メリアドク・ブランディバック

概要

カテゴリー人名
スペルMeriadoc Brandybuck
その他の呼び名メリー (Merry)
偉丈夫 (the Magnificent)
ホルドウィネ (Holdwine)
Kalimac Brandagamba(カリマク・ブランダガンバ)*1
種族ホビット
性別
生没年庄暦1382年(第三紀2982年)~不詳*2
サラドク・ブランディバック(父)、エスメラルダ・トゥック(母)
配偶者エステラ・ボルジャー
少なくとも息子が一人いたようだが詳細不明

解説

バック郷館主
サラドク・ブランディバック
1408~1432
第三紀3008~第四紀11
偉丈夫メリアドク・ブランディバック
庄暦1432~1484年(52年間)
第四紀11~63年
(メリアドクの息子)
1484~?
63~?

指輪の仲間の一人のホビット。愛称メリー
その名の通りブランディバック一族の出で、冒険好きな資質を受け継いでおり、活発で利発な性格。

サラドク・ブランディバックエスメラルダ・トゥックの息子。サラドクの父ロリマック・ブランディバックの妹プリムラ・ブランディバックフロド・バギンズの母親にあたる(つまり母方の従兄弟の息子)。ピピンことペレグリン・トゥックとは母方の従兄弟。フロドより1世代下で、14歳の年少。

旅の仲間

後にバック郷館主となるサラドク・ブランディバックの一人息子として生まれる。
子供の頃からビルボ・バギンズを慕って袋小路屋敷に出入りしていた親戚たちの一人。ビルボの別れの宴には家族揃って招待され、その翌日には屋敷を相続して対応に忙殺されたフロド・バギンズの手助けをした。

メリアドクは別れの宴の前年からビルボが姿を隠す指輪を持っていることに気付いており、フロドにそれが受け継がれたことにも気付いていたが、二人が秘密にしているのを察して他言しなかった。だがフロドが密かにホビット庄から旅立つつもりでいるのに気付くと、ペレグリン・トゥックフレデガー・ボルジャーサムワイズ・ギャムジーらに指輪の秘密を打ち明けて陰謀団を結成し、フロドが独りで旅立つことがないよう策を練った。彼らはくり窪への引っ越しを手伝うとともにフロドにぴったりと付き添い、くり窪で「陰謀」を明らかにしてからは、親族としての絆と友情からあくまでフロドの危険な旅に同行する覚悟であることを告げた。

フロドがエルロンドの会議で正式に指輪所持者として認められ、使命を帯びてモルドールに向かうことが決まった後も、メリアドクとペレグリンはホビット庄に返されるところだったのを頑固に反対し、ガンダルフの口添えもあって九人の徒歩の者の一員として旅を続けることを許された。

だがパルス・ガレンで一行がオークに襲撃された時、メリアドクとペレグリンはウルク=ハイに捕らえられる。この時メリアドクは剣を抜いて応戦したが額に傷を負い、取り押さえられた。そのままアイゼンガルドまで連行されるところだったが、ローハン騎馬軍団がオーク達を包囲した隙を突き、ペレグリンと共にグリシュナーハを騙して脱出に成功。
逃げ込んだファンゴルンの森木の鬚に出会い、サルマンの裏切りを話してエントによるアイゼンガルド攻撃のきっかけを作った。またこの時エント水を飲んだため、ペレグリンと共に後にホビット最高記録をしのぐ高身長となる。

ローハンの騎士

メリアドクはアイゼンガルドの廃墟で出会ったセーオデンに親愛の情を抱き、やがて太刀持ちの小姓として彼に仕えることを申し出る。そしてセーオデンからステュッバという小馬を与えられた。
だがロヒルリムゴンドールへ長征することになると、危急の強行軍であるとして同行を許されず、ローハンに留まることを命じられる。仲間たちが皆戦地に身を置く中で独り後背地に留まることはメリアドクにとって大いに不服なことであった。そのため彼はデルンヘルム(エーオウィン)に声をかけられてその馬の背に乗り、密かに遠征軍に紛れ込んでペレンノール野の合戦に参加することになる。

魔王がセーオデンを襲った時には恐怖に襲われて動けなくなってしまったが、デルンヘルムことエーオウィンがただ一人で魔王に立ち向かっていることに気付くと勇気を奮い起こし、彼女を助けるために魔王の膝の裏を塚山出土の剣で刺して致命傷を与えるという勲を挙げた。そして今際のセーオデンと最後に言葉を交わした。
この時メリアドクは黒の息に冒されるが、ペレグリンに発見されて療病院に運ばれ、アラゴルン二世によって癒やされた。

黒門の戦いには療養を命じられて参加することができず、その間にエーオウィンの苦しみについてファラミルに語っている。
コルマッレンの野の栄誉礼には参加し、ローハンの騎士として宴の給仕を務め、フロドサムワイズに再会。エレッサール王の戴冠式と結婚式にも参列した。
その後のセーオデンの葬列では、セーオデンの小姓として、王の武器を捧持し棺台を運ぶ馬車に乗った。セーオデンの葬儀が済むと、エーオメルエーオウィンから戦功の報酬としてマークの角笛と、ローハンにおけるホルドウィネ*3の名と栄誉を与えられた。

水の辺村の合戦では、ローハンの騎士としての経験を生かし、ペレグリン・トゥックと共に指揮官として重要な役割を果たした。その後、その丈高い姿と異国の武者装束、堂々とした立ち振舞いはホビット庄で評判となり、名士として知られるようになる。
フロドが中つ国を去る時には、ガンダルフにそのことを知らされて灰色港に駆けつけ、サムワイズ、ペレグリンと共にフロドを見送った。

館主メリアドク

メリアドクは館主の地位を継ぎ、偉丈夫と呼ばれた。メリアドクはローハンとの友情を保持し続け、館主となった時にはエーオメルエーオウィンより見事な祝いの品々が届けられた。
メリアドクはホビット庄の歴史と他国との繋がりを研究し、『紀年考』『ホビット庄の古語および古名』『ホビット庄本草考』といった多くの著作を残した。また彼が裂け谷から得たと思われる資料と、ペレグリンが収集した大スマイアルの蔵書を利用して「西国年代記(代々の物語)」が編纂されたと考えられている。

老後はペレグリン・トゥックとともに家督をそれぞれの息子に譲ってローハンに赴き、エーオメル王が薨ずるのを看取る。その後二人はゴンドールで短い余生を過ごした後、ラス・ディーネンに葬られた。エレッサール王が崩御すると、二人の寝台は王の寝台の傍らに並べ置かれたと言われる。

略歴

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

俳優ドミニク・モナハン
日本語吹き替え村治学

ペレグリンの悪友としてキャラクター付けがされ、『旅の仲間』では一緒になっていたずらに興じる場面が多い。『エクステンデッド・エディション』ではそのシーンがさらに増えている。しかし冷静で思慮深い面もあるため、危機的状況に陥った時は機転を効かせている。また、事態の深刻さを飲み込めず、何かとトラブルを起こすペレグリンを度々制止している。
王の帰還』では原作同様、魔王を刺してエーオウィンを助けたが、塚山丘陵のシーンがカットされたため、この時使用した武器も塚山出土の剣ではない(ロスローリエンにてガラドリエルから贈られたノルドールのナイフであるという説と、柄の形状からローハン製の短剣であるという説とがあり、映像からは判然としない)。

原作では、ミナス・ティリスで療養していたため黒門の戦いには参加していないが、映画では参加している。

画像

『ロード・オブ・ザ・リング』におけるメリアドク・ブランディバック 『ロード・オブ・ザ・リング』におけるメリアドク・ブランディバック

グッズ

#amazon(B0017I7V6K)

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における裂け谷でのメリアドク・ブランディバックとペレグリン・トゥック

Include/指輪の仲間

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 冷静に考えると、とんでもない勲 -- 2020-12-17 (木) 09:08:33
  • 彼やピピンやサムを見ると、元々ホビットには犬のごとく純粋で打算的じゃない忠誠心を持つ者が多いんだろうなぁと思う。
    忠誠心を抱くに足る相手があまり出てこないだけで。 -- 2021-02-21 (日) 07:16:45
  • 結局、最終身長はどこまで行ったんだろう? 5フィートに届いたのかな? -- 2022-09-07 (水) 22:23:50
  • フロドより14歳年下ということはビルボの誕生日パーティーのときには19歳で、フロドが休んでいるときにロベリアの相手をしている。ホビットの成年33歳が人間の20歳に該当するとすれば、15歳相当くらい? -- 2023-05-26 (金) 23:47:19
  • 映画で魔王を刺した後の悲鳴はドライアイスか液体窒素に腕を突っ込んだみたいな凍傷での激痛に対するそれなんだろうけど、どっちかと言えば火で焼かれてのたうち回ってるように見える。 -- 2023-10-23 (月) 12:09:55
    • 両者の違いがわかるなんて凄いですね。
      具体的に痛みおよびそれに対する反応の違いとしてはどんな差があるんですか? -- 2023-10-23 (月) 12:46:15
      • なんか気に障る事言ったかな? -- 2023-10-23 (月) 17:42:36
        • え?いや全く…純粋に両者の違いがわからないので聞いただけですよ…。 -- 2023-10-23 (月) 18:35:33
          • ただ何となくそういう風に見えたというだけの感想です。どんな違いがあるかなどは知らない。ただ、小学生の時に初めて観た時はそう見えたのを今でも覚えてるという話 -- 2023-10-23 (月) 19:34:39
            • なんだ、そういう話ですか。解説ありがとうございます。
              てっきり何か科学的な違いがあるのかと。 -- 2023-10-23 (月) 20:42:16
      • 魔王はなんか闇の力でもまとってたりするんですかね。 -- 2023-10-24 (火) 06:54:32
        • ご意見、賛成いたします。おそらくあの苦しみ方は単一の苦痛ではなく、魔の力で上乗せされた冷痛・やけど・骨折・切断・傷口塩塗り等が複合され強化された感覚なのかと想像しています。 -- 2023-10-24 (火) 20:49:13
          • さんざん批判されていなくなったと思ったら、ほとぼりが冷めた頃に全く同じ調子で再登場するの、いい加減止めてくれませんか。いつもの口調の気持ち悪さに加えて反省の色が全くない様子に尚更うんざりします。しばらく大人しくしていれば受け入れられるとでも思っているのでしょうか?批判されている原因であるその言動を根本から改めない限り、どんなに間隔あけたとしても同じ結果にしかならないのですが。 -- 2023-10-24 (火) 22:43:37
  • 追補篇見ると西方語名の「カリマク」って意味のない名前らしいが、由来には一族のメリマックとかロリマックとも何か関係があるんだろうな(というか揃えてカリマックと促音化したほうがいいのか?) -- 2023-10-25 (水) 23:06:52
お名前:

人種差別をあおるもの、公序良俗に反するもの、項目とは関係ないコメント、他コメント者への個人攻撃及び価値観の押しつけや、相手を言い負かすことが目的の非建設的な議論、現実世界の政治および近代・現代史、特定国家、団体、民族などに結びつけ批判、揶揄するようなコメントなどは削除の対象となります。その他コメントについて。

添付ファイル: file0761.jpg 1130件 [詳細] file0702.jpg 954件 [詳細] fileScreenShot00651.jpg 2221件 [詳細]
Last-modified: