半 エルフ†
概要†
解説†
シンダリンペレジルの訳語。エルフと人間の間に生まれ、そのいずれの種族に属するかの選択をヴァラールより与えられた者達。エアレンディル、エルウィング、エルロンド、エルロスの親子4人を指す。エルロンドの子供達であるエルラダン、エルロヒル、アルウェンもこれに準じるものとして扱われることがある。
かれらは、エルフのエルダール三氏族(ヴァンヤール、ノルドール、テレリ)の王家および人間のエダイン三家(ベオル家、ハレス家、ハドル家)の血を全て引いており、さらにメリアンを通じてマイアールの血をも受け継いでいた。
第二紀以降は、エルロンドとエルロスの中にのみ、第一紀におけるエダインの英雄的な首長たちの血脈が保たれていた。ギル=ガラドの没後は上のエルフの王たちの血筋も、中つ国ではただこの2人の子孫たちによってのみ継承された。
第三紀の中つ国が舞台の『ホビットの冒険』『指輪物語』では、もっぱらエルロンドの別称として使われている。
歴史†
エアレンディルとエルウィングはシルマリルの光に助けられてヴァリノール隠しを突破し、アマンに到達して自由の民の窮状をヴァラールに訴えかけた。
アマンの地に足をつけることは、定命の者には許されていないことであった。そのためマンドスは二人の罪を糾弾しようとしたが、ウルモは二人を弁護し、エルフと人間の血を等しく引くかれらは定命の者とは言い切れないと指摘する。そこでマンウェは、二人が中つ国の民のために危険を承知でアマンに上陸したことを重視して、かれらにエルフと人間いずれの種族に属する者として裁かれたいか選択を与えることにした。いずれの種族に属するかという選択は、中つ国に留まっていた二人の息子エルロンドとエルロスにも与えられた。
エルフの運命を選べば世界の終末まで世界の圏内に留まり続けることになり、人間の運命を選べばやがて世界の圏外へ旅立つことになる。このため、運命の選択は一方の種族の許に永遠に迎え入れられることを意味すると同時に、もう一方の種族の許には永遠に戻れなくなることを意味していた。
エルウィングはエルフの運命を選び、選択を妻に委ねたエアレンディルもエルフの運命となった。このため二人はアマンに足を踏み入れたまま、同胞の留まる中つ国の地には二度と戻らなかった。
かれらの息子であるエルロンドもエルフの運命を選ぶ。エルロンドは第二紀以後も中つ国に残留したエルダールの間で暮らし、かれらと運命を共にした。
だが、もう一人の息子であるエルロスは人間の運命を選んだ。エルロスは怒りの戦いを生き残ったエダインを率い、エアレンディルの星に導かれてヴァラールからの賜物の地であるヌーメノールに到着し、ヌーメノール人(ドゥーネダイン)の最初の王となった(エルロス・タル=ミンヤトゥル)。エルロスは500歳まで生き、人間として死んだ。エルロスの子孫も皆人間であった。
エルロンドの子供たちには、また違った運命と選択が与えられていた。かれらはエルロンドが中つ国に留まっている限りは、エルフの運命に準じていた。そしてエルロンドがアマンへ去る時に同行すれば、そのままエルフとしてアマンで生き続けることになる。しかし父に同行せず中つ国に留まり続けることを選べば、人間の運命に組み込まれることになっていた。
かくして、エルフとアイヌルの血はドゥーネダイン王朝の中に脈々と受け継がれ、その遠い末裔であるアラゴルン二世と、エルロンドの娘アルウェンの結婚によって、後の世の人間達の内にも伝えられていくこととなった。
その他の混血例†
ベレンとルーシエンの息子ディオルは、シンゴルの跡継ぎとなったためもあり、半エルフとは呼ばれていない。イムラゾールとミスレルラスのように、他にも人間とエルフの血が交わった例はあるが、彼らの子孫も半エルフとは呼ばれていない。
かれらの運命がどのように定められていたのかは不明。
コメント†
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