グラウルング†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Glaurung |
その他の呼び名 | 龍の始祖、龍の祖(father of dragons) 金色龍グラウルング(Glaurung the golden) 巨大なる長虫、大龍(Great Worm) モルゴスの長虫(Worm of Morgoth) |
種族 | 龍 |
性別 | 男 |
生没年 | ?~†第一紀(499) |
子 | 多数 |
解説†
モルゴスによって生み出され、第一紀にエルフや人間に対して猛威を振るった龍で、龍の祖と言われる。
翼は持たず空は飛ばないが、口からは炎を吐き、邪言と邪眼による強力な呪縛の力を持っていた。外見は長大かつとぐろを巻くほどしなやかであり、全身が硬い黄金色の鱗に被われているが、下腹は柔らかい蛇腹であり、宿命的な弱点となっていた。
竜とともに恐怖がやってきた。竜は進み始めたが、その針路は真上ではなくわずかに北にそれたので、下で見ている者たちには星々をさえぎる頭の巨大な影が見えた。大きく割けた
顎 には、七つの炎の舌があった。その時、竜は前方に熱い息を噴き、たちまち峡谷は一面赤い光に包まれ、岩々の間に黒い影がひるがえった。木々は竜の前にひからびて燃えあがり、石は川に落下した。*1
グラウルング最初の襲撃†
アングバンドの包囲の時代に突如アングバンドより現れてアルド=ガレンを襲い、エルフ達を仰天させた。
だがその時グラウルングはまだ成長しきっておらず、体をよろう鱗が完全ではなかったため、フィンゴンの率いる騎馬の弓兵によって矢を射掛けられ、傷ついたグラウルングはアングバンドに逃げ戻った。モルゴスはグラウルングがあまりにも早くにその存在を露わにしたことに機嫌を損じたという。
この時姿を現したグラウルングの脅威を模してテルハールが鍛えたのが、後にトゥーリンが身に帯びることになる龍の兜である。
ダゴール・ブラゴッラハとニルナエス・アルノエディアドでの来襲†
完全に成長しきったグラウルングはダゴール・ブラゴッラハで再び現れ、モルゴスの放った火の川の先頭を切って出撃し、その後にバルログ達やオークの大軍が続いた。
グラウルングはその猛威によってロスランからマグロールの山間を突破し、小ゲリオンと大ゲリオンに挟まれたマグロールの領地を破壊しつくした。
ニルナエス・アルノエディアドでは多数の眷属と共に出撃、マエズロスとフィンゴンの軍勢の間に突入して多大な被害を与えたが、ベレグオストのドワーフに取り囲まれて斧で攻撃された上、ベレグオストの王アザグハールの今際の短剣を弱点である腹に受け、傷付いて逃げ帰った。
ナルゴスロンド寇掠とトゥーリンとの因縁の戦い†
そして不意にかれは口を利いた。かれの中の悪霊が物を言ったのである。「これはこれは、フーリンの息子よ、よう来たな!」*2
グラウルングはナルゴスロンドへの攻撃で再び現れる。
オークの軍勢と共に進軍してきたグラウルングはエイセル・イヴリンを汚し、タラス・ディルネンを焼き、トゥムハラドの合戦でナルゴスロンドのエルフ達を敗走させた。ナルゴスロンドの寇掠ではフィンドゥイラスを救出するために駆けつけたトゥーリンを邪眼の力で金縛りにし、フィンドゥイラスら女達が捕虜として連れ去られていくのを目前で見せつけた上で、彼の母モルウェンと妹ニエノールが危険だと思い込ませる呪縛をかけた。そのためトゥーリンは、母と妹を助けようとドル=ローミンに向かってしまい、フィンドゥイラスはテイグリンの渡り瀬でオークに殺されてしまった。
その後グラウルングはオーク達を追い払うと、ナログ川に架かる橋を落とし、財宝を最低の値打ちの品物に至るまで全て集め、ナルゴスロンドの一番奥の広間に積み上げて寝床とし、そこに棲みついた。
ナルゴスロンド滅亡の報せを聞き、トゥーリンを捜しに来たモルウェンとニエノール、彼女らを護衛してきたマブルングらドリアスの一行がナルゴスロンドにやって来ると、グラウルングはそれを察知してナログ川に身を横たえて毒の水蒸気を発生させ、ドリアスの護衛達を追い払う。さらに蒸気から逃れたニエノールをアモン・エシルの山頂で待ち受けると、再び邪眼を用いて彼女に心の闇と忘却の呪いを掛けた。このためニエノールは完全に記憶を失い、ついには互いにそれと知らず実兄であるトゥーリンの妻となってしまう。
やがて3年後、ブレシル襲撃に送り出されたオーク達が、その地に腰を落ち着けていたトゥーリンに撃退されたのを知ったグラウルングは、さらに悪意の謀を巡らせる。ナルゴスロンドから出てきたグラウルングはテイグリン川の西岸近くに横たわり、ブレシルの人間たちに非常な恐怖を与えた。だがカベド=エン=アラスを越えようとした時、その崖下に潜んでいたトゥーリンにグルサングで弱点の腹を刺され致命傷を負う。グラウルングの傷口から吹き出た毒の血はトゥーリンの手を焼き、邪眼はトゥーリンを気絶させた。
その直後、身重のニーニエル(ニエノール)がトゥーリンを捜しにやって来ると、グラウルングは最後の悪意をもって彼女がフーリンの娘ニエノールであり、夫であるトゥーリンは彼女の実兄であることを告げて死んだ。
「これはこれはニエノール、フーリンの娘御。終わる前にまた出会うたな。喜んでもらおう、そなた、ついに兄者を見つけられたぞ。さあ、兄者のことを教えてやろう。暗闇の刺殺者、敵に対しては欺瞞者、友に対しては信義なき者、身内には禍、これがフーリンの息子トゥーリンじゃ! だが、かれの犯した最悪なる行為は、そなたがわが身の裡に感じようぞ」*3
忘却の呪いが解けて記憶が甦ったニエノールは絶望に囚われ、カベド=エン=アラスの崖からテイグリン川の流れに身を投げた。その後にマブルングから事の真相を知ったトゥーリンもグルサングの刃に身を投げて自害した。
グラウルングの死骸はマブルングらドリアスのエルフとブレシルの人間たちによって灰になるまで焼かれ、骨は塵になるまで砕かれた。
画像†
コメント†
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