野伏(のぶせ)

概要

カテゴリー種族
スペルRanger
その他の呼び名

解説

(主に)北方の流浪のドゥーネダインの俗称。『ロード・オブ・ザ・リング』では「さすらい人」と訳されている。
北方王国の滅亡後、生き残ったエリアドールのドゥーネダインは、「ドゥーネダインの族長」であるイシルドゥアの直系の者によって束ねられ、エルロンドらと協力しながら北方のサウロンの残党と戦い続けた。以後彼らは野伏と呼ばれ、その土地の人々に訝しがられながらもさまざまな土地を放浪し、人知られず人々を守った。

しかしブリー村の荒れ果てた土地には、得体の知れない放浪の民がいました。ブリー村の人々はかれらのことを野伏と呼び、彼らの素性については何一つ知りませんでした。かれらはブリー村の人間たちよりも背が高く、色は黒く、ふしぎな視力と聴力をもち、鳥や獣の言葉を解すると信じられていました。かれらは思いのままに南にさすらい東にさすらい、霧ふり山脈にまでも足をのばしました。しかし今ではかれらはごく少人数で、その姿を見かけることも稀になりました。かれらが姿を見せるときには、遠い国々の噂をもたらし、すでに忘れられた数々のふしぎな話をきかせてくれるので、ブリー村の住人たちは熱心にそれらの話に聴き入ったのですが、それ以上かれらと親しくしようとはしませんでした。*1

「しかし、ふるさとというものがもしわたしにあるとすれば、それはここ北方の地にある。なぜなら、ヴァランディルの世襲たちは、父から子へと何世代にもわたって途切れることなくずっとこの地に住まってきたからだ。われらの時代は暗くなり、われらの数もへった。しかし剣は次々と新たな持ち主へ渡されてきた。ボロミアよ、最後にこれだけ申し上げよう。われら荒野の野伏たちは、孤独な人間だ。われらは野伏であり、狩猟者である――といっても、常にわれらの敵の召使どもを追い求める狩猟者なのです。と申すのは、かれら召使どもはモルドールのみならず、そこかしこに見いだされるからです。
「ボロミアよ、ゴンドールが堅固な塔であったと申されるなら、われらはわれらでまた別の役割を果たしてまいった。あなた方の強固な城壁や輝く剣をもってしても防ぎきれない悪しきものたちがたくさんいるのです。あなた方はご自分の国境の外の国々のことはほとんどご存じない。平和と自由、とあなたはいわれるか? もしわれらの存在がなければ、北の国々もこの二つのものをほとんど知ることがなかったでありましょう。恐怖がかれらを滅ぼしたでありましょう。しかし、家なき無人の山々から、昼なお暗き森林から、暗いものたちがひそかに忍び出てきても、かれらはわれらを見てたちまち逃げ失せます。もしわれらドゥネダインが惰眠をむさぼっていたとしたら、あるいは一人残らず死に絶えてしまってたとしたら、人はどの道を安心して通ったらいいのだろうか? 平和な国々や、素朴な人々の家々に、夜分どのような安全が保証されているというのだろうか?
「しかもわれらは、それに対してあなた方よりも感謝されることが少ない。旅人たちは我らを見て顔をしかめ、里人たちはわれらを軽蔑の名で呼ぶ。ある肥った男からすれば、わたしは『馳夫』なのだ。その男は、敵が一日もかからないで歩いてこられる所に住んでいるというのに。もしわれらによって絶えず守られているのでなければ敵はその男の心の臓まで凍らし、その小さな町を廃墟と化してしまうだろう。しかしわれらが、そうはさせないだろう。素朴な者たちは心配や恐怖を知らなければ、素朴なままでいられるのだ。そのためにわれらは隠れていなければならぬ。われら一族はこれを任務としてきた。その間に年月は移り変わり、草は伸びた。*2

ゴンドールにおけるイシリアンの遊撃部隊のことも野伏と表記されている。

アルノールの野伏の歴代の族長

北方王国最後の王アルヴェドゥイの長子であるアラナルスが、最初のドゥーネダインの野伏の族長となった。

名前在位
初代アラナルス第三紀1976~2106
2代アラハイル2106~2177
3代アラヌゥイア2177~2247
4代アラヴィア2247~2319
5代アラゴルン一世2319~2327
6代アラグラス2327~2455
7代アラハド一世2455~2523
8代アラゴスト2523~2588
9代アラヴォルン2588~2654
10代アラハド二世2654~2719
11代アラススイル2719~2784
12代アラソルン一世2784~2848
13代アルゴヌイ2848~2912
14代アラドール2912~2930
15代アラソルン二世2930~2933
16代アラゴルン二世2951~3019

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

エステルディンを拠点として、エリアドールの各地に野伏が散らばっており、アングマールの軍勢と戦う任務についている。彼らはNPCとして、プレイヤーにクエストを与え、あるいはプレイヤーを守る存在となる。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 戦国時代の「一定の主人を持たない放浪武士や農民の武装集団(日本語大辞典)」が元の意味だそうです。 -- ジャック・ランタン
  • 黒澤明監督「七人の侍」(不朽の名作の一つと思います)の中では、同じ単語が「のぶせり」と発音されています。 -- カイト
  • 国を失ってなお、銀の星ひとつを身に帯びて一千年を戦い続けたのはドゥーネダインの誇りのゆえか。こいつらかっこいいよね。歴代の族長たち、あるいは無名の野伏たちの物語が読みたい。 -- 2007-10-28 (日) 00:31:47
    • 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』でたくさん野伏が出てきて、彼らの物語が垣間見られますよ~ -- 2008-10-09 (木) 20:58:39
  • 拠点のようなものはあったのかとか、組織化はどの程度されていたのかとか、気になります。族長が代々受け継がれたり、ホビット庄周辺の守りを倍増させたり、ハルバラド達が召集に応えたりしているのですから、なんらかの組織化はされていたのだと思いますが、そのあたりの記述がぜんぜん無いんですよね。 -- 2009-04-28 (火) 19:03:15
  • オンライン版は日本サービス終了してたんですね 翻訳大変だったろうに・・・ -- 2009-11-20 (金) 02:16:05
お名前:

*1 指輪物語 旅の仲間』躍る小馬亭にて
*2 エルロンドの会議アラゴルン二世ボロミア二世に語ったセリフ

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Last-modified: 2009-04-28 (火) 19:03:16 (206d)