化けミミズ†
概要†
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Were-worm |
異訳 | おそろしい長虫のとぐろをまいたやつ |
その他の呼び名 | 地を喰らい蠢くもの(great Eath-eater) |
解説†
『ホビットの冒険』の、ガンダルフとドワーフたちが袋小路屋敷を訪れた場面でビルボ・バギンズが言及している生き物。「東のはてへ歩いていき、いやはての砂漠のおそろしい長虫のとぐろをまいたやつと戦うべしというのなら~(if I have to walk from here to the East of East and fight the wild Were-worms in the Last Desert)」という台詞があるが、それ以外の情報はなく、劇中に登場もしていない。
wormsとはトールキンの著作中では一貫して龍の別称の一つであり、同じ場面のやや後に登場するスロールの地図には「大長虫(Great Worms)」として翼のない龍が描かれている。このため、原作におけるこの記述も龍の一種を指したものだと考えるのが妥当だが、それ以上の詳細は不明(なお邦訳の「長虫」とは蛇の意である)。
本項目名は映画『ホビット』での呼び名。
備考†
『ホビット』の初期稿をまとめた『The History of The Hobbit - Mr. Baggins』には、「ゴビの大砂漠に棲む中国の野生のワーム」*1または「東方の果ての砂漠に棲む中国の野生のワーム」*2という旨の表現が見られる。ここで用いられる「Wireworms」という表記はコメツキムシの幼虫を指しており、トールキンによる「Were-worms」に類似性を持つ。
また、モンゴル当地には、実際にモンゴリアン・デス・ワーム(Wikipedia:モンゴリアン・デス・ワーム)という猛毒を持つ巨大なミミズ状の生物の伝承がある。1800年代から現代までさまざまな話が語られているが、トールキンがそれらの噂を念頭に置いて、“Were-worm”や“いやはての砂漠”という表現を用いたかどうかは定かではない。
Iron Crown Enterprises』の設定†
中つ国東方の山脈エレド・グワエン(Ered Gwaem)やオロカルニの北部に住む龍の亜種とされる。
外見は冷血竜に似ているが、非常に細長く、赤褐色か緑色をしている。目で見たものや頭に思い浮かべた物に擬態するという、他の龍にはない特殊な能力を持っている。また、体の大きさを半分にまで縮小、或いは二分の三にまで拡大させることができる。
こうした不可解な生態から、龍の中でも特に謎めいた種族とされ、雲の上に住んでいるとさえ言われる。
亜種†
近縁の種族として翼を持つ砂龍(Sand Drakes)がおり、ハラドの砂漠や大陸中央部のエレド・オルマル(Ered Ormal)、リューンの草原などに住んでいる。他の地域に住む有翼の龍と比べると小型で俊敏だが、知性をほとんど持たず、他の大多数の獣と同じように本能的に動く。また、カメレオンのように手で触れた物に体表を同化させることができる。
普段は砂漠の奥地に潜んで姿を見せないが、交易路やオアシスなどを襲撃することもあり、ハラドリムからはジマジュ(Zimaj)と呼ばれ、他のどの生き物よりも恐れられている。多くの龍が特定の洞窟などに住処を構えるのと異なり、一夜を明かすため砂地に簡易的な穴を掘る以外は住処と呼べるものを持たない。
ビルボが言及したとぐろを巻いた怪物の姿は、これら二種類の龍の話がホビットに伝わる過程で混同された結果であり、長虫のいる「東の果ての地」と「いやはての砂漠」は本来別の場所を示しているとされている。
映画『ホビット』における設定†
龍ではなく、巨大なミミズの怪物と解釈されている。五軍の合戦にて、ドル・グルドゥルの軍勢がエレボールへと密かに接近するのに、この生き物が地中に掘ったトンネルが使われたという形になり、実際に登場した。
ゲーム『シャドウ・オブ・ウォー』における設定†
DLC『モルドールの荒廃』に近縁種と思われる化けミミズ(Were-wyrms)が登場。リスラドの砂漠に、映画『ホビット』と似た姿で出現した(顎や鱗甲や尻尾などに、映画版よりは龍を思わせる特徴がある)。地中から這い出てくると、近くにいるプレイヤーやオークを無差別に呑み込もうとする。おそらくは映画に見られた個体たちよりも巨大な(雌と思われる)個体も登場する。
コメント†
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