- この指輪を主題として扱うドラマシリーズについては、ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪を参照してください。
力 の指輪 †
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | Rings of Power |
異訳 | 魔力の指輪 |
その他の呼び名 | 偉大な指輪、大いなる指輪(Great Rings) |
解説†
『一つの指輪』『三つの指輪』『七つの指輪』『九つの指輪』の総称。強大な魔力を秘めた指輪。
一つの指輪は冥王サウロンによって、三つの指輪はエルフの工匠ケレブリンボールによって、その他の指輪はサウロンの助力を受けたエレギオンのエルフの細工師たちによって作られた。
三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、
七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、
九つは、死すべき運命の人の子に、
一つは、暗き御座の冥王のため、
影横たわるモルドールの国に。*1
力の指輪の一覧†
『九つも、七つも、三つも、それぞれそれにふさわしい宝石がはまっておった。しかし、一つの指輪は違う。それは丸くて飾りがない。まるでそのへんのつまらない指輪と同じだ。しかし、その作り手はその指輪に銘を入れた。練達の士であれば、おそらく今でもそれを目で見、読むことができるだろう。』*2
詳細については各項目を参照。
- 三つの指輪
- エルフのための指輪。風の指輪ヴィルヤ、水の指輪ネンヤ、火の指輪ナルヤからなる。全ての力の指輪の中でもっとも美しく、一つの指輪を除けば最大の力を持っていたが、その力は守護や浄化に働くもので、武器として用いることはできない。
力の指輪の歴史†
「はるかな昔、エレギオンで、エルフの指輪が数多く造られた。魔法の指輪というやつじゃ。むろん、種類はいろいろあった。あるものは非常に強力であったし、あるものはさほどでもなかった。 力の弱い指輪は、技がまだ未熟であった頃の試作品にすぎなかった。それらはエルフの細工師どもにとっては、くだらないものでしかなかった――しかしそれさえ、限られた命しかもたぬ者には、やはり危険だと思われるがの。まして、偉大な指輪、魔力の指輪となれば、その危険は破滅的ともいえるほどなのじゃ。」*3
第一紀が終わり、マンドスの呪いが停止された後も中つ国を去りがたく留まっていたノルドールは、荒廃し移ろいゆく此岸への嘆きと、西方の至福への憧れから、世界を癒し、かつ豊かにする力と技を望んでいた。一方でモルゴスの凋落後も中つ国に隠れ潜んでいたサウロンは、見捨てられた中つ国を自らの望む形に再建しようとし、そのために自由の民を意のままに動かすことのできる手段を欲していた。
ノルドールの願望を見抜いたサウロンは、意図と正体を隠してかれらに接近。その働きかけによってエレギオンのグワイス=イ=ミールダイン(エルフの細工師たち)が制作したのが、試作品である多くの力の弱い指輪と、完成作である十九個の大いなる力の指輪であった。
しかしその知識はサウロンから提供されたものであり、それらには彼の悪しき意図が吹き込まれていた。やがてサウロンはモルドールのオロドルインにおいて、すべての力の指輪を支配する一つの指輪を完成させた。
上掲の力の指輪の詩は、その際にサウロンが口にしたのを、遠く離れたエレギオンでケレブリンボールが耳にして、後世に伝えられたものである。
サウロンの歌うことばを知ったエルフ達は彼の正体と意図に気付き、かれらの三つの指輪を隠して使用しなかった。そこでサウロンはエレギオンを攻め滅ぼし、力ずくで指輪を奪い取ろうとした。
ケレブリンボールは拷問にかけられ、七つの指輪と九つの指輪はサウロンの手に落ちた。だがケレブリンボールは三つの指輪の所在だけは明かさないまま死に、それらはサウロンの魔の手を免れた。サウロンは手中に収めた七つと九つに手を加えて邪悪に歪めると、それぞれをドワーフと人間の王侯に分配し、中つ国への支配力を増大させた。
第二紀の終わり、エルフと人間の最後の同盟によってサウロンは辛うじて打ち倒され、一つの指輪は彼の手から奪い取られた。しかし一つの指輪は破壊されなかったため、指輪に込められたサウロンの力は生き続け、一つの指輪に支配されている他の力の指輪の作用も生き続けた。
第三紀に復活したサウロンは、九つの指輪を掌握し、さらに七つの指輪のうち三つを取り戻したために、再び中つ国の大部分を支配できるだけの力を得た。
第三紀末の指輪戦争で一つの指輪が破壊されると、すべての力の指輪も次第にその効力を失っていくことになった。
効果†
(どの指輪にも共通する)主要な力。それは、衰えを防ぎ、あるいは遅らせ … そして、欲するもの、愛するもの、もしくはそれに似通って見えるものを保持する力で―― … その所有者が本来持っている力を高めもしました―― … そして最後に、指輪には別の力もありました。 … サウロンに由来する力。肉体を持った者を見えなくしたり、見えない世界のものを見えるようにする力です。*4
元来、力の指輪はエルフの願いである、中つ国の荒廃を癒し、美しく価値あるものを時の流れから保護するという目的のために作られた。そのため全ての力の指輪には共通して、時による老いや衰えを遅延させ、またそのものが生来持っている力を高めるという効果があった。
だがそれは同時に、その者が抱いている願望や欲望をも強くするという危険性をはらんでおり、人間のような限りある命の者にとっては破滅的に危険なものであった。
サウロンが手を加えた七つと九つの指輪は、使用者を彼の支配する「幽界」に引きずり込むことで、その姿を不可視にし、同時にその者が本来見ることのできない領域の物事を見られるようにするという力を併せ持つことになった。
九つの指輪を与えられた人間は、指輪の力に助けられて強大な権勢を振るうにいたったが、いずれも最後にはサウロンに隷属する幽界の存在ナズグールと化した。
七つの指輪を与えられたドワーフは、頑強な性質のために完全にはサウロンの思い通りにならず、影の存在と化すことはなかった。だが富への欲望をかき立てられ、富を得る手段として指輪を使ったために、富による破滅を招いた。
三つの指輪はケレブリンボールから賢者達(三つの指輪の守護者)に託された。彼らはサウロンの手に一つの指輪がある間は、決して公然と三つの指輪を使用しなかった。だがサウロンが一つの指輪を失っていた第三紀の間、これら三つの指輪はエルフの拠点や自由の民を守護し存続させるために、密かに使用された。それゆえ、もし一つの指輪がサウロンの手に戻れば、三つの指輪の作用もまた露わとなってサウロンの支配に屈することになる。
力あるものが一つの指輪を使用すると、これら十九の指輪によって為された全てのことを把握し、かつ思いのままに捻じ曲げることができ、またその使用者の考えそのものをも読み取って支配することができた。
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コメント†
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