アル=ファラゾーン†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Ar-Pharazôn |
異訳 | アル=ファラゾン |
その他の呼び名 | タル=カリオン(Tar-Calion) 黄金王アル=ファラゾーン(Ar-Pharazôn the Golden)*1 |
種族 | 人間(ヌーメノール人) |
性別 | 男 |
生没年 | 第二紀3118~†3319年(享年201) |
親 | ギミルハード(父) |
配偶者 | ミーリエル |
解説†
クウェンヤでの名はタル=カリオン。ヌーメノール25代目にして最後の王。彼の治世にヌーメノールの国威と堕落は絶頂に達し、黄金王の名で知られる。
ギミルハードの息子でタル=パランティルの甥にあたり、従姉妹にあたるミーリエルと強引に結婚して王位を簒奪した。
王位簒奪†
ファラゾーンは父のギミルハードに似て傲慢で、王党派の筆頭格としてヴァラールやエルダールを敵視していた。ギミルハードは、タル=パランティルの改悛(反ヴァラール、反エルダールを改めようとする行為)に抵抗し続けたが、ファラゾーンもそれにならい、ギミルハードの死後もそれを続けた。しかもファラゾーンは若い頃は中つ国に遠征して略奪を行い、その富をヌーメノールに持ち帰って人々に与えたので、ヌーメノール人の人望を集めていた。
タル=パランティルが死ぬとファラゾーンは、パランティアの娘でファラゾーンの従姉妹にあたるミーリエルに、自分と結婚するよう強要(又従兄弟以上に近い血縁の者の結婚を禁じる、ヌーメノールの法を無視するものでもあった)。
こうしてファラゾーンはヌーメノールの王位を簒奪する。
中つ国の覇権の確立†
サウロンは、中つ国においての強敵であったファラゾーンが王位簒奪のためヌーメノールに戻ると、中つ国の沿岸都市からヌーメノール人を追い落として支配下に置こうとし、自ら「人間の王」を称した。これらの話を聞くとアル=ファラゾーンは激怒。彼はサウロンを撃破し自分こそが人間の王であることを証明するため、大軍を指揮してウンバールに上陸した。
このときウンバールの港を埋め尽くしたアル=ファラゾーンの大艦隊は、節士派ですら思い返すたびに誇らしさを覚えるのを禁じ得ないほど壮大なものであり、後々まで記憶された。アル=ファラゾーンの軍勢のあまりの強大さに、サウロンは武力で抗う望みがないことを悟り、降伏してヌーメノールの陣営に投降することを選ぶ。
アル=ファラゾーンは、サウロンの臣従の監視と彼の王国に対する人質として、また、自らの権勢を示す証として、サウロンを捕虜としてヌーメノールに連れ帰った。
ヌーメノールの堕落†
しかしサウロンはほどなくして、堕落したヌーメノール人の心と死を恐れる気持ちに付け込み、影響力を行使するようになる。
アル=ファラゾーンはサウロンの甘言に耳を傾け、彼を自らの相談役に引き立てると、その助言のもとでますます中つ国から富の収奪を繰り返し、いよいよ国力を増大させていった。
さらにサウロンは王にメルコールへの崇拝を求め、イルーヴァタールはヴァラールが考え出した嘘に過ぎないと吹き込む。メルコールとその暗黒を崇拝するようになったアル=ファラゾーンと王党派は、神官たるサウロンの指導の下、自分たちが不死になることを願って、人身御供をはじめとした数々の忌まわしい儀式を執り行い、節士をますます迫害した。
アル=ファラゾーンは、ニムロスと王家の運命は結びついているとかつてタル=パランティルが予言したことを覚えており、サウロンがニムロスを刈り倒すよう勧めても、当初は難色を示していた。しかし結局はサウロンに従い、ニムロスを伐り倒す(その直前にイシルドゥルがニムロスの実を救い出した)。
こうした行状とともに、次第にヌーメノールに与えられていた恩寵は薄れていった。悪天候や船の難破が頻発するようになり、人心は荒廃して争いが絶えず、人々を襲う死はいっそう速やかかつ惨たらしくなり、かき立てられた憎悪と恐怖はサウロンによっていっそう煽り立てられた。
だが国力は増大し続けたため、多くの国民はヌーメノールの繁栄を疑わず、アル=ファラゾーンはモルゴス以来世に存在したことのないほど強大な暴君となった。
アマンへの進軍†
やがて忍び寄る老いと死への恐怖を感じ始めたアル=ファラゾーンは、いよいよ判断力を失い、ヴァラールから不死を奪い取ることが可能だというサウロンの甘言を信じ込む。
アル=ファラゾーンは長い時間をかけてヴァラールと戦うための軍備を整え、ヌーメノールの西の海上を真っ黒に埋め尽くしたその大艦隊は、かつて世界に比を見ないほど強大なものであったという。
西方からは、数々の不吉な警告の印がもたらされたが、アル=ファラゾーンはあくまで心を変えようとはせず、武装して王冠を戴くと、旗艦アルカロンダスに乗り込み、落日とともに挑戦のトランペットを吹き鳴らして西方へ出撃した。
ヴァラールの禁を破って禁じられた海域を越えたアル=ファラゾーンの大艦隊はアマンに到達し、トル・エレッセアを包囲してその海上をびっしりと埋め尽くす。
さしものアル=ファラゾーンもこの世ならぬタニクウェティルの山と不死の国の岸辺を目にした時はふと恐怖を覚えたものの、結局は禁じられた地に足を印し、この地は自分のものだと宣言する。上陸したアル=ファラゾーンとヌーメノールの軍勢は、エルフ達が逃げ去ったあとのトゥーナの周囲で野営した。
だがその時、ヴァラールからアルダの統治権を返上されたイルーヴァタールがアルダを作り変え、その結果ヌーメノールの島は覆って海中に沈み、大艦隊もその淵に引き寄せられて飲み込まれた(世界の変わる日)。アル=ファラゾーンと彼の軍勢は崩れる山々の下敷きとなり、忘却の洞窟で世界が終わる日まで閉じ込められていると言われている。
このことはアカッラベースに語られている。
こうしてアル=ファラゾーンは滅びたが、神をも恐れぬ彼の
ドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』における設定†
俳優 | トリスタン・グラヴェル |
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日本語吹き替え | てらそままさき |
執政ミーリエルの補佐役という立場で登場。劇中での名は、王位を意味する「アル=」のつかないファラゾーン。
子としてケメンが登場する。
自分の本心をさらけ出すことなく、民衆の心の中を巧みに渡り歩いている。シーズン1の段階では、ミーリエルの意に沿う形で動いている。
画像†
コメント†
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