、眼前にガンダルフが立ちはだかった。その時、ローハン軍がやって来たことを知らせる角笛が鳴り響いた。

五 ローハン軍の長征 (The Ride of the Rohirrim)

ゴンドールへ向かっていたローハン軍は、ゴンドールへ向かう街道に敵軍が待ち伏せしているという報告を受けていた。そこに、ドルアダンの森に住むウォーゼ(野人)が道案内を申し出てきて、今は野人以外の人々には忘れられた石車谷の道を進んでいき、敵に見つからずにランマス・エホールまで到達。この堤防の割れ目からペレンノール野へと突入する。

六 ペレンノール野の合戦 (The Battle of the Pelennor Fields)

ロヒアリムの到来を知らせる角笛を聞き、魔王ミナス・ティリスの城門から姿を消した。
一方ロヒアリムはペレンノール野の北部を席巻し、セオデンハラドリムを討ち取る。だがセオデンの馬は、どこからか飛んできた矢を受けて倒れ、セオデンも落馬。そして恐るべき獣に乗った魔王が空から襲ってきて、セオデンを襲おうとする。
その前に立ちはだかったのは、メリーをここまで運んできたデルンヘルムだった。デルンヘルムは、自分がエオウィンであることを明かし、魔王と戦う。その時、勇気を振り絞ったメリーが塚山出土の剣で魔王を刺した。魔王が怯んだところ、エオウィンは自分の剣を魔王の頭部に突き立てて魔王を滅ぼすが、自分も倒れた。
だがセオデンは瀕死であり、エオメルに王位を譲ると身罷った。エオメルは、エオウィンが倒れているところを見ると激高し、配下を連れて敵軍の中に突入し大打撃を与えるが、ムマキルによって進撃を阻まれ、エオメルの軍勢は敵の中に孤立してしまう。
その時ハルロンド海賊の船がやってきて、新手の敵の出現にゴンドールの軍勢は恐慌状態に陥り、逆にモルドールの軍勢は歓声を上げた。だが海賊の船から降り立ったのはアラゴルン灰色の一行と、ゴンドール南方領国からやって来た援軍だった。
こうして逆に包囲されたモルドールの軍勢は殲滅され、ペレンノール野の合戦でゴンドールとローハンの軍勢は勝利を収めた。

七 デネソールの火葬 (The Pyre of Denethor)

ミナス・ティリスの城門から魔王が去った後、ガンダルフの元にピピンがやって来て、自分が見たことを話す。デネソールファラミアを生きたまま焼こうとしているというのだ。それを聞いたガンダルフは飛蔭にピピンも乗せると、一気にミナス・ティリスを駆け上がって、デネソールが向かったラス・ディネンへと向かう。そこでは、先にピピンに事態を知らされファラミアを救おうとしていたベレゴンドが剣を抜き、デネソールの侍僕と向かい合っているところだった。
ガンダルフと話すデネソールは完全に絶望しており、自分と息子の身を自ら焼こうとしているところだった。ファラミアはベレゴンドが救出するが、デネソールはパランティアのひとつを持ったまま、炎の中に身を投げて死んだ。ファラミアは療病院へと連れ込まれた。

八 療病院 (The Houses of Healing)

メリー魔王を刺した後、剣を持っていた腕が動かなくなっていた。彼はセオデンの亡骸と、魔王を倒した後に倒れて運ばれていったエオウィンを追って、ふらふらとミナス・ティリスに入っていった。そんなメリーをピピンが見つけ、彼に呼ばれてガンダルフが迎えに来た。そしてメリーは、ファラミアとエオウィンも治療を受けている療病院へと運ばれていった。
そしてファラミア、エオウィン、メリーの3人は皆療病院のベッドで寝かされていたが、そこにアラゴルンが訪れ、3人を治療してまわる。さらにアラゴルンはエルロンドの息子らと共に大勢の者を治療し、ミナス・ティリスに「王の再来」の噂が流れる。

九 最終戦略会議 (The Last Debate)

レゴラスギムリは、ミナス・ティリス療病院にいるメリーに会いに行った。そしてお互いが角笛城で別れてから何があったのかを話す。レゴラスとギムリは死者の道を抜け、エレヒ死者の軍勢を召集した後、東方へ向かって疾駆する。そしてペラルギアにて、アラゴルンは死者の軍勢を召し出し、ペラルギアを攻撃していた海賊を攻撃させた。海賊は死者の恐怖の前に潰走。その後アラゴルンにより、死者は解放された。それからアラゴルンは、海賊の船を奪う。
海賊の脅威が取り除かれたことで、ゴンドール南方諸方より続々と援軍が駆けつけ、海賊の船に乗り込んでアンドゥインを北上、ペレンノール野に乗り込んだのだった。
彼らがそういった話をしていた頃、アラゴルン、ガンダルフエオメルイムラヒルといった西軍の指導者達は、ミナス・ティリスに近いところに立てられたテントで今後の方針を話し合っていた。そこで彼らは、指輪所持者の使命達成が唯一の希望であること、サウロンの目を指輪所持者とその目的から逸らすため、黒門に陽動攻撃を仕掛けることが決せられる。

十 黒門開く (The Black Gate Opens)

黒門に赴く西軍には、アラゴルンらの他にレゴラスギムリピピンも、それぞれの種族の代表として参加することになった。ミナス・ティリスを出発した西軍一行は、奪回されたオスギリアスを通過、十字路までやってくる。そしてフロドが使ったのと同じ道を使いサウロンの注目を集めるのを避けるため、西軍は十字路より北上する。
だが、モルドールおよび上空を飛ぶナズグルがもたらす恐怖の前に、勇気がくじけてこれ以上勧めなくなる者もいるほどだった。アラゴルンはその者達に、カイア・アンドロスの奪回と防衛を命じて去らせた。そのため一行が黒門前にやって来たときには、その総数は6000にも満たなかった。
それからアラゴルンやガンダルフらは軍師として黒門前に赴いて呼ばわると、サウロンの口と名乗るものが黒門より現れた。そしてフロド鎖かたびらエルフのマントサム短剣などを見せ、これらの品を持っていた間者を返して欲しければサウロンの要求を呑むよう通告する。
だがガンダルフはこの要求を拒否、サウロンの口の従者からフロドの品などを奪い取って引き返す。
こうして交渉は決裂し、黒門などからモルドールの大軍が出撃してきた。アラゴルンは二つの小山に兵を集める。ピピンはその最前列に身を置いていた。戦いが始まり、ピピンは自分が刺したトロルの下敷きになってしまう。その時、がやって来るという叫び声を聞いた。

王の帰還 下

一 キリス・ウンゴルの塔 (The Tower of Cirith Ungol)

ペレンノール野の合戦が迫っていた頃。サムは、捕らえられたフロドの救出を決意。ちょうどその頃フロドが運び込まれたキリス・ウンゴルの塔では、フロドのミスリルの胴着を奪い合って、オークの間で同士討ちが行われていた。サムは同士討ちで死んだオークの死体の間を進み、自らもつらぬき丸でオークを倒して、フロドの救出に成功、フロドに指輪を返す。それからふたりはオークの装束に身を包んで変装し、塔を脱出する。

二 影の国 (The Land of Shadow)

フロドサムは乾き、飢え、疲れなどに苦しみながらモルドールの地を進んでいく。その中でウドゥンへ向かうオークの隊列に見つかり隊列の中に組み込まれてしまうが、変装のお陰で正体はばれずにすみ、さらなるオークの隊列が合流したときの混乱で、フロドとサムは逃げ出すことに成功する。

三 滅びの山 (Mount Doom)

フロドサム滅びの山を臨むところまでやってきたが、食料も水ももうなくなろうとしていた。それでもふたりは進み続ける。飢え、乾き、そしてフロドは指輪の重みをこれ以上ないほど感じながら、それでも時に這いながら、時にサムがフロドを背負いながら進んでいった。
その時、ふたりを裏切ったゴクリが襲ってきた。サムが斬りつけてゴクリの相手をする間に、フロドは滅びの罅裂があるサンマス・ナウアへと向かっていく。サムはゴクリを殺したい衝動に駆られたがそれを抑えてゴクリを追い払うと、すぐにフロドのあとを追いかける。だがゴクリも、サムに追い払われた後またふたりのあとを追っていた。
サムは、とうとう滅びの罅裂に到達したフロドのところへとやってきた。だがここでフロドは一つの指輪の誘惑に屈し、指輪を自分のものと宣言して自分の指にはめた。さらに次の瞬間、サムは背後に迫ってきていたゴクリによって足を取られ倒される。
起き上がったサムは、指輪の力で透明になったフロドと、ゴクリがもみ合っているのを見た。そしてゴクリは何かを口元に持っていって、透明になっていた、指輪をつけていたフロドの指を食いちぎる。
こうして指輪を自分のものにしたゴクリは狂喜して飛び跳ねるが、そのせいで足を滑らせ、指輪もろとも滅びの罅裂へと落ちていった。
そして滅びの山は鳴動して火を噴き出し、駆けつけてきたナズグルを炎の中に消し去る。さらにモルドールの塔や城壁は崩れ、崩壊していった。

四 コルマルレンの野 (The Field of Cormallen)

黒門の戦いが行われていた最中、一つの指輪が破壊されたことでサウロンは滅び、モルドールの軍勢は自分たちを操っていたサウロンの意思が消滅したことで総崩れとなった。その中でガンダルフは、救援にやって来ていた大鷲グワイヒアらを呼び出して、大混乱のモルドールの上空を飛ぶ。そしてサンマス・ナウアから抜け出したものの溶岩に行く手を阻まれ、力尽きて倒れてしまったフロドサムを発見し、拾い上げる。
彼らが気がついたときにはイシリアンコルマルレンに運ばれ、治療を受けていた。そして王たるアラゴルンの前で、フロドとサムは栄誉礼を受ける。またフロドとサムらは指輪の仲間と再会し、一行が離散してから何が起こったのかの話を聞く。
やがて、モルドールでサウロンの軍勢の残党などと戦っていた者達も戻ってきて、王がミナス・ティリスに凱旋するときがやって来た。

五 執政と王 (The Steward and the King)

西軍黒門へ向けて出撃した後も、負傷したエオウィンファラミアメリーミナス・ティリス療病院で治療を受けていた。だがエオウィンは、もう自分は治ったといって西軍の後を追う許可を求め、ファラミアに嘆願する。その後ファラミアはメリーに会い、エオウィンがペレンノール野の合戦にやって来るまで、そして合戦での状況を聞いた。エオウィンはデルンヘルムとして出発したときから相変わらず、戦場と死に場所を求めていた。
やがて黒門の戦いで西軍が勝利し、サウロンが滅びたという知らせがミナス・ティリスに届いてくる。そしてファラミアとメリーは回復した一方、エオウィンだけ容体が悪化し、生きる気力を失おうとしていた。
そんな状態のエオウィンにファラミアは改めて会う。そして世界には戦い以外の美しいものがあること、エオウィンは美しいということ、そんなエオウィンを愛するということをファラミアは語り、エオウィンの心も癒やされる。
やがてアラゴルンらがガンダルフフロドらと共にミナス・ティリスに凱旋してきて戴冠式が行われる。エレンディルの血を引く正統な王位継承者であるアラゴルンがエレスサール王として、ゴンドールアルノールを統べる再統一された王国の王として戴冠した。
さらにその後、裂け谷からエルロンドらの一行、ロスローリエンからはケレボルンガラドリエルらの一行がやって来た。そしてエルロンドは、己が娘のアルウェンの手を取って婚約者であったアラゴルンの手に渡し、ふたりの結婚式が執り行われた。

六 数々の別れ (Many Partings)

祝賀の日々が終わり、ミナス・ティリスに留まっていたフロドたち指輪の仲間は帰郷を考え始める。
やがて、ローハンに帰国していたエオメルエオウィンらが、ラス・ディネンに一時的に安置されていたセオデンの遺体を引き取るためにやって来る。エオメルらを歓迎する宴が行われた後、エオメルらと共に、フロドたちホビットと、ガンダルフレゴラスギムリエルロンド裂け谷の一行とケレボルンガラドリエルロスローリエンの一行、ファラミアエレスサール王(アラゴルン)アルウェン王妃は出発、ローハンのエドラスへと向かう。
エドラスでセオデンの葬儀が行われ、黄金館で追悼会が開かれた後、エオメルはファラミアとエオウィンの婚約を発表する。
それからフロドやガンダルフ、エレスサール王ら一行は、アイゼンガルドへ向かう。アイゼンガルドは木の鬚らエントによって緑の土地へと変貌を遂げていた。一方で木の鬚は、無害だとしてサルマンを既に解放していた。サルマンは蛇の舌グリマを連れて、どこかへと去って行ったという。
ここでレゴラスはギムリを連れて、ファンゴルンの森の中を探検に行くことを宣言。エレスサール王も帰国することにし、指輪の仲間はついに解散することになった。
ホビット達とガンダルフ、裂け谷の一行、ロスローリエンの一行は旅を続け、その途中でサルマンと蛇の舌に出くわす。だがサルマンはガンダルフらの援助を断り、蛇の舌を連れて再び去って行った。
一行は褐色人の国からエレギオンに入って数日間野営した後、ロスローリエンの一行は別れを告げてローリエンへ向け去って行く。ホビット達とガンダルフ、裂け谷の一行は、そのまま裂け谷へと向かった。
裂け谷では、ビルボが待っていた。一つの指輪が破壊されて彼に長寿をもたらしていた力も失われたため、ビルボはすっかり老け込んでいたが、穏やかだった。
フロド達4人のホビットは裂け谷でしばらくビルボと共に過ごしていたが、やがてビルボやエルロンドに別れを告げ、ホビット庄へ向けて出発する。ガンダルフも同行することになった。

七 家路 (Homeward Bound)

フロドら4人のホビットとガンダルフブリー村に到着、躍る小馬亭に宿を取る。宿主のバーリマン・バタバーによると、最近は付近に余所者がやってきて、治安が悪くなっているという。
だがフロド達は特に何事にも遭わず、ブリー村を後にする。やがて、トム・ボンバディルに会いに行くというガンダルフと別れ、フロド、サムピピンメリーの4人だけになったホビット達は、ホビット庄へ帰郷するための最後の旅を始める。

八 ホビット庄の掃蕩 (The Scouring of the Shire)

フロド一行ホビット庄に戻ってくると、ホビット庄の様相は、彼らが出発したときとは大きく変わっていた。今ホビット庄は“お頭”と呼ばれる人物がごろつきを招き入れて住人のホビット達を威圧し、食糧なども独占するといった圧政を敷いて、荒れ果てた状況となっていた。
状況がわかってきた一行は、ホビット庄のホビット達を蜂起させてごろつきどもを排除することにする。メリーローハンで受け取ったマークの角笛を吹き鳴らすと、次々とホビット達が集まってきて、“お頭”に嫌々ながらも従っていた庄察の面々のほとんども、反乱に加わった。
やがて水の辺村の合戦が行われ、ごろつき達は殺されるか、降伏してホビット庄から追放されることになった。
それからフロド達が袋小路屋敷へ向かうと、誕生祝いの木は切り倒され、袋小路屋敷も汚されてすっかり荒れ果てた状態になっていた。そしてそこにいたのは、ごろつきの親玉“シャーキー”ことサルマンだった。サルマンはフロド達の先回りをしてホビット庄にやって来て、ごろつきを使いホビット庄を荒らすという、彼の些細な復讐をしていたのだった。
多くのホビット達が、サルマンを捕らえて処刑するよう要求するが、フロドはそれを認めず、サルマンの堕落を嘆きながら、サルマンを追放すると宣言する。サルマンは隠し持っていたナイフでフロドを刺そうとしたが、ミスリルの胴着に守られて怪我を負わなかったフロドは、なおもサルマンを殺すことを望まなかった。
サルマンは、フロドの慈悲によって生きながらえるという屈辱を味わいつつ、ずっと自分に従っていた蛇の舌についてくるよう命じる。だが蛇の舌はナイフを持ちだしてサルマンを殺し、その直後我に返ったフロドが止める間もなく、蛇の舌自身も若いホビットの矢で射殺された。

九 灰色港 (The Grey Havens)

“シャーキー”とごろつきの手によって荒らされたホビット庄の復興が始まった。特にホビット庄の荒廃を嘆いていたサムだったが、彼がロスローリエンガラドリエルより受け取っていた小箱に入っていた、ガラドリエルの庭の土の力により、切り倒された木々の代わりに植えられた各所の若木はぐんぐんと成長して緑を取り戻していく。さらに小箱に入っていた木の実は誕生祝いの原に埋められたところ、見事なマルローン樹として成長した。
こうしてわずかな時のうちにホビット庄の自然は蘇り、さらに豊作にわく。またサムはローズ・コトンと結婚して、袋小路屋敷フロドと共に生活するようになる。サムとローズの間には娘エラノールが生まれた。
一方フロドは、裂け谷ビルボから受け取ったの続きおよび、自分たちの旅についての執筆を続ける静かな生活をしていたが、ナズグルに刺された傷、シェロブに受けた傷、一つの指輪を失った喪失感とその時の傷に苦しめられていた。
そしてフロド達がホビット庄に帰郷した第三紀3019年から2年後となる、第三紀最後の年である3021年、フロドはほとんど描き上げた、袋小路屋敷、その他の財産をサムに相続させる。そして自分は、三つの指輪の守護者である、ナルヤの所持者ガンダルフヴィルヤの所持者エルロンドネンヤの所持者ガラドリエル、そして一つの指輪の所持者であったビルボと共に、灰色港から出発した船に乗って、サム、ピピンメリーに見送られつつ中つ国を去って行った。

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