バラヒアの指輪(ゆびわ)

概要

カテゴリー物・品の名前
スペルRing of Barahir
その他の呼び名フェラグンドの指輪 (Ring of Felagund)

解説

上古の時代にエルフの王フィンロド・フェラグンドが、エダインの英雄バラヒアに贈った指輪。上古が過ぎ去った後もこの指輪はドゥーネダイン王家に受け継がれ、北方王国に伝わる宝器の一つとなった。
力の指輪の類ではなく何の魔力もないが、遙かに古い歴史を持ち、上古から続くエルフ人間の絆を示している。

この指輪は、エメラルドの目を持つ双生の蛇を(かたど)り、二つの頭部が金の花冠の下で出会い、一つがそれを持上げ、もう一つが(むさぼ)り喰うていた。*1

「これはその古さだけでも、そなたには値踏みもできぬ値打ちのある品物である。これにはいかなる力もない。あるのはただわが王家を愛している者たちがこれに対して抱いている敬意だけである。」*2

第一紀のバラヒアの指輪

この指輪は元来、ナルゴスロンドの王フィンロド・フェラグンドの指輪であった。

ダゴール・ブラゴルラハの戦いにおいてフィンロドがモルゴスの軍勢に包囲された時、ベオル家バラヒアは血路を開いてフィンロドを救出した。この恩に報いるため、フィンロドはバラヒア及びその一族がいかなることであれ難渋することがあればこれを助けるとの誓いを立て、友情と援助の証として指輪をバラヒアに与えた。

その後バラヒアサウロンの配下のオークに襲撃されて殺され、指輪をつけたその片手はオークの隊長に手柄の印として持ち去られようとした。これをバラヒアの息子ベレンが追跡し、隊長を殺して指輪と片手を奪回した。
やがてシルマリルを求める難題を課されたベレンは、この指輪を身の証としてフィンロドの許を訪れた。フィンロドはかつて立てた誓いを違えることなくベレンを助け、トル=イン=ガウアホスの地下牢でベレンの身代わりになって命を落とした。

第二紀のバラヒアの指輪

バラヒアの指輪はそのまま後世に伝えられ(恐らくベレンの息子ディオル、その娘エルウィング、その息子エルロスと伝えられていったのであろう)、ヌーメノール王家が所有する宝器の一つとなる。やがてタル=エレンディルは指輪を娘のシルマリエンに与え、以後はアンドゥーニエ領主の宝として受け継がれた。

アンドゥーニエ領主の末裔であるエレンディル忠実なる者を率いてヌーメノールの没落を逃れ、中つ国亡国の民の王国を創建する。彼の手によってバラヒアの指輪も没落から救われた。そして指輪は北方王国アルノールに伝わる宝器の一つとなった。

第三紀のバラヒアの指輪

北方王国最後の王アルヴェドゥイアングマールに逐われて落ち延びた先で雪人ロスソス族の援助を受ける。船が王を助けに来た時、アルヴェドゥイはロスソスの族長に謝礼としてバラヒアの指輪を渡し、これはそなたの助けにはならぬだろう。しかしもしそなたが窮迫するようなことがあれば、わが縁者がそなたの望む限りのものを支払ってこれを買い戻すだろうと約束した。
アルヴェドゥイの乗った船は氷雪のためフォロヘルの海に沈んだが、指輪はロスソスに預けられたことで沈没を免れ、後に王の言葉どおり北方のドゥーネダイン野伏)によって買い戻された。そして他の北方王国の宝器(ナルシルの破片、アンヌーミナスの王笏エレンディルミア)と共に裂け谷エルロンドの手に預けられた。

アラゴルン二世が成人した時、エルロンドは指輪をアラゴルンに与えた。そしてアラゴルンとアルウェンケリン・アムロスで婚約の誓いを交わしたとき、アラゴルンからアルウェンに与えられた。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

アルウェンには与えられておらず、冒頭より終始アラゴルンが身に付けている。
グリマが、アラゴルンが身につけていたこの指輪に気がついたため、サルマンがアラゴルンの正体を知る。

画像

『ロード・オブ・ザ・リング』における、バラヒアの指輪を身につけたアラゴルン 『ロード・オブ・ザ・リング』における、サルマンが見るバラヒアの指輪についての文献

グッズ

コメント

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 数々の力ある宝物が失われていく中、ベレンの大冒険もヌーメノールの崩壊も経験してなおかつ存続し続けた「ただの指輪」。人間の歴史をほぼ全て見続けていた存在。 -- A3
  • それ自身に力はなくとも、人とエルフの間の心のつながりを象徴する最強グッズ。 -- とと屋
  • それにしても、代々の所有者の指のサイズはみんな同じだったのだろうか?自分がまだあまりはめたことが無いのでわかりませんが、関節が太い人なんかははめずらそう。(その場合はフロドみたいに首から鎖でさげればいいんでしょうけど) -- カイト
    • 指が細いうちにはめれば大丈夫です。代々伝わる指輪だし、死んだとき以外に持ち主の指から外されることはないでしょうから。 -- せんり
    • エルフの指輪なので正当な所持者の指にはフィットします(キリッ -- 2013-08-11 (日) 00:58:18
      • エルフが作ると必ず魔力が宿ってしまうので、ナルゴスロンドのドワーフが作った可能性が高い -- 2020-12-06 (日) 11:31:32
  • この指輪グッズとして売ってたんですか?!どこで買えますか?? -- みるく
    • 限定で売ってたりしたので今だと入手はちょっと難しいかも。Yahoo! Auctionsなどで時々流れていますが。
      • (株)アイケイ(http://www.aikei.com/)で取り扱ってるみたいです。海外レプリカ物はやめた方がいいです。現物を見たけれど子供の粘土細工みたいな出来でした。 -- せんり
  • メネグロスでシンゴルに軽侮され、誇り高く指輪を掲げて啖呵を切ったベレンかっこよすぎ
  • ロスソスは長きにわたっていったいどこに指輪を保管してたのかなー? -- ホビット 2008-08-15 (金) 15:53:39
  • いつ頃買い戻されたのか、気になって気になって... -- 2008-11-15 (土) 04:12:06
    • 多分、アルウェドゥイの死後速やかに買い戻されたものと思われます。北方ドゥネダインの勢力は年を経るごとに弱体化していきますので、後年では調査力も資金力も無かったでしょう。 -- 「ど」の字 2009-06-14 (日) 00:39:41
      • エルロンド卿におねだりしたか、エルロンド卿が気を回して買い戻してくれたんだとずっと決めつけてたわ。 -- 2019-03-19 (火) 10:19:11
    • その時は高くぼったくっていたりして -- 2018-05-04 (金) 09:14:12
      • ワロタ -- 2018-05-04 (金) 09:33:13
  • 上のコメント見て調べてみたけど、この指輪どこで作られたのか今一つはっきりしない。「シルマリル」だと宝石部分はヴァリノール製、「ベレンとルーシエン」収載の歌の一つではオーク曰くベレリアンド製、同書中の異説と「追補編」「終わらざりし」だとフィンロドの指輪ぐらいしかわからない。ただ各説を総合して「ヴァリノール由来の宝石をドワーフが飾り付けた指輪」とすると歴代冥王のキーアイテムと色んな意味で関連性があったことになりおもしろいと思う -- 2020-12-06 (日) 13:47:52
    • そもそも、「製作経緯や製作年がはっきりしていないような、ただの貴重品」である指輪が、人間とエルフの絆により他の何者にも代えがたい重代の至宝と化していくのが面白い訳ですから、変なバックストーリーや由来はないんじゃないですかね。この指輪の素晴らしさはその装飾品的な価値でも魔力でもなく、フィンロドの誠意と誠が形となって現れている点じゃないでしょうか。(もちろん、そういう関連性があってもいいでしょうけど) -- 2020-12-06 (日) 19:19:54
      • 同感です。個人的な考察は別にしてトールキン自身この指輪の起源は重視していない印象を受けましたし、どんな由来にせよそれと殆ど無関係に絆の証として引き継がれたことがこの指輪の妙だと思います -- 木 2020-12-06 (日) 20:57:34
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