このページは再統一された王国より転送されました。日本語表記規則については本サイトでの日本語表記についてを参照してください。

亡国ぼうこくたみ王国おうこく

概要

カテゴリー地名
スペルRealms in Exile
異訳亡国者の王国
その他の呼び名二つの王国(Two Kingdoms)、ドゥーネダインの諸王国(Kingdoms of the Dúnedain)、再統一された王国(Reunited Kingdom)

解説

ヌーメノールの没落を逃れたエレンディルと二人の息子イシルドゥルアナーリオンが築いた、中つ国におけるドゥーネダインの王国のこと。北方王国アルノール南方王国ゴンドールからなる。

三に三倍する数の 背高き船と、背高き王らが、
水に沈みし地から潮路烈しき海を越えて、 持ち来たりしは、何々ぞ?
七つの星に、七つ石、 また一本の白の木よ。*1

9隻の船に乗って破滅を逃れたヌーメノールの遺民によって、第二紀3320年に建国される。エレンディルと彼の率いる4隻の船はリンドンに流れ着き、ギル=ガラドの援助を得てネヌイアル湖のほとりにアルノールを建国した。一方イシルドゥルの率いる3隻とアナーリオンの率いる2隻はアンドゥインの河口に流れ着き、ペラルギル節士派と合流して大河の両岸にゴンドールを建国した。

ゴンドールはイシルドゥルとアナーリオンによって統治されたが、アルノールを統治するエレンディルが王国全体の上級王と見なされていた。かれらはヌーメノールから持ち来たった七つのパランティールを分割し、王国の各地に配備することで緊密な連絡を保っていた。

彼らはギル=ガラドらと協力し、最後の同盟の戦いで一丸となって戦ったが、エレンディルとアナーリオンが戦死する。王国を引き継いだイシルドゥルは、北方の父の領地へ向かう途中あやめ野オークに襲われて行方不明になる。その後、ゴンドールではアナーリオンの息子で年長のメネルディルが、アルノールではイシルドゥルの息子で年少のヴァランディルがそれぞれ王位に就くことになり、王国の分裂がはじまる。
時を経るにつれて、ゴンドールはかつてのヌーメノールを偲ばせるほど国力を増大させる一方、アルノールがアルセダインカルドランリュダウルの三国に分裂して内乱状態に陥り、衰退したことで、アルノールの宗主権低下は決定的になっていった。
戦乱によって使用可能なパランティールが次第に失われていったことも王国の分裂と縮小の一因となった。

アルセダインの最後の王となるアルヴェドゥイは、ゴンドール王オンドヘルの娘フィーリエルを后に迎え、オンドヘルの死後ゴンドールの王位を要求して王国の再統一を図った。だがゴンドールの執政ペレンドゥルらは、南方王国はアナーリオンの男系の世継ぎによって統治されるべきであるとして*2これを退け、王家の血を引く将軍エアルニル二世を王位に迎えた。そのため再統一は果たされずに終わる。

第三紀1974年、アングマールによってアルセダインは滅ぼされてアルヴェドゥイは死に、アルノールのドゥーネダインは荒野をさすらう野伏となった。また2050年には魔王の策略によってゴンドール王エアルヌルは還らぬ人となり、王位を主張できるほどの王統近親者は現れず、ゴンドールの王座は空位となって執政が王の名の下に統治を行うようになる。

再統一された王国

アルヴェドゥイの息子アラナルスは、第三紀1976年に北方のドゥーネダイン野伏)の族長となる。アラナルスはイシルドゥルの直系であり、またフィーリエルを母に持つことから、ゴンドールのアナーリオン朝の血を引く者でもあった。以来エレンディルの世継ぎの血は、野伏の族長達によって連綿と引き継がれる。

第三紀3019年(大いなる年)、指輪戦争に勝利したアラゴルン二世がエレッサール王として即位したことで、エレンディルの王国の再統一が成し遂げられた(再統一された王国)。
彼はアルノール王権の証であるアンヌーミナスの王笏と、ゴンドール王権の証である翼ある王冠を共に帯び、中つ国の西方世界の盟主として西方の王と呼ばれるようになる。その下で王国は、中つ国における古の国土をほぼ完全に回復した。ただしカレナルゾンはあらためてエオルの誓いのもとローハンに割譲され、ドルーアダンの森ドルーエダインの、ホビット庄ホビットの自治に委ねられた。
谷間の国山の下の王国などもそれぞれの王を戴きつつ、西方の王の庇護下に置かれた。

第四紀120年にエレッサール王が崩御してアルウェン王妃がゴンドールを去ると、王位は二人の息子エルダリオンに継承された。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 再統一された王国って複数の王国や領域を治めるということで、「帝国」と名乗っても良さそうな気もする。やっぱり字面の印象が悪いからって教授の裁量で避けたのかな。 -- 2020-07-09 (木) 11:49:27
    • まあ多少メタ的な話をするとそうでしょうし、ヌメノールすら帝国を名乗らないあの世界で皇帝を名乗っても「は(笑)?」扱いでしょうね。それに帝国の定義である複数の国家民族を支配しているという点を再統一王国が満たしているかは微妙ですね。アルノールもゴンドールも元は1つの国ですし、ローハンもエルフもドワーフもホビットも事実はともあれ形上は対等な同盟者でしょうし。 -- 2020-07-09 (木) 12:37:04
    • そもそも「帝国Empire」という概念が存在しない時代でしょうし、ラテン語インペラトル(命令権者=軍司令官)に由来し、称号としての成立経緯が史上明らかなEmperorは(西方語からの訳語であるとしても)束教授は使わないでしょうね。上級王High Kingはその点、中世初期のイングランドなどで諸王国の盟主たる王の称号だったので、中つ国に相応しいものとして使用されたのかと思います(ここらへん、誰かが教授本人に質問してそうな気がする)。 -- 2020-07-09 (木) 17:27:53
      • もう一つ言うと、欧州においては、血統が最重要視されるKingに対してEmperorは血筋の重要性が低い地位(選出される存在)だったので、その点でもエルフとエダイン各族の血筋を継ぐエルロスの後裔には不相応と考えたのかもしれません。 -- 2020-07-09 (木) 17:47:00
  • 再統一したとはいえ、北方で急激に人口が増えたとは思えない。(増えようにもそもそもの人口がいないしエルフは去るしドワーフもホビットも衰える運命だし) 再統一されたとはいえ帝国の実態はずっと南方にあったんだろうな。エリアドールはそのうち間接統治になりそう。 -- 2021-01-21 (木) 07:53:33
  • いま岩波新書のシリーズ中国の歴史4巻の「陸海の交錯」を読んでいて、明の洪武帝が華北と江南という文化や経済などが全く異なる地域を統一支配する体制作りに苦心していたのを見て、エレスサール王の再統一された王国はどうやって南北再統合を成し遂げたんだろうかと思った。 -- 2021-03-13 (土) 00:05:57
  • 『中つ国歴史地図』の推定ではアルノールの最大面積248540平方マイルで一番近いのは南スーダン。ゴンドールは直接統治した最大版図(リューンやハロンドール、灰色川までを含む)が推定716425平方マイルで一番近いのはスーダン。なので亡国の民の王国の最大版図はあわせて旧スーダンくらいという、いまいち謎な例えが成立してしまう -- 2021-12-01 (水) 07:34:20
    • でも旧スーダンの面積って確か「面積広い国ランキング」なら10位くらいだから割と妥当な気もする。日本6個分と考えたら中世文明では充分大国家でしょ。
      最盛期ローマの5割6割はあるわけだしさ。
      人口希薄地はあってもブラジルみたく未開の密林ばっかなわけじゃないし。
      騎馬民族国家や帝国主義時代の列強、ロシアアメリカ、中国あたりが国土の広さ異常なだけで。 -- 2021-12-01 (水) 09:32:01
      • そうなんだけどさ、まさかそんなもとは同じ国だった二カ国とそれぞれ一番近いとかぴったりの例えにできるとは思わないじゃんw -- 2021-12-01 (水) 21:15:42
      • あー、そういうことか。理解しました。
        おあつらえ向きにピッタリだったって事ね。 -- 2021-12-01 (水) 23:55:10
  • 中国史上には亡国の民の王国が何度も出現してるよね。 -- 2021-12-01 (水) 20:22:45
    • 後●朝みたいな -- 2021-12-27 (月) 06:19:45
    • 蜀漢、東晋、南宋etc -- 2021-12-28 (火) 18:32:52
  • フランク語風に言うと、イシルディング朝とアナリング朝かな -- 2021-12-22 (水) 20:17:12
お名前:

人種差別をあおるもの、公序良俗に反するもの、項目とは関係ないコメント、他コメント者への個人攻撃及び価値観の押しつけや、相手を言い負かすことが目的の非建設的な議論、現実世界の政治および近代・現代史、特定国家、団体、民族などに結びつけ批判、揶揄するようなコメントなどは削除の対象となります。その他コメントについて。
Last-modified: