ガラドリエル†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Galadriel |
その他の呼び名 | ロスローリエンの奥方(Lady of Lothlórien) ガラズリムの奥方(Lady of the Galadhrim) 黄金の森の奥方(Lady of the Golden Wood) 白の奥方(White Lady) 黄金の森の女妖術師(Sorceress of the Golden Wood)*1 妖しの奥方(Mistress of Magic)*2 アラターリエル(Alatáriel) アルタニス(Artanis) ネルウェン(Nerwen) ガラズリエル(Galadhriel) |
種族 | エルフ(ノルドール) |
性別 | 女 |
生没年 | 二つの木の時代~ |
親 | フィナルフィン(父)、エアルウェン(母) |
兄弟 | フィンロド、オロドレス、アングロド、アエグノール(兄) |
配偶者 | ケレボルン |
子 | ケレブリーアン(娘) |
解説†
フィナルフィンとエアルウェンの娘。フィンロド、オロドレス、アングロド、アエグノールの妹。
夫のケレボルンとの間に生まれた一人娘のケレブリーアンは、エルロンドの妻となる。そのためエルラダン、エルロヒル、アルウェンは孫にあたる。
ヴァラールに反逆して中つ国へと帰還してきた流謫のノルドールの指導者の一人。第三紀にはロスローリエンの奥方と呼ばれ、中つ国に残るエルフの中で、もっとも力ある上のエルフの一人となっていた。エルフの三つの指輪の一つ、水の指輪ネンヤの守護者。
樹身の下に置かれた二つの椅子には生きた枝を天蓋にして、ケレボルンとガラドリエルが並んで坐っていました。二人は客人たちを迎えるために立ち上がりました。たとえ強大な力を持つ王侯といえども、これがエルフの作法でした。二人ともそれは背が高く、奥方も背の高さでは殿にひけをとりませんでした。また二人ともそれは美しく、それはおごそかでした。二人とも全身白ずくめの衣裳をまとっていましたが、髪は奥方のは深い金色、ケレボルンの殿のは長い輝く銀髪でした。しかし二人のうちどちらにも老齢のしるしは見られません。ただそれは二人の目の深さにのみうかがわれました。その目は星の光にきらめく槍のように鋭く、しかも深い記憶を
蔵 した井戸のように深々とみえました。*3
「殿はこの世の黎明の日から西のかたに住まい、わらわもまた数えることもできないほど長の年月を殿とともに生きてきました。ナルゴスロンドあるいはゴンドリンの没落以前にわらわは霧ふり山脈を越え、われらは時代の移り変わる中を長い敗北の戦いを戦ってきたのです。」*4
二つの木の時代のガラドリエル†
二つの木の時代にアマンのエルダマールで生まれる。父はノルドールの上級王フィンウェの息子フィナルフィン。母はアルクウァロンデのテレリの王オルウェの娘エアルウェン。また、父方の祖母はヴァンヤールの上級王イングウェの縁者インディス。このためガラドリエルは、父方からヴァンヤールの金髪を、母方からテレリの銀髪を受け継いでおり、その髪は金の木ラウレリンと銀の木テルペリオンの光が混ざり合ったようだと讃えられた。
彼女はヴァリノールのエルダリエの中にあっても抜きん出た存在であり、闘技に優れ、肉体的にも精神的にも強い力を持っていた。
フェアノールとは常に不仲であった(『終わらざりし物語』によると、その髪の光輝に魅せられたフェアノールが髪の毛を分けてほしいと三度頼んだが、彼女は頑なに拒み*5、それがフェアノールにシルマリルを制作することを思い立たせたという)。だがティリオンでフェアノールが、復讐とシルマリル奪還のためモルゴスを追跡して中つ国へ帰還することを呼びかける演説を行うと、ガラドリエルはそれに触発されて未踏の中つ国の原野への憧憬と、そこに自分の王国を打ち立てるという野心を掻き立てられる。
父のフィナルフィンはアルクウァロンデの同族殺害とそれに下されたマンドスの呪いに後悔し、進軍を取り止めてアマンへ引き返したが、ガラドリエルを含む五人のフィナルフィンの子らは、フィンゴルフィンの子らへの愛情から進軍を続けることを選ぶ。かれらはフェアノールに裏切られてアラマンに置き去りにされても、ノルドールの大多数を指揮してヘルカラクセを横断し、中つ国への帰還を果たした。
第一紀のガラドリエル†
第一紀のベレリアンドでは、はじめ兄フィンロドと行動を共にしていたが、やがて客人として訪れたドリアスでケレボルンと出会い、その地に移り住む(フィナルフィンの子らはエアルウェンを母に持つ関係からシンゴル王の縁者でもあり、ドリアスで歓迎された)。そしてドリアスの女王であるマイアのメリアンから多くの教えを受けた。
フィンロドが建造したナルゴスロンドにも一時滞在したことがある。
ドリアス以後のガラドリエルとケレボルンの足取りは不明瞭である。『指輪物語』本文中で彼女は(第一紀の)ナルゴスロンドあるいはゴンドリンの没落以前に霧ふり山脈を(東に)越えと述べている。だが『追補編』および『シルマリルの物語』の記述によれば、二人が青の山脈以東に入ったのは第二紀以降のこととなる。
いずれにせよ、宝玉戦争で彼女以外のノルドールの指導者達は死に絶えた。最後の一人となったガラドリエルは、ベレリアンドの崩壊後も(ヴァラールの憐れみをよしとしない誇りのためか、中つ国への愛着のためか)中つ国に留まることを選んだ。
第二紀のガラドリエル†
第二紀以降のガラドリエルの行動についても幾つか説があり、はっきりしていない。
『終わらざりし物語』によれば、一時期霧ふり山脈西方のエレギオンに住んでいたとある。ガラドリエルは、閉ざされる以前のカザド=ドゥーム(モリア)のドワーフとも親交があり、直接カザド=ドゥームを訪れたこともあったようである(『指輪物語』でケレド=ザーラムの水は暗く、キビル=ナーラの泉は冷たい。そして山の下の強大な王の没落する日まで、上古の世のカザド=ドゥームの柱立ち並ぶ数々の広間のなんとみごとであったことでしょう。と述べている*6)。
サウロンの一つの指輪の存在が明らかになったとき、三つの指輪を分散して隠すようケレブリンボールに勧めたのはガラドリエルであるとされる。ガラドリエルはケレブリンボールから水の指輪ネンヤを受け取り、以後この指輪の守護者となった。
第三紀のガラドリエル†
第三紀1981年にアムロスとニムロデルが失踪すると、ガラドリエルとケレボルンは、統治者のいなくなったロスローリエンに迎えられ、この地を治めるようになる。だが二人は君主としての称号を帯びることをせず、あくまでガラズリムの指導者かつ守護者としての立場に留まった。
ロスローリエンの地でガラドリエルは、第三紀の中つ国のエルフの中で、最も力ある者となった。彼女はネンヤの力を使い、ロスローリエンが過ぎ去った上古の世を偲ぶ避難所となるように心を配ったが、中つ国から次第にエルフの力が消失し、ロスローリエンに保たれていた上古の世の夢が急速に灰色の目覚めに向かっていることを悟ると、悲嘆と不安に満たされた。また、ネンヤの作用は彼女の秘められた西方への郷愁を増大させもした。
一方、蘇ったサウロンの脅威に対抗するため、ガラドリエルは2463年にエルフと魔法使いの賢者らを招集して白の会議を結成する。ガラドリエルは議長に灰色のガンダルフを推したが、彼が辞退したため、白のサルマンが議長となった。
2510年にゴンドールを援助するためケレブラントの野の戦いに向かっていたエーオセーオドの軍勢がドル・グルドゥルの影に脅かされた際には、ロスローリエンより黄金の霧を送り出してエーオセーオドを助けるなどしている。
指輪戦争のガラドリエル†
指輪戦争ではモリアを抜けてきた指輪の仲間をロスローリエンに匿い、かれらに助言と助力を与えて送り出した。
ガラドリエルは一行の一人ひとりの心に語りかけ、彼らの内心の願望を確かめさせるとともに彼らの決意を試す(この時ボロミルは自らが一つの指輪を欲していることを自覚し、以後その誘惑に苦しむようになる)。
また、フロド・バギンズとサムワイズ・ギャムジーに水鏡を見せ、サムワイズには故郷ホビット庄に迫る危機の、フロドには中つ国の歴史の断片と、指輪所持者を捉えようとするサウロンの目のビジョンをそれぞれ垣間見させた。
この時ガラドリエルは、彼女もまた一つの指輪の力を自分が使ってみたいという欲望を抱えていることをフロドに指摘され、一つの指輪を差し出される。ガラドリエルは自らの欲望を認めるが、その試練と誘惑に打ち勝ち、小さくなって西方に去ることを受け入れた。
一行が出立する時、彼女はエルダマールの歌とナマーリエの歌にヴァリノールへの憧憬を歌い、また宴に一行を招いて祝福を与えると共に、優れた贈り物を授けた。
また彼女は水鏡によって、山頂の闘いで果てたガンダルフが送り返されたのを見届け、グワイヒィルを派遣して彼をケレブディルの頂から救い出す。ロスローリエンでガンダルフは治療され、白の衣に装われた。この時ガラドリエルは、アラゴルン、レゴラス、ギムリへの助言をガンダルフに言付けている。
一つの指輪が破壊されサウロンが滅ぼされると、ガラドリエルはケレボルンが指揮するロスローリエンの軍勢と共に進み、ドル・グルドゥルの要塞を破壊して浄化した。
そしてケレボルンやエルロンドたちと共にミナス・ティリスまで赴き、エレッサール王とアルウェンの結婚式に参列。ゴンドールからローハンへのセーオデンの葬列にも参加して一時エドラスに滞在した後、アイゼンガルドで木の鬚に会ってから、他の者に別れを告げ、ケレボルンと共にロスローリエンへと戻った。この時、波の下に横たわる地が再び持ち上がることを予言している。
だがガラドリエルは力の指輪の力が失われていくのを感じ、第三紀の終わり3021年9月22日に、他の三つの指輪の守護者と指輪所持者たちとともに灰色港よりアマンへ去った。
彼女はヴァラールに反抗して中つ国へと向かったことの浄罪として、アマンの大陸ではなくトル・エレッセアにとどまったという。
多数の名前の意味†
以下の名前とその説明は『終わらざりし物語』及び『The Peoples of Middle-earth』の「The Shibboleth of Fëanor」による。
- アルタニス(Artanis)
- クウェンヤで「高貴な女(noble woman)」の意。父フィナルフィンが与えた父名。
- ネルウェン(Nerwen)
- Nerwendë(ネルウェンデ)とも表記される。クウェンヤで「男勝りの乙女(man-maiden)」の意。母エアルウェンが与えた母名。
- アラターリエル(Alatáriel)
- テレリ語で「輝く花冠をつけた乙女(maiden crowned with a radiant garland)」の意。夫のケレボルンが与えたエペッセで、彼女の髪にちなむ名。クウェンヤ化した形はアルターリエル(Altáriel)だが、正確なクウェンヤでの形はÑaltariel(カ゚ルタリエル)。
- ガラドリエル(Galadriel)
- アラターリエルのシンダリン形。彼女はこの名を中つ国における名として用いた。
- ガラズリエル(Galadhriel)
- シンダリンのガラド(galad)「輝き」と、ガラズ(galadh)「木」の混同で生じた誤った名。*7
ガラドリエルの来歴についての異説†
トールキンの生前に刊行された『指輪物語』では、彼女の来歴は非常に断片的にしか語られていない。トールキンの死後、子息のクリストファによって編纂・出版された『シルマリルの物語』ではより詳しいことが述べられているが、トールキン自身は最晩年に至るまで大小さまざまな異同を含んだ案をいくつも残しており、『指輪物語』と『シルマリルの物語』の間にも少なからぬ曖昧な点や矛盾が残されている。ガラドリエルの来歴に残された問題点については『終わらざりし物語』に詳しい。
『終わらざりし物語』に収録されているトールキンの最晩年の草稿によれば、ガラドリエルは(『シルマリルの物語』で述べられていることとは大きく異なり)フェアノールの反逆からもノルドール族の離反からも距離をとり、ケレボルンとともに単独で中つ国への帰還を果たしたことになっている。
彼女とケレボルンはアルクウァロンデでファルマリの側に立って同族殺害に抵抗して戦い、その後無事だったファルマリの船に乗って中つ国の岸辺に辿り着いた。そして第一紀が終わる以前に、中つ国に残されたエルフの教化に努めるために青の山脈を越えて東方に勢力を築いたのだとされる*8。
これらは『シルマリルの物語』や『追補編』に述べられている内容とは隔たりが大きく、晩年のトールキンの構想の変化を示す好例の一つである。
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映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
俳優 | ケイト・ブランシェット |
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日本語吹き替え | 塩田朋子 |
「当時の中つ国に住まう者の中で、最も知識あるもの」ということで、第一部冒頭のナレーションを行っている(ナレーションの中に、原作で木の鬚の台詞であった言葉も含まれている)。
『王の帰還』ではキリス・ウンゴルにて、フロドがガラドリエルの幻影を見て立ち上がる場面がある。
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グッズ†
#amazon(B0013K9YYE) #amazon(B00092H6VA) #amazon(B000BBS4CE) #amazon(B00JA91ZEC) #amazon(B00TJZIE6E)映画『ホビット』における設定†
俳優 | ケイト・ブランシェット |
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日本語吹き替え | 塩田朋子 |
原作『ホビットの冒険』には描写がないが登場。
『思いがけない冒険』で、サルマンが召集した、裂け谷で開催された白の会議に出席している。
『竜に奪われた王国』では、ドル・グルドゥルの勢力についての警告をガンダルフに伝えている。その結果ガンダルフは一時ソーリン・オーケンシールドと行動を別にし、リュダウルにあるナズグールの塚へと確認に向かった。
『決戦のゆくえ』では、ドル・グルドゥルに捕らえられたガンダルフの救出に現れる。その後玻璃瓶を手にし、サウロンをドル・グルドゥルから撃退している。その際に力を使い果たしてしまい、『ロード・オブ・ザ・リング』では表舞台には立てなかったという設定になった*9。
グッズ†
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俳優 | モーフィッド・クラーク |
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日本語吹き替え | 行成とあ |
ヴァリノールで生まれ育ったが、二つの木がモルゴスによって滅ぼされたとき、兄フィンロドや他の上のエルフと共にモルゴスを追って中つ国へ向かう(この点は原作と概ね同じ)。
モルゴスの滅亡後も、フィンロドがサウロンを追って命を落とすとその遺志を継ぎ、サウロン追跡に執念を燃やしていた。しかし、部下たちの厭戦気分は抑えられずリンドンに帰還。エルフ上級王ギル=ガラドから長年の功績を讃えられ、部下たちと共にヴァリノールへの船に乗るが、心の声に従い中つ国に戻るべく海に飛び込む。
漂流者となったガラドリエルはワームの襲来で遭難しかけた人間たちの難破船に辿り着き、オークに滅ぼされた南方国の亡国の王子ハルブランドと知り合う。漂流する二人はエレンディル船長の船に救助される。星の国ヌーメノールはかつてはモルゴスとの戦いでエルフと同盟し、エルフから島を与えられたが一方的に関係を断絶していた。挑戦的な態度のガラドリエルに対し、ヌーメノールの摂政女王ミーリエルはガラドリエルを賓客として迎え入れると宣言するものの、裏では様々な思惑が渦巻いていた。皮肉なことにガラドリエルたちを助けたエレンディルは代々エルフの接待役を拝命してきた高貴な一族で、「伝承の学び舎」を守護しエルフ語も堪能だった。案内された「伝承の学び舎」でガラドリエルは南方国の危機の証拠となる作戦指示書を発見し、エレンディルと危機を共有する。
夫であるケレボルンは、戦いに出たまま行方不明になったとシーズン1第7話で語っており、娘のケレブリーアンのことには触れていない。(娘婿となる)エルロンドとも友人関係であるとされる。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
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