イシルドゥア †
概要 †
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Isildur |
異訳 | イシルデュア |
種族 | 人間(ドゥーネダイン) |
性別 | 男 |
生没年 | 第二紀3209年~†第三紀2年(享年234) |
親 | エレンディル(父) |
兄弟 | アナーリオン(弟) |
配偶者 | 妻 |
子 | エレンドゥア、アラタン、キアヨン、ヴァランディル(息子) |
解説 †
ゴンドールの王 | ||
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建国 | 第2代 (エレンディルとの共同統治) イシルドゥア 第二紀3320年~第三紀2年(123年間) アナーリオン 第二紀3320~3440 | 第3代 メネルディル 2~158 |
初代 エレンディル 第二紀3320~3441 |
エレンディルの長子でアナーリオンの兄。ヌーメノールの没落を逃れた忠実なる者の指導者の一人であり、弟アナーリオンと共にゴンドールを創建した事実上の初代の王。
父のナルシル(折れたる剣)を使ってサウロンの指を切断し、一つの指輪を奪い取った人物。
ニムロスの救出 †
イシルドゥアはヌーメノールの忠実なる者の指導者であるアマンディルの孫であった。
当時ヌーメノールで影響力を増していたサウロンは、二つの木の光を記念するものであるニムロスの木を伐り倒すよう、執拗に王アル=ファラゾーンに勧めていた。
アマンディルから二つの木の物語を聞かされたイシルドゥアは、ニムロスを救おうと決意。アルメネロスの王宮に変装して忍び込むと、ニムロスの実を取って番人に襲われながらも逃げ延びた。彼は重傷を負ったが、救い出した実が芽吹き、最初の葉が開くにつれて回復した。
この直後にニムロスはサウロンの進言を容れたアル=ファラゾーンによって伐り倒されてしまったため、イシルドゥアはニムロスを救ったことになり、この一件は彼の名を高からしめる勲として後々まで記憶された。
中つ国に植えられたニムロスの実生から生じたのが、ゴンドールの白の木である。
ゴンドールの創建王 †
ヌーメノールが没落すると、忠実なる者たちは9隻の船で中つ国に逃れた。イシルドゥアが率いる3隻と、弟アナーリオンが率いる2隻の船はペラルギアに漂着。兄弟は大河アンドゥインを遡ったところに南方王国ゴンドールを築いた。
一方、4隻の船を率いた父エレンディルは北方王国アルノールを築いた。アルノールとゴンドールは亡国の民の王国として一体のものだと見なされており、ゴンドールの王権は上級王たるエレンディルが二人の息子に南方王国の統治を委ねた共同統治とされた。兄弟の玉座は、オスギリアスの大宮殿に隣り合って置かれた。
イシルドゥア自身は影の山脈の膝下にあるミナス・イシルを居城とし、そこにヌーメノールから持ち来たった白の木を植える。
またエレヒには黒い石を据え、白の山脈の山中に暮らしていた山々の人間を配下に引き入れる。(だが後に山々の人間は召集に応えなかったため、イシルドゥアの呪いを受けて死者の軍勢となった)
最後の同盟の戦い †
しかしサウロンもまた没落を逃れてモルドールに帰還しており、ゴンドールは復活したサウロンの攻撃を受ける。
ミナス・イシルは陥落して白の木は焼かれたが、イシルドゥアは妻子と共に白の木の実生を携えて脱出し、アルノールの父エレンディルの許へ急を知らせに赴いた。
最後の同盟が結ばれると、裂け谷に妻と末子ヴァランディルを預けて同盟軍と共にモルドールへ進軍。ダゴルラドの戦いとバラド=ドゥーアの包囲戦を生き延び、滅びの山の山腹で二人の上級王エレンディルとギル=ガラドがサウロンと最後の戦いを行い、共に倒れるのを見届ける。イシルドゥアは倒れた父エレンディルの剣ナルシルの折れた柄元で、サウロンの指から一つの指輪を奪い取った。
共に戦いを見届けたエルロンドとキーアダンは、指輪を滅びの山の火中に投ずることを勧めたが、イシルドゥアは戦いで死んだ父エレンディルと弟アナーリオンの「贖いの品」として、これを自分のものにすることを宣言した。
ゴンドールにおける戦後処理 †
父と弟が死んだため、イシルドゥアはアルノールとゴンドールを統べる上級王となったことを宣言し、エレンディルミアを身につける。
イシルドゥアは弟アナーリオンを偲び、白の木を弟の居城であったミナス・アノールに移植する。さらに父エレンディルの亡骸をハリフィリアンに設けた墓所に葬った。
加えて、獲得した一つの指輪を王家重代の宝器として伝承するべく、その外見と銘文を記した巻物を製作する(だがこれはずっと後になってサルマンとガンダルフに発見されるまで忘れ去られた)。
これら戦後処理が終わると、イシルドゥアはゴンドールの統治を弟の息子メネルディルに委ね、自らは父の王国を継ぐべく北のアルノールに向けて旅立った。
あやめ野の凶事 †
一度は一つの指輪に魅せられてそれを自分のものにしたイシルドゥアだが、時と共にその存在が自分の中で大きなものとなり、もはや自分の意志では制御できないものになったことに気づくと、指輪を賢者達に委ねるべきであったと後悔する。そのため裂け谷でエルロンドの助言を乞うべく、北回りのルートでアルノールへ凱旋しようとした。
しかし一行はあやめ野でオークの残党に襲撃される。
一つの指輪がオークの猛攻を招いていることに気づいたイシルドゥアは、一つの指輪を嵌めて単身脱出しようとしたが、アンドゥインの河中で指輪は彼を裏切って指から抜け落ちる。そのため岸に上がったところをオークに発見されて射殺された。
イシルドゥアの亡骸は発見されず、彼が身に帯びていたエレンディルミアも失われた。
この凶事で彼の上の息子達エレンドゥア、アラタン、キアヨンも落命したため、北方王国アルノールは裂け谷に留まっていた末子で幼年のヴァランディルが継ぐことになった。
イシルドゥアの遺体 †
第四紀になってエレスサール王の一行がオルサンクを捜索した際、隠し部屋からイシルドゥアが最後に身に付けていたはずのエレンディルミアと、一つの指輪を収めて首にかけていた鎖つきの金の小箱が発見された。これはサルマンが一つの指輪を求めてあやめ野を捜索していて遺体と共に発見したものだと思われるが、遺体の方はサルマンがイシルドゥアを侮辱するために炉で焼き捨てたのではないかと考えられている。
略歴 †
- 第二紀3209年 生誕
- 3219年 10歳。弟アナーリオン誕生
- 3255年 46歳。アル=ファラゾーン即位
- 3262年 53歳。サウロンがヌーメノールへやってくる。この頃、ニムロスの実を救う
- 3299年 90歳。息子エレンドゥア誕生
- 3319年 110歳。ヌーメノール滅亡、忠実なる者達は9隻の船で逃れる
- 3320年 111歳。アナーリオンと共にゴンドールを創建(父はアルノールを創建)
- 3339年 130歳。息子アラタン誕生
- 3379年 170歳。息子キアヨン誕生
- 3429年 220歳。モルドールと開戦。ミナス・イシルが陥落し、北方の父の許へ赴く
- 3430年 221歳。息子ヴァランディル誕生。最後の同盟が結ばれる
- 3434年 225歳。同盟軍霧ふり山脈を越え、ダゴルラドの合戦で勝利。バラド=ドゥア包囲戦始まる
- 3440年 231歳。アナーリオン討死
- 3441年 232歳。ギル=ガラド、エレンディル、サウロンが倒れるのを目撃。折れたる剣でサウロンから一つの指輪を奪う
- 第三紀2年 234歳。ミナス・アノールに白の木の苗を移植、ゴンドールをメネルディルに引き渡し、自身は父の王国を継ぐため北方へ向かう。あやめ野の凶事
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定 †
俳優 | ハリー・シンクレア(Harry Sinclair) |
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日本語吹き替え | 吉田裕秋 |
人物像の描かれ方や、一つの指輪との関係などは大幅に省略されており、人間の弱さの象徴のような描かれ方になっている。
画像 †
グッズ †
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定 †
ゲーム『シャドウ・オブ・ウォー』における設定 †
あやめ野で落命したあと、遺体はバラド=ドゥーアへ運ばれる。そこでまだ自分の姿を取り戻していないサウロンに九つの指輪の一つを嵌められたことでイシルドゥアは蘇り、強制的にナズグールにされた。
死んだ人間を亡霊として蘇らせる能力を持ち、主人公タリオンの前に立ちはだかるが、最後はバラド=ドゥーアでの戦いに破れ、指輪による呪縛から解放された。
備考 †
類似した設定として、ロード・オブ・ザ・リングス オンラインではイシルドゥアと同じくゴンドール王であるエアルヌアが幽鬼と化し、モルディリスの名を与えられている。また、ICE設定では魔王の正体はヌーメノールの王子エル=ムーラゾールとされている。
コメント †
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