イシリアン

概要

カテゴリー地名
スペルIthilien
異訳イシリエン

解説

シンダール語で‘land of the moon’(の地)の意*1大河アンドゥインの東岸にあるゴンドールの領地。西の対岸はアノリアンになる。
アンドゥインエフェル・ドゥーアスに挟まれた、ポロス川の北、ニンダルヴの南の地域を指す。オスギリアス付近の、アンドゥインとエフェル・ドゥーアスの間が狭くなっている地を境にして、北イシリアン(North Ithilien)と南イシリアン(South Ithilien)に分けられる。

こうしてかれらは森が斜面を這い登り、せせらぎが早瀬となって流れる(うま)しき国、かつて人間たちがイシリアンと呼んだ地の北の(はず)れにはいっていたのです。 … ここではゆくところ春がすでにさかりでした。羊歯(しだ)の葉は苔や土を突き抜けて芽ぶき、落葉松(からまつ)の緑が芽立ち、小さな花々が芝草に開き、小鳥が歌っていました。今では住む人とてないゴンドールの庭イシリアンはいまだに乱れ髪の森の女神の美しさを保持しているのでした。*2

この地の首府ミナス・イシル(後のミナス・モルグル)とゴンドールの旧首都オスギリアスは東西の道で繋がれており、さらに南北を黒門からハラド方面へと繋ぐハラド街道が通っている。両道が交差する地点は十字路となっている。
この他にも執政家の領地だった丘陵地エミン・アルネンイシリアンの野伏の拠点であるヘンネス・アンヌーン指輪の仲間が再会したコルマルレンの野などがある。

歴史

天然の防衛線であるアンドゥインの東側にある立地上、幾度も戦いの舞台となった。

unfinished index』及び『終わらざりし物語』の索引によると、ゴンドールの建国当初はミナス・イシルを居城とするイシルドゥアの領地だった*3
第二紀3429年、ヌーメノールの没落を逃れて戦力を再建したサウロンの攻撃によってミナス・イシルは陥落し、イシリアンも戦場となった。アナーリオンは防戦に努め、最後の同盟の戦いによってこれらはゴンドールに奪回された。

第三紀1944年には蛮夷の大軍(東方から来た馬車族と、南方から来た近ハラド人とハンド人)が南北からこの地に攻め入った。エアルニル二世は南イシリアンで南方の敵を破り、軍を反転して北の野営地にいた馬車族を撃滅し大勝を収めた。
しかし2002年にナズグールがミナス・イシルを奪い取ってミナス・モルグルに作り変えると、イシリアンから多くの住民が逃げ出した。
2475年にはモルドールからウルクが出現してこの地を強襲した。時の執政の長子ボロミアは敵を撃退してイシリアンを取り戻したが、オスギリアスは廃墟となった。
2885年にはかねてより係争の地であったハロンドールからハラドリムの大軍がポロス川を渡って来襲したが、ローハンの援助もあってポロスの渡しで撃退された。
2901年にはウルクが再襲来して、残っていた住民のほとんどがアンドゥインを渡って西へと逃げ去った。時の執政トゥーリン二世は踏みとどまって戦う最も勇敢な者達のためにヘンネス・アンヌーンをはじめとする隠れ処を築いた。この頃からイシリアンはオークの跋扈するところとなった。

2951年にモルドールに戻ったサウロンが公然と名乗りを上げ、2954年に滅びの山が噴火すると、残っていた最後の住人も逃げ去った。
執政デネソール二世はこの地の民の子孫の中からイシリアンの野伏を結成し、敵地となったイシリアンで潜入任務に当たらせた。

指輪物語』において

3019年(大いなる年)指輪戦争では、イシリアンがその最終局面の舞台の一つとなる。

フロド・バギンズサムワイズ・ギャムジーゴクリの案内でこの地を通過中、ファラミア率いるイシリアンの野伏たちに遭遇した。二人は一時ヘンネス・アンヌーンへ連行されるが、ファラミアの好意を得て釈放され、十字路を経てミナス・モルグルをかすめてキリス・ウンゴルへ向かった。
その最中にファラミアの部隊は街道を北上してくるムマキルを連れたハラドリムの軍勢を伏撃した。だがフロド達と別れた後、モルドールから暗闇が流出してくるのを受けてファラミアは部隊を撤収してオスギリアスの守備隊増強に充て、自らはミナス・ティリスの父デネソール二世の許に急を知らせに戻った。

暗闇を先触れとしてモルドールからは大軍が出撃してイシリアンを渡り、オスギリアスカイア・アンドロスを奪ってミナス・ティリスを包囲攻撃した。だがモルドール軍はペレンノール野の合戦で殲滅された。
そこで西軍の大将たちはサウロンの目をフロド達から逸らすために黒門への陽動攻撃を仕掛けるべく、イシリアンを通って進軍した。西軍は一度、以前にファラミアがハラドリムを伏撃したのと同じ地点で敵の待ち伏せを受けたが、偵察隊の警告によってこれを返り討ちにした。西軍は上空からナズグールに監視されながらイシリアンを無事通過し、黒門の戦いを迎えた。

一つの指輪が破壊されると、フロドサムワイズはこの地に運ばれて治療を受け、コルマルレンの野で栄誉礼を受けた。

指輪戦争後、エレスサール王ファラミアをイシリアンの大公に封じ、彼と妻のエオウィンエミン・アルネンに住まった。またレゴラスはこの地の美しさに魅せられ、闇の森からエルフの一党の一部を引き連れてこの地に移住した。こうしてイシリアンは再びゴンドールの美しい領国となった。

コメント

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  • …いいところなんでしょうね…… -- ゆき
    • どこで読んだか忘れましたが、「ゴンドールの庭」と言われていました。おそらく、首都(オスギリアスorミナス・ティリス)からの近さと、風景の美しさとからそう呼ばれたのでしょう。 -- カイト
      • エルフ達が引っ越してきたのなら、きっと侵略以前よりもっと美しい土地になったことでしょうw -- 2013-01-20 (日) 19:11:17
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