灯火ともしび時代じだい

概要

カテゴリー年表
スペルYears of the Lamps
その他の呼び名アルダの春(Spring of Arda)

解説

エルフ人間が誕生する前、太陽もなかった時代、二つの灯火イッルインオルマル)の光によってアルダが照らされていた期間を指す。

イルーヴァタールによってエアが創造されたのち、アイヌルの一部(ヴァラール)はエアに下向してアルダを形成する。アルダを我が物にしようとするメルコールと、アルダを守ろうとするヴァラールとの間で最初のいくさ(First War)が起こったが、新たにやって来たトゥルカスによってメルコールはアルダから追い払われた。
そこでヴァラールは、外なる海に取り巻かれた中つ国を照らすために、中つ国の南北にイッルインオルマル二つの灯火を作った。

ヴァラールは中つ国の中央にあったアルマレンの島に住まい、アルダの形成を進めていった。またイッルインとオルマルの光に照らされたことで、地上にはヤヴァンナの考案した植物動物が生まれ始めていた。そのためこの時代はアルダの春*1とも呼ばれる。
一方、密かにアルダに帰還したメルコールは、中つ国の北方にウトゥムノの要塞を築いてアルダの春を汚染し、中つ国に獰猛な生き物や、闇、腐敗などを発生させていく。ヴァラールはメルコールが戻ったことを知るが、メルコールは先に攻撃を仕掛けて二つの灯火を打ち倒し、ウトゥムノに逃げ戻った。

かくして、アルダを育むためのヴァラールの当初の構想は打ち砕かれて二度と生かされることはなく、アルダの春は終わった。
ヴァラールは、メルコールとの戦いをさらに続けてアルダを傷つけ、イルーヴァタールの子らエルフ人間)の誕生に支障を来すことを恐れ、灯火の倒壊から起こった騒乱を鎮めることに力を注ぐことにする。ヴァラールは中つ国からアマンへと撤退し、破滅を免れた全ての善きものをペローリの防壁の内側に集め、ヴァリノールを築いた。

この後、アマンに二つの木が生まれ、二つの木の時代が始まった。

年表

以下の年表は、『Morgoth's Ring』の「The Annals of Aman」に基づく。3500ヴァラール年の長さは太陽年で約3万3500年である。

ヴァラール年事象
1ヴァラールアルダに降る。「最初の戦」が起こる。
1500トゥルカスアルダに来る。メルコールがアルダから逃亡する。
1900二つの灯火が建てられる。
3400トゥルカスネッサを娶る。メルコールアルダに戻り、ウトゥムノを建造する。
3450メルコール二つの灯火を倒壊させ、「アルダの春」が終わる。ヴァラールアマンに撤退する。
3500二つの木の誕生。

二つの木の時代へ続く

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • ある意味、失われし理想の時代。 景色を彩る花々は、まだ存在しなかったとは言え、雲をも貫くほどの巨木が生い茂り、産まれたばかりの大人しい動物が清浄無垢な大地に群れ遊ぶ。 モルゴスの馬鹿が破壊しなければ、後に産まれるエルフ、人間の運命は完全に違っていただろうに。 -- 斉藤チロン 2010-11-01 (月) 17:19:28
    • 確かにモルゴスの邪魔がなければ、中つ国そのものがアマンのような楽園に。 エルフ、人間も幸せに暮らしただろうに。 -- けつ 2010-11-03 (水) 16:53:15
      • どうでしょう。運命論になってしまいますが、モルゴスの所業もエルフや人間が生まれてくるための一要素だったかもしれません。 -- 2010-11-03 (水) 23:47:55
      • モルゴスがいなければ、その後の物語はなかったかもしれない。  -- けつ 2010-11-05 (金) 23:43:10
      • 本当そう思います。モルゴスがいなかったら、世界はもっとより良いものになっていたと思います。 -- 2021-09-22 (水) 12:42:03
    • そのすべてがイルーヴァータルの思し召しだったとしたら・・・「安定は停滞と腐敗しか生まぬ。汝、死と破壊の中から再生し、自らの神性を証明せよ!」 -- 中二 2010-12-07 (火) 01:16:20
    • この時代は中つ国そのものがアマンのような楽園だったのね。  -- 2011-12-28 (水) 17:57:32
    • 現代の樹木に連なる系統の森林が登場する前のシルル紀の地層から、樹高8m級の樹状化石が何本もみつかり、発見から150年以上も謎のままだったってのを思い出した。 正体は巨大な菌類(キノコ)だったみたい。環境がさらに極端な進化を促せばのちの巨大甲殻類と合わせてナウシカワールドみたいな古生代だったかも。 -- 2017-06-02 (金) 15:29:07
  • 二つの灯火をモルゴスが破壊した際、その衝撃で美しかった中つ国も徹底的と言える状態まで破壊され、焼き尽くされたほど。 今までモルゴスの散々な嫌がらせにも関わらず、何とか完成させた傑作を壊されたら、ヴァラールと言えどもやる気をなくして、アマンへ行ってしまうのはある意味、当然かも。 -- カンナ 2010-11-09 (火) 00:04:06
    • その気持ち、分かります。 -- 2021-09-22 (水) 12:42:40
  • この時代がモルゴスによって終らせられなければ、中つ国はどうなっていたのでしょう? 旧約聖書に出てくる楽園みたいな世界になっていたのでしょうか。 -- 2014-02-02 (日) 22:51:53
    • ヴァラールの当初の構想ってのがわからないから、なんとも。 -- 2014-02-02 (日) 22:52:56
  • 灯火の時代が続いてたら星も太陽も生まれなかったろうからエルフも人間も眠ったままだったと思う -- 2015-02-13 (金) 15:27:29
  • メルコールが何処にいるのかわからないのにザルな警備。この頃の彼は力もまだ強かったのに、灯火が壊される前にヴァラールに危機感があまりないような感じがします。 -- 2015-02-28 (土) 23:33:07
    • そもそもヴァラール全員、メルコールがそれほどまでに邪悪な存在になってしまったという意識がまだ希薄だったのではないかと思います。アルダ形成の争いもあくまで同僚同士の主導権争いに過ぎず、トゥルカスもメルコールを打ち負かしこそすれヴァラールは彼を裁きにはかけなかった。ヴァラールの間ではメルコールの反逆はまだ「自己中な困った人だが、根本的には彼も同胞」という認識であったのではないかと。プロジェクトで我を通そうとして外された人が、まさか会社に放火する目的で戻ってきたとは普通予測できないでしょう。それが才能に溢れた人であれば尚更。 -- 2015-02-28 (土) 23:40:12
      • 放火の時代 -- 2015-03-01 (日) 23:36:23
      • →プロジェクトで我を通そうとして外された人が、まさか会社に放火する目的で戻ってきたとは普通予測できないでしょう。
        超亀レスで恐縮だが、例えにマジワロタ -- 2022-07-02 (土) 16:02:48
  • 絶滅した古代生物は灯火の倒壊の余波で滅ぼされたとかだったり。瓦礫の下敷きにされて化石ができたとか -- 2022-07-01 (金) 20:15:05
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