* スマウグ [#fe15f07b]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Smaug|
|~異訳|スモーグ|
|~その他の呼び名|黄金竜(the Golden)、山の下の王|
|~その他の呼び名|黄金竜(the Golden) &br; 山の下の王(King under the Mountain)|
|~種族|[[龍]]|
|~性別|不明|
|~生没年|~†[[第三紀]]2941年|
|~親|不明|
|~兄弟|不明|
|~配偶者|不明|
|~子|不明|

** 解説 [#Explanation]

>「おれのうろこは、十重のたて、また、歯はつるぎ、爪はやり、尾の一ふりは雷をおこし、つばさはあらしをよび、はく息は、すなわち死だ!」((『[[ホビットの冒険]]』「中にはいってたしかめる」))

[[第三紀]]最大の[[龍]]。邪悪な知性を持っていて言葉を話すことができ、炎を吐くこともできる上、空を飛ぶことができる有翼の龍で、色は金色がかった赤色。鱗は非常に硬く、通常の攻撃は全く寄せ付けない。腹の側だけは龍族の宿命として柔らかかった。しかし自分でもその弱点を承知しており、沢山の金銀宝石をこびりつかせて固めることで鎧代わりにしていたが、左胸にだけは穴が開いていた。
[[第三紀]]最大の[[龍]]。邪悪な知性を持っていて言葉を話すことができ、炎を吐くこともできる上、空を飛ぶことができる有翼の龍で、色は金色がかった赤色。鱗は非常に硬く、通常の攻撃は全く寄せ付けない。腹の側は龍族の宿命として柔らかかった。しかし自分でもその弱点を承知しており、沢山の金銀宝石をこびりつかせて固めることで鎧代わりにしていたが、左胸にだけは穴が開いていた。
非常に傲慢かつ貪欲で、[[はなれ山]]の大量の宝の一つ一つをすべて完全に把握していたという。聴覚と嗅覚にも優れ、[[ドワーフ]]・[[人間]]・[[エルフ]]などを匂いで嗅ぎ分けることができるが、出会ったことのない[[ホビット]]の匂いはわからなかった。

来歴は定かではないが、[[第三紀]]2770年にドワーフ達の繁栄を聞きつけて[[灰色山脈]]から[[エレボール(はなれ山)>エレボール]]に飛来し、[[山の下の王国>エレボール#kingdom]]と[[谷間の国]]を滅ぼした。そしてエレボールの莫大な財宝のすべてを我が物として、山の最も奥まった大広間に棲み着いた。
[[トーリン二世]]は財宝とエレボールを奪回するため、[[ガンダルフ]]の助言と助力を得て[[ビルボ・バギンズ]]達と共に2941年にエレボールへと遠征した。
来歴は定かではないが、[[第三紀]]2770年にドワーフ繁栄の噂を聞きつけて[[灰色山脈]]から[[エレボール(はなれ山)>エレボール]]に飛来し、[[山の下の王国>エレボール#kingdom]]と[[谷間の国]]を滅ぼした。そしてエレボールの莫大な財宝のすべてを我が物として、山の最も奥まった大広間に棲み着いた。
[[トーリン二世]]は財宝とエレボールを奪回するため、[[ガンダルフ]]の助言と助力を得て[[ビルボ・バギンズ]]達と共に2941年にエレボールへの遠征を決行した。(『[[ホビットの冒険]]』)

[[一つの指輪]]の力で透明になったビルボは、眠っているスマウグの隙をついて金のカップを一つ盗み出すことに成功するが、嗅ぎ慣れない匂いに目覚めたスマウグは、カップが無くなっていることに直ちに気づき、激怒して山の周囲を暴れ回る。次に寝たふりをしてビルボを待ち受けていたスマウグは、彼となぞなぞで問答し、ビルボが逃れた後は音もなく外へ出て、はなれ山の隠し戸の入り口を破壊。ビルボとの会話から、ビルボとドワーフ達は[[湖の町>エスガロス]]から来たに違いないと当たりをつけると、火柱を上げて町を襲撃した。
スマウグは上空を飛び回っては火炎を浴びせ、また人々が船に乗り込んだのを見計らってから船に火を放つなど、町と人々をなぶりものにして大いに暴れ狂った。だが、ビルボが胸の宝石の鎧にあいた弱点のことを話すのを聞いていた[[ツグミ]]が、この弱点を弓の名手[[バルド]]に伝えたため、スマウグはバルドの[[黒い矢]]の一撃によって仕留められた。
スマウグの落下によって湖の町は完全に破壊され、死体とその金銀宝石の鎧は今もその水底に眠っているというが、龍の死体を恐れてあえて取りに行くものはなかったという。
*** 『ホビットの冒険』 [#b706b4cc]

ビルボは[[魔法の指輪>一つの指輪]]の力で姿を隠し、財宝の中から金のカップを一つ盗み出すことに成功したが、その気配と嗅ぎ慣れない匂いによって目覚めたスマウグは即座にカップが無くなっていることに気づき激怒。山の周囲を旋回して荒れ狂うが、やがて夜が明けると静かに広間に戻り、半ば眠ったふりをして「どろぼう」が再びやってくるのを待ち受けた。
再びビルボが広間に降りてくると、スマウグはビルボに話しかけ、姿を現すよう誘いかけると共にドワーフへの不信を植えつけて彼を呪縛にかけようとする。しかし[[龍]]の手管を聞き知るビルボは謎めいた言い回しによって上手くスマウグの追及をかわし、逃げおおせることに成功した。この時ビルボはスマウグの胸の宝石の鎧に弱点となるほころびがあることを発見したが、スマウグもまたビルボとの問答から彼らが[[湖の町>エスガロス]]から来たに違いないとの確信を抱く。
ビルボが逃れると、音もなく外に出たスマウグははなれ山の隠し戸の入口付近を強襲して破壊。さらに報復を加えるべく、火柱を上げて湖の町を襲撃した。

スマウグは上空を飛び回っては火炎を浴びせかけて町を炎上させ、火の手を逃れた人々が船で湖上に逃れたのを見計らうと、逃げ場のなくなったかれらを狙い撃ちにする。その硬い鱗と宝石の鎧のため、町の弓矢はスマウグに全く傷を与えることができず、スマウグは思うがままに町と人々をなぶりものにして暴れ狂った。
だが、ビルボの話していた鎧の左胸にあいた弱点のことを傍で聞いていた[[ツグミ]]が、それを弓の名手[[バルド]]に伝える。そのため最後にバルドが放った[[黒い矢]]の一射によってスマウグは仕留められた。

スマウグの落下と断末魔のあがきによって湖の町は完全に破壊され、死体とその金銀宝石の鎧は今もその水底に眠っているというが、龍の死体を恐れてあえて取りに行くものはなかったという。

*** スマウグの死後 [#x13a7cbe]

スマウグの死によって[[はなれ山]]に残された財宝を巡り、トーリン達ドワーフと、湖の町の人間・[[闇の森]]の[[エルフ]]が対立することになる。そこに[[ゴブリン]]と[[狼>ワーグ]]が加わったことで[[五軍の合戦]]が引き起こされた。
その後「''竜の黄金病''」にとりつかれた[[湖の町の統領]]は、町の復興に充てられるはずだった財宝を持ち逃げし、仲間に見捨てられて荒野でのたれ死にしたという。再興された[[谷間の国]]の王となった[[バルド]]の援助で湖の町も再建されたが、湖の底に眠るスマウグの死体を恐れて、以前あった場所よりも北に移った。

『[[指輪物語]]』[[追補編]]および『[[終わらざりし物語]]』の記述によると、[[指輪戦争]]の前にスマウグが倒されたのは幸運であり、もしそうでなかったら[[サウロン]]に利用されたスマウグが[[エリアドール]]を席巻し、[[裂け谷]]をも襲撃していたかもしれないと[[ガンダルフ]]は語っている。

>「じゃが事態はずっと別の方向に進み、はるかに悪化したかもしれぬところじゃった。お前さんたちが、[[ペレンノール野の大合戦>ペレンノール野の合戦]]のことを考える時は、[[谷間の国]]の戦いと[[ドゥリン一族の武勇>エレボール]]を忘れるんじゃないぞ。ひょっとしたらあり得た事態を考えてもみるがいい。[[エリアドール]]を竜の火と野蛮な剣が荒れ狂い、[[裂け谷]]には夜が訪れる。[[ゴンドール]]に[[妃>アルウェン]]はおわさぬことになったかもしれぬ。わしらにしてもこの地における勝利からただ廃墟と灰の中に戻ることを望むしかなかったかもしれぬ。じゃが、これはさけられた。それももともとはといえば、ある春の初めの夕べ、[[ブリー村]]でわしが[[トーリン・オーケンシールド>トーリン二世]]に出会ったからじゃ。[[中つ国]]でいうめぐり会いというやつじゃのう。((『[[指輪物語]] [[追補編]]』[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]における[[ガンダルフ]]の言葉))
>「じゃが事態はずっと別の方向に進み、はるかに悪化したかもしれぬところじゃった。お前さんたちが、[[ペレンノール野の大合戦>ペレンノール野の合戦]]のことを考える時は、[[谷間の国]]の戦いと[[ドゥリン一族の武勇>エレボール]]を忘れるんじゃないぞ。ひょっとしたらあり得た事態を考えてもみるがいい。[[エリアドール]]を竜の火と野蛮な剣が荒れ狂い、[[裂け谷]]には夜が訪れる。[[ゴンドール]]に[[妃>アルウェン]]はおわさぬことになったかもしれぬ。わしらにしてもこの地における勝利からただ廃墟と灰の中に戻ることを望むしかなかったかもしれぬ。じゃが、これはさけられた。それももともとはといえば、ある春の初めの夕べ、[[ブリー村]]でわしが[[トーリン・オーケンシールド>トーリン二世]]に出会ったからじゃ。[[中つ国]]でいうめぐり会いというやつじゃのう。」((『[[指輪物語]] [[追補編]]』 [[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]における[[ガンダルフ]]の言葉))

** 画像 [#ifb84847]

&ref(Conversation with Smaug by Tolkien.jpg,,25%,トールキン作画によるスマウグ); &ref(Death of Smaug by Tolkien.jpg,,30%,トールキン作画によるスマウグの死のスケッチ); &ref(smaugbyterashima.jpg,,30%,寺島龍一作画によるスマウグ);

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** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|[[ベネディクト・カンバーバッチ]](モーションキャプチャ及び声)|
|~日本語吹き替え|[[大友龍三郎]]|
カンバーバッチは声を担当するだけではなく、モーションキャプチャで表情を取り込み、CGで描かれるスマウグの参考にされている。

『思いがけない冒険』公開時は、原作の描写や[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の絵と同じ、四本足でさらに翼があるデザインの予定だったが、『竜に奪われた王国』では前足と翼が一体化したデザインに変更されており、『思いがけない冒険』のDVD/BD版でスマウグの前足が一瞬描かれるシーンも修正されている。
原作では、宝石で固め損ねたとされている弱点の左胸は、本来あるべき鱗が[[谷間の国]]を襲った際に、[[ギリオン]]の[[黒い矢]]を受けて一枚だけ剥がれたという設定になっている。

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** 画像 [#ifb84847]

&ref(Conversation with Smaug by Tolkien.jpg,,25%,トールキン作画によるスマウグ); &ref(smaugbyterashima.jpg,,30%,寺島龍一作画によるスマウグ); &ref(Death of Smaug by Tolkien.jpg,,30%,トールキンによるスマウグの死);

** コメント [#Comment]

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