ハラドリム

概要

カテゴリー種族
スペルHaradrim
その他の呼び名ハラド人(the Harad)
ハラド国人(Men of the Harad)
南方人(Southrons)
褐色人(Swarthy Men)*1
スワート人(Swertings)

解説

シンダリンで「南方の民」の意。特定の民族を指す言葉ではないが、ゴンドール及びモルドールから見て南のハラドに住む人間の総称。浅黒い肌の人間を中心とする。
ゴンドールでは南方人褐色人とも呼ばれる。ホビット庄ではスワート人の名でその存在が伝え聞かれていた。

彼らはゴンドールと一時期通商関係があったこともあり、ゴンドールのウンバール領有を認めていたが、同盟関係にあったことはない。やがてサウロンに影響されたハラドリムはウンバールを奪い、ゴンドールと長年戦闘を繰り返すようになる。指輪戦争ではモルドールの同盟軍として、海からはハラドとウンバールの海賊がゴンドール南部の沿岸地域を攻撃し、また陸路からはムーマキルを伴い、イシリエンの戦闘やペレンノール野の合戦黒門の戦いなどに現れた(詳細はハラド及びウンバールの項目も参照)。

第三紀のハラドリム

「話によれば、その昔にはゴンドールと南のさいはての国、ハラドの王国との間には通商関係があったということだ。といっても友好関係は一度もなかったが。その当時はわれらの国境くにざかいアンドゥインの河口を越えて南のかなたにまで伸びていた。そしてかれらの国土の中でも一番わが国境に近いウンバールはわれらの主権を認めていた。しかしそれからもう久しくなる。両国の間に往来があった頃から何代もの年月が経った。そして最近になって知ったのだ。われらの敵がかれらの間に影響力を持ちきたり、かれらはかの者に乗り換えた、いやかの者のもとに帰参したということを――かれらは昔からいつでもかの者の意を甘受しておったからな――東に住む者もまた多くがそうであるように。」*2

事象
933第13代ゴンドールエアルニル一世ウンバールを陥落させ、ゴンドールの拠点とする。
1015ウンバールを追放された諸侯に率いられたハラドリムがウンバールを攻撃し、第14代ゴンドールキルヤンディルが戦死。ウンバール自体はゴンドール海軍により陥落せず。
1050第15代ゴンドールキルヤヘルハルネン川を渡ってハラドを攻撃し屈服させ、ヒャルメンダキル(南の勝者)の名を得る。
ヒャルメンダキル一世の治世でゴンドールの国威は絶頂に達し、南はウンバールの半島と港を含む海岸沿いとハルネン川までの地域を支配する。
ハラドの王たちはゴンドールに忠誠を誓い、息子たちを人質としてゴンドールの宮廷に送ることになる。
1448簒奪者カスタミルの息子たちとその一党が船でペラルギルからウンバールへ去る。以降ウンバールは海賊の本拠地となる。
ウンバールを失ったことでハロンドール海賊との領有権係争地となり、ハラドリムへの支配が弱まる。
1540第23代ゴンドールアルダミルがハラドリムとウンバールの海賊との戦いで討ち死にする。
1551第24代ゴンドールヴィンヤリオンがハラドリムを撃退し、ヒャルメンダキル二世を名乗る。
1634第25代ゴンドールミナルディルペラルギルを荒らしたウンバール海賊によって殺害される。海賊を率いていたのはカスタミルの曾孫のアンガマイテサンガヒャンド
1810第28代ゴンドールテルメヘタールウンバールを奪取してカスタミルの子孫を滅ぼし、海賊を駆逐する。彼はウンバールダキルの称号を名乗る。
1851年に馬車族の侵攻が始まり、その後の混乱の中ウンバールがハラドリムの手に落ちる。
1944ハンド人・近ハラド人が馬車族と同盟を結びゴンドールへ攻め込む。南軍の指揮官エアルニルがハラド軍を南イシリエンで破る。
2758ウンバールとハラドの三つの大艦隊(海賊)がゴンドール沿岸部に来寇し、アイゼン川の川口でも上陸する。(大侵略
第19代執政ベレンの息子ベレゴンドはこの年の長い冬が終わる前にこれを撃退する。
2759ベレゴンドが同時期に攻撃を受けていたローハンに援軍を送る。
2885サウロンの密使に扇動されたハラドリムが、占領していたハロンドールからポロス川を越えてイシリエンを襲撃する。
第14代ローハンフォルクウィネエオルの誓いに基づいて援軍を送り、第23代執政トゥーリン二世ポロスの渡しで勝利するが、ローハン王の息子ファストレドフォルクレドが戦死する。
2980第25代執政エクセリオン二世に仕えていたソロンギルが小艦隊を率いてウンバールを奇襲し、海賊船の大半に火を放ち、港の大将を波止場の合戦で倒す。

指輪戦争でのハラドリム

指輪戦争においてハラド及びウンバール海賊モルドールの同盟軍として参戦した。
ペレンノール野の合戦では、当初ペレンノール野に展開していたハラド軍の数だけでもロヒルリムの三倍はあり、更に遠ハラドから来た「半分トロルのような黒い人間たち」なども増援として投入された。この合戦においてハラドリムの指揮官(黒い蛇)はセーオデンと戦い、討ち取られた。

「黒い顔だよ。あんな人間たち、わしら前に見たことないよ。スメーアゴルないよ。たけだけしいやつらだよ。目は黒く、髪の毛は長くて黒いよ。それから耳には金の輪をつけてる。そうよ、たくさんの美しい金だよ。それからほっぺたに赤いものを塗ったやつもいる。それから赤いマントもだよ。それから旗も赤いし、槍の先もだよ。それから奴らは円い盾を持ってるよ。黄色と黒で大きな鋲がついているよ。いい人たちじゃない。とても残忍で性悪な人間みたいだよ。オークと同じぐらい悪そうだ。それにもっと大きい。スメーアゴルの考えじゃ、やつら大河が終わった先の南から来たと思うね。」*3

ちょっとの間、かれは赤装束の色の浅黒い男たちが少し離れた斜面を駆け降りていくのを望み見ました。(中略)その男は顔を下向けたまま、金の首当てカラーを下に外れたところから緑色の矢羽根が何本も突き出ていました。男の緋色の長衣はずたずたに切り裂かれ、真鍮の薄板を重ねた胴衣は破れ、切り裂かれて、金でゆわえた黒い編髪は血に濡れていました。茶色の手は折れた剣の柄をまだ握りしめていました。*4

事象
3018620ハラドリム、東夷を含むモルドール軍がオスギリアスを攻撃。ゴンドール軍の駐屯部隊が全滅する。
301935ハラドリムの部隊が黒門を通過する。
37イシリエンの街道でファラミル率いるイシリエンの野伏ムーマクを伴ったハラドリムの戦闘が発生する。
311灰色の一行リンヒルに着き、ラメドン領主アングボールと戦っていたウンバールとハラドの敵を遁走させる。
ハラドリムの大部隊がミナス・モルグルを発った部隊と合流し、オスギリアスへ進軍する。
313退却中にファラミルがハラドの矢で負傷する。
灰色の一行ペラルギルウンバール主力艦隊(黒の艦隊)を捕捉し、ハラドリムの敵を死者の軍勢で破る。
314ハラドリムを含むモルドール軍によってミナス・ティリスが包囲される。
315ペレンノール野の合戦ペレンノール野に展開していたモルドール軍が壊滅し、戦場には多くのムーマキルの死骸が残される。
325黒門の戦いサウロンの消滅によりモルドール軍が崩壊。
ハラドリムと東夷の一部は最後の抵抗を示すが大部分の者は東へ逃げるか投降する。
4ハラドリムと東夷の残党による西軍への抵抗が続く。
51エレッサール王が即位。その後王はハラドの国民と和を結ぶ。

画像

John_Howe_-_Southrons.jpg

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

イシリエンでの戦闘や、ペレンノール野の合戦にその姿が見られる。ムーマキルとの戦いがアクションシーンとして演出される一方、騎兵は登場しない。エクステンデッド・エディションではイシリエンの戦闘で死んだハラドリムを見てファラミルが感慨にふける*5シーンと、ペレンノール野の合戦でメリーがオークやハラドリムの歩兵と戦うシーンが追加されている。

グッズ

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ゲームズ・ワークショップによる設定

ムーマキルに乗った軍団にマフードという氏族名がつけられている。また、映画に登場しなかった騎兵部隊もユニットとしてフィギュア化されており、中には馬ではなく駱駝に騎乗している部隊もある。彼らを率いていた指揮官(原作でセーオデンから黒い蛇と呼ばれている)にはスラダーンという個人名と「蛇の王」の称号が与えられている他、近ハラドの軍勢は黄金王と呼ばれる王に率いられている。

映画『ホビット』における設定

エスガロスの住民や谷間の国の商人にハラド出身と思われる黒人系の人物が多数混ざっているのが確認できる。

ドル・グルドゥル白の会議と戦ったナズグールの一人はハラドリムの王だったという設定でデザインされている。

Iron Crown Enterprisesによる設定

特徴

外見
近ハラドの民は比較的小柄で、明るい肌をしているが、遠ハラドの民の肌は黒く、背も高い。この傾向は南に行くほど顕著になっている。
文明・文化
ハラドワイスではエルフとの交流が希薄なため、文化的な発展の多くはヌーメノールとの交易によるところが大きい。ムーマカン人のように野蛮で好戦的な氏族がいる一方で、平和的で高度に組織化された文明社会を持つ氏族もいる。国や部族ごとに規模も形態も異なる多くの宗教が存在しているが、信仰の対象となっている神々の中には、西方でヴァラールマイアールとして知られる存在も含まれている。彼らはいずれもクウェンヤとは異なる独自の名前で呼ばれており、例えばマンウェはナディ=マンジェ(Nadi-Manje)、ウルモはマリキアム(Malikiam)、ヤヴァンナはリリス(Lilis)などという。また、このような宗教上の重要な知識の多くが、タラト・バラザイン(Tarat Balazain)とカト・ポロザジュ(Kat Polozaj)という二冊の経典に記録されていた。
偏見
他の種族に対する態度や関心の度合いが氏族ごとに大きく異なっている。ハラドにはクインド(Cuind)やキン=ライといったアヴァリの氏族も暮らしていたが、人間とエルフが親しい間柄になることはなかったようである。また同じように、エレド・ララノールやエレド・ハムラルには黒巻毛族鉄拳族ドワーフたちも住んでいたが、彼らとも交易以外の形ではそれほど頻繁に交流することはなかった。反対に、最南端の地のキラン人などはエルフの友人となり、積極的に交流を持っている。
言語
ハラドリムのうち、比較的北方(近ハラド)に住むものはハラダイク語(Haradaic)、南方(遠ハラド)に住むものはアピュサイク語(Apysaic)という言語を主に使用する。

歴史

ヌーメノールの航海者たちが、始めてハラドの沿岸を訪れたとき、そこには黒い肌をした特異な風習を持つ人々が住んでいた。以来、ドゥーネダインはそうした人々を「南の人」を意味するカライ(Kharai)や「沿岸の人」を意味するサカ=ライ(Sakal-Lai)などと呼び、学者や知識人たちは彼らがどこから来た何者なのかについて考察した。その大方の見解は、彼らは第一紀の頃、影の支配下にあった東方に住んでいた人間アヴァリム(Avarim)の子孫で、その中でも悪しき力への信奉を拒み、第二紀の頃までに、定住に適さない南方まで逃れてきた者たちだろうというものであった。この見方がどこまで正確かは定かではないが、これらの民は人括りにアヴァリ語でハルネリム(Harnerim)またはナルネリム(Narnerim)と呼ばれた。時代が進むと、ヌーメノール人は次第に中つ国に定住するようになり、北のウンバールから、ベルラカール(Bellakar)、キルヤタンドール(Ciryatandor)、タニ・ハザド(Tani-Hazad)、南端のタントゥーラク(Tanturak)に至るまで、海岸沿いに数多くの植民地が築かれていった。それにより、長年原始的な石器文化の中で暮らしていたハラドの民の多くが、そうした植民地と交易品の取引を行うようになった。

第二紀の中頃から、自らの力へ驕りを覚えたヌーメノール人が、中つ国の民への圧制者へと変わり、植民地に対する支配体制が苛烈なものになるにつれて、多くの南方人がモルドールで台頭してきた冥王や悪に染まった人間たちの建てた国々の影響下に置かれることになる。これらの領域にはヌーメノール本国と、王に対して反旗を翻した植民地も含まれていた。サウロンから力の指輪を受け取り、下僕であるナズグールとなった3人のヌーメノール人の公子、エル・ムーラゾールアドゥナフェルアコーラヒルは元々、それらの領地の君主であった。また、4人目のナズグールは南方人で、インドゥアという名前のキラン人の貴族だった。また5人目のナズグールであるレンも、東夷とハラドリムの混血であるチャイルーザ人(Chailuzan)の魔術師だった。力を増したドゥーネダインの植民地は、次第にヌーメノール本国へ反発するようになり、最終的には多くの領域が宗主国から独立して黒きヌーメノーレアンの支配する領域となった。対して、カライの諸部族はハラドの内陸部の砂漠に領地を確立した。サウロンが弱体化すると、ハラドリムは短期間ではあったものの、自由を取り戻した。一方で、古い闇の国々の一部は冥王去りし後も、いくつかの地域が残り行き長らえていたという。

氏族

太陽の第一紀ヒルドーリエンを出て、パリソールを経由して南方に進出した民ナルネリム(Narnerim)を祖とする。そのうち北の方に住んだカライはゴンドールの先住民や褐色国人ダンレンデイングの祖先であるダエンという民の一部と合流し、ハルザニ(Harzani)という近ハラドの住民となった。より南方のハラドワイスの民はアピュサン(Apysan)といい、ハルザニよりも肌が黒く、背も高かった。黄の山脈を挟んだ南側の地は中つ国の最南端地域(Utter South)で、ゴンドール人やアヴァリからはモルネダイン(Mornedain)やモラタニ(Moratani)などと呼ばれる氏族が住んでおり、彼らもやはり背が高く黒い肌をしていた。モルネダインは地域ごとにキラニ(Kirani)やトゥクタニ(Tukutani)という氏族に分かれており、西の半島に住む者たちはアピュサンの一部と交わり、アデナ(Adena)、ドレル(Drel)といったさらに細分化された部族に分かれていた。チュイの国々(Chyan Lands)に代表されるハラドの東部は山脈を挟んでリューンの平原と隣接しており、チャイルーザ人(Chailuzan)をはじめとする住民は、アピュサンと東夷の一派タラセリム(Taratherim)の混血であった。

FarjimtとHarzani
第二紀の初めに近ハラドとその周辺に住むようになったグループ。沿岸に住んでいた西方系の人間ダエンの族に属する民、サカ=ライとの混血が進んだため、遠ハラドへ向かったナルネリムの従兄弟たちと比べると、比較的明るい肌をしている。定住した後は、黄金の人々(Golden people)を意味するハルザニという氏族となった。ハルザニは大河ハルネンの流域に沿って多くの国を建て、しばしばゴンドールの王たちと争う姿勢を見せた。国境ではハロンドールの領有権をめぐる扮装が頻発し、第三紀に入っても、ウンバール人の海賊行為がゴンドールを悩ませた。
ハルザニ系ハラドリムの分類
Narnerim
Farjim
Haruzani
EragukEastern HaruzeArysisChellkarHarzanKajahLurnas AkunPazarsanUrewanUmbarean
HarwanJelt
Apysan
ハラドワイスに住む、背が高く黒い肌をした人間。南方人の中では比較的ハドル家に近い血筋の者たちで、数多くの部族が広大な砂漠地帯に点在している。
アピュサン系ハラドリムの分類
Narnerim
Apysan
People of Far HaradChailuzan
BellakaraniMen of Bozisha-MirazSandmenChyanSiranian
BellakzeMardruakAkuagAytenQarsagBausairinMuranians
Moredain
黄の山脈を越えて、ハラドの最南端地域であるアルドル(Ardor)に入った人々。経済の基盤となる肥沃な土地に住んだため、古くから活発な農耕や商業を営み、各地に都市を築いて栄えていた。ヌーメノールの築いた植民地が多く築かれていた西部に暮らす部族の多くはドゥーネダインとの交易に従事していた。また、アルドル中部にすんでいたキランの民はアヴァリと親しい間柄にあって、彼らから知識を学んでいた。反対に、東部にあるムーマカンに住む人間たちの間には、早い時期からサウロンの息のかかった者たちがいて、南方における冥王の強力な同盟者となっていた。
モレダイン系ハラドリムの分類
Apysan
Moredain
Sea PeoplesKiraniMen of Tur BetakAkanli
AdenaAnbalkkhorianDrelKhurn NaglaPelSorjanMen of KoronandeTuktaniElornanMumakaniTanturaki
KharadunianEtulianFarijin

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • ビキニアーマーの女戦士とかいたんじゃないかというほのかな期待を寄せてる民。 -- 2023-05-03 (水) 17:40:57
    • 歴史上にもいないんだから、バラドにもいるわけないだろ。
      そもそも日光がガチに厳しい土地ほど、人は肌の露出避けるしな。 -- 2023-05-03 (水) 19:39:52
      • ふざけた話題や俗なネタを相手にしたくないからって史実を持ち出してぶつ切りに終わらせるのかい -- 2023-05-05 (金) 18:00:26
      • むしろタスケンレーダーみたいなローブを着てそうだ。 -- 2023-05-03 (水) 21:09:50
      • 一応、古代エジプトの壁画に書かれたリビア人は日除けのマントの下は褌とか腰蓑スタイルだったからワンチャン -- 2023-10-03 (火) 13:54:11
  • 古代〜中世の欧亜の貿易は、中近東の政情によってルートが変わったりしたいただろうけど途絶えることはなかったのを考えると、人間の欲を過少評価できないな。戦争といっても、絶えず交戦していたわけじゃないだろうし、次の合戦までの停戦状態が長く続くこともあるかと思う。 -- 曇り族 2023-05-04 (木) 01:21:26
    • この世界のイデオロギー対立はものすごく深刻であり、日本も薩摩の郷士も比較にならぬレベルの鎖国体制が予測されるため、ヴァイキングと中東の交易程には簡単にはいかないでないかな?下手にどこかの地方領主が交易なんぞしたらエルフやゴンドールからきついお叱りを受けかねんぞ?? -- 2023-05-04 (木) 09:08:57
      • 二つの塔下巻で、イシリアンの野伏の一人であるダムロドが「昔はゴンドールとハラドには通商関係があった(友好関係は一度もなかったが)」と言っているので、民間ルートでは細々とした通商や交易はあったのかもしれません。
        歴史上でもイスラム勢力とヨーロッパが最も対立していた中世初期から中期にかけても、またはオスマン=トルコ最盛期においても通商関係は続いていたどころか、いわゆる戦略物資(武器、材木、奴隷)が劣勢にあったヨーロッパから輸出されたりしてますから。民間や交易都市を介して、ですが。
        ゴンドールが衰えれば地方への統制を行う国力はありませんし。
        問題はイデオロギーより、そもそも「お互いに交易を行うメリットがあるか否か」に尽きると思います。 -- 2023-05-04 (木) 09:48:52
        • そうすると、ゴンドールとハラドリムの交易は薩摩が琉球を介して行っていたような表向きではない形態となり、地方領主が交易をおこなおうとした場合は厳しい妨害を受けそうですね。(全面取り締まりが可能とはいっていない)ゴンドールの衰えに関しては様々な発言からかなり納得です。お互いのメリットに関してはどのような輸出品が考えれられるででしょうか? -- 2023-05-04 (木) 10:07:25
          • 厳しい妨害、というのは矛盾するかも知れません。
            なぜならば“ゴンドールとハラドに通商関係があった”時代は、安全保障および地政学の視点からも、ゴンドールが強国であった時代(ハラドの王たちから人質を取り、交易拠点となるウンバールを手中に収めていた時代)と推測されるからです。
            その時代のゴンドールであれば地方領主への厳しい妨害は可能でしょう。
            ですがゴンドールが衰え、ウンバールを失陥してからの時代であればそもそも地方領主を縛り付けるだけの余裕がゴンドールには中々ありません。
            国難も続きますしね。
            ちなみに私は、『そもそもゴンドールとハラド間には、特にゴンドールからの輸出品にはそんなに魅力がない』という見解を取って居るので、交易があったとしてもそれは記載したとおり、ごく細々とした一部の奢侈品を扱うものに過ぎないのでは?と考えています。
            僅かな銀や工芸品を輸出し、じゅうの牙や香辛料を輸入するとかが関の山ではないでしょうか。 -- 2023-05-04 (木) 10:25:01
            • ゴンドールの武威が衰え統制力がなくなってるという感じですね。やっぱり交易をやるにはキラーコンテンツが欲しいというのは同意です。奢侈品の需要というのは分かりません。形は違いますがサルマンやガンダルフがタバコを吸ってたりするし案外こういったアイテムの需要はあるのかも。 -- 2023-05-04 (木) 10:35:03
              • 確かにそうですね…少なくとも必需品の交易はなさそうです。 -- 2023-05-04 (木) 12:34:10
          • 長文が続き、大変申し訳ありません。
            何故私がそのような見解をとるかというと、歴史上双方に魅力のある産物を有する土地間の交易というのは、一度発生するとそれ以上に魅力ある交易相手が見つかるまでは、どんなに時の権力者が押さえつけようとしてもそう簡単に途絶えるものではないからです。
            それに対して、“昔はゴンドールとハラドには通商関係があった=今は少なくとも公式にはない”とされる時点で、お互いに魅力的な産物がそんなに無かったか、少なくとも相手を絶対に必要とする交易相手ではなかったのだろうな、と。 -- 2023-05-04 (木) 10:33:03
            • 輸入品として象牙や香辛料を扱うと十分富が得られると思うのだけど。輸出産品ならワイン、穀物、木材、貴金属類かな。貴金属の場合、砂漠でも山岳地帯を擁していれば産出するのでしょうが。まあハラド人ならカンドあたりから輸入するかな。
              直接の取引ができなくなったら、香辛料なんかは、モルドールを迂回してルーン・ロヴァニオン経由で輸入することになるのか。味を覚えちゃうと我慢するのは大変だから。 -- 2023-05-04 (木) 15:21:03
              • 商品の魅力度の格差で一方的にゴンドールの金や銀が流出したり、健康被害をもたらすアイテムを密輸入することになったりして、劣勢な海軍で彼らの港を破壊しに行かないといけなくなったりしなくてよかったですよ。あと制海権を失っていることから自由の民領に彼らが出入りして海岸地帯のデータが流出してもまずい。 -- 2023-05-04 (木) 17:39:34
                • ソロンギルのウンバール焼き討ちにもまさかそういう背景が…?
                  林 則徐も顔負けですね。 -- 2023-05-04 (木) 19:34:39
              • ハラドから香辛料が来るというのも実は仮説のような気がする。それんらゴンドールで磁器が開発されていてもいい気がする。実在のヨーロッパではないからね。 -- 2023-05-04 (木) 23:01:30
                • ゴンドール側の特産品に上方修正が入ったら少しありがたいですね。自分は末期ゴンドールの状況は聞けば聞くほど不安が募っていたもので。香辛料は公式設定なのか気候などからくる予測なのか気になります。 -- 2023-05-05 (金) 11:24:17
  • 上で通商妨害の話が出てたけど、もしそれがあるとしたらイデオロギー対立からゴンドールが辺境の諸侯に横槍を入れるより、モルドールがゴンドールとハラド間の貿易自体をゴンドールの弱体化やハラドとの離間促進のために禁じたり貿易品を独占する方がしっくりするかなー。 -- 2023-05-05 (金) 13:19:41
    • ゴンドールとハラドを含む周辺諸国でイデオロギーに基づいた衝突があるのか疑問に思う。政治思想や宗教的観念から衝突しているのだろうか。黒きヌメノール人とゴンドール人とかなら分かるのだが。どちらかというと拡張政策や領土保護のための介入といったレベルの領土紛争に見える。
      イメージだけど、なんだかんだ言って指輪物語の敵対民族達ってモルドールにそこまで従属的なイメージがないんだよな。あくまで利害が一致しているから祭り上げるっていう。サウロンも分かっているから、周辺部族が一致してゴンドールを責める好機を作っているのではないかと。第四紀以降はしれっと交易復活していそうだ。 -- 2023-05-05 (金) 23:42:03
      • 利害というか結局本音は冥王が怖いだけなんじゃ。エルフも恐れているしゴンドールを憎んでいるとは言うが山一つ隔てた向こう側に魔神が住んでる方が脅威としては現実的。 -- 2023-05-10 (水) 23:21:06
  • 教授は現実世界の何人の外見をイメージしてたのだろう?
    黒人なのか、インド人なのか、地中海とか中東系なのか、気になる。 -- 2023-05-10 (水) 08:31:48
    • 漠然とそれ全部としか言えない。アルプスより南にいる人間全般ぐらいの大雑把さ -- 2023-05-10 (水) 18:09:13
    • ハラドリムってゴンドールより南に住んでいる人間全部をおおざっぱに呼んだ語ですからね
      その中にはアラブ系もいるかもしれないし、地中海系もいるかもしれないし、黒人系もいるかもしれない…みたいなことしか言えない
      「ハラドリムは」と主語を大きくするより、原作のこの場面のこの描写のハラドリムはどういうイメージで捉えられてるのか、という風に個々の箇所ごとに分けて語るのが生産的だと思います -- 2023-05-10 (水) 21:29:18
      • でも白ハラドの方が黒ハラドよりもヒエラルキー高そう。ムスリム社会でも黒人奴隷は白人奴隷より扱いが悪かったと聞くし。 -- 2023-10-02 (月) 15:16:13
  • ランプの魔人の伝承は既に成立してるのか?サウロンかその配下が捕らえたエルフの魂を封印したのがその始まりとか。何のためにそうしたのかは脇に置くとして。 -- 2023-10-02 (月) 12:42:17
    • どうだろう?ジンの伝承を見る限りでは、人間と協調するようになった堕落したマイアか、火以外も操れるバルログの変種に見えるぞ? -- 2023-10-02 (月) 17:25:08
  • ブクブクに肥満した王様とか商人みたいな、モルドール陣営にはいなさそうな強欲で俗っぽい悪党が多くいそうなイメージ。童話で賢い主人公に成敗されるタイプのやつ。 -- 2024-02-27 (火) 15:56:54
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