#author("2023-12-12T16:42:17+09:00;2022-10-30T11:03:17+09:00","","")
#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2022-10-30T11:03:17+09:00","","")
* エレンディル [#hd834159]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Elendil|
|~その他の呼び名|丈高きエレンディル(Elendil the Tall)&br;エレンディル金髪王(Elendil the Fair)(('Fair'は「麗しの」の意である可能性もあり、邦訳通り金髪であるかは不明))&br;[[節士]]エレンディル(Elendil the Faithful)&br;[[エルフの友]](Elf-friend)|
|~種族|[[人間]]([[ドゥーネダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年|[[第二紀]]3119年~†3441年(享年322)|
|~親|[[アマンディル]](父)|
|~子|[[イシルドゥル]]、[[アナーリオン]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

|>|>|~[[アルノール]]の王|h
|100|||c
|CENTER:建国|CENTER:初代&br;''エレンディル''&br;[[第二紀]]3320~3441年(121年間)|CENTER:第2代&br;[[イシルドゥル]]&br;3441~[[第三紀]]2|

|>|>|~[[ゴンドール]]の王|h
|100|||c
|CENTER:建国|CENTER:初代&br;''エレンディル''&br;[[第二紀]]3320~3441年(121年間)|CENTER:第3代&br;[[メネルディル]]&br;[[第三紀]]2~158|
|~|CENTER:第2代&br;(エレンディルとの共同統治)&br;[[アナーリオン]]&br;[[第二紀]]3320~3440&br;[[イシルドゥル]]&br;[[第二紀]]3320~[[第三紀]]2|~|

名は[[クウェンヤ]]で「星を愛する者(Star-lover)」の意味だが、「[[エルフの友]]」を意味する[[エレンディリ>節士]]の単数形とも解せられる。
[[ヌーメノール]]の領国[[アンドゥーニエ]]の最後の領主[[アマンディル]]の息子で、[[イシルドゥル]]と[[アナーリオン]]の父。[[アラゴルン二世]]の祖先にあたる。

ヌーメノールの没落を逃れた[[節士]]の指導者であり、かれらが[[中つ国]]に築いた[[亡国の民の王国]]の初代[[上級王]]。彼自身は[[北方王国アルノール>アルノール]]を統治し、[[南方王国ゴンドール>ゴンドール]]の統治は二人の息子たちに委ねた。[[ナルシル]]の剣の使い手。
[[エルフ]]の上級王[[ギル=ガラド]]と[[最後の同盟]]を結んで共に[[冥王]][[サウロン]]を打ち倒したが、彼もまたギル=ガラドと共に斃され、その体の下でナルシルは折れた。

>エト エアレッロ エンドレンナ ウトゥーリエン。スィノメ マルヴァン アル ヒルディンヤル テン アンバル゠メッタ!
>「大海より中つ国にわれは来れり。この地にわれとわが世継たち、この世の終わるまで住まいせん。」((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「執政と王」 [[ヌーメノール]]の没落を逃れて[[中つ国]]に来たエレンディルが口にした言葉。))

*** ヌーメノールの節士 [#l4fed16d]

エレンディルの父は、[[ヌーメノール]]で多くの[[節士]]を擁した[[アンドゥーニエ]]最後の領主[[アマンディル]]であった。エレンディルとその二人の息子も彼にならって[[ヴァラール]]と[[エルダール]]への敬愛を失わず、[[第二紀]]3262年に島に連れてこられた[[サウロン]]が次第に[[ヌーメノール人]]の心を支配していく中でも、[[王党派]]の迫害に抗し続けた。

やがてサウロンにたぶらかされた[[アル=ファラゾーン]]が[[西方(アマン)>アマン]]への侵攻を準備していることが明らかになると、アマンディルは[[ヴァラール]]に慈悲を懇願するため単身西方に航海して戻らなかった。エレンディルは父の遺言に従って、息子達とともに[[節士]]を取りまとめると、9隻の船で[[大海]]に逃れる。

こうしてかれらは[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]を生き延び、故国喪失者となった。

*** 亡国のドゥーネダインの王 [#v6285ca1]

エレンディル率いる4隻の船は[[中つ国]]の[[リンドン]]に流れ着き、[[ギル=ガラド]]の援助を得た。かれらは[[ルーン川>ルーン]]を遡って[[夕おぼろ]]に達すると、そこに[[北方王国アルノール>アルノール]]を築いた。
一方、二人の息子[[イシルドゥル]]と[[アナーリオン]]が率いる5隻の船は[[大河アンドゥイン>アンドゥイン]]の河口に流れ着き、大河を遡ったところに[[南方王国ゴンドール>ゴンドール]]を築いた。

エレンディルはこれら[[亡国の民の王国]]全土の[[上級王]]と見なされていた。
親子は没落から持ち来たった7つの[[パランティール]]を分割して王国の各所に配置し、連絡を保った。

*** 最後の同盟 [#zebe0381]

ところが、[[サウロン]]もまた[[ヌーメノール]]の没落を逃れて[[モルドール]]に帰還していたことが明らかになる。サウロンは、[[ヌーメノール]]で自分の思い通りにならなかったエレンディル達が[[中つ国]]で王国を築いていることを知ると、憎しみを募らせて[[ゴンドール]]を急襲した。
攻撃を逃れた[[イシルドゥル]]からこの報せを受けたエレンディルは、[[ギル=ガラド]]との間に[[最後の同盟]]を結んでサウロンに抵抗した。同盟軍は[[モルドール]]に進軍し、[[ダゴルラド]]の合戦で勝利を収めて[[バラド=ドゥール]]を包囲攻撃した。

[[滅びの山]]の山腹で行われた最後の戦いにおいて、[[ナルシル]]を手にしたエレンディルはギル=ガラドと共に、姿を現したサウロンと戦ってこれを斃した。だが二人の[[上級王]]もまた斃れ、エレンディルの体の下でナルシルは二つに折れた。イシルドゥルは父の剣の柄本に残った刃でサウロンの指を切り取り、[[一つの指輪]]を手にした。

*** エレンディルの世継 [#tf2d2fef]

エレンディルの死後、その長子[[イシルドゥル]]が[[ドゥーネダインの王国>亡国の民の王国]]の上級王位を宣言した。
だがイシルドゥルは北方の父の領地へ向かう途上、[[あやめ野]]で[[一つの指輪]]に裏切られ落命し、この事実はうやむやとなった。さらに[[第三紀]]を通じて[[アルノール]]は分裂と衰退の一途を辿って宗主国としての権威を失墜させた一方、[[ゴンドール]]は一時かつての[[ヌーメノール]]を思わせるほど国威を増大させたため、両国はもはや一体の王国ではない別々の王国としての道を歩むことになった。

とはいえ、エレンディルの王権を継いだイシルドゥルの家系である[[北方王国]]の王家が元来は全[[ドゥーネダイン]]の王位を主張できる立場にあった。([[アルヴェドゥイ]]はこれを理由に挙げて南北王国の再統一を図ったことがあったが、当時の[[執政]][[ペレンドゥル]]らに拒否された)
しかしこれも、北方王国の滅亡とゴンドールの王統途絶により、公然と[[エレンディルの印]]を掲げることのできる王侯は歴史の表舞台から姿を消すことになった。

エレンディルの血筋は、[[野伏]]に身をやつした[[アルセダイン]]王家の末裔たちの中にのみ連綿と引き継がれた。[[アラゴルン二世]]がその末裔であり、彼によって南北王国の再統一がなし遂げられた。

*** エレンディルの墓所 [#h79be873]

『[[終わらざりし物語]]』によると、エレンディルの棺は[[イシルドゥル]]によって[[ハリフィリアン]]に運ばれ、そこに秘密の墓所が築かれた([[ハリフィリアン#エレンディルの墓所>ハリフィリアン#fdaf3d27]]を参照)。これによって聖められたハリフィリアンは厳粛な気配の満ちる聖地となった。
エレンディルの棺は、[[第三紀]]2510年に[[カレナルゾン]]がゴンドールから[[ローハン]]に割譲されたとき、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の聖所([[ラス・ディーネン]])に移されたが、墓所のあった場所は依然として畏怖の念を呼び起こす場所であり続けた。

*** 略歴 [#r45772a3]

-[[第二紀]]3119年 生誕
-3209年 90歳:息子[[イシルドゥル]]誕生
-3219年 100歳:息子[[アナーリオン]]誕生
-3255年 136歳:[[アル=ファラゾーン]]即位
-3262年 143歳:[[サウロン]]捕虜となる
-3299年 180歳:孫[[エレンドゥル>エレンドゥル(イシルドゥルの息子)]]誕生
-3318年 199歳:孫[[メネルディル]]誕生
-3319年 200歳:[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]
-3320年 201歳:[[アルノール]]創建
-3339年 220歳:孫[[アラタン]]誕生
-3379年 260歳:孫[[キルヨン]]誕生
-3399年 280歳:曾孫[[ケメンドゥル>ケメンドゥル(メネルディルの息子)]]誕生
-3429年 310歳:[[ゴンドール]]と[[モルドール]]が開戦
-3430年 311歳:[[最後の同盟]]締結。孫[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥルの息子)]]誕生
-3434年 315歳:[[ダゴルラド]]の合戦。[[バラド=ドゥール]]包囲戦始まる
-3440年 321歳:息子アナーリオン討死
-3441年 322歳:[[ギル=ガラド]]と共にサウロンと相打ちになり、斃れる

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[ピーター・マッケンジー]]|
|~日本語吹き替え|不明|

原作と異なり、単身で[[サウロン]]に挑むもメイスで叩き飛ばされて落命する。

&ref(vlcsnap-00813.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエレンディル);

*** グッズ [#f2ac5005]

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** ドラマシリーズ『[[ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪]]』における設定 [#RoP]

|~俳優|[[ロイド・オーウェン]]|
|~日本語吹き替え||

[[エルフ]]との関係が冷え切っているヌーメノールにおいて、エルフへの敬愛を抱き続ける者([[節士]])のひとり。
[[ヌーメノール]]の海洋警備隊(Sea Guard)の船長を務めており、海で漂流していた[[ガラドリエル]]と[[ハルブランド]]を救出する。
ガラドリエルの監視役を命じられるが節士として彼女を「伝承の学び舎」に案内し、其処で南方国の危機を知る。

息子の[[イシルドゥル]]のほかに、オリジナルの設定として娘の[[エアリエン]]が登場する。初登場時点で次男の[[アナーリオン]]は名前のみ登場している。

*** 画像 [#s6ba2732]

&ref(220728-elendil.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』におけるエレンディル);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

エレンディルの墓は[[ハリフィリアン]]に作られたが、エレンディルの軍旗などの遺物は[[アンヌーミナス]]のハウズ・エレンディルに納められたことになっている。

&ref(ScreenShot00694.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、最後の同盟の戦いでのエレンディル); &ref(ScreenShot_2020-01-05_230846_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、バラド=ドゥール包囲戦でのエレンディル);

** コメント [#Comment]

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