- ゴンドールの王オンドヘアの息子ファラミア(Faramir)については、ファラミア(オンドヘアの息子)を参照してください。
- ペレグリン・トゥックの息子ファラミア(Faramir)については、ファラミア・トゥックを参照してください。
ファラミア †
概要 †
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Faramir |
その他の呼び名 | ゴンドールの大将(Captain of Gondor) 白の塔の大将(Captain of the White Tower) イシリアンの大公(Prince of Ithilien) エミン・アルネンの領主(Lord of Emyn Arnen) |
種族 | 人間(ドゥーネダイン) |
性別 | 男 |
生没年 | 第三紀2983年~第四紀82年(享年120) |
親 | デネソール二世(父)、フィンドゥィラス(母) |
兄弟 | ボロミア(兄) |
配偶者 | エオウィン |
子 | エルボロン(息子) |
解説 †
物腰穏やかで伝承の学と詩歌を愛する聡明な人物。だが決して臆病ということはなく、戦いにおいて必要とあらば勇敢さを示した。控え目な性格のため、周囲の評価ではボロミアに比べて見劣りする面もあったが、国民からの信頼は厚く、ファラミア自身も決して兄を妬むことはなく、兄弟の間には強い信頼と愛情があった。しかし父のデネソールからは冷淡かつ過酷に接せられることが多く、内心ファラミアは父の愛情を求めていた。
西方の血が強く発現していたらしく、常人よりはるかに明敏な感覚を持ち、人の心を読み取ることができた。
そのかれをじっと見つめていたピピンはかれがその兄のボロミアにいかによく
似通 っているかに気づきました … しかしファラミアに対しては突然かれの心はかつて覚えのない感動で奇体 に動かされました。ここにいるのは、アラゴルンが時として垣間 見せる神秀高潔な風格を具 えた人でした。もっともアラゴルンほど高貴な血統 ではなく、かといってアラゴルンほどのうかがい知れない大きさや近づきがたさを感じさせませんが、後代 に生まれた人間の王たちの一員でありながら、長上族、エルフたちの智恵と悲しみをものぞかせるという人柄でした。ベレゴンドが敬愛の念をこめてかれの名を口にした理由がかれには今わかりました。かれはたとえ黒い翼の影の下であろうと、人々がその後について行こうとする大将の器 でした。ピピン自身だってその後について行くでしょう。*1
夢のお告げ †
指輪戦争が起こると、ファラミアは謎のお告げが出てくる夢を繰り返し見るようになる。一度はボロミアも同じ夢を見たが、兄弟にはこの夢の言葉の意味がわからず、ただデネソールがお告げの中にある「イムラドリス」とは賢者エルロンドが住む北方の隠れ里の古称であることを教えてくれただけだった。
ファラミアは謎の答えを求めてイムラドリスを捜す旅に出ようとしたが、ボロミアがその危険な旅を買って出て、代わりに旅出った。
そのままボロミアはイムラドリス(裂け谷)で指輪の仲間の一員となったが、ゴンドールへの帰還は果たせず、パルス・ガレンで命を落とした。この時、ファラミアは彼の吹き鳴らした角笛の音を聞いたように思ったという。さらにその3日後の2月29日の夜半、アンドゥインの岸辺でボロミアの亡骸を載せた小船が大海へ運び去られていくのに対面し、彼の死を悟る。
ゴンドールの大将 †
ボロミアが戻らなかったため、ファラミアはオスギリアスおよびカイア・アンドロスを拠点にアンドゥインの防衛を続けていた。
3019年、ファラミアはモルドールの召集に応えて北上してくるハラドリムの部隊を要撃するため、イシリアンに派遣される。そこでモルドールへ潜入する道を捜していたフロド・バギンズとサムワイズ・ギャムジーに遭遇した。
ファラミアは彼らをヘンネス・アンヌーンまで連行して取り調べたが、始終丁重に扱うなど高潔な人柄を示した。わけても一つの指輪の存在を知り、それをボロミアが欲したことに気付きながらも、一つの指輪の危険性を正しく認識してそれを目にすることも触れることも望まなかったことで、二人の信頼を勝ち得る。フロドの指輪滅却の任務を知ったファラミアは彼に協力し、死罪になるはずだったゴクリの命を助け、ミナス・ティリスへ連行する決まりになっていた三人を釈放すると、援助と祝福を与えて送り出した。
その後モルドールから暗闇が流出しはじめたことで開戦を悟ったファラミアは、父に事態を報告するために危険を冒してナズグールの影の下を通り、ミナス・ティリスに戻った。
だがデネソールはファラミアが独断でフロド達を釈放し、みすみす一つの指輪を敵地へ送り込んだことに激怒。帰還の翌日、デネソールが諸卿にオスギリアスの防衛を求めると、ファラミアは亡きボロミアの代わりとして、この過酷な要求を引き受ける。そのため休む間もなくオスギリアスへ出陣することになった。
しかし奮戦も敵わず、モルドールの大軍はオスギリアスを奪取してアンドゥインの渡河を開始。加えて飛来したナズグールのもたらす恐怖のために部隊は潰走し、ファラミア自身もハラドリムの矢を受けて高熱と昏睡状態となり、都に運び込まれる事態となる。
瀕死のファラミアを見てようやく息子への愛を自覚したデネソールだが、悲嘆と絶望のあまり狂気に陥るに至り、ファラミアともども焼身自殺を図った。デネソールは自殺を遂げたが、ファラミアはベレゴンドとペレグリン・トゥック、そしてガンダルフによって救出された。父の死によりファラミアは執政の職を受け継ぐ立場になったが、依然として意識は戻らないままであった。
最後の統治権を持つ執政 †
ファラミアは長くナズグールの影の下にいたために黒の息に冒されており、意識が戻らないのはその影響によるものであった。
療病院に運ばれたファラミアは、そこでアラゴルン二世のアセラスを用いた治療を受け、意識を呼び戻される。その時アラゴルンを認めたファラミアは、彼を王と認め、忠誠を誓った。
そのまま療病院に留まっていたファラミアは、そこで同じく黒の息から救われたエオウィンに出会い、彼女に惹かれるようになる。ファラミアは生きる望みを失っていたエオウィンに希望を与え、二人は愛し合うようになった。そうして二人は共にサウロンの没落を迎える。
統治権を持つ執政としてファラミアが行った最後にして唯一の職務は、王の帰還を受け入れることであった。
ミナス・ティリスの大門の前で執り行われたエレスサール王の戴冠式を司ったファラミアは、エレスサール王によって改めて執政に任じられた。
イシリアンの大公 †
エレスサール王は、執政ファラミアをイシリアンを治めるイシリアンの大公に封じ、執政家の父祖の地であるエミン・アルネンに住まうようにした。
ファラミアはエオウィンと結婚し、息子のエルボロンを儲けたという。孫の名はバラヒア。
略歴 †
- 2983年 生誕。
- 2988年 5歳。母フィンドゥィラス逝去。
- 3000年 17歳。モルドールの影伸びる。
- 3017年 34歳。ガンダルフ、ミナス・ティリスを訪れる。彼に師事する。
- 3018年 35歳。大いなる年。6月、オスギリアス攻撃される。夢のお告げを受ける。7月、ボロミアが裂け谷を求めて旅立つ。
- 3019年 36歳。大いなる年。2月、ボロミアの葬送の舟を見送る。3月、イシリアンに派遣され、フロド達に出会う。負傷し、黒の息に冒されるがアラゴルンに癒やされる。エオウィンを見初める。サウロンの没落。5月、王の帰還。
- 第四紀82年 120歳。没する。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定 †
俳優 | デヴィッド・ウェンハム |
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日本語吹き替え | 宮本充 |
『二つの塔』にてフロド・バギンズの持つ一つの指輪のことに気がついたファラミアは、フロドとサムワイズ・ギャムジー、ゴラムをミナス・ティリスに連れて行くため、オスギリアスまで連行する。だが、ナズグールを前にしたフロドの行動を見て一つの指輪の魔力とその危険さを思い知り、フロド達を解放する。
『王の帰還』原作では、オスギリアスからの撤退戦で負傷している。一方映画ではデネソールの命で、オスギリアス奪回のため無謀な突撃を行って負傷、部隊の中で唯一生き残り、自分の馬に引きずられながらかろうじてミナス・ティリスに戻ってくるという形にアレンジされている。
『エクステンデッド・エディション』の追加シーンでは、ミナス・ティリスにおいてピピンに与えられた城塞の衛兵の鎧は、ファラミアが子供のころ使っていた物だったと自ら語る。
エオウィンとの恋愛の話はカットされたが、『エクステンデッド・エディション』には療病院でわずかに見詰め合う二人と城壁の上で会話するシーンが追加されている。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
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