ナズグール †
概要 †
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Nazgûl |
異訳 | ナズグル |
その他の呼び名 | 指輪の幽鬼 (Ringwraiths, Ring-wraiths) 黒の乗手 (Black Riders) 九人の乗手 (Nine Riders) 九人組 (the Nine) 九人の王たち(Nine Lords) 九人の召使い(Nine Servants) 恐るべき乗手たち、残忍な乗手たち、冷酷無惨な乗手(Fell Riders) ギャーギャー声の親方(Shriekers) ウーライリ(Úlairi) |
解説 †
暗黒語で
かつて九つの指輪を手にした九人の偉大な人間たち。彼らは指輪によって人ならざる力を手に入れ、その盛時には強大な権勢を振るうに至ったが、やがて現身の肉体を失って目に見えない存在となり、サウロンの意志と一つの指輪に従属する恐るべき幽鬼と化した。
ナズグールはサウロンの下僕の内で最も強力な存在であり、サウロンが一つの指輪を失っている間は恐怖の影に過ぎなかったが、それでもその首領の下に九人が一団となれば、これに抗しきる望みのある者はほとんどいなかった。
「よいか、フロド、偉大な指輪の一つを持っている者は、死すべき者であっても死なないのじゃ。しかし生長するわけでもなく、さらに活力を得るわけでもない。ただ生き続ける。そしてついには、その生の一刻一刻が倦怠でしかなくなる。また、もしかれが、しばしばその指輪を用いて、姿を隠すとする。するとかれは
うすれて いく。しまいには、永遠に姿は見えなくなり、指輪を支配する暗黒の力の目に見張られながら、薄明かりの中をさ迷い歩くのじゃ。」*1
「ナズグルとその餌食の間に邪魔立てするな! さもなくば、きさまの番になってもきさまを殺さぬぞ。殺さずに真っ暗闇のかなたにある嘆きの家に運んで行くぞ。そこできさまの肉は喰い尽くされ、縮みあがった心の臓だけが瞼なき御目の前にむき出しに置かれるのだ。」*2
外見 †
かれらの蒼白い顔には鋭い無慈悲な目が燃えていました。黒いマントの下には灰色の長衣をまとっていました。灰色の頭には銀の兜がかぶせられていました。やせさらばえた手には鋼の剣が握られていました。かれらの視線はかれを捕え、かれを突き刺しました。*3
ナズグールは幽界の存在であるために実体を持たず、普通の人間の目にはその姿は見えない。一つの指輪を指にはめて、あるいはモルグルの刃で刺されて、一時的に幽界に身をおいたフロド・バギンズは、その不可視の実体を目にすることができた。
たが生きている者を相手にするには実体がなければならないため、本物の黒装束を身にまとい、モルグルの武器で武装する。そしてモルドールで飼い慣らされた黒馬に乗って移動した(後にはサウロンから与えられた怪鳥に乗った)。
能力 †
「敵側には以前に感じ取ることのなかったある力がございました。
その力は、巨大な黒い乗手か、月下の暗い影のごとく、目で見ることができると申す者もありました。その者が姿を現わすところはいずこも、狂喜が敵の陣営をみたし、それに反し、わが方では、最も大胆不敵な者でさえ恐怖に襲われ、ために馬も人も堪え切れずして逃げ去ったのです。」*4
ナズグールの最大の武器は、そこにいるだけで周囲に甚だしい恐怖を与えることだった。それは彼らが形あるものを纏わず、また集合しているほど強くなる。このため多くの者は、ナズグールを前に踏みとどまって抵抗することすらままならなかった。だがそれは武器であると同時に、隠密行動を取りづらいという弱点でもあった(後述)。
日中にはその視覚はほとんど働かず、ただ生者の存在を影として感じ取ることができるだけで、もっぱら嗅覚に頼っている。そして恐ろしい絶叫をあげて互いに呼応する。だが闇夜になればその感覚は鋭くなり、生き身の人間以上に多くのしるしを見て取ることができる。そして常に一つの指輪の力に引き寄せられる。
呪魔の込められたモルグルの武器で武装しており、それで相手の心臓を刺すことによって生き身の人間を幽界に引き込むことができる。
またナズグールと間近で接触した者は黒の息と呼ばれる呪魔に冒されることがあった。
ナズグールは実体を持たないため尋常の武器では傷つけることはできず、逆に斬りつけた剣は朽ちてしまい、斬り付けた者は腕から黒の息に冒されてしまう。ただし、彼等に実体を与えている黒装束や乗り物を破壊することによって、一時的に無力化することはできる。
上のエルフだけは同時に二つの世界に生きているため、実体を持たないナズグールにとっても大きな脅威である。またエルベレスの御名によっても大きな打撃を受ける。塚山出土の剣にはナズグールの不可視の肉体に深傷を負わせるほどの呪力が込められていた。
トールキンによると、彼らは完全にサウロンに支配されているため、一つの指輪を自分のために使うということは思いもよらない。また魔王以外のナズグールは、太陽の光と水を忌み嫌い、単独でいる時にそれらに晒されると混乱しがちだった。
歴史 †
九つの指輪も用いた者は、それぞれの盛時において強大な力を持つに至った。かれらはかつての王であり、妖術師であり、戦士であった。かれらは栄華と大いなる富を得たが、それがかれらの破滅につながった。かれらは終わることのない命を持つように見えたが、生はかれらにとって耐えがたいものになった。 … それぞれの持って生まれた力や、出発点でそれぞれが懐いた意図の善悪に従って、早い
晩 いはあるものの、次々と自分たちが身に帯びる指輪の奴隷となり、サウロンの持ち物である一つの指輪の支配下に入ったのである。*5
ナズグールたちは第二紀2251年頃に初めて確認される。恐らく、サウロンが1697年にエレギオンを滅ぼして手に入れた九つの指輪を、それから人間に与えたのであろう。やがてそれらの人間が、次第にナズグールと化していったものと思われる。
第二紀末の最後の同盟の戦いで主人のサウロンが敗れると、ナズグールも一時姿を消す。
だが第三紀1100年頃にサウロンがドル・グルドゥアで再び形を取るとナズグールも再び現われ、1300年頃より暗躍を開始した。
ナズグールのうち魔王はアングマールの王として北方に現れ、やがて北方王国を滅ぼすことになる。1975年には魔王は北方より駆逐された。
だが1980年になると、当時ゴンドールの警備が手薄となっていたモルドールに魔王が出現し、他のナズグールを招集してサウロン帰還の準備を始める。ナズグールは2000年にはミナス・イシル攻撃を開始し、2002年に陥落させて、同地をミナス・モルグルに変貌させた。
サウロンが一時ドル・グルドゥアから撤退した警戒的平和の間は、ナズグールはミナス・モルグルに隠れ潜んで目に見える姿をとらなかった。
だが2951年にサウロンがモルドールで公然と名乗りを上げると、ナズグールも活動を再開。サウロンが2941年に白の会議に追われて以来打ち捨てられていたドル・グルドゥアを、3人のナズグールが再占領した。
以後しばらく、九人が公然と姿を現すことはめったになく、アンドゥインを渡ることもなかった。だが3018年(大いなる年)に一つの指輪が見出されて指輪戦争が起こると、ナズグールはサウロンの手先として出撃、一つの指輪を追跡するとともに、モルドール軍の指揮官として戦った。
指輪狩り †
『指輪物語』本編におけるナズグールの動向については、『終わらざりし物語』でさらに詳しいことが述べられている。
3009年にモルドールに捕えられたゴクリから一つの指輪の再発見とそれに関する「なんとか庄」「バギンズ」なる情報を入手したサウロンは、その捜索にはナズグールこそ適任と考えたが、彼らの隠密行動がとれない弱点のために敵に目的を見破られることを恐れ、その派遣をためらった。
だが3017年に釈放されたゴクリが直ちにガンダルフの手に落ち、尋問を受けたとの報がドル・グルドゥアよりもたらされたことで、賢者達は既に指輪の再発見を察知していることがわかる。そのためサウロンは即座に指輪を取り戻す必要に迫られ、ナズグールの派遣を決意する。
3018年6月、オスギリアスと闇の森の王国への同時攻撃にまぎれてナズグールはアンドゥインを渡り、一つの指輪の捜索に出撃した。
オスギリアス攻撃において魔王らは公然と姿を見せてゴンドール軍を恐慌に陥れ、装束をまとわずに密かに橋を通ってアンドゥインを越えた。魔王たちはその後、あらかじめ渡河させておいた馬と装束を受け取り、ドル・グルドゥアから来たハムールたちと合流してホビット庄の捜索を開始。9月にはアイゼンの浅瀬を渡り、情報を得るためにアイゼンガルドを訪れ、門前でサルマンから追い払われたという。
9月22日にサルンの浅瀬に到達したナズグールは、日没とともにそこを防衛していた野伏を蹴散らして浅瀬を突破。魔王は可能な限り密やかに行動しつつ野伏の追撃、「バギンズ」の捜索、東街道の見張りなどを行うため分散行動を命じ、魔王自身はブリー村の南に潜んで塚人をはじめとした一帯の悪霊を呼び起こすなどの工作を行った。
翌日23日には4人がホビット庄へ到達し、その日の内にハムールがホビット村にてハムファスト・ギャムジーと会話し、フロド・バギンズが堀窪へ引っ越したことを聞き出している。ハムールはそのまま切株村にいたる道でフロドたちを追跡したが、ギルドールの一行の出現もあり、25日にバックル村の渡しで彼らを取り逃がした。
30日の夜に4人は堀窪を襲撃したが既に指輪はなく、フレデガー・ボルジャーの脱出を許し、非常用角笛を鳴らされてバック郷が厳戒態勢となったため同地から退却。同じ夜、ブリー村の躍る小馬亭も襲撃したが、ホビット達が用心して部屋を変えていたため襲撃は空振りに終わった。
これに激怒した魔王は全員を連れて東街道を東へ進む。
10月3日には風見が丘頂上で九人組がガンダルフと交戦、夜が明けてガンダルフが東へ逃れると、4人がその後を追った。だがそのために、6日にフロドとアラゴルンの一行がそこへ到達した時、彼らを襲撃することができたのは魔王を含めた5人のみであった。夜半の野営地の襲撃で、魔王はモルグルの刃でフロドを刺し、その破片によって彼を幽界に引きずり込もうとする。
そのまま重傷のフロドを連れて裂け谷へ急ぐアラゴルンらを追い詰めようとしたが、裂け谷より上のエルフが派遣され、その内の一人グロールフィンデルによって果野橋で待ち伏せていた3人が追い払われてしまい、彼らがミスエイセルを渡るのを許してしまう。
魔王の下に集結した九人組は他の仲間を蹴散らし、単身逃走するフロドをブルイネンの浅瀬で追い詰めたかに思われたが、エルロンドが引き起こしガンダルフによって力を増されたブルイネンの水流にまず魔王らが飲み込まれ、動揺した残りのナズグールも追ってきたアラゴルンらの松明とグロールフィンデルの怒りに押されて水流に没した。
これによって8人は馬と外衣を失って無力化され、最初の指輪奪取の追跡は失敗に終わった。
「幽鬼どもがそんなことくらいでやられるもんか。」とガンダルフはいいました。「かれらはその主人の力が吹きこまれて動くので、かれらの立つも倒れるも、主人次第じゃ。」*6
指輪戦争 †
「幽鬼どもは今でも恐ろしい敵じゃ。じゃが、かれらはまだ影にすぎぬ。かれらの主人の手にふたたびすべてを支配する指輪がはめられる時、かれらが身に帯びるであろう真に恐るべき力の影でしかないのじゃ。」*7
モルドールに戻ったナズグールは新たな外衣と、馬に代わる恐るべき獣をサウロンから与えられ、西方との全面戦争の準備や、見失った一つの指輪の捜索に空を舞うようになった。しかし、サウロンは戦争がはじまるまではナズグールが再びアンドゥインを渡ることを禁じていた。
ナズグールのうちひとりはオークの部隊を引き連れて、アンドゥインの監視を行っていたようである。3019年2月23日にガラズリムの弓を使ったレゴラスに射落とされたのがそれで、パルス・ガレン付近にて指輪の仲間を襲撃し、メリーとピピンを捕らえたグリシュナッハの部隊はそのナズグールの指揮下にあった。
3019年3月5日、ナズグールはとうとうアンドゥインを越え、西方との全面戦争が開始された。
3019年3月10日、バラド=ドゥーアとミナス・モルグルに雷の烽が上がり、魔王が軍勢を引き連れてミナス・モルグルから出陣する。モルドール軍とナズグールはオスギリアスとカイア・アンドロスを奪取し、決死の反撃を試みたファラミアの部隊を潰滅させる。
14日、総大将の魔王の下、モルドール軍はミナス・ティリスを包囲攻撃し、15日に魔王はグロンドと呪文によって城門を破壊。空を舞うナズグールの恐怖はゴンドール軍の士気に大打撃を与えた。だが夜明けとともにローハンの軍勢がゴンドールの援軍として到着したことで情勢の変化を察知した魔王はローハン軍への攻撃を優先し、セオデンを斃す。だがその前に立ちはだかったエオウィンと彼女を助けたメリーによって、魔王も斃されてしまう。
包囲軍はそのままローハン軍、ゴンドール軍、そしてアラゴルン二世ら北方の野伏に率いられた辺境の諸侯国の援軍によって殲滅されてしまい、ペレンノール野の合戦はモルドール軍の敗北に終わった。魔王を失って一旦引き揚げたナズグールだが、その後も恐るべき獣に乗り、上空からゴンドール軍の監視を続けた。
サウロンは一連の情勢悪化を、敵方の大将たちが一つの指輪を手に入れたためではないかと疑っていた。そのためナズグールを使って徹底した監視を行い、指輪を奪い返す機を伺っていたのである。
西軍(自由の民の軍勢)が拙速な攻撃を仕掛けてきたと考えたサウロンは、黒門まで彼等の進軍を許し、そこで彼らを罠にかけて、指輪を取り返そうとする。黒門前の最終決戦において、ナズグールは再び上空から西軍に襲いかかり、西軍の援護に現れた大鷲と戦った。
だがその時、フロド・バギンズが滅びの山で指輪の誘惑に負け、指輪は自分のものだと宣言して指にはめる。この瞬間、西軍の計略に気づいたサウロンは、直ちにナズグールに旋回を命じ、ナズグールは指輪を奪回するために全速力で滅びの山へと飛翔したが、時すでに遅く、一つの指輪は滅びの罅裂の中に投じられた。
サウロンの力は消滅し、ナズグールは滅びの山の噴火に巻き込まれ、焼き尽くされて消滅した。
ナズグールの一覧 †
九人のナズグールのうち、トールキンの設定では以上の二人しか情報がない。
『二つの塔』でファラミアはフロドにミナス・モルグルについて説明した際、彼らはミナス・イシルを奪った邪悪な人間たちの王であり、暗黒の悪に陥ったヌーメノールの人間たちであったと言われていると述べている。
『シルマリルの物語』の「アカルラベース」では、かれ(サウロン)が九つの指輪で誘惑した者達の中で三人は、ヌーメノール人の偉大な諸侯たちであったと言われているとある。
Iron Crown Enterprisesによる設定 †
ICE設定では、トールキンの作った設定を拡張する形で魔王とハムールの情報が増えているほか、トールキンの情報がない残り七人のナズグールについて、以下の設定が追加されている。
これらの名前の日本語訳は資料によってまちまちである。本表記は『指輪物語コレクティブルカードゲーム』に従っている。
以上のナズグールうち、『シルマリルの物語』で言及されている「三人の、ヌーメノール人の偉大な諸侯」には、魔王、アコーラヒル、アドゥナフェルが相当する。また、魔王にはエル=ムーラゾールという本名が付けられている。
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右からハムール、魔王、アドゥナフェル
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定 †
かん高い叫び声は、フランシス・ウォルシュの声をサンプリングして加工したものが使用されている。
フロドが一つの指輪をはめた時、彼等の本当の姿が見えたという原作の描写も再現されており、蠟の様に青白く輝く、透き通った姿が描かれている。
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映画『ホビット』における設定 †
かつてのアングマールにおける戦いで倒され、ルダウアの塚に葬られて封じられたという設定になっている。だがサウロンの復活に呼応して蘇り、ドル・グルドゥアに集結した。全員が生前の姿を纏っており、『ロード・オブ・ザ・リング』よりも一人一人の個性を際立たせたデザインに変更されている。例えば、東夷の武具を纏っているのはかつて彼らの王だったハムールである。
それ以外にも三ツ又の蛇矛を持っている幽鬼はかつてハラドリムの王だった人物と言及されている。また、細長い鎚矛を持った背の高い幽鬼はフォロドの幽鬼(Ringwraith of Forod)の名でフィギュア化されており、フォロドワイスやロスソスだった人物である事が示唆されている。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
ナズグールのうち、魔王の他に以下の名前が出ている。魔王を足すと名前が合計で10になってしまうが、The Reaver of KhandとThe Woe of Khandは同じ個体を示している*8。
- Lieutenant of Dol Guldur(ドル・グルドゥアの副官) / The Cursed Rider(呪われし乗り手)*9
- Gloom of Nurn(ヌアンの暗闇)
- The Black Blade of Lebennin(レベンニンの黒き刃)
- Grim Southron(無慈悲な南方人)
- The Woe of Khand(ハンドの悲痛) / The Reaver of Khand(ハンドの略奪者)
- The Forsaken Reaver(見捨てられし強奪者)
- The Bane of Rhûn(リューンの災い)
- The High-Sorcerer of Harad(ハラドの高僧)
このうちLieutenant of Dol Guldurはハムールであることが示唆されており*10、ドル・グルドゥアで最も高い塔バラド・グルドゥア(Barad Guldur)に出現する。
レゴラスが射落とした恐るべき獣に乗っていたのはGloom of Nurnになっている。またThe Bane of Rhûnは死者の道に、The Black Blade of Lebenninはオスギリアスの星辰殿に、ゲームの展開によって出現する。Gloom of Nurnはペレンノール野の合戦中の沈黙の通りに、The Forsaken Reaverは同じくペレンノール野の合戦中のハルロンド方面に、The Woe of KhandとThe High Sorcerer of Haradはゴスモグが送り込んだ援軍の中に現れる。
また、ナズグールのモルグルの刃に刺された者はカルグル(Cargûl)*11という、赤いローブに身を包んだ低級の幽鬼になる設定となっており、各所に出現する。
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Games Workshopによる設定 †
映画『ロード・オブ・ザ・リング』の世界観を土台にしたシリーズを展開しているため、Games Workshop版の幽鬼七人の設定が映画版の設定と捉えることも可能である。
ヌーメノール人の諸侯にはThe Dark MarshalとThe Knight of Umbarが該当する。
- The Shadow Lord(影の君主)
小国の王で、サウロンから約束された力に魅せられて指輪を受け取った。闇を身体に纏い光を遮断することができる。 - The Tainted(穢れ)
他の幽鬼たちが徐々に闇に囚われていったのに対し、自らの意思でサウロンの配下となった。毒気を発し、生命を侵す。 - The Undying(死なざる者)
最年長の幽鬼。他の8人が影の支配下の入る中で最も長く、サウロンの意志に抵抗し続けた。強力な魔術師で、自分の能力を強化する。 - The Dark Marshal(黒の総大将)
9人中、最も残忍かつ強い悪意を持つ指揮官。冷酷な意思が、傍を通るだけで立ち向かう敵を萎縮させる。なお原作では「黒の総大将」とは魔王を指すBlack Captainの訳語である。 - The Betrater(裏切りし者)
ハラドの出身。同族を裏切った後悔と自己嫌悪で正気を失った。そのため冥王からも信頼されておらず、副官としての地位は最も低い。 - The Knight of Umbar(ウンバールの騎士)
最後の同盟が組まれる以前の時代に、南方の国々を支配していた黒きヌーメノール人だったとされるが真実は不明瞭。 - dwimmerlaik(ドゥイメルライク)
最も謎多きナズグール。ローハン建国以前の時代に同地で恐れられていた存在と言われるが、それ以外は素性も来歴も一切不明。原作ではエオウィンが魔王と対峙した時に彼をドウィマーレイク(dwimmerlaik/化けもの)と呼んでおり、そこから採られた名称・設定と思われる。
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一番左はGames Workshop版のハムール。それ以降は上述された順番に従う。
ゲーム『シャドウ・オブ・ウォー』における設定 †
Games Workshop版と同じく映画を土台にした作品だが、全く異なる設定になっており、一部は原作の記述や時系列と矛盾している。これはシリーズがあくまで映画を原作とする作品で、使用できる原作の設定の範囲が限られているため敢えて独自の設定にしたものと思われる。中でも特異なのは、何人かの幽鬼が、先代の幽鬼を倒して成り代わっている事が示唆されている点である。
一方で、過去の作品と類似した設定も見られる。例えば、ドゥーネダイン王家の者が魔王の配下となる展開はオンライン版にも存在する。また、リヤとユカはアドゥナフェルと同じ女性のナズグールで、タリオンはThe Undyingと同じく指輪の魔力に長く抵抗し続けた。
外部リンク †
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