エント小屋

概要

カテゴリー言葉・単語
スペルent-house
異訳エントの家

解説

エントのねぐら。小屋といっても建物ではなく、自然の地形ほとんどそのままの場所で、普通テーブル代わりの石が置いてあり、エント水が湧き出ている。
木の鬚はこれを複数持っていたらしく、メリーピピンをその内の一つ、メセドラス山麓にある水湧き出ずる広間*1(Wellinghall)に案内した。

ホビットたちは突然目の前にぽかっと大きな口があいているのを見ました。そこには両側に一本ずつ大きな木が立っていて、まるで生きた門柱のようでした。 … その向こうには広い平らな空間があり、あたかも山腹を切り開いて作った大きな広間の床ででもあるかのようでした。その両側の壁は奥に行くほど高くなり、ついには五十フィート以上にも達していました。そしてそれぞれの壁に沿って側廊の列柱のように木が立ち並び、これもまた奥に進むにつれて高さがましていました。
突き当りは切り立った岩壁になっていましたが、崖裾にアーチ型の天井をもった浅い洞穴が掘り抜かれていました。この広間の中で屋根のあるのはここだけでした。もっとも差し伸べられた木々の枝は奥の方になると覆われていない広い通路を真ん中に残すだけで、あとの地面をすっかり木蔭で覆っていました。山上から流れ出た水が主流を離れて小さな流れとなり、岩壁の切り立った面を音も軽やかに流れ落ち、アーチ型の洞穴の入口の前を目の細かいカーテンのように、銀の雫となって降っていました。こうして流れ落ちた水は木と木の間の床にある石の水盤にふたたび集められ、そこからまたこぼれ落ちて、屋根のない通路のわきを流れ去り、ふたたびエント川に合流して、森を通り抜けていくのです。*2

この小屋にはエント水が蓄えられた瓶の他にも、エントが手をかざすと光を発して照明代わりになる水の入った器などもあり、また暗くなると木々の葉があるものは緑に、あるものは金色に、あるものはあかがねのような赤い色に、一方木々の樹身はすべて光る石から作った柱のように輝き出して広間を照らした。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • Kindle版で、「水湧き出ずる広間」が「水流れ落つ広間」になっていました(`・ω・´)ゞ -- なにむ 2024-03-24 (日) 10:09:42
  • wellingに「流れ落つ」なんて意味はないと思うのですが……。wellは「泉」のことで、要するに「湧き出るもの、ほとばしり出るもの」といった意味。「流れ落ちる」とは明らかにニュアンスが異なる。
    たぶん、水源から湧き出た水が広間の崖の上から流れ落ちていることから「流れ落る」とした方が正確だとの配慮をして意訳したのだと思いますが、正直いらない配慮かと。頭上といっても水が湧き出る地点にあることから「湧き出ずる広間Wellinghall」なのだという、従来通りの解釈で普通に意味は通じますし、wellingの意味からしてもそう解釈するのが妥当でしょう。わざわざ語の意味を曲げてまで意訳しなければならない必要性はどこにもないはず。
    正直、kindle版からの「改訂」の数々は監訳者としての手腕に疑問符がつくチョイスばかりで、まことに残念な気持ちになる。 -- 2024-03-26 (火) 23:52:38
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