エレンディル†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Elendil |
その他の呼び名 | 丈高きエレンディル(Elendil the Tall) エレンディル金髪王(Elendil the Fair)*1 節士エレンディル(Elendil the Faithful) エルフの友(Elf-friend) |
種族 | 人間(ドゥーネダイン) |
性別 | 男 |
生没年 | 第二紀3119年~†3441年(享年322) |
親 | アマンディル(父) |
子 | イシルドゥル、アナーリオン(息子) |
解説†
ゴンドールの王 | ||
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建国 | 初代 エレンディル 第二紀3320~3441年(121年間) | 第3代 メネルディル 第三紀2~158 |
第2代 (エレンディルとの共同統治) アナーリオン 第二紀3320~3440 イシルドゥル 第二紀3320~第三紀2 |
名はクウェンヤで「星を愛する者(Star-lover)」の意味だが、「エルフの友」を意味するエレンディリの単数形とも解せられる。
ヌーメノールの領国アンドゥーニエの最後の領主アマンディルの息子で、イシルドゥルとアナーリオンの父。アラゴルン二世の祖先にあたる。
ヌーメノールの没落を逃れた節士の指導者であり、かれらが中つ国に築いた亡国の民の王国の初代上級王。彼自身は北方王国アルノールを統治し、南方王国ゴンドールの統治は二人の息子たちに委ねた。ナルシルの剣の使い手。
エルフの上級王ギル=ガラドと最後の同盟を結んで共に冥王サウロンを打ち倒したが、彼もまたギル=ガラドと共に斃され、その体の下でナルシルは折れた。
エト エアレッロ エンドレンナ ウトゥーリエン。スィノメ マルヴァン アル ヒルディンヤル テン アンバル゠メッタ!
「大海より中つ国にわれは来れり。この地にわれとわが世継たち、この世の終わるまで住まいせん。」*2
ヌーメノールの節士†
エレンディルの父は、ヌーメノールで多くの節士を擁したアンドゥーニエ最後の領主アマンディルであった。エレンディルとその二人の息子も彼にならってヴァラールとエルダールへの敬愛を失わず、第二紀3262年に島に連れてこられたサウロンが次第にヌーメノール人の心を支配していく中でも、王党派の迫害に抗し続けた。
やがてサウロンにたぶらかされたアル=ファラゾーンが西方(アマン)への侵攻を準備していることが明らかになると、アマンディルはヴァラールに慈悲を懇願するため単身西方に航海して戻らなかった。エレンディルは父の遺言に従って、息子達とともに節士を取りまとめると、9隻の船で大海に逃れる。
こうしてかれらはヌーメノールの没落を生き延び、故国喪失者となった。
亡国のドゥーネダインの王†
エレンディル率いる4隻の船は中つ国のリンドンに流れ着き、ギル=ガラドの援助を得た。かれらはルーン川を遡って夕おぼろに達すると、そこに北方王国アルノールを築いた。
一方、二人の息子イシルドゥルとアナーリオンが率いる5隻の船は大河アンドゥインの河口に流れ着き、大河を遡ったところに南方王国ゴンドールを築いた。
エレンディルはこれら亡国の民の王国全土の上級王と見なされていた。
親子は没落から持ち来たった7つのパランティールを分割して王国の各所に配置し、連絡を保った。
最後の同盟†
ところが、サウロンもまたヌーメノールの没落を逃れてモルドールに帰還していたことが明らかになる。サウロンは、ヌーメノールで自分の思い通りにならなかったエレンディル達が中つ国で王国を築いていることを知ると、憎しみを募らせてゴンドールを急襲した。
攻撃を逃れたイシルドゥルからこの報せを受けたエレンディルは、ギル=ガラドとの間に最後の同盟を結んでサウロンに抵抗した。同盟軍はモルドールに進軍し、ダゴルラドの合戦で勝利を収めてバラド=ドゥールを包囲攻撃した。
滅びの山の山腹で行われた最後の戦いにおいて、ナルシルを手にしたエレンディルはギル=ガラドと共に、姿を現したサウロンと戦ってこれを斃した。だが二人の上級王もまた斃れ、エレンディルの体の下でナルシルは二つに折れた。イシルドゥルは父の剣の柄本に残った刃でサウロンの指を切り取り、一つの指輪を手にした。
エレンディルの世継†
エレンディルの死後、その長子イシルドゥルがドゥーネダインの王国の上級王位を宣言した。
だがイシルドゥルは北方の父の領地へ向かう途上、あやめ野で一つの指輪に裏切られ落命し、この事実はうやむやとなった。さらに第三紀を通じてアルノールは分裂と衰退の一途を辿って宗主国としての権威を失墜させた一方、ゴンドールは一時かつてのヌーメノールを思わせるほど国威を増大させたため、両国はもはや一体の王国ではない別々の王国としての道を歩むことになった。
とはいえ、エレンディルの王権を継いだイシルドゥルの家系である北方王国の王家が元来は全ドゥーネダインの王位を主張できる立場にあった。(アルヴェドゥイはこれを理由に挙げて南北王国の再統一を図ったことがあったが、当時の執政ペレンドゥルらに拒否された)
しかしこれも、北方王国の滅亡とゴンドールの王統途絶により、公然とエレンディルの印を掲げることのできる王侯は歴史の表舞台から姿を消すことになった。
エレンディルの血筋は、野伏に身をやつしたアルセダイン王家の末裔たちの中にのみ連綿と引き継がれた。アラゴルン二世がその末裔であり、彼によって南北王国の再統一がなし遂げられた。
エレンディルの墓所†
『終わらざりし物語』によると、エレンディルの棺はイシルドゥルによってハリフィリアンに運ばれ、そこに秘密の墓所が築かれた(ハリフィリアン#エレンディルの墓所を参照)。これによって聖められたハリフィリアンは厳粛な気配の満ちる聖地となった。
エレンディルの棺は、第三紀2510年にカレナルゾンがゴンドールからローハンに割譲されたとき、ミナス・ティリスの聖所(ラス・ディーネン)に移されたが、墓所のあった場所は依然として畏怖の念を呼び起こす場所であり続けた。
略歴†
- 第二紀3119年 生誕
- 3209年 90歳:息子イシルドゥル誕生
- 3219年 100歳:息子アナーリオン誕生
- 3255年 136歳:アル=ファラゾーン即位
- 3262年 143歳:サウロン捕虜となる
- 3299年 180歳:孫エレンドゥル誕生
- 3318年 199歳:孫メネルディル誕生
- 3319年 200歳:ヌーメノールの没落
- 3320年 201歳:アルノール創建
- 3339年 220歳:孫アラタン誕生
- 3379年 260歳:孫キルヨン誕生
- 3399年 280歳:曾孫ケメンドゥル誕生
- 3429年 310歳:ゴンドールとモルドールが開戦
- 3430年 311歳:最後の同盟締結。孫ヴァランディル誕生
- 3434年 315歳:ダゴルラドの合戦。バラド=ドゥール包囲戦始まる
- 3440年 321歳:息子アナーリオン討死
- 3441年 322歳:ギル=ガラドと共にサウロンと相打ちになり、斃れる
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
俳優 | ピーター・マッケンジー |
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日本語吹き替え | 不明 |
原作と異なり、単身でサウロンに挑むもメイスで叩き飛ばされて落命する。
グッズ†
#amazon(B0002ZGVOC) #amazon(B00070KEN6) #amazon(B0189ZBDJE)ドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』における設定†
俳優 | ロイド・オーウェン |
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日本語吹き替え |
エルフとの関係が冷え切っているヌーメノールにおいて、エルフへの敬愛を抱き続ける者(節士)のひとり。
ヌーメノールの海洋警備隊(Sea Guard)の船長を務めており、海で漂流していたガラドリエルとハルブランドを救出する。
ガラドリエルの監視役を命じられるが節士として彼女を「伝承の学び舎」に案内し、其処で南方国の危機を知る。
息子のイシルドゥルのほかに、オリジナルの設定として娘のエアリエンが登場する。初登場時点で次男のアナーリオンは名前のみ登場している。
画像†
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
エレンディルの墓はハリフィリアンに作られたが、エレンディルの軍旗などの遺物はアンヌーミナスのハウズ・エレンディルに納められたことになっている。
コメント†
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