マンドスのやかた

概要

カテゴリー地名
スペル(halls of) Mandos
その他の呼び名待つ館、待つ者の館(Halls of Awaiting)
死者の家(Houses of the Dead)
時なき館(timeless halls)
沈黙の館(silent halls)
マンドスの砦(fastness of Mandos)

解説

ヴァラールのひとりマンドス(ナーモ)の館であり、死者の霊魂が集められる場所。
アマンヴァリノール西方、外なる海の岸辺の近くに建つ。館は時の経過と共に大きくなっており、ヴァイレによって織られた、世の中の全ての物語を綴った織物で覆われていく。
近くにはニエンナの住む館があり、彼女はよくマンドスの館を訪れて、霊たちの訴えを聞いている。

しかし、ルーシエンはついにマンドスの館に来た。この世のはてなる西方ヴァラたちの館のかなたにあって、エルダリエのために定められた場所のあるところである。ここでは、待つ者たちがそれぞれの思いの幽暗に包まれて坐っている。*1

死者の家

エルフの死
館は死んだエルフの霊魂が集められる場所として知られ、エルフはここで待機の時間を過ごした後、望めばここから出てきて復活することができた。エルフが「不死」とされるのはこのためである。

「わたしはこれから大海のかなた、アマンの山脈のかなた、時なき館に赴き長い休息につく。わたしの姿が再びノルドールの間に見られるのは遠い先のことであろう。」*2

ドワーフの死
ドワーフの信仰では、死んだドワーフはアウレによって、彼らのためのマンドスの館に集められるという。だがエルフとは異なり、ドワーフはここから戻ってくることはない(不死のドゥリンのように、回帰すると信じられている者はいた)。

「わしはこれから、父祖のかたわらにいこうはずの天の宮居みやい(halls of waiting)におもむくのじゃ。この世がすっかりあらたまる時までな。」*3

人間の死
死んだ人間の運命はそれらとは異なり、かれらは永遠にこの世を去る。ベレンの例から見ると、人間の霊魂もいったんはマンドスの館に集められて待機の時間を過ごした後、外なる海の岸辺から世界の圏外へ旅立つようである。

『悲しみのうちにわれらは行かねばならぬとしても、絶望して行くのではない。ご覧! われらはいつまでもこの世に縛られているのではない。そしてこの世を越えたところには思い出以上のものがあるのだ。』*4

マンドスの砦

この館からはヴァラであれエルフであれ人間であれ誰一人逃げおおせる者はいないと言われており、しばしば罪人を留め置く砦としての役割も果たした。

二つの木の時代には、力の戦いヴァラールに捕らえられたメルコールが、三期の間投獄された。

通常、死んだエルフはマンドスの館で待機の時間を過ごした後に復活することができたが、大罪を犯した者は霊魂のまま館に留め置かれ、復活を禁じられることがあった。
フェアノールノルドール族の反逆を扇動して同族殺害を犯した罪により、世の終わりまで館から出てくることはない。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • なんかトゥーリンがここにいてモルゴスが虚空から舞い戻った時に復活してトドメ刺すらしいけど人間なのになんでいるんだっけ? -- 2020-04-14 (火) 22:47:05
  • フェアノール兄貴は復活厳禁だけどフォンゴルフィンも同罪なの?シャドウオブウォーのフェアノール兄貴の孫のケルブリンボールは間違いなくこの枠だろうけど -- 2020-04-14 (火) 22:48:29
    • フィンゴルフィンは、同罪じゃないでしょう。ファルマリ達を殺したわけじゃないし・・・。 -- 2024-01-06 (土) 12:08:45
  • 基本的に死んだら霊魂がここに集まる上にエルフそのものも子作りして増えていくんだからマンドスの館は超満員なのでは -- 2021-10-08 (金) 07:35:07
    • そうは思いません。時の経過と共に、大きくなっていくから。子作りするかどうかも分かりませんし、本にはそう書かれていなさそうですし。 -- 2021-10-10 (日) 15:18:12
      • どこまで大きくなるのかおそるべし エントロピー保存の法則素人阿呆の間違った解釈版みたいだ こういうのをリセットするためにダゴール・ダゴラスも必要なのか それとも死者の館は時空を超越しているのか -- 2021-10-10 (日) 18:42:43
    • エルフは際限なく繁殖できるわけではなく、子を設けられるのは生涯で若い時期だけで、さらに種族全体としても「老いて」いくので時代が下るごとに少子化していく、という設定があるので、おそらくどこかの時点で人口はそれ以上増えない平衡状態に達すると思われます。
      さらにアマンでは物がみな聖められていて事故などもまず発生しないので、基本的にアマンにいるエルフが死ぬことはない。
      以上の設定があるので、マンドスの館に無限大の広さは必要なく、過密になることも心配する必要はないと考えられます。 -- 2024-01-06 (土) 17:05:36
      • 少子高齢化による人口の平衡、事故死が起こらない、最終的には限られた空間という件を聞くと、アマンは繁殖サイクルが短い普通の人間が渡航するのはかなり問題がありそうですね。 -- 2024-01-08 (月) 16:41:16
        • 空間が限られているのはべつにアマンに特有のことではなく地球上ならどこでもそうですし、事故死等がないといっても死亡率が下がれば出生率も下がって人口動態が平衡してくるのは人間だって同じことなので、そういった側面からアマンが人間に適していないなんてことは無いと思いますよ。 -- 2024-01-08 (月) 22:24:46
  • 魂がマンドスの館に行くなら、フロドとビルボは肉体のままで行って、向こうで魂になるということ? -- A 2021-10-10 (日) 15:00:33
    • そうではありません。フロドとビルボはアマンへ行きましたが、アマンとマンドスの館は自由に行き来できません。アマンに住むエルフは生きている間はマンドスの館を訪れることはできません。フロドとビルボはアマンで余生を過ごして死んだ後、魂だけマンドスの館へ行って待機した後、世界の圏外へ旅立つということです。 -- 2021-10-10 (日) 16:38:26
  • 鷲やエントの館もあるのかしら。オークやドラゴンもどこかで救われて欲しい。 -- 2022-09-03 (土) 10:05:08
    • 龍はともかく、オークはそもそも一切の人間性や善性を排除した絶対的な悪に属する存在で、魂自体が存在しない紛い物という可能性すらある。
      作中でも道を踏み外したり、悲劇的な末路を辿ったけど救いの余地はあるっていう相対的な悪と言える存在は概ねエルフとか人間で占められてるし。 -- 2024-01-07 (日) 19:21:04
    • そもそもそれらに「霊魂」があるかすらわからない。
      もしあって救済をするにしろ、魂のありかや導き方を創造者であるモルゴスに聞くしか他のヴァラール達もなすすべないんじゃないかな。
      ※ドワーフの魂だってアウレが導くわけですし
      で、モルゴスが自らの創造物を救済するためにライバル達に手を貸すかというと、こりゃまたまぁ超絶絶対的に期待できませんからねぇ。 -- 2024-01-07 (日) 19:30:30
    • 他でも書かれているように、そもそもそれらはモルゴスの創造物なので他のヴァラール達には彼らを救う権限がない。
      もしかすると権能としても有していないかもしれない。
      慈悲を掛けようにも、肝心の創造主が頑固者なので、哀れなオークたちが救われるにはモルゴスの改心が絶対条件じゃないですかね。 -- 2024-01-09 (火) 20:24:33
  • オークやドラゴンはモルゴスの創造物なので、それは難しいのでは? -- 2024-01-06 (土) 15:31:34
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