ブライガス†
概要†
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Brygath |
解説†
ICE設定に登場する東夷の一派。リューンの湖の南岸に住む部族で、東岸の東夷ウルガスから枝分かれした氏族。
リューン南部の東夷の中で最も好戦的だが、同族内でも絶えず反目し合っており、部族単位以上の組織がないためそれほど大きな脅威とはなっていない。また、土地を所有するという概念を持たないため、その行動範囲にも一貫性がなく、草地を求めて不規則に彷徨い続けている。それがブライガスの勢力をより不安定なものにしている。
近隣の平和的な共存を望む民の殆どは、ブライガスとの市場取引を拒んでいる。故にブライガスの貧しい部族は必然的に、他氏族から略奪せざるを得ないという悪循環に陥っており、その姿はリョヴァニオンに住み、同じく略奪を生業にするサガスと最もよく似ている。このことから、彼らはしばしば「南のサガス」とも呼ばれている。
歴史†
480年頃、東から虫害がウルガスを襲い、多くの部族が深刻な食糧不足に見舞われた。その中で、近隣の他の氏族や国を襲撃して食い扶持を得ようとする者たちが現れた。そうした者たちはウルガスの伝統である女系社会に異を唱え、これを守ろうとする同胞と決別し、半定住生活を捨てて放浪するようになった。
ある族長の夫アテョリ・サフド(Atyoli Sahd)は妻の後継者となる自分の娘を追放し、族長の座に収まった。サフドに率いられた部族はより良い土地を求めて同胞と決別し、西方に移動した。
サフドの一党はオドリアグの土地を抜け、北国人の町ブルフ・アルメンリク(Burh Armenrik)を略奪した後、リョヴァニオンに住んでいた別の氏族サガスの縄張りに侵入して土地と家畜を奪った。しかし、その土地タラス・ハルロクも貧しく、西に追いやられたサガスは北国人からの略奪でむしろ豊かになった。そこでサフドの一党はサガスの首長カロスと同盟を組み、大挙してゴンドールに侵攻した。イシリエンの多くの町や村を襲撃し、討伐に赴いたゴンドール王をローメンダキル一世をダゴルラドの古戦場に誘い込む計略に掛けて討ち死にさせた。しかし、その後継者のトゥランバールとの戦いに敗れ、サフドの族長は討ち死にした。
北国人の追撃を振り切り、ガソド(Gathod)東部の平原に逃れた一党はウルガスの領地に帰還したが、同胞には合流せず、自らを男によって率いられる人々を意味するブライガス(Brygath)と名乗り、別の氏族となった。
リューンの湖の南側では[]ミストランド]](Mistrand)やレスト(Lest)など、多くの都市が築かれ、ブライガスの従兄弟であるガスマリグ(Gathmarig)や北国人、先住民ドナス、ドルウィンリムなど多くの民の間で交易が活発に行われた。しかしブライガスは忌み嫌われ、殆どの場合市場から締め出されていた。
1250年頃、紛争の沈静化を名目に、ミナルカールとヴィドゥガヴィア率いるゴンドール軍がリューン南部に侵攻した。ガソドの平野に入った。サフド家の子孫たちは必死に戦ったが、真夏までに彼らはスルベキ川(Surubeki)の東へ追いやられた。
一連の遠征により、東夷の殆どの民が西方に対する憎しみを抱いた。ドナスとガスマリグは連合軍に協力的で、殆ど被害を受けていなかったため、ブライガス(Brygath)は西方人に加担した彼らにより一層強い敵意を抱いた。
十三世紀頃から、平原の神ケルカッスク(Kerkassk)の化身を名乗る人物が東夷の民の元に現れるようになった。その正体はサウロンの召使の一人であるネモル(Nemol)という魔術師だった。彼はケルカッスクを強欲な西方人から平原の民を庇護する守護神と騙り、布教活動を続けた。多くの者がその教えに耳を傾け、アングマールで行われている聖戦に参加するべく、カルグ・フカ(平原の戦士Plains Warriorsの意)の傭兵団に参加し、西方に向かった。
中でもブライガスは熱心な信徒となり、教団がミストランド(Mistrand)を攻め落として本拠地とした後は、配下の軍団として重用され、大きな影響力を持った。
そして1750年頃、ネモルの教団は東夷の全ての民を支配下に置き、ミストランドに首都を置くイガス(Igath)という国家に統一した。ブライガスの軍勢はイガスの主力としてゴンドールへ攻め込み、馬車族として恐れられた。
出典†
- 『Perils on the Sea of Rhûn』
- 『The Inland Sea』
コメント†
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