ロヴァニオン

概要

カテゴリー地名
スペルRhovanion
その他の呼び名荒地のくに、荒れ地の国(Wilderland)

解説

シンダール語荒れ地の国の意。霧ふり山脈の東、灰色山脈の南、カレナルゾンモルドールの北、赤水川の西にあたる広大な地域の伝統的な名で、闇の森アンドゥインの谷間の上流域が含まれる。闇の森とリューンの湖の間の地域をロヴァニオンと呼び、ドルイニオンを除くリューンの湖そのものもロヴァニオンの一部だと考える場合もある。

unfinished index』によると「荒れ地の国」とはホビットの言葉での名称で、この名では霧ふり山脈の西側(東エリアドール)も含む場合が多かった*1とされている(荒地のくにのさかいも参照)。
Guide to the Names in The Lord of the Rings』では、「荒れ地の国」は共通語の名と思われ、霧ふり山脈と早瀬川の間の地とされている*2

諸勢力

地名

歴史

星々の時代大いなる旅を行くエルダール霧ふり山脈を目前にした時、それを越えることを拒んだ一派がナンドールだった。ナンドールはアンドゥインに沿って南下しつつ周辺の森林に住み着いた。ナンドールの内、後にベレリアンドへ渡った者達は緑のエルフと呼ばれるようになったが、それに対しそのままロヴァニオンに留まり続けた者達はシルヴァン・エルフ(タワルワイス)と呼ばれた。
やがてグンダバドで目覚めた長鬚族カザド=ドゥームに王国を築き、霧ふり山脈と灰色山脈に沿って広がっていった。かれらは東方で目覚めたドワーフの氏族と交流するため、ロヴァニオンの中央を貫くドワーフ道を築いた。
太陽の第一紀以後、ロヴァニオンには西方へ向かったエダインの分かれである北方の自由の民が広がり始める。さらに第二紀以後は、サンゴロドリムの崩壊を逃れたオークといったモルゴス配下の邪悪な者達がこの地方に隠れ潜んだ。
以後、ロヴァニオンは自由の民サウロンとの絶えざる係争の地となる。

第三紀1050年に復活したサウロンは、闇の森南部のドル・グルドゥアに居を構えて死人占い師と呼ばれ、その影の下で邪悪な者達は再び活動を活発化した。
森に広がる影のために、シルヴァン・エルフ森の王国は次第に北へと追いやられていった。霧ふり山脈にはオークが現れてドワーフを襲い、1980年にはバルログのためにカザド=ドゥームが滅びる。
かつてロヴァニオンの南東部にはゴンドールの同盟者である北国人の連合体があり、東方からの侵入する東夷を阻んでいたが、かれらは1636年より起こった悪疫のために壊滅的な打撃を受け、1851年より続く馬車族の侵入のために各地に追い散らされる。その一派は一時アンドゥインの谷間に定住したが、ドル・グルドゥアの脅威と人口の増加を受けてアンドゥインの水源付近に移住しエオセオドとなった。
このため、ロヴァニオンとリューンの間の通行を妨げる者は何も無くなった。

ドル・グルドゥアの力の強まりを危惧したガンダルフの働きにより、サウロンは一時東へ逃れ、2063年から2460年にかけて警戒的平和がもたらされた。だが結局、サウロンはさらに力を増してドル・グルドゥアに戻る。
防ぎ手のいないロヴァニオンの南東部はドル・グルドゥアの支配下にあるバルホス族に占拠されるようになり、この時バルホスとドル・グルドゥアの脅威のためにアンドゥイン東岸はほとんど無人となった。2510年のケレブラントの野の戦いによってバルホスは駆逐され、エオセオドカレナルゾンに移住してロヒアリムとなった。
しかしドル・グルドゥアの力が取り除かれることはなく、霧ふり山脈に巣食うオークは山道を掌握するとともに周辺地域への襲撃を繰り返し、また灰色山脈で育った達はドワーフを襲い、2770年には黄金龍スマウグによってエレボール山の下の王国谷間の国が滅ぼされる。闇の森は危険な場所となり、古森街道は荒廃してオークの他には使う者がなかった。
こうしてロヴァニオンの自由の民は分断され、消耗していった。

2941年、事態を重く見たガンダルフの働きかけにより、五軍の合戦および白の会議によるドル・グルドゥアへの攻撃がなされる。
これにより、スマウグが倒され、霧ふり山脈のオークもほとんどが滅ぼされた。ビヨルン一党森の王国のエルフ、谷間の国の人間山の下の王国のドワーフは連帯し、ロヴァニオン北方の交通の安全が実現した。
サウロンはドル・グルドゥアの要塞を捨てて逃亡し、再び平和が訪れるはずだった。

しかし、その逃亡は見せかけのものであり、2951年にサウロンはモルドールで公然と名乗りを上げ、ナズグールを派遣してドル・グルドゥアを再占領する。モルドールの前哨地となったドル・グルドゥアの下、霧ふり山脈では再びオークが増え、東夷の脅威が再びロヴァニオンへ迫っていった。
指輪戦争によってサウロンが敗北したことで、ようやくドル・グルドゥアは破壊され、その影も取り除かれた。

ロヴァニオン王家

エルダカール(「ロヴァニオンの王」ヴィドゥガヴィアの娘ヴィドゥマヴィと、ゴンドールヴァラカールとの間の子)の親類から出た北国人による王家。かつては闇の森の先におり、第三紀1851から約100年間にわたる馬車族の侵入前には、アンドゥインの谷間に多数の人々が住んでいて、ゴンドールとも友好的な関係にあった。彼らは第三紀1975年の魔王アングマールの敗北を耳にすると、霧ふり山脈の東にいたアングマールの残党を追い払った。だがその後、オークドル・グルドゥアの勢力の増加により、ロヴァニオンの人口は大幅に減少した。
やがて第三紀2510年、ロヴァニオン王家の末裔であるという北国人エオセオド王家が、エオルに率いられてゴンドールを救うためケレブラントの野の戦いに参加。その謝礼としてカレナルゾンの地を与えられ、そこに移住してローハン(マーク)を建国した。

エレボールの山の下の王国と、谷間の国

バルログによってモリアを追われたスライン一世ドワーフによって、第三紀1999年にエレボール山の下の王国が築かれ、数々の財宝を生み出す。またエレボールの麓には、人間による谷間の国が築かれ、交易によって共に栄えた。
だが第三紀2770年のスマウグの襲来により両国は滅ぼされ、エレボールのドワーフは四散。谷間の国の人間エスガロスなどに逃れた。
2941年、トーリン二世(オーケンシールド)ガンダルフが立てた計画に従い、エレボールを奪還するための旅を行う(『ホビットの冒険』)。その結果スマウグは滅び、また五軍の合戦が発生したが、山の下の王国と谷間の国は再建された。

闇の森とロスローリエンのエルフ

闇の森ロスローリエンには、それぞれシルヴァン・エルフが住まっていたが、双方とも次第にドル・グルドゥアの脅威にさらされることになる。特にロスローリエンのエルフは、モリアに現れたバルログの影響もあって、アマンへと去って行くものが増えた。
闇の森のエルフは、シンダールであるオロフェアスランドゥイルの統治下にあり、エスガロスドルイニオンと交易を行うなど、ロヴァニオン北東部の人間には比較的よく知られていた(森の王国)。
一方でロスローリエンのエルフ(ガラズリム)はアムディーアアムロス、その後はケレボルンガラドリエルというシンダール(ガラドリエルはノルドール)の統治下にあった。ロスローリエンは、ローハンゴンドールの人間からは「迷い込んだら二度と戻ってこられない森」という、神秘的で危険なイメージに捕らえられ、外部との交流はほとんどなく、閉ざされ秘められた地となっていた。
指輪戦争によってドル・グルドゥアが破壊されると、闇の森は「緑葉の森」を意味するエリン・ラスガレンと改名され、北部はスランドゥイルの領土に、南部は東ローリエンとしてケレボルンの領土に、中部はビヨルン一党森人の土地として分割された。スランドゥイルの民は第四紀に入っても落ち着いて暮らしていたが、ロスローリエンの民は、ガラドリエルがアマンへ去り、その後ケレボルンも裂け谷へ移った後は、わずかな者しか残らなかった。

Iron Crown Enterprisesによる設定

地名

北国人の国があった森の東側の平原を初め、独自の地名が多数存在する。その他、原作で西方語の名前で触れられた土地の一部にもシンダール語による名前が付けられている。

  • 灰色山脈
    • キリス・ミスリム(Cirith Mithlim)
    • キリス・ヒムニノンド(Cirith Himninond)
    • タラス・オイオヘルカ(Talath Oiohelka)
    • メン・ミスリム(Men Mithlim)
    • メン・リューネン(Men Rhunen)
    • キリス・フェアディン(Cirith Feadin )
    • バル・リスリン
  • 闇の森
    • カラス・アムラス(Caras Amrath)
    • アラドフリンド(Aradhrynd,エルフ王の岩屋)
    • エミン・サング(Emyn Thang)
    • エミネン(Emynen)
    • エミン=ヌ=フイン(Emyn-nu-Fuin)
    • コル=アンガララドゥ(Cor-Angalaladh)
    • 森人の町(Woodmen Town)
  • 北国人の国
    • メン・ケルドゥイン(Men Celduin)
    • メン=イ=ア(Men-i-A)
    • アウル・エスガルバール(Aur Esgarbar)
      • ビュハル=ウィドゥ(Buhr-Widu)
    • 東入地
      • ビュハル=アイリラ(Buhr-Ailyra)
    • タラス・ハルロク(Talath Harroch)
      • ストレイホルド(Strayhold)
  • アンネン(Annen,たての湖)
  • アエリナーン(Aelinann,たての沼地)
  • ケルドゥイン
    • ロンダロス(Londaroth)
    • イアフ・ケルドゥイン(Iach Celduin)
  • アンドゥイン
    • シル・ニングロール(Sir Ninglor)
  • ロエグ・ニングロレン(Loeg Ningloren,あやめ野)
  • ドル・フィルネン(茶色の国)

コメント

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  • 最初、荒れ地の国とモルドールを同じものだと思っていた。 -- ホビット 2008-12-07 (日) 14:39:58
  • ドゥネダインの中心がエレンディル王家であるのと同様に北国人にとっての中心はロヴァニオン王家だったのでしょうね。 -- 2012-05-28 (月) 19:56:50
  • ロヴァニオンってけっこう強いのかな。今で言うモスクワ大公国でしょうか。 -- 2012-08-17 (金) 09:14:18
    • キエフ大公国の可能性もありますな -- 2014-01-18 (土) 12:03:51
  • 原作も映画も、荒れ地はオークが徘徊してる上、街道も開拓地自体も安全とは言えないようです。。ゴンドールやローハンから傭兵でも雇わない限りやっていけないと思うんですがどうなんでしょう? -- 2014-03-15 (土) 00:40:37
    • エオルの時代には相当の人口と王国があったはずなのですが、どこに行ってしまったんでしょうね…… -- 2014-03-15 (土) 01:20:15
      • アンドウィンの谷間やエオセオドの中心だったグレイリン、ローハンのあるカレナルゾンに分裂したのでしょう -- 2014-03-15 (土) 19:36:29
    • むしろエオセオドの移住によって人口希薄地帯になったからこそオークがより勢力を増したのでは? -- 2014-03-15 (土) 20:30:20
    • ロヴァニオンの住民はカレナルゾン(ローハン)、アンドゥインの谷間、グレイリン及び周辺、谷間の国等に定住し街を造ってしまい人口希薄地になった結果オークが増えたのかと。 -- 2014-03-17 (月) 18:54:35
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*1 'Hobbit name for the lands beyond the Misty Mountains, [in] E[lvish] Rhóvannion, but often used to include the wild lands on the west side of the range, that is Eastern Eriador'
*2 'It is supposed to be the Common Speech name of Rhovanion (on the map, not in the text), the lands east of the Misty Mountains (including Mirkwood) as far as the River Running.

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Last-modified: 2018-01-13 (土) 00:22:12 (186d)