- 『指輪物語』第一部の副題については、旅の仲間を参照してください。
指輪 の仲間 †
概要†
カテゴリー | 役職・組織・団体 |
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スペル | Fellowship of the Ring, Company of the Ring, Companions of the Ring |
異訳 | 旅の仲間、指輪隊 |
その他の呼び名 | 九人の旅人(Nine Walkers) 九人の仲間(Nine Companions) |
解説†
一つの指輪を滅びの罅裂に投じるために裂け谷を出発した、九人の旅人を指す。
「指輪の仲間は九人としよう。悪しき九人の乗手どもに対し、九人の
徒歩 の者が行くのだ。」*1
参加者は、中つ国の自由の民の代表ということで、ホビット、人間、エルフ、ドワーフからそれぞれ選ばれた。道をよく知るガンダルフとアラゴルン二世が一行の統率者を務めた。
九人の指輪の仲間†
- フロド・バギンズ(ホビット、指輪所持者)
- サムワイズ(サム)・ギャムジー(ホビット)
- ペレグリン(ピピン)・トゥック(ホビット)
- メリアドク(メリー)・ブランディバック(ホビット)
- ガンダルフ(魔法使い)
- アラゴルン二世(人間)
- ボロミル(人間)
- レゴラス(エルフ)
- ギムリ(ドワーフ)
「かれ(指輪所持者)以外の者はすべて、
途 すがらかれを助けるべく、自由意志による道連れとしてかれに同道されよ。留まるもよし、立ち戻ってこられるもよし、あるいは成り行きにまかせ、途中から別の道をとられるのもよかろう。 … しかしいかなる誓言 も義理のしがらみもあなた方をしばってはおらぬから、あなた方は自らの意志に反して遠くまで行くことはない。」*2
指輪の旅†
結成†
エルロンドの会議の後、エルロンドによって選出される。指輪の仲間は大いなる年(第三紀3018年)の12月25日の夕暮れ、裂け谷を出発した。
当初、滅びの罅裂があるモルドールのオロドルインを目指すことが決められていたのは指輪所持者であるフロドとその従者のサムだけで、恐らくガンダルフも彼らを助けるためそれに同行するはずだった。
アラゴルンとボロミルは、途中で分かれてゴンドールへ凱旋する予定であり、またレゴラスとギムリの同行が決まっていたのはリョヴァニオンにある彼らの故郷への帰路と一致するまでで、それ以後は別れることもありえた。
メリーとピピンは当初エルロンドから一行への参加に難色を示されたものの、ガンダルフの口添えもあって同行を許され、二人はあくまでフロドの旅に付き従う決意だった。
一行は翌年(3018年)の1月にエレギオンを経て赤角山道から霧ふり山脈の山越えを図ったものの、カラズラスの敵意に阻まれる。エレギオンでクリバインの偵察とワーグの襲撃を受けたことで、一行は敵の目から姿をくらますべくモリア潜行を決行することになった。
離散†
だが一行はモリアでオークの襲撃を受け、さらにガンダルフがバルログと共にドゥリンの橋から墜落したことで統率者を失う。
アラゴルンが代わって当面の統率を引き受け、無事にロスローリエンまで辿り着いたものの、そこから誰が最後までフロドの旅に同行するか、あるいはフロドと指輪がどの道を取るべきか、仲間の中で意見が割れるようになる。
ボロミルをはじめとした仲間の多くは、比較的安全な大河の西岸を通って一旦ゴンドールへ向かい、同地の援助を受けるのが最善だと主張したが、それでは徒に時を費やすことになりサウロンの追跡と包囲を受ける懸念があった。隠密と迅速を期するなら大河の東岸から一路モルドールへ向かうべきであったが、そこにどれほどの危険が待ち受けているかは誰も確言することができなかった。
統率者となったアラゴルンは指輪所持者への義務と故国への凱旋とで逡巡し決断を下すことができず、またフロドは内心では後の道を取るのが正しいと確信しつつも、恐れから決意を固めることができずにいた。
一行は2月16日にロスローリエンを出立。アンドゥインをエルフの小船で下り、26日にアルゴナスを過ぎてパルス・ガレンに到着したが、依然として意見はまとまらないままであった。
だがそこで一つの指輪に誘惑されていたボロミルがフロドに襲いかかる事態となる。指輪の魔力が仲間に作用し始めたことを悟ったフロドは単身モルドールへ向かう決意を固め、仲間の許から離脱した。その際、ただ一人主人の決意を察したサムが追いすがり、同行することとなった。
さらに時を同じくして一行はオークに襲撃される。メリーとピピンはオークに連れ去られ、二人を助けようとしたボロミルが命を落とした。
一連の事態を把握したアラゴルンは、指輪所持者すなわちフロドの運命が自分の手から離れたことを悟り、フロドを追わずにメリーとピピンの救出に向かう決断を下した。仲間を見捨てることを潔しとしなかったレゴラスとギムリもまた、アラゴルンに従った。
こうして指輪の仲間は離散した。
再会と解散†
指輪所持者の任務達成後、生き残った指輪の仲間はコルマッレンの野で再会する。
彼らはエレッサール王(アラゴルン)の戴冠式に参列した後、そのまま王の希望でしばらくゴンドールに滞在し、夏至に行われたエレッサール王とアルウェン妃の結婚式にも参列した。その後自由の民が各地にある故郷へ帰還していくに伴い、指輪の仲間も一人、また一人と道を別れていった。
3019年8月22日の日暮れを最後に、仲間の全員が再び一堂に会することはなく、指輪の仲間は解散した。
訳について†
『指輪物語』の第一部の副題も‘The Fellowship of the Ring’。これは邦訳では『旅の仲間』と意訳されているが、『二つの塔』『王の帰還』と語感を合わせるためと思われる。
言うまでもないが、‘The Fellowship of the Ring’の‘the Ring’(単数)は一つの指輪のことであり、『指輪物語』の原題‘The Lord of the Rings’の‘the Rings’(複数)は「全ての力の指輪」を意味している。
グッズ†
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