バラド=ドゥール†
概要†
解説†
シンダリンで暗黒の塔の意。暗黒語ではルグブールズと呼ばれる。モルドールにある冥王サウロンの大城砦。
それからかれの目はついに釘づけになりました。城壁に城壁を重ね、胸壁に胸壁を重ねて、黒々と、測りがたいほど堅固な、鉄の山、鋼の門、不壊石の塔、それをかれは見ました。これぞ、バラド=ドゥア、サウロンの砦でした。すべての望みが去りました。*2
構造†
あの巨大な砦、武器庫、牢獄、大工炉をかねるバラド=ドゥア、 … かの暗黒の塔こそは何者の追随も許さず、へつらいを一笑に付し、己が時機を待ちつつ、己れの全盛と測り難いほどのその力に安住しているのでした。*3
ゴルゴロス高原に突き出た灰の山脈(エレド・リスイ)の支脈の先端に建つ、幾重もの城壁と無数の尖塔からなる巨大な城砦。普段はサウロンが巡らす暗闇と霞に包まれているため、その姿を窺い知ることはできない。
足下にはオークが黒坑と呼んで恐れる地下牢群が口を開け、壮大な西門からは西の方向にある滅びの山へ向かうサウロンの道路が伸びる。またモルグル道路やアイゼン口へ向かう道路とも結ばれている。城砦の最も高い塔には「目の窓(Window of the Eye)」と呼ばれる、おそらくサウロンの居所に設けられた物見の窓があった。
歴史†
モルドールを中つ国の拠点に選んだサウロンによって、第二紀1000年頃より築城が開始され、一つの指輪が鍛造された1600年頃に完成する。
最後の同盟の戦いでは、エレンディルとギル=ガラドの軍勢によって、3434年から3441年に至るまで包囲攻撃を受けた。バラド=ドゥールはおびただしい数の火や投げ矢や投石を放って包囲陣を苦しめ、しばしば出撃隊を繰り出して抵抗した。そのため同盟軍はアナーリオンの戦死をはじめ多くの被害を被った。とはいえ7年にわたる包囲にたまりかねたサウロンは3441年ついに自ら姿を現わし、滅びの山の山腹でエレンディルとギル=ガラドと相打ちになって斃された。
しかしバラド=ドゥールの土台は一つの指輪の力によって築かれていたため、同盟軍はこれを完全に破壊することができず、そのまま廃墟となって残された。
第三紀1980年にはナズグールがモルドールで暗躍し、サウロン帰還の準備を始める。やがてドル・グルドゥルから撤退したサウロンが2942年にモルドールに帰還、2951年に公然と名乗りを上げるとバラド=ドゥールの再建を開始した。
大いなる年(3019年)には指輪所持者であるフロド・バギンズとサムワイズ・ギャムジーが、それぞれ旅の途上でこの城砦の姿を垣間見ている。また指輪戦争の決戦となる黒門の戦いでは、この塔の副官であるサウロンの口が西軍の大将たちの前に現われ、サウロンの言葉を伝えた。
一つの指輪が破壊されてサウロンの力が失われると、バラド=ドゥールの土台に込められた力も消滅して、完全に崩壊した。
束の間かれが垣間見たのは渦巻く雲であり、その雲の中に聳え立つ数多の塔と胸壁が、小山のように高く、数限りない坑を見下ろして、堅固な山の台座の上に立っている姿でした。広大な裁きの館と地下牢、絶壁のようにそそり立った窓のない牢獄館、ぱっくり口を開けた鋼と鉄石の門――これらのものすべてが次の瞬間には消滅しました。塔は倒れ、山は崩れ、城壁は微塵に砕けて、みるみるうちに崩壊し消え失せました。*4
画像†
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
#amazon(B00998YOHY) #amazon(B00BN11ZPY)高さは2000フィート(約600メートル)の設定。その頂上には、サウロンの目が燃えさかっている。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
一つの指輪破壊後の、崩壊したバラド=ドゥールの地下部分に侵入することが可能になっている。
コメント†
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