#author("2024-03-03T13:11:05+09:00","","")
* モルゴス [#t18214f9]
** 概要 [#c2890f4e]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Morgoth|
|~その他の呼び名|メルコール(Melkor)、[[冥王]]、バウグリア(Bauglir)|
|~種族|[[ヴァラール]]|
|~その他の呼び名|メルコール(Melkor) &br; バウグリル、バウグリア(Bauglir) &br; [[冥王]]、暗黒の王(Dark Lord) &br; 世界の暗黒の敵、この世の黒き敵(Black Foe of the World) &br; 大敵、大いなる敵(the Enemy) &br; 初代の大敵(the First Enemy) &br;強大な敵、大いなる敵(the Great Enemy) &br; かの大いなる影(the Great Shadow) &br; 暗黒の王(Lord of the Dark, Dark King) &br; 暗黒の主(Lord of the Darkness) &br; 北方の暗黒の力、北方の冥王(Dark Power of the North) &br; 大いなる闇の御方(Great Dark One) &br; 世界の王(King of the World) &br; マンドスの囚人(jail-crow of Mandos)|
|~種族|[[アイヌル]]([[ヴァラール]])|
|~性別|男|
|~生没年|不明~|
|~親|[[イルーヴァタール]]|
|~兄弟|[[マンウェ]]|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|
|~生没年||
|~兄弟|[[マンウェ]](兄弟)|

** 解説 [#kaeb697c]
** 解説 [#Explanation]

名は「黒き敵」の意。元来この人物は、メルコール(力にて立つ者の意)の名で呼ばれていた。だが[[フェアノール]]は、父親の[[フィンウェ]]がメルコールによって殺されたことを知ると、メルコールをモルゴスと呼んだ。メルコールの名は剥奪されたため、その後はモルゴスとして知られる。圧制者の意であるバウグリアとも呼ばれる。
[[アルダ]]の諸悪の根源。[[上古]]の[[冥王]]。
元来この者は、[[クウェンヤ]]で「力にて立つ者(He who arises in Might)」を意味する''メルコール''の名((この名の[[シンダリン]]形は''ベレグーア''(Belegûr)だが、[[エルフ]]たちはこれを用いず、「大いなる死(Great Death)」の意味の''ベレグアス''(Belegurth)を用いた))で呼ばれた最も強大な[[アイヌル]]であった。だが彼は創造神[[イルーヴァタール]]の主題に反逆し、兄弟たる[[マンウェ]]の[[王国(アルダ)>アルダ]]を力ずくで我が物にしようとして数限りない損害をアルダに加えた。そのためメルコールの名は剥奪され、もはや[[ヴァラール]]の一人には数えられない。
[[フィンウェ]]が殺されて[[シルマリル]]が奪い取られたことを知った[[フェアノール]]がこの者を[[シンダリン]]で「黒き敵(Black Enemy)」を意味する''モルゴス''と呼び、以後はその名で知られるようになった。シンダリンで「圧制者(Constrainer)」の意である''バウグリル''とも呼ばれた。

*** メルコールの名で知られた時代 [#r51e0385]
アイヌルとしては酷寒と灼熱を生じさせた者だった。しかしモルゴスがアルダに害を加える上で最もよく用いたのが暗闇であり、彼と同一化された暗闇はすべての命ある者にとって甚だしい恐怖の対象となった。このために''[[冥王]]''の名で呼ばれる。

元は[[マンウェ]]の兄弟で、[[ヴァラール]]の中で最も力ある者だった。だが、ヴァラールによる[[アルダ]]形成時に反乱を起こし、アルダを我が物としようとして他のヴァラールと戦う。ところが[[トゥルカス]]に追われ、一時アルダから逃走した。
その後密かにアルダの[[中つ国]]に戻り、[[ウトゥムノ]]の要塞を築いて、アルダの春を汚染する。更に[[イルルイン]]と[[オルマル]]を破壊してから逃走、[[ウトゥムノ]]に閉じこもった。
そのためヴァラールが[[アマン]]に撤退すると、メルコールは[[アマン]]からの攻撃に備えて防備を整え、[[アングバンド]]の要塞を築いて[[サウロン]]や[[バルログ]]といった配下を集めた。メルコールは[[中つ国]]を毒し汚染しながら浸食していく。その後中つ国に[[エルフ]]が誕生すると、その一部を捕らえて[[オーク]]へと堕落させ、奴隷にしたと言われる。
やがて、ヴァラールが中つ国に進軍してくると、メルコールはこれを迎え撃つが敗退。彼はウトゥムノに籠城する突破され、[[トゥルカス]]に捕らえられる。メルコールは[[アンガイノール]]の鎖で縛り上げられ、[[ヴァリノール]]に連れて行かれる。そして[[マンドス]]の砦に投獄され、三紀の間そこに留まった。
その期限が過ぎた後、許しを請うてアルダの傷を癒すことを誓う。これで一見メルコールの悪は矯正されたように見えたが、彼は内心は妬みと憎しみをつのらせていた。そこで釈放されたメルコールは、[[エルダール]]の間に甘言と虚言を混ぜて不和の種を蒔く。このことが発覚すると、メルコールは姿を隠した。
やがてメルコールは[[ウンゴリアント]]の助力を得て[[テルペリオン]]と[[ラウレリン]]の[[二本の木]]を枯らし、[[フォルメノス]]を襲撃して[[フィンウェ]]を殺害。[[シルマリル]]を奪って、中つ国の[[アングバンド]]に逃走する。その時、メルコールは[[フェアノール]]に[[モルゴス]]の名で呼ばれ、それ以後はその名で知られる。
[[中つ国]]では初めは[[ウトゥムノ]]、後には[[アングバンド]]を拠点とし、その下には[[マイアール]]の悪霊([[サウロン]]や[[バルログ]]等)や被造物の怪物([[オーク]]、[[トロル]]、[[龍]]等)、邪悪な[[人間]]([[東夷]]等)からなるおびただしい数の堕落した召使が集っていた。これらの召使達の中で生き残った者はモルゴス亡き後も[[中つ国]]とそこに暮らす[[自由の民]]を害し続けたが、モルゴス自身はこういった勢力を構築してアルダを侵食することに力を費やしたため、晩期には[[アイヌル]]としての能力をほとんど失っていった。

*** モルゴスの名で知られた時代([[第一紀]]) [#y7938652]
モルゴスは[[上古]]の終わりに[[怒りの戦い]]によって[[虚空]]に放逐され、[[ヴァラール]]が玉座にある限り現存する目に見える姿では二度と[[アルダ]]に戻ってくることはない。しかし彼の投げかけた暗闇はいまだに[[アルダ]]を覆っており、その意思と虚言は依然として召使達を支配している。

[[フィンウェ]]を殺して[[シルマリル]]を奪ったモルゴスは、アングバンドに立て籠もり、中つ国を支配しようとした。彼は、3つのシルマリルを鉄の王冠にはめ、身につけたという。[[サウロン]]、[[バルログ]]、[[オーク]]などを配下とするモルゴスの軍は、幾度となく中つ国の[[エルフ]]達を攻撃する。この頃のモルゴスは、自分自身の力を多数の邪悪な者たちを生み出すことに使ったため、ヴァラールとしての力はほぼ失っていた。だがそれでもモルゴスの軍勢の力は強大だった。彼は[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]によってシルマリルの一つを奪われるものの、やがてモルゴスの軍勢は中つ国をほぼ完全に支配下に収めることになる。
だが最後は[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の嘆願を聞き入れたヴァラールが、モルゴス打倒の軍勢を率いて攻撃してきた([[怒りの戦い]])。その結果モルゴスはヴァラールに捕らえられ、両足を切断され、再び[[アンガイノール]]の鎖で括られ、この世の外の虚空に投げ出された。
しかし彼は、[[ダゴール・ダゴラス]]のときに[[アルダ]]に帰還すると言われている。
>そこでモルゴスは現れた。地下の玉座からゆっくり登ってきた。その足音は、地の下を揺るがす雷の如く轟いた。
立ち現れたモルゴスは、黒の鎧に身を固め、塔のように王の前に立ちはだかった。頭には[[鉄の王冠>鉄の冠]]を戴き、紋章のない黒一色の巨大な盾が、嵐を孕む雲のように王の上に影を落とした。 …
モルゴスは、地獄の鉄槌[[グロンド>グロンド(武器)]]を高々と振り上げ、雷光の如く打ち下ろした。((『[[シルマリルの物語]]』「ベレリアンドの滅亡とフィンゴルフィンの死のこと」 [[フィンゴルフィン]]との一騎打ちに現れたモルゴスの姿。))

** コメント [#c651b3b5]
>「予こそ[[長上王]]なり。われはメルコール、全ヴァラールのうち、最初にあって最も力ある存在、[[世の開闢以前にあって世を創りし>アイヌリンダレ]]者。わがもくろむ影はアルダを覆い、地上に起こるすべてのことはひそやかに、だが着実に、わが意を表してゆくであろう。」((『[[終わらざりし物語]]』「[[ナルン・イ・ヒーン・フーリン]]」 [[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]に向けられたモルゴスの大言壮語。))

- これはメルコールに限ったことではなく、他のヴァラやエルダールもそうだが、当初持っていた力を徐々に失っていく様は、熱力学第二法則(エントロピー増大)を見ているようだ。ヌーメノールの没落の力(に要するエネルギー)は膨大だけど、あれはイルーヴァタールによる「閉じた系(エア)の外側」からの力だから、第二法則に矛盾しないですし。 -- A3
- 概ね、ルシフェル。 -- NTJ会長
- ↑ということはサタンに似ていますね…イルーヴァタールの不興を買ったんだし。 -- かごめ
- 自分的にはカインとアベルのカインみたいな存在として読んでいた -- PINPIN
- ヴァラールの中で最も「力ある」存在なのに逃げたり不意打ちをかけたりあんまり強そうに感じないなあ・・・
- 世界の最初の成り立ちのとき、他のヴァラたちと一緒に歌ってますね。歌に自分のテーマを入れ、アレンジして歌い始めたのが堕落の始まりみたいなようですが、ただの音痴なだけだったりして??? -- ボリーの用心棒
- ヴァラールは精霊だから、よく使われる太古の悪神という訳は厳密にはマチガイ。
- ヴァルダに振られたり、宝玉で手を焼かれたり、足を剣で貫かれたり、顔を鷲の爪でかきむしられたり・・・。
悲惨な悪役。
- 宗教でよく言われる指摘で、神が全能なら、何故に神の意思に反する存在が生まれるのか、という問いのトールキン教授の答え。
モルゴスの行いも神の意思の一つであり、世界を攪拌するための存在である。
これはサウロンにも言えたことで、指輪はエルフから人間の世に移行するためのキーであり、指輪の消滅と供にエルフと魔法の力が中つ国から去る運命を神が定められた訳である。
- エルは予定図を示し、メルコールに×出ししたわけだから、「モルゴスの行いも神の意思の一つ」というのはどうかと。エルに世界を管理しようという意思がないだけでは。
- かなり色々作っている。オークやらトロルやら・・・他には?・・・ -- 土蜘蛛
- 『汝メルコールよ、いかなる主題であれ、淵源は悉く我がうちにあり。何人もイルーヴァタールに挑戦して、その音楽を変え得ざる事を知るべし。かかる試みをなす者は、彼自身想像だに及ばぬ、更に驚嘆すべき事を作り出すわが道具に過ぎざるべし』
- オーク、トロル、巨狼、吸血蝙蝠、バルログ、龍その他毒のある生物や様々な怪物(水中の監視者も?)や悪霊を作り出してます。
- トールキンの登場人物のうちで一番矛盾ある存在。ヴァラールとして最強でありながら、世界の運命を左右できず、フィンゴルフィンのような一介のエルフやベレンのような人間にさえ挑戦を受ける。神あるいは精霊でありながら無限の力を持つ存在ではない形で描かれる。しかし彼がいなかったら中つ国の長い歴史も語るべき価値のあるものとなったかどうかは疑問である。故に、トールキンの登場人物の中で最も物語の根幹を成す重要な存在であるとも言える。 -- エル &new{2008-04-22 (火) 00:11:55};
- 続編に登場する、シャーマンチームの裏切り者が、彼を持霊にするのかな? -- かごめ &new{2008-08-03 (日) 21:39:57};
*** 最も力ある者 [#i56125a0]

#comment
>「げにアイヌルは力ある者なり。アイヌルのうちにありて、この上なき力を持つ者はメルコールなり。」((『[[シルマリルの物語]]』「[[アイヌリンダレ]]」 [[イルーヴァタール]]の言葉。))

[[イルーヴァタール]]が最初に創り出した聖霊[[アイヌル]]の最強者がメルコールであった。
メルコールには全アイヌルの中で最大の力と知識が与えられており、そればかりでなく他の[[ヴァラール]]の資質をもいくらかずつ分け与えられていた。

しかし彼はやがて自らの手で創造を成したいと欲すようになり、[[不滅の炎]]を[[虚空]]に求めてただ独りさ迷うようになる。そのため彼は、他のアイヌルとは異なる考えを抱くようになった。

[[アイヌルの音楽>アイヌリンダレ]]が奏せられた時、メルコールは自分に与えられた&ruby(パート){声部};の栄光をさらに大きなものにしたいと思い、歌唱に自らの考えを織り込んで不協和音を生じさせた。メルコールの力はあまりに大きく、他のアイヌルの斉唱は圧せられ、イルーヴァタールの提示した主題が二度もかき消されるほどであった。中には、むしろ彼に同調して共に不協和音を起こす者達すらいた。
しかしイルーヴァタールが三度目に示した主題は力では決してかき消されることのない悲しみと美が基調となっており、メルコールとその同調者達の不協和音すら取り込んで一つの音楽となった。
歌が終わると、イルーヴァタールはメルコールをはじめ[[アイヌル]]にその身の丈を説いたが、これにメルコールは心中密かに怒りを懐いた。

アイヌルの音楽が[[アルダ]]の歴史としてかれらの眼前に幻視されると、メルコールは他の誰よりもその場所に心を奪われ、[[アルダ]]とそこに暮らす[[イルーヴァタールの子ら]]([[エルフ]]と[[人間]])を思うがままに支配したいと望むようになる。
彼は本心を隠し、自らの不協和音から生じた酷寒と灼熱を統御するという口実を自分でも信じ込んで、[[エア]]に下向した最初のアイヌルの一人となった。

*** ヴァラールの反逆者 [#bbe99756]

>かれの心中に燃える悪意と鬱屈した気分のため、その形は暗く、恐ろしかった。そしてかれは、ほかのヴァラールの誰よりも強大な力と威厳を見せてアルダに降り立ったが、さながら、頭を雲の上に出し、氷を身にまとい、煙と火を頭上に戴き、海を渡る山のようであった。メルコールの目の光は、熱をもって萎らせ、死の如き冷たさで刺し貫く炎のようであった。((『[[シルマリルの物語]]』「[[アイヌリンダレ]]」 最初に形をまとった時のメルコールの様子。))

[[エア]]に下向した[[ヴァラール]]達は、やがて生まれ来る[[イルーヴァタールの子ら]]のために世界を築くという大事業に取り掛かる。しかしメルコールは世界は自分のものだと宣言して思いのままにそれを形作ろうとし、兄弟の[[マンウェ]]を筆頭とした他のヴァラールと争った。やがてヴァラールが[[アルダ]]の形を造り上げてそれに準じた姿を纏うと、メルコールもそれに応じて強大な姿を纏うようになる。

マンウェは自らの下に[[アイヌル]]を招集し、成されることすべてを自分の思う方向にねじ曲げようとするか、あるいは全く損ねてしまおうとするメルコールの妨害に対抗した。メルコールは熱と冷気によって[[ウルモ]]の領域を侵犯しようとするが、ウルモはマンウェと力を合わせてそれを退ける。また、[[アウレ]]の仕事を妬んだメルコールはこれに絶えず損害を与えようとし、アウレはメルコールが加える傷を修復することに次第に消耗するようになった。

だが[[トゥルカス]]の到来によってメルコールはついに打ち負かされ、外なる暗闇に逃亡した。
これによってようやくアルダは形を成したが、メルコールの絶えざる妨害のためにヴァラールの当初の構想が完全に実現されることはなかった。

*** 暗闇の支配者 [#u61ab75b]

>かれは最初、光を強く欲したが、それを独占できないとなると、火と憤怒に身を焼き、熾烈に燃えさかって大暗黒の中に下っていった。((『[[シルマリルの物語]]』「[[ヴァラクウェンタ]]」))

外なる暗闇に逃れたメルコールだが、彼は[[ヴァラール]]に仕える[[マイアール]]の中に多くの間者を持っていた。そのためメルコールは同胞が成し遂げたことを全て把握し、いよいよ憎悪を強くする。
ヴァラールが[[アルダ]]を照らす[[二つの灯火]][[イッルイン]]と[[オルマル]]を完成させ、[[アルマレン]]に宮居を築いてそこに住まうようになると、メルコールは[[夜の壁]]を越えてアルダに戻り、北方に[[鉄山脈]]の防壁と[[ウトゥムノ]]の地下城砦を築き上げた。([[灯火の時代]])

メルコールの存在はアルダに影を落とし、その悪意は瘴気のように[[ヤヴァンナ]]の被造物たる動植物([[ケルヴァール]]と[[オルヴァール]])を汚染して、[[アルダの春>灯火の時代]]を台無しにする。そのためヴァラールはメルコールの帰還に気づいたが、メルコールはヴァラールの機先を制して[[二つの灯火]]を強襲してこれを打ち倒した。灯火が倒壊した衝撃のためにアルダは大損害を被り、その混乱にまぎれてメルコールは[[マンウェ]]の怒りと[[トゥルカス]]の追跡を免れてウトゥムノに逃げ帰る。

ヴァラールはアルダがこれ以上破壊されることを恐れ、[[大海]]を隔てた西方の[[アマン]]へ撤退。以後[[中つ国]]は非常に長い期間、ウトゥムノに君臨するメルコールの支配下に置かれることになった。

*** ウトゥムノの冥王 [#n8415dee]

>暗闇にはメルコールが住まい、さまざまな力と恐怖の形をとり、依然としてほしいままに出歩いていた。かれは、山々の頂から山々の下なる深い溶鉱炉に至るまで、冷気と火を支配した。何であれ、残酷なもの、暴力的なもの、死に至るものは、当時、すべてかれの管理のもとにあったのである。((『[[シルマリルの物語]]』「世の初まりのこと」))

[[ヴァラール]]は[[アマン]]を照らす新たな光として[[二つの木]]を生み出したが、[[中つ国]]は星々の薄明の下にとどめおかれた。([[二つの木の時代(星々の時代)>二つの木の時代]])
当時の中つ国北方は、地下にメルコールの火と召使達で満たされた[[ウトゥムノ]]が穿たれていたため、無残に荒れ果てていたといい、その力は絶えず南へと伸長していた。メルコールは周囲に[[バルログ]]達を集め、[[鉄山脈]]の西の外れには[[ヴァラール]]の攻撃に対する備えとして[[アングバンド]]を築いて[[サウロン]]をその守りにあたらせる。そして変節させた悪霊や怪物達を放ち、アルダを侵食していった。

[[ヴァラ]]の[[オロメ]]は、こういったメルコールの怪物を狩り立てる狩人であった。メルコールはしばしば中つ国に馬を進めてくるオロメを恐れ、その進行を妨げるために[[霧ふり山脈]]を隆起させた。
他のヴァラールも中つ国のことを見捨てたわけではなく、[[ヤヴァンナ]]はメルコールの害から生類を守るためにかれらを眠らせ、[[ヴァルダ>エルベレス]]はメルコールに対する挑戦の印として空に[[メネルマカル]]、[[ヴァラキルカ]]といった星々を築いた。そしてヴァルダが仕事を終えた時、中つ国東方の[[クイヴィエーネン]]湖のほとりに[[エルフ]]が誕生する。

警戒怠りないメルコールは、目覚めたエルフの存在を真っ先に察知したと言われている。そこでメルコールは暗闇と狩人の姿をした悪霊を送り込んでエルフを狩り立て、かれらの心に影を投じるとともに、オロメを恐れるように仕向けた。遠くまでさまよい出たエルフはしばしば二度と戻ってくることはなく、狩人に捕らわれたのだと信じられた。
後の[[エルダール]]の賢者達が推測したところによると、捕らわれたエルフ達はウトゥムノの地下牢に連れて行かれ、そこでメルコールの緩慢かつ残忍な術によって心身共に捻じ曲げられた。かくしておぞましい[[オーク]]族が作り出されたのだと考えられている。

オロメがエルフを発見したことにより、この行状は[[ヴァラール]]の知るところとなり、ヴァラールはエルフを救い出すために[[力の戦い]]を起こした。
メルコールは中つ国北西部でヴァラールを迎え撃ったが打ち破られ、アングバンドは陥落、ウトゥムノは長く熾烈な包囲戦の末ついに落城して徹底的に破壊された。その地下抗は残らずむき出しにされ、最深部に逃れたメルコールは再び[[トゥルカス]]に打ち負かされると、アウレの鍛えた[[アンガイノール]]の鎖で縛られて[[アマン]]へと連行された。
敗れたメルコールはこれがエルフのために起こされた戦いであることを決して忘れなかった。

*** マンドスの囚人 [#r51e0385]

>「わたしもまたヴァラではないか。げにわれこそ、ヴァリマールの玉座に得意然と坐する[[かの者たち>ヴァラール]]に勝る者であり、アルダの民の中で最も技にすぐれ、最も勇敢なるノルドール族の&ruby(かわ){渝};らぬ友であるのだぞ」((『[[シルマリルの物語]]』「シルマリルとノルドール不穏のこと」 [[フェアノール]]を懐柔しようとするメルコールの言葉。))

[[審判の輪]]に引き出されたメルコールは和睦を乞うたが聞き入れられず、[[マンドス]]の砦に三期((300[[ヴァラール年]]。))の間投獄された。かくして[[アマン]]と[[中つ国]]はその間平和な時代を謳歌することができた。
三期の刑期が過ぎた後、再び引き出されたメルコールは許しを請うて[[アルダ]]の傷を癒すことを誓い、[[ニエンナ]]の口添えもあって釈放される。[[マンウェ]]はこれでメルコールの悪は矯正されたと考えたが、彼は内心では妬みと憎しみをますます募らせていた。

メルコールは自身の敗北の原因になった[[エルフ]]を憎み、アマンに住む[[エルダール]]の間に虚言を蒔いて[[ヴァラール]]から引き離そうと腐心した。中でも[[ノルドール]]がその標的となった。さらにノルドールの王子[[フェアノール]]が作り出した[[シルマリル]]をメルコールは激しく渇望するようになる。
不和を煽り立てられたフェアノールとその異母弟[[フィンゴルフィン]]は互いにいがみ合い、密かに武器を鍛えて蓄えるようになる。さらにノルドールは「ヴァラールは[[中つ国]]を[[人間]]に与えるつもりで、エルダールを[[アマン]]に連れて来て閉じ込めているのだ」と不平を漏らすようになった。
こうして[[ヴァリノール]]の至福は汚され、[[二つの木]]の光は陰って影が長く伸びるようになる。

フェアノールが公衆の面前でフィンゴルフィンに剣を突きつけるに及んでついにヴァラールは調査に乗り出し、メルコールの悪意が明らかとなった。メルコールはヴァリノールから姿をくらまし、二つの木の光は再び明るく輝いた。しかしアマンの民の心中から不安が去ることはなかった。

*** 光の簒奪者 [#c3681919]

>さて、メルコールは、アヴァサールに来て[[かの女>ウンゴリアント]]を探し出すと、かつてかれがウトゥムノの圧制者として見せていた姿を再びとった。丈高く、見るだに恐ろしい[[暗黒の王>冥王]]の姿である。その後かれは、ずっとこの姿をとったまま変わらなかった。((『[[シルマリルの物語]]』「ヴァリノールに暗闇の訪れたこと」))

メルコールは[[アマン]]から逃走したと見せかけて、その近隣の[[アヴァサール]]に潜んで[[ウンゴリアント]]を呼び出し、「協力するならお前の飢えを癒やすどんなものでも与える」と空約束をして協力を取り付けた。[[ヴァリノール]]の祝祭日に舞い戻ったメルコールは、[[テルペリオン]]と[[ラウレリン]]の[[二つの木]]に黒い槍を突き立てて瀕死の傷を負わせ、その傷口からウンゴリアントが樹液をすすり毒を流し込むことで、二つの木を枯死させるに至る。こうしてアマンにはそれまでになかった恐るべき暗闇が招来された。
さらにメルコールとウンゴリアントは[[フォルメノス]]を襲撃して[[フィンウェ]]を殺害、[[シルマリル]]を奪い取った。これを知った[[フェアノール]]が彼を''モルゴス''と呼び、以後はその名で呼ばれるようになる。

モルゴスはウンゴリアントが紡ぎ出す暗闇に紛れて[[ヴァラール]]の追跡をかわし、[[ヘルカラクセ]]を渡って[[中つ国]]まで逃亡する。だがそこでウンゴリアントが報酬としてシルマリルを要求すると、シルマリルに魅了されていたモルゴスはこれを拒否、二人は仲違いを起こした。ウンゴリアントは網にかけてモルゴスを殺そうとしたが、モルゴスは恐ろしい叫び声を上げて[[アングバンド]]から[[バルログ]]を呼び出し、ウンゴリアントを追い払った。(このため一帯は「大谺」を意味する[[ランモス]]と呼ばれるようになる)

モルゴスは[[アングバンド]]に戻るとそこを再建・強化して[[サンゴロドリム]]の塔を積み上げ、昔日の召使たちを呼び集めると、そこに拠って再び[[中つ国]]の制圧を目論んだ。

*** アングバンドの制圧者 [#nfdbba93]

>アングバンドでは、モルゴスが己のために巨大な[[鉄の冠]]を鍛え、自ら世界の王を称した。その印に、かれは王冠にシルマリルを填め込んだ。聖められたこれらの宝玉に触れたことで、かれの手は黒く焦げ、その後も黒い焦げ痕は消えず、火傷の苦痛からも、苦痛からくる怒りからも、ついに遁れることはできなかった。この鉄の冠は耐えがたいほど重かったが、かれは、絶対に頭上から取ろうとはしなかった。((同上「第九章 ノルドール族の逃亡のこと」))

[[第一紀]]の[[宝玉戦争]]は、[[シルマリル]]を戴いて[[アングバンド]]に立て篭もるモルゴスに、復讐とシルマリル奪回のため中つ国に帰還してきた[[ノルドール]]、モルゴスの圧制にあくまで抵抗しようとする[[シンダール]]、そしてモルゴスの暗闇を拒んだ[[人間]]である[[エダイン]]達が挑んだ望みなき戦いである。

モルゴスはまず[[オーク]]の大軍を築き上げると黒煙と共に送り出し、[[ベレリアンド]]を手中に収めようとした。だがこの大軍は[[ドリアス]]の[[魔法帯]]に拒まれ、あるいは[[シンダール]]と[[ドワーフ]]に撃退され([[ベレリアンド最初の合戦]])、ついには中つ国に帰還した[[ノルドール]]によって完全に壊滅させられた([[第二の合戦>ダゴール=ヌイン=ギリアス]])。
ノルドールがべレリアンドに領国を築く構えを見せると、モルゴスは彼らの力を試すため、突如としてオークの大軍を送り出したが、これも徹底的に撃退され殲滅されるに及び、オークだけでは[[エルダール]]に抗し得ないことを思い知ることになった([[第三の合戦>ダゴール・アグラレブ]])。
そこでモルゴスは間者を放ってエルダールの間に不和を広げると共に、アングバンドの地下で長い時間をかけて[[龍]]の祖[[グラウルング]]を育て上げた。
モルゴスはアングバンドより突如として火の川を解き放って[[アルド=ガレン>アンファウグリス]]と[[ドルソニオン]]を焼き払うと、グラウルングと[[バルログ]]を先陣にしたオークの大軍勢を解き放ち、[[アングバンドの包囲]]を打ち破る。この時のモルゴスの勝利は大きく、以後べレリアンドでは戦いが絶えることがなかった([[第四の合戦>ダゴール・ブラゴッラハ]])。
モルゴスを敵とする者達の勢いは[[マエズロスの連合]]が提唱されるまで盛り返すことはなく、それすらモルゴスは虚言と不和のたくらみを用いて打ち砕き、べレリアンドの全土を事実上制圧するに至った([[第五の合戦>ニルナエス・アルノエディアド]])。

モルゴスの権勢は大きく、[[アングバンド]]は難攻不落で、その悪意のたくらみによって[[エルダール]]と[[エダイン]]は一つ、また一つと滅ぼされていった。

*** 堕ちたヴァラ [#wb2b523e]

>とはいえ、ヴァラールの一員としてのかれの威光は久しく痕を留め、畏怖というより恐怖すべき対象になり果てたのであるが、かれの面前では、最も力ある者以外には、黒々とした恐怖の穴に落ち込まない者はなかったのである。((『[[シルマリルの物語]]』「ノルドール族の逃亡のこと」))

モルゴスは元々は強大な力を持つ[[ヴァラ>ヴァラール]]であったが、その力をアルダを侵食し他者を支配することに費やしたため、次第に持てる力を失って弱体化していった。
憎悪の虜となった彼は、自らの悪意を怪物や虚言の形で外へ送り出すことで勢力を構築した。こうしてモルゴスは恐るべき支配力を持つ暴君となったが、それとともに彼の力は分散して彼自身は小さくなり、[[アイヌル]]としての霊性を失って肉体に縛られるようになった。

[[ヴァラール]]が空に放った[[月]]と[[太陽]]の光は、モルゴスにとって大きな脅威であった。
モルゴスは一度影の精を差し向けて月を運ぶ[[ティリオン>ティリオン(マイア)]]を襲撃したことがあったが撃退され、太陽を運ぶ[[アリエン]]に対してはもはや為す術を知らなかった。そのためモルゴスは暗闇と噴煙で自分の居所と召使達を光から覆い隠した。[[オーク]]や[[トロル]]が太陽の光を忌み、その下で力を失うのはそのためである。

モルゴスが[[宝玉戦争]]で自ら戦ったのもただの一度に過ぎない。[[フィンゴルフィン]]との一騎打ちにおいて、モルゴスは[[グロンド>グロンド(武器)]]を振るってフィンゴルフィンを打ち倒したが、モルゴス自身もフィンゴルフィンの振るう[[リンギル]]の剣で七つの傷を負い、その苦悶のたびにモルゴスの全軍勢は動揺した。フィンゴルフィンは今際の際にモルゴスの左足に斬り付け、また王の亡骸を救出しに飛来した[[ソロンドール]]はその顔に傷跡を残した。
この時受けたモルゴスの傷の痛みは以後癒えることがなく、ずっと左足を引きずって歩くようになったという。

*** 人間を呪う者 [#g4eb0e1c]

>「汝は人間の王に非ず、またそうなること能わず。[[アルダ]]と[[メネル]]すべてが、汝の軍門に下ることがあろうともな。あくまでも汝を拒んだ者たちを、[[世界の圏外>世界の圏]]にまで追うことかなうまじと。」
「世界の圏外にまで追うことはせぬ。」とモルゴスは言った。「世界の圏外には[[虚無>虚空]]しかないからだ。だがこの世界にあってはわしから逃れることはかなわぬぞ。」((『[[終わらざりし物語]]』「ナルン・イ・ヒーン・フーリン」 モルゴスと[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]の論争。))

[[太陽]]が初めて空に昇った時、[[中つ国]]の東方[[ヒルドーリエン]]で[[人間]]族が目覚めた。このことも直ちに察知したモルゴスは、[[アングバンド]]の指揮を[[サウロン]]にまかせて自ら密かに人間たちの許に赴き、かれらを誘惑したと言われている。
それゆえ、人間はその歴史のはじめからモルゴスの投じた暗闇と虚言に付きまとわれている。モルゴスは人間に贈られた[[死すべき運命]]を暗闇と混同させ、人間が死を恐れるように仕向けた。

モルゴスの暗闇を拒み、そこから逃れようと西方を目指した人間の一派が[[エダイン]]である。人間の中で、かれらのみが公然とモルゴスを敵として戦うことを選んだが、そのかれらと言えどもモルゴスの暗闇から完全に自由ではなかった。
一方、[[東夷]]の[[ウルファング]]の一族はモルゴスの言葉に耳を傾け、[[ニルナエス・アルノエディアド]]において同胞と[[エルダール]]を裏切ってモルゴスに勝利をもたらした。

そうした中でも、エダインの勇者[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]だけは、モルゴスを眼前にしても屈することはなかった。そのためモルゴスは彼を呪い、彼と彼の一族に非業の運命を生ぜせしめた([[ナルン・イ・ヒーン・フーリン]])。

*** 光を失った者 [#rf573143]

>かの女は、かれの目の前に黒髪のマントを投げかけ、夢を注ぎかけた。かつてかれが独り歩いた[[外なる空虚>虚空]]のように暗い夢である。突然かれは、丘が山崩れを起こすようにくずおれたかと思うと、雷のように玉座からもんどり落ちて、地獄の床にうつ伏した。鉄の冠が音立てて転げ落ちたあとは、すべてが音もなく静まりかえった。((『[[シルマリルの物語]]』「ベレンとルーシエンのこと」))

三つの[[シルマリル]]は依然としてモルゴスの[[鉄の冠]]に嵌っており、[[アングバンド]]は不落であったが、その守りが一度だけ破られる事態が起こる。

シルマリル奪回の誓いを立てた[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と[[ルーシエン]]が、幾多の困難を潜り抜けてアングバンドの最奥にあるモルゴスの玉座にまで到達し、ルーシエンが眠りの魔法でモルゴスと召使達を眠らせている間にベレンが鉄の王冠に嵌ったシルマリルの一つをこじり取ったのであった。このことは[[レイシアン]]に歌われている。
目覚めて事態に気づいたモルゴスは激怒し、[[サンゴロドリム]]を噴火させたが、ベレンとルーシエンはその魔の手を逃れ、ついにはモルゴスの手の届かないところに去っていった。

かくしてシルマリルの一つが[[自由の民]]の手に戻った。
このシルマリルを受け継ぎ、ついにはその輝きを永遠に空に掲げることになったのが、[[明星>エアレンディルの星]]として知られる[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]である。

*** 没落 [#c8121a1a]

>かれの増上慢は今や止まるところを知らず、かれに公然たる戦いを仕掛けてくる者はあるまいと高を括っていたのである。 … 憐れみの心を持たぬ者には、憐れみの行為は常に未知なる、推測不可能なことなのである。((『[[シルマリルの物語]]』「エアレンディルの航海と怒りの戦いのこと」))

モルゴスは堕ちたとはいえ[[ヴァラ]]であり、[[アルダ]]の中にあっては何人も彼を完全に打ち負かすことはできない。

やがてベレリアンドの全王国は滅び、[[エルダール]]と[[エダイン]]はわずかに[[シリオンの河口]]と[[バラール島>バラール]]に持ちこたえるのみとなった。モルゴスはもはや勝利を疑っていなかったが、そのシリオンの河口より船出した[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]が、[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と[[ルーシエン]]に奪い返された一個の[[シルマリル]]を掲げて[[ヴァリノール隠し>ヌルタレ・ヴァリノーレヴァ]]を突破して[[アマン]]に到達し、[[ヴァラール]]に助力を懇願する。
ヴァラールは嘆願を聞き入れ、[[エオンウェ]]を総大将とするヴァリノールの軍勢が[[中つ国]]に進軍してきた。この[[怒りの戦い]]において、モルゴスの築き上げた膨大な戦力はまたたく間に滅ぼされ、最後の切り札である[[アンカラゴン]]ら翼ある龍たちも、[[ヴィンギロト]]に乗ったエアレンディルと[[ソロンドール]]率いる大鳥たちによって倒され、[[サンゴロドリム]]はアンカラゴンの下敷きとなって毀れた。[[アングバンド]]は徹底的に破壊され、その奥底に逃れたモルゴスは再び捕らえられた。

モルゴスは両足を切断されると再び[[アンガイノール]]の鎖で縛り上げられ、[[鉄の王冠]]から作られた首輪をはめられた。彼は[[ヴァラール]]によってこの世の外なる[[虚空]]に投げ出されて、[[ヴィンギロト]]で天空を航行する[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]([[明星>エアレンディルの星]])がその見張りに立った。
こうしてモルゴスは打ち破られ、その没落がもたらされた。

*** アルダを覆う影 [#m19c5c93]

>「それでも後世に生じるかもしれぬ災いはほかにいくらもあろう。なぜならサウロン自身、一個の召使、あるいは使者にすぎぬからじゃ。」((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「最終戦略会議」 [[ガンダルフ]]の言葉))

[[虚空]]に追放されたモルゴスは、[[ヴァラール]]が玉座にある限り、現存する目に見える姿では二度と[[アルダ]]に戻ってくることはない。しかしモルゴスの投じた暗闇はいまだに[[アルダ]]を覆っており、モルゴスの蒔いた悪の種子は中つ国に残り続けていつまでも果実をつけ、彼の意志は依然として召使達を支配している。
[[バルログ]]や[[オーク]]、[[龍]]といった堕落した怪物たちは一部が生き残り、後世に禍根を残した。[[ヌーメノール人]]の堕落も、[[大海]]を渡ってきたモルゴスの影に端を発すると言われている。[[サウロン]]は第二の[[冥王]]となり、モルゴスの所業を引き継いだ。

世界の終末における最終戦争[[ダゴール・ダゴラス]]においてモルゴスは[[アルダ]]に帰還すると言われている。

** 画像 [#db87ddfc]

&ref(johnhowe KillingoftheTrees.jpg,,30%,ジョン・ハウ作画による二つの木を枯らすモルゴスとウンゴリアント); &ref(johnhowe FinglofinsChallenge.jpg,,30%,ジョン・ハウ作画によるフィンゴルフィンと戦うモルゴス);

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