谷間 の国 †
概要†
カテゴリー | 地名 |
---|---|
スペル | Dale |
異訳 | 谷間の町、谷、 |
解説†
はなれ山(エレボール)の南麓、二つの尾根に挟まれた広い谷間にあった人間の都市国家。
山の下の王国との交易により栄えたが、第三紀2770年にスマウグが襲来したことで滅亡し、当時の領主ギリオンも命を落とした。その後、五軍の合戦を経た2944年に、ギリオンの子孫バルドによって再建された。
この国の人間は谷間の国の人間あるいはバルドの一党と呼ばれる。
かつての谷間の国†
目をあげれば二本の腕のような大きな山すじにはさまれた広い谷間に、むかしの家々や塔や壁のくすんだこわれあとが、ありありと見られました。
「あそこにあるのが、谷間の町のあとだ。」と、バリンが話しました。「山の四面はことごとく、木々の緑でおおわれ、山につつまれた谷には、そのかみ、ゆたかで楽しい町があり、鐘が鳴りひびいたものだ。」*1
北方の自由の民の一派が、山の下の王国の繁栄(スロールの御代。第三紀2590年から2770年にかけて)に引きつけられて南から早瀬川をさかのぼって定住したのが始まりであるという。
谷間の国は山の下のドワーフの鍛冶の技術に助けられて強大化し、近隣の同族たちと力を合わせて東方の敵を寄せ付けなかった。谷間の国の人間達はドワーフに高値で仕事を依頼すると共に、自ら子弟を提供してその技術を学び、谷間の町は優れたおもちゃ屋で知られるようになる。
ところが第三紀2770年、灰色山脈から龍のスマウグがはなれ山に襲来する。スマウグによって谷間の国の戦士達は皆殺しにされ、当時の領主ギリオンも殺された。はなれ山に巣食ったスマウグは夜になると谷間の国を襲い、住人(特に乙女)を攫って食べ始めたため、生存者は町を放棄して去った。
こうして谷間の国は山の下の王国共々滅亡し、その財宝はスマウグに根こそぎに奪われた。
再興された谷間の国†
「フロド殿、あなたにぜひ一度谷間の国の水路を見ていただきたいです! それにあの山や池を! 多彩な石の舗装道路もごらんいただかなくちゃ!」*2
第三紀2941年、スマウグはギリオンの子孫バルドによって討ち取られる。さらに五軍の合戦を経て、バルドはビルボの取り分であったはなれ山の財宝の14分の1を譲り受ける。2944年、バルドは谷間の国を再建して王となり、町には再び西や南から人間が集まるようになった。
ビルボの別れの宴で持ち込まれた、小さいながらも様々な楽器が仕込まれた見事なクラッカーには「谷(DALE)」のマークが付いており、高名なおもちゃ屋も再建されたようである。
バルドの孫ブランドの時代には、谷間の国は再び強大となり、その領土ははるか南、エスガロスの東にまで達するほどになる。
だがモルドールでサウロンが再興すると、それに臣従する東夷が谷間の国の東境を脅かすようになる。
3019年の指輪戦争ではこの東夷が大挙してカルネンを渡河して襲来し、谷間の国は戦火に飲み込まれた。谷間の国の王ブランドと、山の下の王国の王ダーイン二世は共に戦死し、谷間の国の人間とドワーフははなれ山の山中に籠城して抵抗。やがて、南方からサウロン没落の知らせが来ると彼らは打って出て、動揺した東夷を撃退することに成功した(谷間の国の合戦)。
谷間の国の新たな王には、ブランドの息子バルド二世が即位する。その後谷間の国はゴンドールの同盟国としてその庇護下に置かれた。
再興された谷間の国の歴代の王†
映画『ホビット』における設定†
おそらく役者の発音にあわせるため、字幕や吹き替えではデイルと表記されている。
黒い矢を撃つための、ドワーフの風切り弓(Dwarvish Wind-Lance)が据え付けられていた。
『決戦のゆくえ』では、スマウグによって湖の町を破壊された町の人々がバルドの指揮の下、デイルの廃墟へ避難して冬を越そうとする。その後、五軍の合戦でオークなどの攻撃を受け、戦闘の舞台にもなっている。
画像†
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
Update22でオープンフィールドとして実装。また指輪戦争にて谷間の国の街中に攻め込んできた東夷の一族ジャンゴヴァール(Jangovar)と戦うインスタンス(戦闘専用マップ)が実装されている。
伝承によれば、谷間の国の最初の領主の名はBródda(ブロッダ)と言い、オークの手からスロールを救った功績によってGeirjarn Ironboltの名と黒い矢を与えられたという。黒い矢は領主が新しくなる度に贈り物として与えられ、スマウグ襲来時の領主だったギリオンは八代目の領主で本来の名をGeirjarn IIIと言った。
黒い矢の内七本はスマウグに向けて放たれて失われたものの、息子のBrandjarnが八本目の矢を持って逃れた。Brandjarnはブランドと名を変えて自らの血統を秘匿した。
ブランドの孫バインは湖の町の警備隊に加わり、黒い矢は代々父から子へと受け継がれた。
コメント†
最新の6件を表示しています。 コメントページを参照