ロスローリエン †
概要 †
カテゴリー | 地名 |
---|---|
スペル | Lothlórien |
異訳 | ロスロリエン、ロスロリアン |
その他の呼び名 | ローリエン(Lórien) 黄金の森(Golden Wood) ラウレリンドレナン(Laurelindórenan) ラウレナンデ(Laurenandë) ローリナンド(Lórinand) グロルナン(Glornan) ナン・ラウア(Nan Laur) リンドーリナンド(Lindórinand) ドウィモルデネ*1(Dwimordene) |
解説 †
シンダール語で「花咲くローリエン(Lórien of the Blossom)」あるいは「夢の花(Dreamflower)」の意。霧ふり山脈の東、おぼろ谷を下ったところから、アンドゥイン(大河)の間にある森林で、エルフの国。マルローン樹の生える森であったことから、「黄金の森」とも呼ばれた。
首府はケレボルンとガラドリエルの住まいがあるカラス・ガラゾン。他にケリン・アムロス、エグラディル、ナイスなどの地名が出ており、西の堺の近くにはニムロデルの川、ロスローリエンの東西を横切るようにケレブラント(銀筋川)がある。
ロスローリエンのエルフは木の上に住むという特異な習慣があり、主にマルローンの木の上にフレトを作ってそこで過ごした。そのため彼らはガラズリムと呼ばれた。
第三紀末、ロスローリエンの噂を知るロヒアリムやゴンドール人には、生身の人間が一度入ったら二度と生きて戻れない、恐るべき森のようにイメージされていた。
「ロスロリアン! とうとう黄金の森の
軒先 にまで来た。今が冬とは残念至極!」目の前には高い木々が夜空に亭々 とそびえていました。さしのばされた大枝は道の上にアーチを作り、その下には思いがけず不意に姿を現した水の流れもありました。おぼろな月明かりで見ると木々の幹は灰色をしており、風に揺らぐ葉は朽葉色 がかった金色を帯びていました。*2
歴史 †
国となる前から、ここには多くのナンドール・エルフ(シルヴァン・エルフ)が住み着いていた。
第二紀に彼らはシンダールのアムディーアによって、その後彼が最後の同盟の戦いで戦死すると、アムディーアの息子アムロスによって統治されていた。
第三紀1980年、モリアのドワーフがバルログを呼び起こす(そのためローリエンのエルフは、ドワーフが危機をもたらしたと考えるようになった)。1981年になってモリアのドワーフが四散すると、バルログやオークといった脅威を恐れて、多数のロスローリエンのシルヴァン・エルフが南に逃れ、アムロスもエゼルロンドの港からアマンへ去ろうとする(その途中でアムロスは行方不明になる。詳細はアムロスの項目を参照)。
その後ロスローリエンのエルフは、ケレボルンとガラドリエルに統治されるようになる。かれらと共にいくらかのノルドールも加わり、領主二人の威光とノルドールの技のため、ローリエンのエルフの技術力は闇の森などと比較しても、非常に優れたものとなった。
ロスローリエンのエルフは元来闇の森の王国のシルヴァン・エルフと同類であったが、ドル・グルドゥアの脅威のため、第三紀末には連絡は途絶えていた。一方、裂け谷とは連絡を取り合っていた*3。
指輪戦争時、ロスローリエンのエルフは指輪の仲間を一時匿い、別れに際しては旅に役立つ贈り物を授けた。
また指輪の仲間が出発したあと、ロスローリエンは東のアンドゥインを越えてきたドル・グルドゥアの軍勢に三度攻撃され、外辺の森に痛ましい被害が出た。だが、ロスローリエンの地に残るエルフの力*4が非常に強かったため、彼らはこれらの攻撃を凌ぎ切った。その後一つの指輪が破壊されると、ケレボルンに指揮されたロスローリエンの軍勢はアンドゥインを船で渡河してドル・グルドゥアを攻撃し、その力を打ち破った。指輪戦争後、ケレボルンはスランドゥイルと会見を持ち、闇の森の狭隘部より南を「東ローリエン(East Lórien)」と名付け、自らの領土とした。
だが第四紀に入り、ガラドリエルがアマンへと去ると、その数年後にはケレボルンも己が領土に倦んで裂け谷へ移り住み、ロスローリエンには僅かなエルフしか残らなかったようである。
守られた地 †
銀筋川の向こう側の堤を踏んだ時から、かれはふしぎな感じに襲われていました。そしてその感じはナイスの中へ歩いて行くにつれて、いよいよ深まって行きました。すなわちそれは、時間という橋を渡り、上古の世の一隅に足を踏み入れて、もはやすでに存在しない世界を今歩いているような気持ちなのでした。
裂 け谷 にも古い時代の記憶が残っています。しかしロリアンでは古きものが現 の世界に今なお生き続けているのです。*5
ロスローリエンは、ガラドリエルが持つ三つの指輪の一つネンヤの力によって守られており、悪による汚れや時による衰えの影響を免れた特別な土地となっていた。第三紀、アンドゥインを挟んで対岸にあるドル・グルドゥアの勢力が増しても、ロスローリエンのエルフ達はその力に抵抗していた。
この地に足を踏み入れることは定命の者(人間やホビット、ドワーフ)にとってはエルフの生きる時間の中に入るようなことであるため、外界における普通の感覚では時が数えられなくなる。そればかりでなく、エルフの世界に定命の者が触れるのはしばしば危険なことであった。ファラミアは限りある命の人間にとって、この太陽の照らす世界の外に歩み出ることはいたく危険なことだからだ。古の代でもそこから変わらぬまま出てきた者はほとんどおらぬ、といわれていると推察している*6。
しかし一つの指輪が破壊されるとネンヤの力も次第に消失していき、この地に保たれていたエルフの記憶も色褪せていくことになった。
地名について †
ロスローリエンはアマンのローリエンに由来する名だが、(中つ国では)単にそのままローリエンといっても、ロスローリエンのことを指す。
(木の鬚によると)かつてはロスローリエンは「歌う黄金の谷間」を意味するラウレリンドレナンと呼ばれていたが、それが短縮されロスローリエンと呼ばれるようになったという。クウェンヤではラウレナンデ、ナンドールにはローリナンドと呼ばれ、シンダール語ではグロルナンあるいはナン・ラウアと呼ばれることもあった。これらはいずれもガラドリエル自身と、彼女がもたらしたマルローン樹をはじめとする森の変化に因むものである。
ガラドリエルがこの地に来る以前は、「歌い手達の国」の意であるリンドーリナンドと呼ばれていたらしい。
エオセオド及びロヒアリムには、「まぼろしの谷(Phantom-vale)」の意であるドウィモルデネと呼ばれていた。
画像 †
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定 †
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
コメント †
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照