ノルドール †
概要 †
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Noldor |
その他の呼び名 | ノルドール・エルフ(Noldorin Elves) ゴロズリム(Golodhrim) ノーミン(Nómin) ゴルグ(Golug) 髪の黒いエルフ、知識深きエルフ(Deep Elves) 地のエルフ(Deep-elves) ノウム(Gnomes) 伝承の博士たち(Loremasters) |
解説 †
知識と技に秀でたエルフの氏族。二つの木の時代に中つ国から西方のアマンへ渡ったエルダールの第二陣。上のエルフの中で唯一、アマンから中つ国へと帰還した。
特徴 †
黒髪あるいは暗褐色の髪を特徴とする。(ただしヴァンヤールの血を引くフィナルフィンの家系をはじめ、金髪を持つ者も一部いる)
知識や技術の探究に熱心であり、伝承の大家だが、そのため堕落の危険に晒されることも多かった。
テレリが森や水辺を好み、放浪しがちだったのに対し、丘の斜面や開けた土地を好み、石で建てた家に住んだ。
アウレの教え子であった関係から、その実子であるドワーフと友好的。特に第二紀には、エレギオンのノルドールとカザド=ドゥームのドワーフとの間に強い友情が育っていた。
母語はクウェンヤだったが、中つ国ではシンゴルがクウェンヤの使用を禁じたため、日常的にはシンダール語を使用するようになった。
第二紀以降も中つ国に留まった唯一の上のエルフであり、その能力は中つ国から離れたことのない暗闇のエルフを心身共に遥かに凌いでいた。
多数の名の意味 †
- ノルドール (Noldor)
- 複数形。単数形はノルド(Noldo)。クウェンヤで「知者(the Wise)」、「博識なる者たち(wisdom)」の意。知識を有する博識の意味であり、賢明な者の意味ではない。
- ゴロズリム (Gorodhrim)
- 集合名詞。単数形はゴロズ(Gorodh)、複数形はゲリズ(Gelydh)。ノルドールのシンダール語形。
- ノーミン (Nómin)
- ベオルの族がフィンロドの民に付けた名。詳細は当該項目を参照。
- ゴルグ (Golug)
- 第一紀のオーク語での呼び名。
- 髪の黒いエルフ、知識深きエルフ (Deep Elves)
- 『シルマリルの物語』に現れる名。
- 地のエルフ (Deep-elves)
- 『ホビットの冒険』に現れる名。
- ノウム (Gnomes)
- 『ホビットの冒険』の初期の版に現れる名。詳細は当該項目を参照。
- 伝承の博士たち (Loremasters)
- 『The Letters of J.R.R.Tolkien』のLetter 153にみえる表現。『終わらざりし物語』の註釈でその一部が引用されている。
歴史 †
エルダールの第二陣 †
二つの木の時代、クイヴィエーネンからアマンへ移住することを選んだエルダールの第二陣で、フィンウェに率いられていた。
その数はテレリに次いで多かったが、ヴァンヤールと行動を共にして速やかに大いなる旅を成し遂げ、ほぼ全員がアマンに到達して光のエルフとなった。
アマンでは、カラキルヤに築かれたティリオンの都に住まう。
ノルドールとヴァンヤールははじめ共にティリオンに住んでいたが、ヴァンヤールは後にヴァリノールの平野に移住した。また、エルダマールの岸辺に到達したテレリ(ファルマリ)とも親交を保ち、かれらに宝石を贈るとともにアルクウァロンデの港の建造に手を貸した。
博識なる者たち †
ノルドールはアウレとその民のマイアールから多大な教えを受け、やがて多くの点で師を凌駕するまでに至る。
建築では高い塔を建てることを喜び、優れた石工となった。またその過程で地中から宝石を発見し、これを美しく刻むことを初めて行う。ノルドールが産出する宝石によってヴァリノールはさらに美しく豊かになった。マンウェのサファイアの王笏もノルドールが作ったものである。
言語を深く愛しており、未知のものに名前をつけるため新たな言葉を考案し、すでにあるものにもより相応しい言葉をあてがおうと絶えず工夫した。そのためノルドールのクウェンヤは変わりやすく不安定だった。
世界や生類の秘密を求めてアマンを探検する者たちもいた。
このようにノルドールはあらゆる知識と技を究めていったが、そのために知識欲も際限なく強くなっていった。
ヴァラールへの反逆 †
マンドスの砦から釈放されたメルコール(モルゴス)は、ヴァラールとエルフに復讐するため、ノルドールの知識欲に目をつける。メルコールはかれらに様々な知識を伝授しいくつもの助言を与えたが、そこにはかれらの間に不和の種を撒き、ヴァラールと離間させようと目論む虚言が含まれていた。
ノルドールは広大な中つ国への憧憬を抱くようになり、ヴァラールは自分達をアマンに閉じ込めていると不平を漏らすようになる。さらにフィンウェの二人の息子フェアノールとフィンゴルフィンは確執を深め、かれらとかれらの支持者達は密かに武器を鍛えて武装するようになった。
そのため二つの木が枯死し、フェアノールがフィンウェの復讐とシルマリルの奪還を叫んでティリオンで大演説を行うと、ほとんどのノルドールが彼に同調して中つ国への帰還を強行しようとした。その結果、かれらを思い留まらせようとしたアルクウァロンデのファルマリとの間で同族殺害が発生し、ノルドールは武装によってファルマリを圧倒して船を奪い取る。
これによって反逆のノルドールの上にはヴァラールの怒りであるマンドスの呪いが下された。かれらはアマンの地とヴァラールの憐れみから閉め出されて非業の運命に縛られることとなる。
フィナルフィンと彼に従った少数のノルドールは改悛してアマンへ引き返し、許しを得た。
だが大多数のノルドールはフェアノールとフィンゴルフィンに従って中つ国への帰還を果たし、ベレリアンドでモルゴスを相手に望みない戦いを繰り広げた。(宝玉戦争)
中つ国の上のエルフ †
第一紀末の怒りの戦いによってベレリアンドが崩壊し、マンドスの呪いが停止されて全てのエルダールにアマンへの道が開かれても、少なからぬノルドールは中つ国に残留することを選んだ。かれらは中つ国に残る唯一の上のエルフとなった。
だが中つ国は確実に人間の世界へと移行しつつあり、残留したエルフの力と記憶は次第に衰退していくことを余儀なくされる。
第二紀のはじめにかれらは灰色港とエレギオンを築いた。エレギオンのノルドールはモリアのドワーフと親交を結び、両国の繁栄がもたらされる。だがエレギオンの職人集団グワイス=イ=ミーアダインは、サウロンにそそのかされて力の指輪を鍛造し、指輪を巡るサウロンとの戦争でエレギオンは滅亡した。
第三紀には裂け谷がノルドール最後の拠点として残っていた。灰色港と裂け谷の間のエリアドール一帯を放浪する者達もいた。またロスローリエンへ移住した者達も少数ながらいたようである。
しかしノルドールは少しずつ灰色港から西方へ船出していき、その数は減じていった。
中つ国に残るかれらの力は三つの指輪の隠された作用によって辛うじて保たれていたが、指輪戦争によってその作用も消失し、すべての上のエルフは中つ国から立ち去っていった。
ガラドリエルは、反逆のノルドール指導者の内、第三紀末まで中つ国に残留していた最後の者であった。
ノルドールの有名人物 †
コメント †
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