#author("2022-09-10T20:43:09+09:00;2018-06-24T18:02:36+09:00","","")
* ブルイネン [#wbf98cc0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Bruinen|
|~その他の呼び名|&ruby(なるかみがわ){鳴神川};(Loudwater)|
|~その他の呼び名|鳴神川(Loudwater)|

** 解説 [#Explanation]

鳴神川の[[シンダール語]]名。[[霧ふり山脈]]を発し、[[裂け谷]]を挟んで流れる二つの川が合流してブルイネンとなり、[[ミスエイセル]]に注いでいる。この川は[[エルロンド]]の支配下にあり、エルロンドは必要とあればこの川を増水させて通行を遮断することができる。西からはこの川の渡し場を渡らなければ[[裂け谷]]に入れない。
[[エリアドール]]の東部を流れる川の[[シンダリン]]名。[[共通語]]では''鳴神川''と呼ばれる。
[[霧ふり山脈]]を発し、[[裂け谷]]から流れ出て、南西へ流れて[[ミスエイセル(にびしろ川)>ミスエイセル]]に合流する。ミスエイセルとの間の土地は[[三角地>三角地(エリアドール)]]と呼ばれる。
裂け谷の西側を遮っており、西から裂け谷に入り込むには[[ブルイネンの浅瀬]]を渡らなければならない(([[アラゴルン二世]]によると、北へ回り込むことで[[裂け谷]]へ行けるかもしれないが、彼でも道を知らないという。))。この川は[[エルロンド]]の支配下にあり、彼は必要とあれば川を増水させて浅瀬の通行を遮断することができた。

*** ブルイネンの浅瀬((異訳「ブルイネンの渡し」)) (Ford of Bruinen) [#Ford]
*** 地図上の二つの川 [#of1fe0ba]

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『[[指輪物語]]』本文中の描写ではブルイネンは[[裂け谷]]の谷底を流れる川である可能性が高い。『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』で[[アラゴルン二世]]は「裂け谷から流れ出る鳴神川」((‘the Loudwater that runs out of Rivendell’「闇夜の短剣」))と言及し、[[「最後の憩」館]]での[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の部屋は「その部屋は南に面していて、ブルイネン川の峡谷を南に見おろしていました。」((‘It opened on to the gar dens and looked south across the ravine of the Bruinen.’「数々の出会い」))と説明され、裂け谷で[[フロド>フロド・バギンズ]]は「音高く流れるブルイネン川の台地の庭」((‘the terraces above the loud-flowing Bruinen’「エルロンドの会議」))を歩いたとされる。

[[裂け谷]]の西にある、二つの川の合流地点に近いブルイネンの浅瀬。ここで[[東街道]]がブルイネンを渡っている。
一方、地図上でブルイネンは途中で合流する二つの川筋が描かれている。『[[ホビットの冒険]]』の「荒地のくにの地図」は、[[下書き>地図#g7242194]]では南の川のすぐそばに裂け谷があるが、出版された地図では北の川が太めに描かれ、あたかもそちらが本流のようである。
『[[The Return of the Shadow>The History of Middle-earth/The Return of the Shadow]]』によると、[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]は『ホビットの冒険』のコピーの一つにおいて、地図上の北の川に‘Bruinen or Loudwater’、南の川に‘Merrill’((ただしこの名は[[クリストファ・トールキン]]の推測である。語頭のMe-と語末の-llは確かだが、それ以外は読み取りにくいという。また、この名は他には見られないという。))と書き込んでいた。
『指輪物語』の執筆時にトールキンが描いたあるスケッチの地図では、まず黒インクで二つの川筋が描かれ、南の川のそばに裂け谷があるが、Bruinenの名は北の川に沿って書かれている。また、この地図では川筋が青チョークでなぞり書きされているが、チョークの線では南の川が北の川に上流で合流するように変更されている。これについて[[クリストファ・トールキン]]は『The Return of the Shadow』において、父トールキンは両方の川をブルイネンとする意図があったのかもしれないが、確かなことは言えないとしている。

『[[指輪物語]]』では、[[アスファロス]]に運ばれた[[フロド・バギンズ]]がここまで逃げ切り、川を挟んで[[ナズグール]]と対峙した。ナズグールはあと一歩でフロドを手中に収めるところだったが、彼らが浅瀬に足を踏み入れた瞬間、[[エルロンド]]が引き起こし、[[ガンダルフ]]によって力を増されたブルイネンの奔流にナズグールは巻き込まれて流され、フロドは救われた。この奔流によってナズグールは馬と外衣を失って一旦無力化された。

>その時、ごうごうと鳴る奔流の音が聞こえました。水流がたくさんの石を転がしてくるひびきでした。目の下の川の水かさが増してくるのが、フロドの目にぼんやりと映りました。川の流れに沿って羽飾りをつけた騎兵隊のような波頭が現われました。その波頭には白い焰がちらちらゆらめいているようにフロドには思えました。そして流れる水のただ中に、泡立つ鬣を持った白い馬に白い乗手たちが乗っているのを見たような気がしました。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 上』「十二 浅瀬への逃走」))

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