塚山 出土 の剣 †
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | Sword of the Barrow-downs |
その他の呼び名 | 塚山出土の太刀(Barrow-blade) |
解説†
フロドら四人のホビットが塚人に囚えられた塚にあった副葬品の中から、トム・ボンバディルが彼らの護身用にと選んで与えた剣。人間にとっては短剣だが、短躯のホビットにとっては剣にあたる。
ホビットたちの一人一人にかれは短剣を一ふりずつ選んでくれました。長い木の葉型の切れ味のよいすばらしいこしらえの業物で、赤と金の蛇の形の文様のある鋼でできていました。トムが黒い鞘から抜き放つと刃はきらきらと輝きました。その鞘は何か変わった金属でできていて、軽くて丈夫で、燃えるように光るたくさんの宝石で飾られていました。これらの鞘に秘められた何かの力によるのか、それともこの塚にかけられた呪文によるのか、短剣の刃は少しも時の影響を受けていないようでした。錆一つなくとぎすまされ、きらきらと日にきらめいていました。*1
北方王国のドゥーネダインの手になるもので、ヌーメノールの技術で鍛えられた鋭利な刃を持ち、モルドールの滅びを願う呪文が周りに刻まれている。そのためナズグールの呪力を打ち破り、これを破滅させるほどの力が宿っていた。
一つの指輪をはめて、あるいはモルグルの刃の傷により、半ば幽界に身を置いたフロドは自分の剣の刃が松明のように燃える光を放っているのを見ており、風見が丘では迫ってくるナズグールがそれにひるんだような描写もある。また黒門の戦いに臨んだピピンは、自分の剣の刃に刻まれたヌーメノールの文字がやはり火のように光るのを見た。
四振りの剣†
トム・ボンバディルによって四人のホビットにそれぞれ与えられたが、メリーの剣のみが魔王を破る使命を果たして消失した。メリーは塚山から救出された直後、カルドラン最後の君主の亡霊が言わせたと思われる言葉を口走っているが、そのこととの関係は直接触れられていない。
- フロドの剣
- 風見が丘で魔王の足許に斬りかかったが当たらなかったらしく、魔王の黒いマントをわずかに切り取るに留まった。その後ブルイネンの浅瀬でフロドがナズグールと対峙した時、魔王の呪力で折られてしまった。折れた剣は裂け谷でビルボが預かっていたが、彼が刀鍛冶に修理を依頼するのを失念したため、代わりにフロドはつらぬき丸を身に帯びるようになった。
- サムの剣
- モリアの壁では水中の監視者の腕を切りつけてフロドを救い、マザルブルの間での戦闘ではオークを一人倒した。トレヒ・ウンゴルではシーロブの糸を切断しようとしたが、つらぬき丸ほどの効果は上がらなかった。シーロブとの戦いでサムは右手に自分の剣、左手につらぬき丸を持ち、自分の剣でシーロブの複眼の片方を刺した。その後、サムは自分の剣を仮死状態で横たわるフロドの許に残し、フロドがキリス・ウンゴルの塔に囚われた時にシャグラトに奪い取られた。剣はフロドの他の装身具と共に黒門の戦いでサウロンの口が西軍の大将達を脅迫するのに使用したが、ガンダルフが奪い返し、コルマッレンの野でサムに返却された。
- ピピンの剣
- パルス・ガレンで襲来したオークと戦うのに使われる。剣を取り上げたウグルークは、火傷でもしたかのようにその場で剣を投げ捨ててしまった。そのためアラゴルン二世が発見して預かり、アイゼンガルドで二人と再会した際に返却した。その後、ピピンはこの剣でデネソール二世に忠誠を誓った。剣を手に取ったデネソールはそれが北方のドゥーネダインの作であることを看破している。黒門の戦いでは、山トロルの首領を急所を突くことで倒した。ホビット庄の掃蕩ではフロドを侮辱したごろつきに抜き身の剣を見せつけて威嚇し、その際ピピンは自分の剣を「トロルをやっつけた剣(troll's bane)」と呼んだ。
- メリーの剣
- この剣でメリーはパルス・ガレンで襲来したオークの腕を幾本も切り落とした。二人が捕まった後はピピンの剣と同様の経緯を辿り、アイゼンガルドでアラゴルンから返却された。その後、メリーはこの剣でセーオデンに忠誠を誓った。ペレンノール野の合戦ではエーオウィンの助太刀として魔王の膝の後ろを突き刺し、かの者の呪力を打ち破って深傷を負わせた。これによってエーオウィンは魔王に止めを刺すことができた。役目を果たした剣は、火のついた枯れ枝のように燃え尽きてしまった。
こうして西方国の作、塚山出土の剣は消滅しました。しかし遥かな昔ドゥネダインがまだ若く、かれらの敵の中の第一の者が恐るべきアングマールの王国と魔術師たるその王であった当時、北方王国でこの剣を時間をかけて作り上げた人がこの剣の運命を知れば、さぞ喜んだことでしょう。他の刃であれば、たとえもっと力ある手によって揮われたにしろ、これほど耐えがたい傷手をかの敵に負わすこともなかったでしょう。不死身の肉を切り裂き、その見えざる筋肉をかれの意思通りに編み合わせていた呪文を破ったのですから。*2
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
塚山のエピソード自体が削られたため登場せず、メリーが魔王を刺すときに使ったのは出所未詳の剣となっている(エクステンデッド・エディションでロスローリエンにて受け取る場面が描かれたノルドールの短剣であるという説もあるが、この短剣には柄がない一方、魔王を刺した剣には柄がある。その形状からローハンの剣であるという説もある)。
また、アラゴルンは風見が丘で小剣を四人に渡している。これらの剣はローハン製のものとのデザインの類似が指摘されていて、アラゴルンがセンゲルに仕えていた頃に手に入れたものではないかとされている*3。
コメント†
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