グロールフィンデル †
概要 †
解説 †
名はシンダール語で「金髪(Golden-haired)」の意。裂け谷の上のエルフの一人。
グロールフィンデルは背が高く、体は真っ直で、髪は輝く金髪、顔は美しく若々しく恐れを知らず、喜びに満ちていました。目もとは晴れやかながら鋭い光をたたえ、声はまるで楽の音のよう。額には知恵が宿り、手には力がひめられていました。*1
グロールフィンデルは、第三紀3018年の大いなる年に、ナズグールに追われているフロド・バギンズ達を救援するために裂け谷から派遣された者の一人だった。
彼は果野橋を監視していたナズグールを追い払い、そこに安全の印として緑柱石を残した。そのためフロドとアラゴルン達は無事に橋を渡ることに成功し、その後グロールフィンデルに出会う。グロールフィンデルはフロドの負ったモルグルの刃の傷を癒やすことはできなかったが、しかし可能な限りの手当を施し、フロドはわずかに傷の影響が改善したのを感じている。
しかし九人のナズグールが一団となって襲いかかってくるとさしものグロールフィンデルでも正面から抗しきることはできず、自分の馬アスファロスにフロドを乗せてブルイネンの浅瀬まで逃げ切るよう命じて送り出した。そして残った一行に松明を持たせて後を追い、岸に残っていたナズグールを増水したブルイネンに追い落とすことに成功した。
この時、半ば幽界に身をおいていたフロドはグロールフィンデルが白い光を放って輝く姿となって現れるのを目撃しており、後にガンダルフはかつて浄福の国に住まったことのある者は、同時に二つの世界に生きておって、見えるものにも見えないものにも抗し得る大いなる力を持っている*2と述べている。
エルロンドの会議にも参加しており、一つの指輪を処遇すべき途は大海のかなたへ送るか、あるいは破壊するかしかないと提言した。
サウロンが滅ぼされ、アラゴルンがエレスサール王として戴冠した後、ミナス・ティリスでエレスサール王とアルウェンの結婚式が執り行われることになった時には、エルロンドらと共にミナス・ティリスを訪問している。
魔王についての予言 †
『追補編』によると指輪戦争より1000年ほど前のフォルンオストの合戦(第三紀1975年)の折にも、グロールフィンデルは裂け谷からの援軍として派遣され、魔王を退散させている。
この時魔王の後を追おうとするエアルヌアを留め、魔王についてかれは人間の男の手では討たれぬだろう(not by the hand of man will he fall)と予言したのが、他ならぬグロールフィンデルであった(この予言はペレンノール野の合戦で成就することになる。詳細は魔王の項目を参照)。
第一紀のグロールフィンデル †
第一紀のゴンドリンの大将の名としてもグロールフィンデルが登場しており、『シルマリルの物語』では「ゴンドリンの金華家の宗主、黄色い髪のグロールフィンデル」と述べられている。
ニアナイス・アルノイディアドではエクセリオンと共にトゥアゴンを守りつつ戦って、ゴンドリンに撤退した。
ゴンドリンがモルゴス軍の攻撃によって陥落した際、グロールフィンデルはゴンドリンを脱出するトゥオルら一行と行動を共にするが、キリス・ソロナスでバルログと戦って相討ちとなり、谷底へ落ちた。グロールフィンデルの亡骸はソロンドールによって運び上げられ、一行によりキリス・ソロナスの山道の傍らに作られた石の塚に埋められた。その後この塚には緑の芝草が生え、黄色い花々が咲いた。
一説(トールキンの試案の一つ)によると、彼と裂け谷のグロールフィンデルは同一人物で、キリス・ソロナスで死んだ後、マンドスの館から復活して中つ国に舞い戻ったとなっている。彼がナズグールに対抗できる大きな力を持つのもそのためであるといい、中つ国のエルフを援助する任を帯びて第三紀1000年頃、イスタリと共に中つ国へやってきた。アマンで彼はオローリン(中つ国におけるガンダルフ)の友となり、その親愛の情は中つ国に来てからも続いていたとある。
備考 †
映像作品では登場しない。ラルフ・バクシ監督作品『ロード・オブ・ザ・リング 指輪物語』ではレゴラス、ピーター・ジャクソン版監督作品『ロード・オブ・ザ・リング』ではアルウェンが代わりの役回りで登場する。
一方、映画『ホビット 思いがけない冒険』では、エルロンドが率いていたオークの討伐隊の中に、兜を被っていない金髪のエルフがいるのが確認できる(下画像左)。これがグロールフィンデルであると明言はされていないが、一部のファンの間やメディア上では彼ではないかと言われている。
物語本編で割愛されることが多い分、映画の世界観を土台にしたゲームに登場する機会が多く、『LEGO The Lord of The Rings』(画像2枚目)『The Lord of the Rings Strategy Battle Game』(3、4枚目)、『The Lord of the Rings Trading Card Game』(6、7枚目)、に登場している。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
コメント †
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照