フィナルフィン

概要

カテゴリー人名
スペルFinarfin
種族エルフノルドール
性別
生没年二つの木の時代(1230)~
フィンウェ(父)、インディス(母)
兄弟フェアノール(異母兄)、フィンディス(姉)、フィンゴルフィン(兄)、イーリメ(姉)
配偶者エアルウェン
フィンロドオロドレスアングロドアエグノール(息子)、ガラドリエル(娘)

解説

ノルドール族の上級王フィンウェの三男でフィンゴルフィンの弟。フェアノールの異母弟であり、母はインディス。美しく、賢明な心の持ち主で、心身共にヴァンヤール族である母親の一族に似ていた。

フィナルフィンは兄たちの不和からできる限り遠ざかって、しばしばアルクウァロンデテレリ族の中に平安を求めて赴いていた。そこでオルウェの息子たちの友となり、オルウェの娘エアルウェンを妻としてフィンロドオロドレスアングロドアエグノールガラドリエルの父となる。彼と彼の子らはインディスからヴァンヤール族の金髪を受け継いだ。

モルゴスが父フィンウェを殺害し、シルマリルを奪って中つ国へ逃亡すると、異母兄のフェアノールティリオンノルドール族を扇動し、中つ国への帰還を果たそうとした。この時、フィナルフィンは息子のオロドレスと共に静かな口調で場を鎮め、ノルドール族の説得を試みたが失敗し、彼と兄のフィンゴルフィンはフェアノールらと共に中つ国へ進軍することになった。
フィナルフィンは一行の中では誰よりもこの遠征に乗り気でなく、舅のオルウェの民(ファルマリ)が被害者となった同族殺害を目にして悲しみと苦い感情に満たされ、マンドスの宣告が下されるとついに進軍を止め、ヴァリノールに引き返した。彼の民の多くも悲しみと共に引き返し、彼らはヴァラールから赦しを得ることが出来た。以後フィナルフィンはアマンに残ったノルドール族を統治した。
だが彼の五人の子はフィンゴルフィンの子らを見捨てることができず、彼らと共にヘルカラクセの海峡を渡って中つ国に帰還した。

フィナルフィンは怒りの戦いの際にはアマンに残っていたノルドール族を率いてヴァラールの軍勢に参加し、中つ国でモルゴスの軍勢と戦った。

フィナルフィン王家 (House of Finarfin)

フィナルフィン自身はアマンに留まったが、彼の息子たちの一族は中つ国においてフィナルフィン王家と呼ばれた。
彼らは母エアルウェンを通じてドリアスの王シンゴルの親族であったために、ノルドール族の中では例外的にドリアスへの立ち入りを許され、ノルドール族とシンダール族の仲介役を務めた。
だが三男アングロドと四男アエグノールダゴール・ブラゴッラハの合戦で戦死し、長男フィンロドベレンシルマリル探索の旅に同行した際に彼を守って巨狼と相討ちになった。次男オロドレストゥムハラドの合戦で戦死し、その娘でフィナルフィンの孫にあたるフィンドゥイラスナルゴスロンド陥落時に捕虜となって連行される途中、テイグリンの渡り瀬で殺害された。
末娘のガラドリエルだけが宝玉戦争を生き延び、彼女の娘ケレブリーアンエルロンドと結婚してアルウェンの母となったため、フィナルフィンの血統はドゥーネダインの王統にまで伝えられることとなった。

多数の名の意味

以下の名前及びその説明は『The Peoples of Middle-earth』の「The Shibboleth of Fëanor」による。

Arafinwë(アラフィンウェ)
フィンウェが与えた父名。初めは父と同じ「フィンウェ」だったが、フィンウェによってnoble(高貴)の意味の"ara"の語が加えられた。
Ingoldo(インゴルド)
インディスが与えた母名クウェンヤで"the Ñoldo"(コ゚ルド)の意味。ノルドールの単数形を格調高くしたもの。長男フィンロドの母名でもある。
フィナルフィン(Finarfin)
長男のフィンロドがフィンゴルフィンの死後に作ったシンダリンでの名。すなわちフィンゴルフィンの名の由来を真似て、"Finwë Arafinwë"(フィンウェ・アラフィンウェ)をシンダリン風にしたもの。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 伯父(イングウェ)と岳父(オルウェ)の間で統治するフィナルフィン・・・。 -- ホビット 2008-12-28 (日) 21:40:17
    • 大変ですね・・・・。 -- 2021-10-02 (土) 23:02:24
  • 自身は中つ国へ戻らなかったのに、その血筋はアルウェンを通じてエルフが中つ国を去った後も人間たちの中にまで伝わっていくことになるんですね… -- 2011-03-06 (日) 23:41:57
  • 子供達を心配しつつ兄や甥達の尻拭いにヴァラールや岳父の処を謝罪して回る日々・・・義姉ネアダネル同様、神経の細い人なら心労でマンドスの館に逃げ込んでしまいそうな道ですね・・・。案外ガラドリエルが中つ国に長らく留まっていたのはストレスの塊になった雷親父が怖かったから・・・かも? -- 2014-12-25 (木) 23:14:03
    • 奥方は結局アマン本土には戻りませんでしたね。中つ国帰還の目的は自分の国の建国と有る意味フェアノールより利己的な理由でしたし、流石のガラリズムの奥方でも合わせる顔無いのかも -- 2015-11-06 (金) 21:45:44
      • でも、最終的には奥方はアマンへと帰りましたよ。一つの指輪を拒否したために、ヴァラールからの許しをもらい、中つ国における運命を感じて、そうしたのかもしれませんよ。 -- 2021-09-29 (水) 20:18:27
      • ↑上のコメント、言い間違いでした。すみません。トル・エレッセアに留まったみたいです。
        これからそこでどう過ごしたか。気になります。 -- 2021-09-29 (水) 22:51:44
  • フィンゴルフィン -- 2015-07-23 (木) 19:43:37
  • エルフの復活は同じ両親からもう一度生まれてくるらしいが、そうするとフィンロドはアマンで復活しているらしいからエアルウェンが産み直した事になるのか。 -- 2015-11-07 (土) 19:03:01
    • え?そういう設定だったの?記憶引き継いで転生的なやつかと -- 2020-06-19 (金) 13:14:48
  • 情が薄そうという意見もあるようだけども、フェアノールの行いについていけなかったノルドールの民たちをアマンに連れ帰って統治し、怒りの戦いでは彼らを率いてモルゴスの軍勢と戦ったと考えると、アマンに住まうノルドールの民たち、アマンに帰ってくるノルドールの民たちを救った存在であることは間違いない。ファリマリを親族に持つ彼にとってはアマンに引き返すのもアルダに渡るのも地獄だったろうな。子どもたちは兄の子らを追ってアルダに渡ってしまったのだからなおのこと。 -- 2022-03-21 (月) 15:44:33
    • 一般人及び一般兵の立場からしたらむしろフィナルフィンを歓迎したい所ですな。彼はアマンで謝罪と土下座で忙しかっただろう。 -- 2022-03-21 (月) 17:42:08
お名前:

人種差別をあおるもの、公序良俗に反するもの、項目とは関係ないコメント、他コメント者への個人攻撃及び価値観の押しつけや、相手を言い負かすことが目的の非建設的な議論、現実世界の政治および近代・現代史、特定国家、団体、民族などに結びつけ批判、揶揄するようなコメントなどは削除の対象となります。その他コメントについて。
Last-modified: