マンドスの呪い†
概要†
カテゴリー | 歴史・事件 |
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スペル | the curse of Mandos |
その他の呼び名 | 北方の予言(Prophecy of the North)、マンドスの宣告(Doom of Mandos)、ヴァラールの滅びの宣告(Doom of the Valar) |
解説†
ヴァラールの忠告を聞かずに中つ国への帰還を目指し、更に同族殺害を犯したノルドールに対し、マンドスが下した宣告。アマン北方のアラマンの地で宣告されたことから、「北方の予言」とも呼ばれる。
「尽きぬ涙を汝らは流すであろう。ヴァラールは、ヴァリノールに汝らの入るのを拒み、汝らを閉め出すであろう。汝らの嘆きの声の谺すら、アマンの山並みを越えて聞こえてくることはないであろう。フェアノール一族に対しては、ヴァラールの怒りがこれなる西方の地より、最果ての東の地に至るまで向けられるであろう。かれらに従う者にもその怒りは向けられるであろう。かれらの誓言はかれらを駆り立て、しかもかれらを裏切り、かれらが追跡を誓った宝物そのものを常にかれらの前から奪い去るであろう。始めよきものも、すべて悪しき結末に至るであろう。この悪しき結末は、血に繋がる者の裏切りにより、また裏切りへの恐れによりもたらされるであろう。かれらは、とこしなえに奪われたる者となるであろう。
「汝らは、不当にも同族の血を流して、アマンの地を汚した。汝らは、血には血を支払い、アマンを過ぎれば、死の影のもとに住まうであろう。エルは、汝らがエアでは死なぬように定め給うたが故に、汝らは病魔に襲われることはないであろうが、非業の死を遂げることはあるかもしれぬ。そして、非業の死を遂げるであろう。武器により、拷問により、嘆きによって命を落とすであろう。宿るところなき汝らの霊魂はその時、マンドスの許に来るであろう。そこに、汝らの霊魂は久しく留まり、汝らの肉体に切に焦がれるであろうが、汝らが命を奪った者たち全員が汝らのために嘆願してくれようとも、慈悲を見出すことはほとんどないであろう。中つ国で命を長らえ、マンドスの許に来ぬ者は、あたかも重き荷を負うているが如く、この世に倦み果て、次第に衰え、後に来るより若き種族の前に、悔恨の影の如きものとなり果てるであろう。以上、ヴァラールの言である」*1
この宣告を聞いて後悔したフィナルフィンは進軍を取りやめてヴァリノールへ引き返し、彼に従った者たちとともにヴァラールから恩赦を得た。だがフェアノールは聞き入れずにあくまで進軍することを望んだ。
この時、多くの者は身を戦かせたが、フェアノールは心を強くして言った。「われらは誓言した。軽々しく誓ったのではない。われらはこの誓言を守るであろう。われらは、裏切りは言わずもがな、あまたなる禍に脅かされておる。だが、言われなかったことが一つある。われらは
怯懦 に堕すだろうとは言われなかった。臆病者に悩まされ、臆病者への恐れに悩まされるだろうとは言われなかった。それ故、予は言う、前進せんと。そして次の如き運命を予は付け加える。われらの功績は、アルダの最後の日まで歌に歌われるであろうと」*2
こうしてフェアノールと彼の息子たち、フィンゴルフィンとその息子たち(フィンゴン、トゥルゴン)、そしてフィンゴルフィンの息子たちを見捨てなかったフィナルフィンの息子たち(フィンロド、オロドレス、アングロド、アエグノール)はノルドールの民を率いて進軍を続けた*3。彼らは中つ国に帰還し、流謫のノルドールとなった。
怒りの戦いのあと、流謫のノルドールはトル・エレッセアに住むことを許され、この呪いは停止された。
コメント†
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