ミスリルの胴着

概要

カテゴリー物・品の名前
スペルmithril-coat
異訳ミスリルの鎖かたびら
その他の呼び名ミスリルの鎖かたびら(coat of mithril-mail)*1
ドワーフの鎖かたびら(dwarf-mail, dwarf-coat)

解説

(『ホビットの冒険』において)はなれ山スマウグの宝の中から見つかった、ミスリル製の鎖かたびら。トーリン二世は、はなれ山の宝の奪回に貢献したビルボ・バギンズへの贈り物として、ビルボにこの胴着を与えた。

「バギンズどの!」とトーリンは呼びました。「ここに、あなたにお礼する、はつの引出物がありますぞ。その古ぼけた上着をすてて、これをつけなされ。」
 こういってトーリンは、ビルボに、そのむかしだれかエルフの若殿が着たと思われる、小さなくさリかたびらを着せてくれました。そのさまは、白銀色(しろがねいろ)のはがねをつらね*2、それに真珠(しんじゅ)の玉でよそおったくさりかたびらに、真珠と水晶をぬいつけたバンドをしめ、頭には、下にははがねのはちまきをいれて強め、上にはふちどりに白玉をうってよそおった、あやどりある皮の軽いかぶと、というよそおいでありました。*3

ビルボは胴着をホビット庄に持ち帰り、しばらくは袋小路屋敷の広間に飾っていたが、後にマゾム館に貸し与えたため、胴着はそこで埃をかぶっていた。(『指輪物語』において)ビルボはホビット庄を去る前に胴着を回収して裂け谷へ持っていき、大いなる年フロド・バギンズが裂け谷にやってきて、指輪の仲間指輪所持者として旅立つことになると、胴着はビルボからフロドに旅の装備として贈られた。フロドは服の中に胴着を着込んで出発した。

この胴着はモリアマザルブルの間オークの首領に槍で突かれたフロドの命を救い、サルン・ゲビアでもオークの矢を防いだ。だがフロドがキリス・ウンゴルの塔で捕らえられた時に、彼は身包みを剥ぎ取られ、シャグラトマントなどと共に持ち去った。黒門の戦いで、サウロンの口西軍の大将たちを脅迫する際に胴着を含むこれらの品を見せつけたが、ガンダルフが全て奪い取った。

後に胴着はコルマルレンの野でフロドに返却され、フロドはホビット庄へ帰るときにも身につけていた。そのため、フロドが袋小路屋敷でサルマンにナイフで刺されたとき、三度フロドの命を救った。

外見と価値

白い宝石が一面にちりばめられており、真珠と水晶をあしらったベルトがついている。身につけていることを感じさせないほど非常に軽いが、とても頑丈である。

しなやかなことは麻にも紛うばかり、また冷たいことは氷のよう、そして堅固なことは鋼にも勝るほどでした。*4

ギムリによればミスリルの胴着は「王者の贈り物(a kingly gift)」であり、ガンダルフによれば「ホビット庄全部とその中にあるものをすっかり合わせた価よりも大きい」という非常に高価なものである。だが実物のミスリルの胴着を見たギムリは、それすらも過小評価だとしている。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

鎖帷子というよりは銀のシャツのように見え、非常に軽く薄いデザインになっている。
マザルブルの間での戦いでフロドは、原作と異なりオークではなくトロルから槍を受けるが、この胴着のために助かる。原作では、フロドがこの胴着を身につけているのが仲間に知られるのはモリアを出てからだが、映画では戦闘の直後に明らかにされている。

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『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミスリルの胴着

映画『ホビット』における設定

原作と同じく、トーリンの一行はなれ山の武具を身に着ける時にトーリン二世ビルボ・バギンズに与える。

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『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミスリルの胴着

コメント

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  • ビルボの自己評価やエルフ王の評価からしてビルボがこれを着た姿は見た目にはあんまり似合ってなかったようだ。ミスリル製であるからにはモリアで作られたものだろうから来歴は山の下の王国よりはるかに古い。…しかしミスリルの胴着を着るほどの身分の子供エルフとは誰だったんだろう。 -- 2013-03-22 (金) 00:46:50
    • 中つ国で結構エルフ王族の子が生まれてますよね・・・。ギル=ガラドとかエルロンドorエルロスのお古だったりしたら胸熱w -- 2013-03-22 (金) 13:54:02
    • モリアのドワーフと一番仲が良かったのはエレギオンのエルフ。そこで生まれた王族級のエルフと言うと・・・ケレブリアン・・・。ケレボルンがギムリに当初若干警戒感を持っていた点を考えると?ですが、親友ケレブリンボールの親戚という事でドワーフ王がお祝いをしても良いかもしれません。 -- 2015-01-07 (水) 12:36:47
  • ホビットでこれが登場した場面でなんだか泣きそうになった。トーリンの表情が優しくて。 -- 2014-12-17 (水) 02:54:11
    • いいシーンだけど、竜の宝に魅入られている状況で、あんな貴重な宝を他人に譲ろうとするかね?とのツッコミも。 -- 2014-12-17 (水) 06:29:02
      • それだけビルボに対して信頼が生まれていたんでしょうね。全然ビルボを疑っていないからこそ怒りも大きくて。 -- 2014-12-18 (木) 15:56:48
      • ビルボが自分のために戦うことを期待していたから必要なものとして、というのもあるでしょう -- 2014-12-18 (木) 18:29:29
      • 戦いとなった時にはビルボにも戦って欲しいがしのびの者である以上派手だったり重たい鎧は無理、と考えた時にミスリルの胴着は条件を満たす最良の防具でしょうね。それだけビルボに信頼をかけていた、或いはミスリルの胴着一つよりもはなれ山の財宝の方に固執してビルボも戦力になると考えていたとも解釈できますね -- 2014-12-19 (金) 01:16:20
      • 「自分のものを分ける」でなくて「自分のものを友情の証に贈る」という考え方なら許せたのかもしれません -- 2014-12-19 (金) 22:57:08
      • 実家が遠方にあるビルボに譲る宝としては運びやすい割に価値が高いミスリルの胴着は最適では?あの時点でトーリンはビルボの宝の輸送費を負担する気でいましたし、価値の低い宝大量より価値の高い宝少数の方が却って節約になると思います。。 -- 2015-01-09 (金) 10:34:40
    • 王の帰還SEEで、ミスリルの胴着が没収されたままにならずに良かった -- 2014-12-19 (金) 00:34:03
  • 一昨日ホビット最終作を観て、きょう旅の仲間を観たけれど、モリアであの胴着がフロドの命を救う場面を観て涙が出て来てびっくりした。トーリンの友情が親友の甥の命を救ったんだね。 -- 2014-12-19 (金) 17:13:14
    • しかもバーリンの眠る場所で… -- 2015-01-07 (水) 00:40:26
      • ああそうでした。ますます涙が。トーリンの悲しい最期に涙したけれど少し救われた気持ちです。 -- 2015-01-07 (水) 02:10:28
      • ビルボのゴラムへの慈悲もそうだけど、ちょっとした判断や行動が後々大きな結果を生むのが面白いですね。「バーリンの眠る場所で」今気づいて泣きそう。 -- 2015-01-07 (水) 14:20:08
    • 映画にはないホビット庄の戦いのエピソードをいれると、トーリンは二度もフロドを救ったんだな…… -- 2015-01-09 (金) 09:49:27
      • しかも袋小路屋敷の前で... -- 2015-01-09 (金) 09:53:00
      • ↑パクるなよw -- 2015-01-09 (金) 12:21:20
      • 指輪物語の中の詩のように韻を踏んでみましたw -- 2015-01-09 (金) 18:13:35
    • よく考えるとトーリンの友情がビルボ自身ではなく、その大切な人を守るっていうのが渋いね。 -- 2015-01-10 (土) 00:26:16
  • 今更だが、ミスリルの胴着を作ったのは、やはりドワーフだろうか? -- 2015-01-07 (水) 23:14:07
    • エレボールで発見されたと言うだけでなく、ドワーフはミスリルの加工が得意だったということなので、ドワーフ製と考えるのが妥当でしょう -- 2015-06-24 (水) 03:51:50
  • 旅の仲間でビルボがミスリルをフロドに与える場面と、決戦のゆくえでトーリンがビルボにミスリルを与える場面、同じ音楽がかかってるのに気が付いた。こういう演出はグッとくる。 -- 2015-05-07 (木) 16:32:01
  • 「その他の呼び名」ですが少々冗長なのでは?代表的な異称ならともかく、局所的にしか見られない呼称やわずかな表現の差異まで網羅するのは却って情報が煩雑になり、利用しづらくなると思います。この項目で言えば「ミスリルの~」「ドワーフの~」「モリア銀の~」「銀の~」の四系統に分類できますので、それぞれの代表を一つずつ記載するので十分ではないでしょうか。「鎖かたびら」については、この品物の固有名として記載することには違和感があります。 -- 2015-05-07 (木) 19:05:30
  • ミスリルを貰った時のビルボは、トーリンの満足げな気持ちとは裏腹に、仲間であるドワーフの争いを止めさせることに必死な様子。映画ではそんな二人の前を武装した仲間たちが行進して、更に高まる困惑ムード。 -- 2015-06-24 (水) 14:46:49
    • むしろトーリンの方が「贈り物をやるからお前だけは私の味方で居てくれ」的な切なさを感じた。あげた直後に仲間を疑いだすし。 -- 2015-06-24 (水) 20:49:53
    • ドワーリンの報告がもうちょっと後だったら、どうなってたでしょうね・・ -- 2015-08-13 (木) 13:15:15
  • しかしまあなんでこんな友情の証がマゾム館行きに……。 -- 2015-11-21 (土) 22:50:55
    • つらぬき丸だったら暖炉の上の飾りになるけど、金ぴかシャツじゃねえぇ。 -- 2016-02-26 (金) 09:58:45
    • 里全部より高価な物をガラクタ同然にして、他のホビットもマゾム館に真の遺産があったとは気づかない… -- 2016-04-01 (金) 15:00:20
    • 単純に着心地が悪くて日常着用できないのかも(「冷たい」って言われているし)。 -- 2017-07-24 (月) 09:07:14
  • いくら一級品とはいえ、防具がこれだけなのは酷な気もする。ドワーフみたいなフル装備は非力だから無理だとしても せめて兜か籠手くらいはあっても良かったんじゃ… -- 2015-12-07 (月) 11:57:38
    • 軽くてしなやかだからインナーとして着ていたけれど、基本的に旅装で徒歩の隠密行なので、兜だの籠手だのは妨げかなと…… -- 2015-12-07 (月) 20:28:17
      • ビルボの、それも映画での話だよ -- 2015-12-07 (月) 20:50:16
    • 他のドワーフの装備を見るに、あの場には金属製の甲冑しかなかったのだと思われます。金属製甲冑というのは(それが兜や籠手、靴のような末端部分であっても)基本的に訓練がないと着こなせません。非力だし訓練も受けているはずがないビルボなので、頑健なドワーフ仕様の防具は単純に重くて着られなかったものと思われます。 -- 2017-06-30 (金) 05:55:06
    • 映画で言えば戦士でも無ければ唯一信用が置けるビルボを、元々戦場の最前線に送り出すつもりがあまり無かったのかもしれませんね。と私は思ってます -- 2017-11-09 (木) 19:45:46
  • 刃物は完璧に防いでくれそうだけど、メイスとかハンマーといった鈍器には弱そうな印象もあるかな。 -- 2017-11-09 (木) 20:45:42
    • ミスリルで出来た鎖帷子だから、それぞれのリングに衝撃が分散吸収されるドワーフ驚異のテクノロジーな印象もあるかな。 -- 2017-11-09 (木) 20:55:35
    • じっさいモリアでオーク隊長の槍の一撃を受けたフロドは、刺さりこそしませんでしたが衝撃で打ち身をこしらえていましたね。 -- 2017-11-09 (木) 21:18:10
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*1 同様の表現に、ミスリルの鎖で作った胴着(corslet of mithril-rings)、モリア銀の胴着(corslet of Moria-silver)がある
*2 原著第二版を底本としている日本語版『ホビットの冒険』ではこのように“ミスリル”の単語は出てこないが、その後の改訂でIt was of silver-steel which the elves call mithrilと、ミスリルの単語が付け加えられている
*3 『ホビットの冒険』「一三 竜のいぬまに」
*4 指輪物語 旅の仲間』「指輪、南へいく」

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Last-modified: 2017-11-09 (木) 21:18:10 (348d)