シーロブ†
概要†
カテゴリー | 人名 |
---|---|
スペル | Shelob*1 |
異訳 | シェロブ |
その他の呼び名 | シーロブ太母(Shelob the Great)、奥方(Her Ladyship)、猫(cat) |
種族 | 蜘蛛 |
性別 | 女 |
生没年 | 不明 |
親 | ウンゴリアント*2 |
兄弟 | 多数 |
配偶者 | 多数いたが、シーロブに食われたという |
子 | 多数 |
解説†
トレヒ・ウンゴルの洞窟に棲む、巨大な蜘蛛のような姿をした怪物。ウンゴリアントの末裔で、闇の森などに巣くう邪悪な蜘蛛の祖。
上古のエレド・ゴルゴロス近辺に生息していた蜘蛛の一体*3で、怒りの戦いによるベレリアンドの水没を逃れてモルドールの地(当時はそう呼ばれていなかった)に辿り着き、トレヒ・ウンゴルを巣としてそこを恐怖と暗闇で満たした。
サウロンはシーロブのことを「猫」と呼んでキリス・ウンゴルの番人代わりに利用しており、巣の近くを通るオークがしばしば餌食になっても黙認していた。さらに使い途のなくなった囚人を餌として送り込むこともあったという。一方でシーロブ自身はサウロンのことは意に介しておらず、自らの欲望にのみ従って生きていた。
しかしいまだにかの女はここにいるのです。サウロンより前に、バラド=ドゥールの最初の石が置かれるより前に、ここにいたのです。そしてかの女は自分以外のだれにも仕えず、エルフと人間の血を飲んでふくれ上がり、肥え太って、絶えずご馳走に思いをめぐらしながら、影の糸を巣に絹りなしていたのです。というのは生きているものはすべてかの女の食料であり、かの女の吐き出すものは暗闇であったからです。かの女自身の末裔であり、結局かの女に殺されてしまう哀れな連れ合いたちとの間にかの女がもうけた私生児たち、かの女より劣るその子供たちはあまねく谷から谷へと広がっていました。 … しかし一匹としてこのシーロブ太母、不幸な世を騒がすウンゴリアントの最後の産物であるかの女にかなう者はいませんでした。*4
『指輪物語』におけるシーロブ†
サムが星の玻璃の光を隠すや否や、かの女がやって来ました。少し前方の左手に突然見えたのは、崖の下の暗闇の黒々とした穴から出て来た、かつて見たこともないほどおぞましい姿でした。悪夢の恐怖も及ばぬぞっとする恐ろしさでした。大体蜘蛛の形をしているのですが、大きな猛獣たちよりさらに大きく、その無慈悲な目に凶悪な意図を湛えているゆえに一層戦慄すべき恐ろしいものでした。 … かの女は大きな触角を持ち、短い軸のような首の後ろにはとてつもなく巨大な盛り上がった体がありました。それはふくらんだ大きな袋のようにその脚の間にたわんで揺れていました。その大きな胴体は黒く、青黒いあざがまだらについていましたが、下になった腹部は青白く光り悪臭を放っていました。その脚は折り曲げられていましたが、節のある大きな関節はその背中より高いところにあり、鋼のとげのように突き出た毛が生えていて、それぞれの脚の先には鉤爪がありました。*5
第三紀2980年頃にモルドールの境界に辿り着いたゴクリはシーロブに出会い、彼女を崇拝するようになる。
大いなる年、ゴクリはフロド・バギンズとサムワイズ・ギャムジーをトレヒ・ウンゴルまで誘導し、シーロブの餌とすることで一つの指輪を奪回しようと謀った。
フロドとサムワイズはつらぬき丸とガラドリエルの玻璃瓶によってシーロブの糸と暗闇を突破したが、シーロブは突出して走っていたフロドに追いつき、彼の首に麻酔性の毒を注入して仮死状態に陥れる。そのままフロドを蜘蛛の糸でくるんで餌食として運び去ろうとしていたところ、追いついてきたサムワイズから予想外の反撃を受けた。
サムワイズは右手の塚山出土の剣でシーロブの複眼の一つを刺し、さらに体の下に入り込んでつらぬき丸で深く斬り付ける。シーロブはサムワイズを押しつぶそうと身を沈めたが、そのためにサムワイズが両手で構えたつらぬき丸の刃をより一層わが身に突き立てる結果となり、これまで受けたことのない深手を負わされた。さらにサムワイズの掲げた玻璃瓶の光が傷口から体内に浸透したことで、完全に撃退された。
作中では巣に逃げ帰ったシーロブが受けた深手に苦しみ続ける描写があるだけで、そのまま死亡したのか生き延びたのか、最終的にどのような運命をたどったかはいかなる物語にも語られていないという。
シーロブの毒は指輪戦争が終結した後もフロドを苦しめ、負傷した日である3月13日になる毎にフロドは病んで臥せるようになった。
画像†
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
サウロンの敗北後、サムに撃退された後トレヒ・ウンゴルに潜んでいたシーロブと遭遇するクエスト、そのシーロブを追跡しケレボルンやレゴラス、ロスローリエンの軍勢、イシリエンの野伏らと共に討伐するクエストがある。
実写映画版よりもさらに巨大なデザインになっている。
ゲーム『シャドウ・オブ・ウォー』における設定†
字幕及び吹替での名前は『指輪物語』書籍新版に従いシェロブ。
人間の女の姿をとることができ、会話することも可能。さらに幻視という、ある程度未来を予知する力を持つ。かつてはサウロンの伴侶であったこともあった。だが、キリス・ウンゴルの番人として利用されるだけの存在と化したシュロブはかつての自分の記憶を各地に封じ込め、サウロンに愛憎入り交じった感情を抱くようになり、サウロン打倒を目指す指輪保持者で不死のレンジャーであるタリオンに条件づきで協力を申し出る。
タリオンの半身たるケレブリンボールはシュロブを警戒するが、タリオンはゴンドールの都ミナス・イシルの危機を教えたシュロブと共闘する。モルドールに招き寄せられたゴラムをも事実上の配下としていたシュロブはタリオンに助言し、ゴラムに道案内を命じたり、しもべ(蜘蛛)を貸し与えるなどする。だが、タリオンはケレブリンボールと決別し、タリオンは数十年間戦うも指輪の力に抗えずナズグルと化してシュロブとタリオンのモルドールにおける反乱(影の戦争)は失敗した。
コメント†
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