塚人 †
概要†
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Barrow-wights |
解説†
塚山丘陵の古墳に巣くう亡霊。かつてアングマールとの戦いで死んだ、アルセダインとカルドランのドゥーネダインの成れの果て、またはアングマールとリュダウルからきた悪霊と思われる。彼らは死体の中に入り、生きているものを塚の中に引きずり込む。その青白い眼光で獲物の体を硬直させ、低い冷たい声で恐怖に満ちた眠りに誘う。手は氷のように冷たい。
エルロンドによると多くの名で知られているといい、ホビット庄でもその存在は恐ろしい噂として知られていた。
ふるえながらかれは上を見ました。すると背の高い黒っぽい姿が星空に浮かぶ影のように立っているのがちょうど目にはいりました。それはかれの上に体を屈めました。かれは二つの目を見たように思いました。それはずっと遠くの方から射してくる青白い光を受けて光っている、とても冷たい目でした。*1
フロド・バギンズら四人のホビットたちはトム・ボンバディルの家からブリー村に向かう途中で塚山丘陵に迷い込み、塚人に襲われた。
塚人は眠りと霧によってホビット達を惑わして塚山におびき寄せ、石室に横たえて呪いの歌で息の根を止めようとした。しかし間一髪で勇気を取り戻したフロドに反撃され、最後には助けにやってきたトム・ボンバディルの歌によって塚から追い払われた。
その後塚の副葬品からボンバディルによって塚山出土の剣が選び出され、ホビット達に与えられた。
『終わらざりし物語』によると、もともと魔王が送り込んだ悪霊であり、ホビット達を待ち伏せるためにあらためて呼び起こされたという。
“ワイト”†
元来、塚人の原語であるBarrow-wightのwightは、古英語で「(神秘的・超自然的な)人間」という意味であり、これ単独では亡霊を直接示すものではない(barrowは英語で墳丘墓のこと)。13~14世紀頃に書かれたアイスランド文学Grettis saga(WikipediaEN:Grettis saga)がウィリアム・モリス(Wikipedia:ウィリアム・モリス)によって英訳されたとき、作中に登場する亡霊haugbuiのことがbarrow wightと訳されたのが知られている(WikipediaEN:Wight)。なお『Guide to the Names in The Lord of the Rings』でトールキンはBarrow-wightsは造語で、「塚山に住む生き物」と説明している*2。
『指輪物語』でBarrow-wightという言葉が使用されて有名になったことにより、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのゲームを中心としたファンタジー作品で“ワイト”は亡霊、アンデッドモンスターとして定義されるようになった。
コメント†
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