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フィンロド

概要

カテゴリー人名
スペルFinrod
その他の呼び名フェラグンド(Felagund)*1
洞窟宮の王(Lord of Caves)*2
信義篤き(the faithful)
人間の友(Friend of Men)
ノーム(Nóm)
種族エルフノルドール
性別
生没年
フィナルフィン(父)、エアルウェン(母)
兄弟オロドレスアングロドアイグノール(弟)、ガラドリエル(妹)
配偶者なし
なし

解説

フィナルフィンの長男。弟にオロドレスアングロドアイグノールがおり、また妹にガラドリエルがいる。従兄弟の中ではトゥアゴンと特に親しかった。
クウェンヤでの名はFindaráto(フィンダラート)で、フィンロドはそのシンダール語形。

中つ国帰還への参加

フィンロドは父フィナルフィンや弟妹たちと共に、ノルドール中つ国帰還に参加する。だがフェアノールの一党が中つ国へ渡るための船を奪おうとして犯したアルクウァロンデテレリ族への同族殺害と、そのためにマンドスの宣告が下されたのを見聞きした父フィナルフィンは単独で引き返した。
それでもフィンロドと弟妹たちは、従兄弟であるフィンゴルフィンの息子たちを見捨てることを拒んでなおも進軍を続け、フェアノール一党が自分達だけで奪った船を用いて中つ国へと渡り、アラマンに置き去りにされた後も、フィンロドと弟妹たちの一党は、フィンゴルフィンとその息子たちの一党と共にヘルカラクセを横断し、中つ国帰還を果たした。

ノルドールのベレリアンド定住における貢献

フィンロドはベレリアンドにおいて、彼の母エアルウェンの伯父にあたるドリアスの王シンゴルや、ファラスの領主キーアダンと友好関係を築き、ノルドールシンダールの橋渡し役をこなした。また、ブリソンバールエグラレストの港の改修を援助し、バラド・ニムラスの塔を築くなどの事業を行った。自身はシリオンの山道の防備のために築いたトル・シリオンミナス・ティリスに住まっていたが、後にこの地は弟のオロドレスに委ね、自身は新たに建造したナルゴスロンドへ移った。

ナルゴスロンドの建造

フィンロドはトゥアゴンと共にシリオンの川辺を旅した際に、夢の中でウルモより啓示を受け、シンゴルメネグロスの館を模倣した隠れた要塞都市を造ることを考える。フィンロドがシンゴルにこの意図を打ち明けると、シンゴルは彼にファロス高地の洞窟のことを教えた。フィンロドはドワーフの協力を受けて、この地にナルゴスロンドの要塞都市を築き、この都市を中心とする領国の王となった。そのためフィンロドは、クズドゥルで「洞窟を切り拓く者」という意味の言葉に由来するフェラグンドと呼ばれた。またドワーフによってナウグラミーアの頸飾りが彼のために作られ、フィンロドはナルゴスロンドの全ての財宝にも増してこれを大切にしていた。
フィンロドは生涯独身で子を持たなかったが、予もまたある誓言をなすだろう。それを成就し、暗闇に入ってゆくには自由でなければならぬ。それにわが王国には息子に次がせるべきものは何一つ残らないであろう*3と理由をガラドリエルに話し、自身とナルゴスロンドの運命を予言した(だがアマンにいた時は、フィンロドはアマリエを愛していた)。

人間の友として

フィンロドは、青の山脈を越えてオッシリアンドに到来した最初の人間たち(後のベオルの族)に初めて出会ったベレリアンドエルフとなる。人間たちはフィンロドを彼らの言葉で「智慧」を意味するノームと呼んで慕い、彼の民を「智慧ある者たち」を意味するノーミンと呼んだ。ベオルの族の始祖バランはフィンロドに終生仕えたことから、人間の言葉で「家臣」を意味するベオルと呼ばれた。

またフィンロドは、ハレスの族シンゴルからブレシルの森に住まう許しを得られるよう助力した。

バラヒアへの誓いと、ベレンとの旅における死

フィンロドは、ダゴール・ブラゴルラハの合戦で敵に包囲されたところをバラヒアによって救われたため、以後バラヒアとその一族が危急に瀕した際には必ず助けるという誓言を立て、その証として自らの指輪をバラヒアに与えた。
その後、シンゴルからルーシエンとの結婚の条件としてシルマリルを要求されたベレンが、バラヒアの指輪を手にフィンロドを頼ってナルゴスロンドにやってくると、フィンロドは誓言を守って、モルゴスの元へと向かうベレンと行動を共にしようとする。しかしフェアノールの息子たちであるケレゴルムクルフィンを恐れたナルゴスロンドの民のほとんどはフィンロドを見捨て、エドラヒルを頭とした十人の忠臣だけがフィンロドに付き従った。フィンロドはナルゴスロンドの王位を弟のオロドレスに託して旅立った。
彼らは途中で出会ったオークの装備を奪うと、フィンロドの魔法でオークの姿に変装し、モルゴスの勢力圏であるシリオンの山道を通り抜けようとする。だが正体を見抜いたサウロンの命によって一行はトル=イン=ガウアホスのサウロンの許に連行されてしまう。フィンロドはサウロンと歌で戦うが敗れ、一行は土牢に囚われた。サウロンは一行の意図を探るために脅迫し、投獄した彼らを一人ずつ巨狼に喰わせた。サウロンは、フィンロドが一行の指導者だと推測していたため、フィンロドは最後まで殺さないようにしておいた。やがて巨狼がベレンを食べに来た時、フィンロドは力の限りを尽くして自らの縛めを破り、ベレンを守って巨狼と相討ちになった。

「わたしはこれから大海のかなた、アマンの山脈のかなた、時なき館に赴き長い休息につく。私の姿が再びノルドールの間に見られるのは遠い先のことであろう。恐らくわれらは両人は、それぞれの種族の運命が異なる故に、幽明いずれにあろうと再び相会うことはなかろう。ではさらばじゃ!」*4

マンドスの館に来たフィンロドはそこから出て、父のフィナルフィンと共にエルダマールの樹々の下を逍遥しているという。

コメント

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  • 『シルマリルの物語』の中では一番好きなキャラです。恩人のため、自らの立てた誓いを守り抜いて死ぬ……憧れるなあ。
  • 『HoME』では、「フィンロド」というのが『シルマリルの物語』でいう「フィナルフィン(フィンウェの三男)」の名になっています。じゃあ、『シルマリルの物語』でいう「フィンロド・フェラグンド」の名前はどうなっているのか、というと『HoME』では「イングロール・フェラグンド」です。ややこしいですね。 -- カイト
    • 「イングロール」のネーミングは何故没になったんでしょうか?イングウェっぽいからですかね? -- 2017-06-16 (金) 21:49:06
  • 素っ裸で素手と歯で狼と戦って相打ちとなったお方…というと実も蓋もない…(涙) -- 大神 2008-06-23 (月) 02:25:31
    • 同じ、フルチンでも間抜けなサイロスとは大きな違い。 -- ピーチ番頭 2010-11-14 (日) 11:24:41
  • サウロンと戦った時は歌で勝負したんだよなあ・・・。「人間の友」と呼ばれる唯一のエルフ、敬愛しております。 -- 2008-10-30 (木) 12:33:52
    • こう書くと何だか歌合か、はたまた紅白歌合戦みたいだ。 -- 2008-11-01 (土) 17:24:19
      • 歌で競うというと、モルゴスvsフィンゴルフィンのような派手な肉弾戦ではないので、どうしても地味な印象になりがちですが、アルダが如何にして創造されたかを考えれば、ただの歌合戦と馬鹿にはできません。言葉そのものが力を持っている世界観ですし、生の魔力勝負に近いものなんでしょう。 -- 2011-12-30 (金) 12:37:15
      • 今で言う、言葉には魂が宿ると言う、言霊思想に近いものですかね。 アイヌアは、どうか知りませんがエルダールは、自分の口から出た言葉には忠実でしたしね。 それを誓言と言うのでしょうね。 それに対して人間は、自分の都合で平気で、反故にしますからね。 だから、人間はモルゴスに近い存在だと言われるわけだし。 -- 2011-12-31 (土) 20:12:32
      • だだ、それを視覚化するとどうしても「ボエ~♪」って擬音が付いてしまう… -- 2016-09-06 (火) 19:06:25
  • 無知で無防備だった人間族を助け、教え導いた。自分達よりずっと劣った存在に対し、「友」になるという、ほぼ聖者クラスのひと。そもそも最初からそういう魂持ってるんだから、ベレンを守って死んだのは全く驚くに当たらない。でも読み返すたびに号泣。 -- 2009-04-25 (土) 20:35:57
  • 弟が人間と恋をしたが愛し合っていながら結ばれることなく離ればなれになってしまった経緯を知っているだけに、ベレンとルシアンの恋にもますますもって同情したのだろうか。 -- 2010-01-18 (月) 20:33:37
  • 縛めを強引に引きちぎり、全裸で狼と殴り合ったお方。きっと凄くマッチョ -- 2010-05-13 (木) 07:38:01
  • 此の寛大さと優しさフェアノールの息子達とは大違い... -- 2010-11-13 (土) 20:05:11
    • そのフェアノールの息子とはケレゴルムとクルフィンのカス共のことだよね。 -- ピーチ番頭 2010-11-14 (日) 11:30:06
      • そう。その二人です。私にとってケレゴルムとクルフィンは、今までのエルフのイメージ大きくを覆す存在でした^^; -- 2010-11-14 (日) 16:46:31
      • てめえらの目的であるシルマリルを代わりに取り返そうとしてやろうとしているのに逆に妨害しやがって、本当に何、考えているんだか? -- 2012-01-01 (日) 19:44:51
    • フェアノール一族のためにシルマリル奪還しようとしたわけじゃないけどね。 べレンはシンゴルの命令を果たそうとしフィンロドは、その助力をしただけなんだけど、この馬鹿兄弟のせいで、シルマリルを手にしたシンゴルの心象を害したのは事実だけど・ -- 2012-01-04 (水) 23:25:46
    • ベオルの族に会ったのもフェアノールの息子達の上二人と狩りに出ていた時だからね。3男5男のトラブルメーカー振りは果てしないし、フィンロドの性格のよさも伺えるかも。 -- 2013-11-13 (水) 22:37:32
      • カス兄弟の糞DQN振りが、ここぞとばかり極まっていたからこそ、フィンロドの聡明誠実さと哀しい最期が、いつまでも忘れなれないんだよね。 -- 2013-11-14 (木) 18:34:04
      • フィンロドの引き立て役か…ベレンの場合も然り。 -- 2013-11-14 (木) 21:50:54
  • サウロンと歌合戦をしたとのことですが、その際には某アニメの主人公のように「わたしの歌を聴け!」と切り出したのだろうか。 -- 2012-06-09 (土) 21:16:06
  • シルマリルが映画化したら是非見たい一戦 -- 2015-02-18 (水) 18:05:49
    • 映画化ならPJだけは関わって欲しくない -- 2015-02-18 (水) 18:20:11
      • それでもっとひどくなるかもね。PJがベストとは思えないけれど映画会社の意向を反映させなくてはいけないのは誰でも一緒。 -- 2015-02-26 (木) 03:44:10
      • そもそもホビットや指輪と違って、作品的に映像化には向いてないから、映画化しないのが一番だよ。 -- 2015-02-26 (木) 09:46:06
      • PJだってお前にだけは観てほしくないだろうよ -- 2018-03-22 (木) 06:49:47
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*1 クズドゥルで「洞窟を切り拓く者」(Hewer of Caves, cave-hewer)の意味のフェラク=グンドゥ(felak-gundu)に由来する名前
*2 シルマリルの物語』本文中でのフェラグンドの訳
*3 シルマリルの物語』第十五章
*4 シルマリルの物語』第十九章 ベレンに別れを告げるフィンロドの最期の言葉

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Last-modified: 2018-03-22 (木) 06:49:47 (119d)