* &ruby(ちから){力};の&ruby(ゆびわ){指輪}; [#o1aada8e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|Rings of Power|
|~その他の呼び名|大いなる指輪(Great Rings)|

** 解説 [#Explanation]

『[[一つの指輪]]』『[[三つの指輪]]』『[[七つの指輪]]』『[[九つの指輪]]』の総称。魔力を秘めた指輪。一つの指輪は[[サウロン]]によって、三つの指輪は[[ケレブリンボール]]によって、その他の力の指輪はサウロンの助力を受けた[[グワイス=イ=ミーアダイン]]によって作られた。

>三つの指輪は、空の下なる[[エルフ]]の王に、&br; 七つの指輪は、岩の&ruby(やかた){館};の[[ドワーフ]]の君に、&br;九つは、死すべき&ruby(さだめ){運命};の[[人の子>人間]]に、&br; 一つは、暗き&ruby(みくら){御座};の[[冥王]]のため、&br;影横たわる[[モルドール]]の国に。&br; 一つの指輪は、すべてを統べ、&br; 一つの指輪は、すべてを見つけ、&br; 一つの指輪は、すべてを捕らえて、&br;  くらやみのなかにつなぎとめる。&br;影横たわるモルドールの国に。((力の指輪についての伝承の歌))

>『九つも、七つも、三つも、それぞれそれにふさわしい宝石がはまっておった。しかし、[[一つの指輪]]は違う。それは丸くて飾りがない。まるでそのへんのつまらない指輪と同じだ。しかし、その作り手はその指輪に銘を入れた。練達の士であれば、おそらく今でもそれを目で見、読むことができるだろう。』(([[ガンダルフ]]が[[エルロンドの会議]]にて語った[[サルマン]]の言葉))

** 歴史 [#Explanation]

[[第一紀]]が終わり、[[マンドスの呪い]]が停止された後も[[中つ国]]を去りがたく留まっていた[[ノルドール]]は、荒廃し移ろいゆく此岸(中つ国)への嘆きと、[[西方>アマン]]の至福への憧れから、世界を癒し、かつ豊かにする力と技を望んでいた。一方で[[モルゴス]]の凋落後も中つ国に隠れ潜んでいた[[サウロン]]は、見捨てられた世界を自らの望む形に再建しようとし、そのために[[自由の民]]を意のままに動かすことのできる手段を欲していた。
ノルドールの願望を見抜いたサウロンは、意図と正体を隠してかれらに接近。その働きかけによって[[エレギオン]]で制作されたのが、試作品として作られた無数の力劣る指輪と、完成作であった''大いなる十九の力の指輪''である。
しかしその技術はサウロンから提供されたものであり、そこには彼の悪しき意図が吹き込まれていた。やがてサウロンは[[モルドール]]の[[火の山]]において、すべての力の指輪を支配する''[[一つの指輪]]''を完成させる。
上掲の力の指輪についての詩は、その際にサウロンが口にしたのを、遠く離れたエレギオンでケレブリンボールが耳にして、後世に伝えられたものである。

サウロンの歌うことばを聞いたエルフ達は彼の正体と意図に気付き、かれらの''[[三つの指輪]]''を隠して使用しなかった。そこでサウロンはエレギオンを攻め滅ぼし、力ずくで指輪を奪い取ろうとした。
ケレブリンボールは拷問にかけられ、''[[七つの指輪]]''と''[[九つの指輪]]''はサウロンの手に落ちる。だがケレブリンボールは三つの指輪の所在だけは明かさないまま死に、それらはサウロンの魔の手を免れた。
サウロンは手中に収めた七つと九つに手を加えて邪悪に歪めると、それぞれを[[ドワーフ]]と[[人間]]の王侯に分配し、中つ国への支配力を増大させる。
七つを受け取った[[ドワーフ]]は頑強な性質のため、完全にサウロンの思い通りにはならなかったが、財宝への執着を増大させられて破滅に導かれ、それが結局はサウロンを利することになった。九つを受け取った[[人間]]は完全にサウロンの影の下に入り、遅かれ早かれ全員がその下僕である恐るべき[[ナズグール]]と化した。

[[第二紀]]の終わり、エルフと人間の[[最後の同盟]]によってサウロンは辛うじて打ち倒され、一つの指輪は彼の手から奪い去られる。しかし破壊はされなかったため、そこに込められたサウロンの力は生き続け、力の指輪も作用し続けた。[[第三紀]]に復活したサウロンは、九つの指輪を掌握し、さらに七つの指輪のうち三つを取り戻したために、再び中つ国の大部分を支配できるだけの力を得る。
サウロンの手に一度も触れられたことのない三つの指輪は、悪の影響からは免れていたが、それでも一つの指輪に従属するものには違いなく、[[第二紀]]にサウロンの手に一つの指輪がある間は、決して公然と使用されなかった。サウロンが一つの指輪を失っていた[[第三紀]]には、それらはエルフの拠点や[[自由の民]]を守護し、存続させるために密かに使用された。しかしそのために、もし一つの指輪がサウロンの手に戻れば、三つの指輪の作用もまたサウロンに支配されてしまうことになる。

第三紀末に一つの指輪が破壊されると、すべての力の指輪も次第にその効力を失っていくことになった。

** 効果 [#Explanation]

元来、力の指輪はエルフの、中つ国の荒廃を癒し、また美しく価値あるものを時の流れから保護するという願いのために作られた。そのため全ての力の指輪には共通して、時による老いや衰えを遅延させ、またそのものが生来持っている力を高めるという効果があった。
最大の力をもった[[三つの指輪]]は、[[イムラドリス]]や[[ローリエン]]といったエルフの最後の拠点や、[[自由の民]]を守るために密かに使用されていた。
一方でそれは同時に、その者が抱いている願いや欲望を強くするという危険性もはらんでいた。

サウロンは七つと九つに手を加え、その効果を邪悪な方向に歪めることで、自らの用に立てようとした。サウロンが手を加えた指輪には、使用者を彼の支配する「幽界」に引きずり込むことで、その姿を不可視にし、同時にその者が本来見ることのできない領域の物事を見れるようになるという力を併せ持つことになった。
[[九つの指輪]]を与えられた人間は、指輪の力に助けられて強大な権勢を振るうにいたったが、いずれも最後にはサウロンの陥穽にはまってその意志に隷属する[[ナズグール]]となった。
[[七つの指輪]]を与えられたドワーフは、頑強な性質のために完全にはサウロンの思い通りにならず、影の存在と化すことはなかった。だが富への欲望をかき立てられ、富を得る手段として指輪を使ったために、富による破滅を招いた。

[[一つの指輪]]は、これら十九の指輪によって為された全てのことを把握し、思いのままに捻じ曲げることができ、またその使用者の考えそのものをも読み取って支配することができた。

また、力の指輪の持ち主達は望めば互いに思考を伝達したり読み取ったりすることができたようである。

** コメント [#Comment]

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