フロド・バギンズ†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Frodo Baggins*1 |
その他の呼び名 | 指輪所持者 エルフの友 山の下 フロドの旦那(Master Frodo) 九本指のフロド(Nine-fingered Frodo, Frodo of the Nine Fingers) ダウア(Daur)*2 |
種族 | ホビット |
性別 | 男 |
生没年 | ホビット庄暦1368年(第三紀2968年)9月22日~不明*3 |
親 | ドロゴ・バギンズ(父)、プリムラ・ブランディバック(母)、ビルボ・バギンズ(養父) |
兄弟 | なし |
配偶者 | なし |
子 | なし |
解説†
『指輪物語』の主人公。指輪の仲間の一人で、一つの指輪の重荷を担い滅びの罅裂を目指した指輪所持者。
『ホビットの冒険』の主人公ビルボ・バギンズの養子。ビルボとの関係は厳密には「伯父と甥」ではなく、「フロドの母の、母方のいとこがビルボ」また「フロドの父の、父方のはとこがビルボ」ということになる。ビルボより78歳の年少。
111歳の誕生日に姿を消したビルボから袋小路屋敷の財産とともに、彼が前の冒険で手に入れた「魔法の指輪」を相続する。やがてガンダルフによってそれが冥王サウロンの失われた「一つの指輪」であることが明らかになると、指輪をこの世から失わせるためにホビット庄から旅立った。
性格は非常に聡明であり、ゴクリの一件ではガンダルフから伝えられた慈悲の心を示すとともに、威厳あるいかめしい姿も見せた。ビルボからはエルフ語を教わるとともにエルフとの交友を学んだエルフの友であり、クウェンヤなど上古の知識にも一部通じている。
『ずんぐりして背が低く、ほっぺたが赤い、これだけじゃたいして役に立つまいな。たいていのホビットに当てはまることじゃから、バーリマン君。だがこの者は一部のホビットたちよりは背が高く、大部分のホビットたちより色が白い。また口と顎の間にくぼみがある。目もとの晴れやかないきのいいやつだ。』*4
不意にかれは、致命的な傷を受けたあと、エルロンドの館で眠ったまま横になっていた時のフロドを思い出しました。あの時ずっと看取りを続けながら、サムは時折りかれの内部からかすかに光が射すように思われるのに気がつきました。今やその光は一層鮮明となり一層強まっていました。フロドの顔は安らかでした。恐怖と心配はその痕を留めていませんでした。しかしその顔は年老いて見えました。年老いてしかも美しく見えました。あたかも長い年月をかけて形を刻み上げてきた
鑿 のあとが、以前は隠されていた多くの美しい線となって今現われ出たかのようでした。といっても、目鼻立ちに変化が起こったわけではありません。*5
指輪戦争の終結後、ビルボから西境の赤表紙本を引き継いで指輪戦争の記録を主に執筆するとともに、伝承集編纂の仕上げをする。だが、指輪破壊の任務で受けた傷は中つ国では癒えることがなく、サムワイズ・ギャムジーに全ての財産を遺すと、第三紀の終わりに西方へと去っていった。
前半生†
「フロド様は、めったにお目にかかれねえほどりっぱな青年だ。ビルボ旦那によう似てなさる。それも、顔形よりご気性がな。」*6
ドロゴ・バギンズとプリムラ・ブランディバックの息子として生まれるが、幼い頃に両親を川舟の事故で亡くし、母方の一族が住むブランディ屋敷に引き取られて少年時代を過ごした。
バック郷時代のフロドは年相応に活発な少年だったらしく、茸欲しさにマゴットの農場に忍び込んで見咎められ、犬に見張られながら逃げ帰るといった経験をしている(このことから後に再会するまで、マゴットと彼の犬に苦手意識を抱いていた)。
やがて身寄りのない親戚に親切にしていたビルボ・バギンズと知り合い、彼の最も親しい友人となる。二人は誕生日が同じ9月22日であり、フロドが21歳になった時、ビルボからなあ、フロド、わたしのところで一緒に暮らしたほうがいいよ。そうすりゃ、つごうよく一緒に誕生祝いができるじゃないか。*7と声をかけられ、彼の養子に迎えられて袋小路屋敷で暮らすようになった。
ビルボからは彼の前の冒険譚をはじめいくつもの歌や伝承、エルフ語などを教わり、古代語クウェンヤをも少し理解するなど、ホビットとしては相当な博識となった。
ビルボの後継者†
時がたつにつれ、人々は、フロドにもまた「持ちのよいひと」のきざしが現われているのに気づき始めました。外から見たところ、かれは、大人と子供の境を抜け出て成人になったばかりの頑健で元気いっぱいのホビットの様子をいつまでも失わないでいました。*8
第三紀3001年9月22日、ホビット村で盛大な誕生会が開かれたが、これはビルボの111歳の長寿とともにフロドの33歳の成人を祝うものであった。この席上でビルボは突如として文字通り姿を消し、ホビット庄から旅立ってしまう。遺言状によってフロドはビルボの後継者に指名され、フロドのもとには袋小路屋敷とその家財道具一式、そして指にはめると姿が消える「魔法の指輪」が遺された。
こうしてフロドは袋小路屋敷の主人となった。
フロドはホビット庄の民とその暮らしを深く愛していたが、心の奥底ではビルボと一緒に旅に出なかったことへの後悔を募らせていた。そして東街道を往来する旅人やドワーフたち、森の中を灰色港へ向けて旅立つエルフたちとすら親しく言葉を交わすようになる。
さらに受け継いだ指輪の効力によって、それを相続した33歳の時から外見が老化することがなかったため、ビルボと同様に「持ちのよいひと」として知られるようになった。
そのためフロドは変人として知られたビルボの評判をもそっくりそのまま引き継ぐことになった。
だがフロドには年下の親しい友人が何人もおり、わけてもメリアドク・ブランディバック、ペレグリン・トゥック、フレデガー・ボルジャーらと親しくしていた。また、袋小路屋敷で庭師を務めるサムワイズ・ギャムジーとも親しく、彼から深く敬愛されていた。
ホビット庄からの旅立ち†
「もしわたしにできることなら、ホビット庄を救いたいのです――時にはわたしも、ここの連中ときたらお話にならないくらい馬鹿で退屈で、いっそ地震か竜にでも襲われたほうがいい、なんて思ったもんですが。でも今はそうは思いません。自分があとにするホビット庄が安全で住み心地のよい土地としてある限り、わたしは放浪の旅がより耐えやすいものになるだろうと思いますよ。たとえこの足でふたたびそこに立つことはできないにしろ、どこかにしっかりした足がかりがあるとわかっていればいいんです。」*9
大いなる年(第三紀3018年)の4月、10年ぶりにガンダルフの訪問を受けたフロドは、自分が相続した指輪が冥王サウロンの恐るべき「一つの指輪」であることを知らされる。指輪がもたらす脅威からホビット庄を守るため、フロドは単身故郷を後にすることを決意した。
フロドは袋小路屋敷をロベリア・サックビル=バギンズに売却して、ホビット庄の東境にあるくり窪へ引っ越す手筈を整え、そこから秘密裏に裂け谷を目指して避難する計画を立てる。そして[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]の先例に倣い、彼が姿を消した9月23日を出立の日に定めた。
だが旅に同行するはずだったガンダルフが情報収集に出かけたまま音信不通になり、フロドは不安を抱きながらも無為に日々を過ごすことになる。予定通り9月23日になって袋小路屋敷を引き払ったフロドだが、すでにモルドールから送り込まれた黒の乗手が彼のすぐ後ろに迫っていた。
ところざわ村にいたる道からバックルベリの渡し場まで黒の乗手に追跡されたフロドたちは、末つ森で出会ったギルドールら上のエルフの一行や、長年苦手にしていたマゴット氏の温かい歓迎に助けられて、24日の夜になんとかくり窪に到着する。
そこでフロドは自分を助けてくれた親しい友人達に別れを切り出そうと考えていたが、彼らは指輪の存在もフロドの目的もとっくに承知しており、これからもフロドを助けて危険な旅に同行する決意であると逆に明かされて、仰天すると共にいたく感激させられる。フロドはサムワイズ・ギャムジー、メリアドク・ブランディバック、ペレグリン・トゥックを旅の仲間として、翌25日の夜明け前にホビット庄から旅立った。
一行は古森では柳じじいに、塚山丘陵では塚人に襲撃されたが、いずれもトム・ボンバディルの助けを得て窮地を切り抜ける。29日に日暮れにブリー村に到着した一行は、躍る小馬亭でガンダルフの友人である馳夫ことアラゴルン二世に出会う。フロドは馳夫の胡散げな外見の下に信頼できる人柄があることを見抜き、彼の先導で裂け谷を目指すことになった。
だが10月6日の夜、一行は風見が丘の麓でナズグールの襲撃を受ける。フロドは恐怖のあまり一つの指輪を指にはめたために幽界に身を晒してしまい、魔王にモルグルの刃で刺されてしまった。
フロドがエルベレスの御名を唱えて抵抗したために刃の切先は心臓から逸れ、左肩を刺されただけで済んだが、刃の破片は彼の体内に残り、その呪魔によってフロドは幽界に引き寄せられていった。フロドを救うため、アラゴルンはアセラスの葉を用いて治療を試みつつ、一行は裂け谷へ急ぐことになる。
ブルイネンの浅瀬でフロドは仲間から引き離されてナズグールに追い詰められたが、あくまで踏みとどまって抵抗し、間一髪のところでエルロンドとガンダルフがブルイネンを氾濫させたことで難を逃れた。
エルロンドの治療によって体内に残っていた刃の破片が取り除かれたことで、フロドは危険な状態を脱したが、それでも傷の影響から完全に自由になることはなく、ガンダルフはしまいにはどういうことになるのか、エルロンドにさえ予知ができない。しかしまがまがしいことにはなるまい。かれは見える目を持つ者には、澄んだ光をたたえた杯とも見えるようなものになるかもしれぬ。*10と述懐している。
10月24日にフロドは目覚め、仲間たちと再会するとともに、「最後の憩」館に身を寄せていたビルボとも再会する。
指輪所持者としての旅†
「わたしが指輪を持って行きます。」と、かれはいいました。「でも、わたしは道を知りませんが……。」*11
10月25日にエルロンドの会議が開かれ、サウロンの脅威を除くためには一つの指輪をモルドールの滅びの山にある滅びの罅裂に投げ込むしかないことが決められる。
ほとんど望みのない任務であり、誰も他人を指名できず、また自ら名乗り出ることもできないでいたが、フロドは奇妙な使命感に突き動かされ、自分が指輪の担い手となることを申し出る。この時天啓に打たれたエルロンドはもしあなたが道を見いださないのなら、だれ一人見いだす者はいないだろう。*12と評した。
こうしてフロドはあらためて指輪所持者に指名され、その旅を助けるために指輪の仲間が結成された。
指輪の仲間は12月25日の夕暮れ、裂け谷を出発した。
一行は柊郷を過ぎて霧ふり山脈の山越えを図ったが、カラズラスの山の悪意に阻まれて赤角山道を越えることができず、モリアの坑道に足を踏み入れることを余儀なくされる。そこでガンダルフがバルログと相打ちになって奈落に落ちたことで、指輪隊は先導者を失ってしまった。
代わって先導を引き受けたアラゴルンのによって一行はロスローリエンに到着し、ガラドリエルから休息と贈り物を与えられる。フロドはサムと共にガラドリエルの水鏡を覗き見る機会に恵まれ、贈り物として玻璃瓶を与えられた。
ロスローリエンを過ぎて一行は小船で大河アンドゥインを下って旅を続けたが、そこから指輪がどの道を取るべきか仲間内で意見が割れるようになる。フロドはたとえどんなに危険が大きくとも指輪は一路モルドールを目指すべきであることが判っていたが、それを決心する勇気を出せないでいた。
だがパルス・ガレンにおいて、指輪の誘惑に駆られたボロミルがフロドに襲いかかるに及び、フロドは指輪の魔力が仲間内にすら作用し始めたことを悟る。ボロミルから逃れ、アモン・ヘンの視る椅子に座って各地を眺めたフロドは、仲間と我が身を守るために単身でモルドールを目指す決意を固めた。
その決意を察したサムワイズ・ギャムジーだけがフロドに追いすがり、フロドは彼を唯一の従者として仲間の許から離脱した。
モルドールへの旅†
「さがれ、さがれ!」かれは息をきらしながらいうと、片手を握りしめるように胸に当て、革の下着の下に隠れている指輪をしっかり握りました。「さがれ、この腹ばうものよ、そしてわたしの道をあけろ! お前の時は尽きた。もうお前はわたしを裏切ることも、殺すこともできぬ。」
その時突然サムは、前のエミン・ムイルの山の端での時と同じように、この二人の敵手を別の幻覚で見たのでした。一方は生命の影としかいえない、うずくまる姿、今やまったく見る影もなく敗北し、しかもなおおぞましい渇望と憤怒に充たされている生きもの。そして一方はその前に立って、もはや憐れみに動かされることのない、いかめしい白衣の人物、しかもその人物は胸許に火の車を掴んでいました。*13
その二人の後を、かつて指輪を持っていたゴクリが追跡していた。エミュン・ムイルで襲いかかってきたゴクリを捕らえたフロドは、彼を殺すべきか決断を迫られたが、かつてガンダルフに説かれた慈悲の心を思い出し、その生命を助ける。フロドは優しさと威厳をもってゴクリに接して本名のスメーアゴルの名で呼び、スメーアゴルもそれに応えてかつての善良だった性質を取り戻すかに見えた。
スメーアゴルを道案内にしてモルドールへ潜入することを決めたフロドとサムは、死者の沼地から黒門へ至り、そこか通行不能であることが判ると南に進路を変えてイシリエンからキリス・ウンゴルを目指した。その途上で出会ったファラミルは、ゴクリに底意があることを警告したが、フロドはそれを承知の上でスメーアゴルの案内に身を委ねる。
はたしてスメーアゴルはゴクリの人格に打ち負かされ、トレヒ・ウンゴルにおいてフロドを裏切り、シーロブにフロドを差し出すことにする。玻璃瓶とつらぬき丸によって洞窟を突破したフロドだが、サムを引き離して突出してしまったところを、第三紀3019年3月13日、シーロブの毒針に噛まれて仮死状態に陥った。
フロドは死んだものと思ったサムは、一つの指輪を取って自分が任務を続けようとしたが、横たわるフロドを発見したシャグラトとゴルバグらオークの部隊はその仮死状態を見抜き、取り調べのためにフロドをキリス・ウンゴルの塔に連行する。フロドはサムによって救出されたが、その装身具は奪われ、黒門の戦いにおいて西軍の大将たちを脅迫するのに使われることになった。
フロドは再び指輪を担い、いよいよモルドールに足を踏み入れて滅びの山を目指す最後の旅に立ち向かう。
二人はモルガイに沿って北上し、途中追いついてきたオークの部隊に紛れ込んでアイゼン口に至り、そこで部隊から離れてゴルゴロス高原を横断、いよいよ滅びの山に達する。
だが過酷な旅路による心身の疲弊、山に近づくにつれ力と重さを増す指輪の重圧、またその道はバラド=ドゥールに坐するサウロンに近づく道でもあったため、それが投射する恐るべき脅威、それらはフロドの意志の力を刻一刻と消耗させていった。
とうとう滅びの罅裂に到達したフロドだが、そこで運命は下り、フロドは一つの指輪に屈してしまった。
するとフロドは不動の姿勢を僅かに解き、はっきりした声でものをいいました。まったくのところこれほどはっきりした力強い声でフロドが話すのをサムは今まで一度も聞いたことがありませんでした。その声は滅びの山の鼓動と轟音を圧して、天井と壁に響き渡りました。
「わたしは来た。」と、かれはいいました。「だが、わたしがここに来てするはずだったことを、もうしないことにした。そのことをするつもりはない。指輪はわたしのものだ!」*14
指輪は自分のものだと宣言したフロドはそれを指にはめ、その瞬間サウロンはフロドの存在と居処を察知、さらに後を追ってきたゴクリが指輪を奪おうと襲いかかった。フロドはもみ合った末にゴクリに右手の薬指*15ごと指輪を食いちぎられ、一つの指輪を失う。だが指輪を取り戻したゴクリは狂喜のあまりバランスを崩して指輪もとろも滅びの罅裂に落下した。
こうして第三紀3019年3月25日、指輪所持者の任務は達成されて一つの指輪は無に帰し、サウロンとその王国は滅びた。
指輪の消滅とともに滅びの山は噴火して崩壊。正気を取り戻したフロドはサムと共に、溶岩に取り巻かれて逃げ場がないことを悟る。しかし意識を失った瞬間、彼らを探しに来たガンダルフの乗るグワイヒィルら大鷲が飛来し、二人は救われた。
フロドの傷はアラゴルンによって癒やされ、意識の回復した二人はコルマッレンの野において生き残った指輪の仲間たちと再会。指輪所持者として任務を達成したフロドとサムは栄誉礼を受け、かつてサムが望んだようにフロドの勲功は「九本指のフロドと滅びの指輪の物語」として歌に歌われることになった。
またエレッサール王の戴冠式においては、ゴンドールの王冠を運ぶという大役を担った。
後半生†
「だが、わたしの受けた傷は深すぎたんだよ、サム。私はホビット庄を安泰に保とうとした。そしてホビット庄の安泰は保たれた。しかしわたしのためにではないよ。愛するものが危機に瀕している場合、しばしばこうならざるを得ないものだよ、サム。つまりはだれかがそのものを放棄し、失わなければならないのだ。ほかの者たちが持っておられるように。しかしお前はわたしの相続人だよ。わたしが持っていたもの、持ったかもしれないものはことごとくお前に残すからね。」*16
フロドはゴンドールに暇を告げる時、アルウェン王妃よりあなたの傷がなおもあなたを苦しめ、あなたの負うた荷の記憶が重くあなたにのしかかるようなことがあればと白い宝石を贈られる。その言葉の通り、失われた一つの指輪の記憶は絶えずフロドを苦しめ、またモルグルの刃を受けた10月6日とシーロブの毒を受けた3月13日になる毎に病んで臥せるようになった。
水の辺村の合戦ではついに自ら剣を抜くことはなく、むしろ血気にはやるホビットたちを抑制する立場に立った。愛するホビット庄がサルマンとその手下のごろつきによって無残に荒廃してしまったのはフロドにとっても痛ましいことであったが、フロドはあくまでサルマンを助命しようとし、サルマンからは敬意と憎しみを表明されるとともに健康も長寿も得られないであろうと予言される。
この一連の騒動がきっかけとなって他の旅人たちは名士として名望を高めていったが、フロドはほとんど表舞台に立つことはなく、庄長の助役を一時引き受けた後はロベリアから返還された袋小路屋敷で静かな暮らしを送り、帰郷時に立ち寄った裂け谷にてビルボより受け取った赤表紙本に旅の記録を記した。
フロドは、ロージーと結婚したサムを屋敷に迎え入れて共に暮らし、サムの娘エラノールの名付け親にもなった。
そうした中でもフロドは指輪戦争で負った傷に苦しめられていた。
やがてフロドは袋小路屋敷その他一切の財産と幸せをサムに譲り、赤表紙本の完成を託すと、彼とともにホビット村を旅立つ。サム、メリー、ピピンに見送られたフロドは、同じく指輪所持者であるビルボと、三つの指輪の守護者であるガンダルフ、エルロンド、ガラドリエルと共に、灰色港より船に乗って大海を渡って西方へと去っていった。
船上でフロドが掲げる玻璃瓶の光は瞬きながら水平線に消えていき、そしてついにある朝、フロドは至福の国の岸辺に到達したと伝えられている。
略歴†
- 2968年 生誕。
- 2980年 12歳。ドロゴとプリムラの溺死で、ブランディ館に引き取られる。
- 2989年 21歳。ビルボ・バギンズの養子となり、袋小路屋敷に迎えられる。
- 3001年 9月22日、33歳の成人、ビルボの別れの宴。ビルボから袋小路屋敷、一つの指輪、その他の財産を相続する。
- 3004年 続く4年間、折ふしガンダルフの訪問を受ける。
- 3008年 40歳。ガンダルフの訪問が途絶える。
- 3018年 大いなる年、指輪戦争 50歳。4月、ガンダルフより指輪の正体を知らされる。9月にくり窪へ移り、ホビット庄を旅立つ。10月6日に風見が丘にてモルグルの刃で負傷。10月25日のエルロンドの会議で指輪所持者に指名される。
- 3019年 大いなる年 51歳。3月13日、シーロブの毒で負傷。25日、指輪破壊の任務達成、右手薬指を失う。9月、ビルボと再会。10月30日、ホビット庄へ帰還。11月3日、水の辺村の合戦。指輪戦争終結。
- 3020年 52歳。小足家のウィルの復職まで助役を務める。3月13日、病む。10月6日、再び病む。
- 3021年 53歳。3月13日、再び病む。9月22日、末つ森でビルボと上のエルフらと再会。29日に灰色港より西方に去る。
画像†
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
原作ではビルボの別れの宴からフロドがホビット庄を旅立つまで18年が経過しており、フロドの年齢も51歳の中年であるが、映画ではこの18年が短縮されており年齢設定も青年であるという大きな違いがある。そのためか、原作にあった年功者として自主性を発揮する場面のほとんどが割愛されており、受け身の主人公との印象が強くなっている。
『旅の仲間』では、全くナズグールに抵抗できない形となっている。風見が丘では無抵抗に刺されており、ブルイネンの浅瀬では傷のせいで前後不覚となったフロドの代わりにアルウェンが川を挟んで対峙している。また指輪所持者として名乗りを上げる場面では、会議の参加者が口論するなかで指輪の魔力を感じて名乗りを上げる形となっている。
『二つの塔』では、ゴラムに威厳をもって接する姿は描かれていない。ファラミルにオスギリアスに連行され、そこでナズグールに襲われ、指輪の魔力に屈しそうになる。
『王の帰還』では、ゴラムの策略にはまってレンバスの粉のついたサムに失望するという独自の展開になる。また、滅びの罅裂ではゴラムに指輪を奪われたあと、取り返そうともみ合っているうちに、はずみでゴラムのみが落下、フロドも危うく落ちかけたが、サムによって引き上げられ九死に一生を得るという形になっている。失った指は、左手の人差し指になっている。
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グッズ†
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俳優 | イライジャ・ウッド |
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日本語吹き替え | 浪川大輔 |
『思いがけない冒険』において、ビルボ111歳の誕生日の日、袋小路屋敷からガンダルフを迎えに出て行く場面が描かれており、『ロード・オブ・ザ・リング(旅の仲間)』冒頭と繋がるようになっている。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
フロド達指輪の仲間を出立するのを冒険者が見送るクエスト、パルス・ガレン及び死者の沼地でのフロドを追体験するセッションプレイがある。
他にもコルマッレンの野での栄誉礼、エレッサール王の戴冠式および結婚式でのフロドとその仲間達が再現されている。
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Include/指輪の仲間†
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