ガンダルフを(しの)ぶ歌

概要

カテゴリー詩・歌
スペルFrodo's Lament for Gandalf

解説

指輪の仲間ロスローリエンに滞在中、ガラズリムモリアバルログと相討ちになったガンダルフへの哀歌を歌っていたのを受けて、フロド・バギンズが歌った歌。

邦訳

の夕べが灰色になるころ、
お山にあの人の足音が聞こえた。
そして夜明け前に去っていった。
言葉も残さず、長い旅路へ。

荒れ地の国から西の海辺にかけて、
北の荒野から南の山中にかけて、
あの人は歩きまわった、思いのままに、
臥処(ふしど)も隠し戸も、暗い森も。

ドワーフホビットにも、エルフにも、
死すべき者にも、不死の者にも、
枝の小鳥にも、ねぐらの獣にも、
他には知られぬそれぞれの言葉でかれは話した。

必殺の剣、生命(いのち)いやす手、
重荷に折れたわむ背、
われ(がね)の声、火をふく杖、
疲れた漂泊人(さすらいびと)は、旅にあった。

智恵の王者の御座(みくら)に坐して、
たちまち怒り、たちまち笑う、
ひしゃげた帽子のこの老人は、
とげある木の杖にすがっていた。

この人ひとり、の上に立ち、
火と影の()にひるまずいどんだ。
石を打って、その杖は折れ、
カザド=ドゥム叡智(えいち)が絶えた。*1

この歌を聞いたサムワイズ・ギャムジーは、また歌を作るときは以下のようなガンダルフの花火についての句を加えることをフロドに提案した。

ついぞない見事な打上花火は
空に青と緑の星々を散らした。
とどろく雷の後に金色(こんじき)驟雨(しゅうう)
吹雪(ふぶき)のように降りそそいだ。

原文

When evening in the Shire was grey
his footsteps on the Hill were heard;
before the dawn he went away
on journey long without a word.

From Wilderland to Western shore,
from northern waste to southern hill,
through dragon-lair and hidden door
and darkling woods he walked at will.

With Dwarf and Hobbit, Elves and Men,
with mortal and immortal folk,
with bird on bough and beast in den,
in their own secret tongues he spoke.

A deadly sword, a healing hand,
a back that bent beneath his load;
a trumpet-voice, a burning brand,
a weary pilgrim on the road.

A lord of wisdom throned he sat,
swift in anger, quick to laugh;
an old man in a battered hat
who leaned upon a thorny staff.

He stood upon the bridge alone
and Fire and Shadow both defied;
his staff was broken on the stone,
in Khazad-dûm his wisdom died.

The finest rockets ever seen:
they burst in stars of blue and green,
or after thunder golden showers
came falling like a rain of flowers.

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