ドゥーネダイン

概要

カテゴリー種族
スペルDúnedain
異訳ドゥネダイン、デュネダイン
その他の呼び名ヌーメノーレアン、ヌーメノール人(Númenóreans)*1
西方の人間(たち)、西方の人(Men of the West)
西方の人間たち、西方国の人間(たち)、西方から来た人間たち(Men of Westernesse)
上の人(High Men)
人間たちの王、人間の王(たち)(Kings of Men)
海の王たち(Sea-Kings, Lords of the Sea)
大海の王たち、海洋王(Sea-kings)
大海の人間たち、海から来た人間たち(Men of the Sea)

解説

シンダリンで「西方のエダイン(Edain of the West)」の意。単数形はドゥーナダン
第一紀エダインの末裔であり、第二紀にはヌーメノールの島に住んだためヌーメノール人とも呼ばれた。ヌーメノールの没落後、その遺民は中つ国北西部にアルノールゴンドールからなる亡国の民の王国を築いた。
ドゥーネダインは中つ国人間をはるかに凌駕する長い寿命と優れた技能を持っていたが、第三紀を通じて次第に衰退していき、並の人間と近しくなっていった。

ヌーメノール人(ヌーメノーレアン)

怒りの戦いモルゴスが滅ぼされると、ヴァラールエルフの友として宝玉戦争を戦った人間であるエダインの受難に報いるため、大海の只中にヌーメノールの島を築いて与えた。第二紀のはじめ、生き残ったエダインの多くがそこに移住し、ヌーメノール人、ドゥーネダインと呼ばれるようになった。ヌーメノール王家の始祖は半エルフエルロス・タル=ミンヤトゥルだった。
ヌーメノール人には恩寵として、並の人間の3倍に近い寿命が与えられ、望むときに生を返上することができるという特権が与えられた。また、中つ国のエルフだけでなくトル・エレッセアからやってくる上のエルフとも交流を持った。このため、ヌーメノール人の知識と技能は中つ国の人間のそれをはるかに凌駕するようになる。中でも航海術にかけては世界が小さくなって以後は、二度と再びかれらに比肩すべき航海者は出ないと思われる*2ほど熟達するに至った。
彼らはその技によって西方のアマンを除くアルダの沿岸のほぼ全域を踏破した。

当初、ヌーメノール人はエルフの友であり、中つ国に留まるノルドール上級王ギル=ガラドを援助してサウロンの伸長を阻んだ。また、中つ国の人間に対しては様々な技術を教え、冥王の影から脱する手助けをした。海の彼方から現れ、驚くべき技と贈り物をもたらして去っていくヌーメノール人を、暗黒時代の人間達は神と見なした。
しかし、ヌーメノール人はヴァラールから禁じられたアマンの浄福に焦がれていた。それとともに、増大する現世での幸福はますます彼らの心を奪い、エルの恩寵である死すべき運命は厭わしいものと感じられるようになっていく。
やがて、多くのヌーメノール人はヴァラールの禁に不満を持ち、不死を羨んでエルフを憎悪し、また中つ国の人間達の上に過酷な圧制者として君臨するようになっていった。そこをサウロンに付け込まれた王党派のヌーメノール人は、公然とヴァラールに叛逆し、最後にはヌーメノールの没落を招いた(没落にいたる詳細はヌーメノールも参照のこと)。

そうした中で、あくまでエルフへの親愛とヴァラールへの忠節を失わなかった節士派は、没落を逃れて中つ国に漂着し、亡国の民の王国を築いた。
一方、中つ国で生き延びた邪悪なヌーメノール人は黒きヌーメノーレアンと呼ばれるようになった。

亡国のドゥーネダイン

エレンディルとその息子イシルドゥルアナーリオンに率いられたヌーメノールの遺民は中つ国北西部の沿岸に漂着し、そこに王国を創建したが、彼らは自らを故国喪失者と見なした。亡国の民の王国は北のアルノールと南のゴンドールから成った。
エレンディルが亡国のドゥーネダインの最初の上級王であり、アラゴルン二世はその末裔である。

第二紀の終わり、ドゥーネダインはエルフ最後の同盟を結んでサウロンと戦った。だが第三紀を通じて両者は疎遠になっていき、第三紀末のドゥーネダインの中にはエルフを怖れる向きすらあった。
ドゥーネダインは中つ国の西方世界の人間の指導者となったが、その数は少なく、衰退の一途を辿った。ヌーメノールの島を喪失したことで、彼らに与えられていた恩寵も失われていったためで、そのためドゥーネダインは次第に中つ国の並の人間と等しくなっていった。
南方王国ゴンドールは一時ヌーメノールを偲ばせるほど繁栄したが、相次ぐ戦乱によってドゥーネダインの数は減少した。ゴンドール人の貴族階級の中にはドゥーネダインの血を受け継ぐものが残っていたが、混血が進みそれも次第に薄まっていった。
北方王国アルノールは三国に分裂した上に相次ぐ戦乱で滅亡したが、生き残ったドゥーネダインは野伏に身をやつして密かに北方の人々の生活を守り続けた。

Iron Crown Enterprisesによる設定

ハラディン家ヌーメノール人Atalantedain
ドゥーネダインアルノール人アルセダイン
カルドラン
ルーダウア
ゴンドール人
ベオル家Eneadurians
黒きヌーメノーレアンAmazon-Women
Bellakani
Ciryadain
Elornans
ハドル家Miredorians
Saruleans
Umbarean(ウンバール人)
Adúnali (東方の有力氏族,ウォマウとの混血)

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • かつてのヌメノールの王たちの享年400歳とかだからえぐいよなー -- 2019-07-11 (木) 20:40:44
  • ドゥーネダインにしろノルドールにしろ、中つ国の歴史の中で『衆に優れたる種族』がえてして悲劇的運命または独善的堕落に瀕するのは教授の思想なのだろうか、それともただの趣味か。 -- 2020-11-30 (月) 13:11:30
    • というか「物語のお決まり」だと思いますけどね。アトランティスも高度な文明を持っていたと言われていたし -- 2020-11-30 (月) 20:02:09
    • 平家物語みたいな古典の作法だよ、そもそも滅んでなければ現代でもノルドールやドゥネダインが中つ国を統治しているわけだし -- 2020-12-01 (火) 11:57:22
    • メルコールやサルマンもその例に当てはまるよね。教授自身の手紙に物語は堕落を語るのだと書いてある(この手紙では自分の物語は既存の神話をただ安直に模倣したわけでは無くて、そもそも堕落は普遍的なテーマだという弁明に使われている感じだから教授の思想趣味についてとは少し趣旨として外れるけれど)通り教授個人の特長とか個性と呼べるものではないと思う。トールキンでなくても皆が作家だとしたら堕落しなかったヴァンヤールより堕落したノルドールを主役にした方が話は書きやすいと思うよ -- 2020-12-05 (土) 22:46:00
    • 文明人を気取っていた英米仏独が大戦で世界を荒廃させていくのを直に見てきたからね。自国はもちろん周辺の帝国主義にも終始批判的だったし -- 2022-01-02 (日) 20:30:16
    • 西洋中心主義ないしは自国中心主義への教授なりのアンチテーゼかも。 -- 2023-07-29 (土) 17:59:57
  • イシリアンのドゥネダインと北方のドゥネダインって同じだろうか -- 2022-12-30 (金) 07:43:24
  • 日本を含む古今東西の神話では決まって人間離れした長寿の帝王や英雄が登場する辺り、東夷だろうとハラドリムだろうと何処かしらのタイミングでエルフかドワーフ、ドゥネダインの血を少量は貰ってると考えることもできる。中には冥王由来の御技もあるだろうが。 -- 2023-06-02 (金) 16:23:39
  • 長寿の恩寵は人間にとって過ぎた贈り物やな -- 2023-07-29 (土) 16:30:40
  • 昔猿のようにやり込んだ同人戦略シミュレーションのシナリオで指輪物語系があって、そのなかでドゥーネダインを指揮官として使えたなぁ。
    「普通の人間やドワーフには余裕で勝るが、戦力差あれば彼らにも普通に負けるレベルでエルフとはどっこいどっこい、魔王やエルロンドのようなネームドキャラの前では瞬殺される」
    みたいな立ち位置やバランスが実に絶妙だった。 -- 2023-07-31 (月) 23:55:37
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