ヒスルム†
概要†
カテゴリー | 地名 |
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スペル | Hithlum |
その他の呼び名 | ヒーシローメ(Hísilómë) |
解説†
ベレリアンドの北西にある、東と南をエレド・ウェスリン(影の山脈)に、西をエレド・ローミン(谺山脈)に囲まれた広大な地域(ベレリアンドには含まれない)。南西部はドル=ローミン、南東部は湖と山脈を挟んでミスリムと呼ばれる。アングバンドの包囲が続いていた間は美しい土地だったが、空気は冷涼で冬は寒冷だった。
中つ国に帰還したノルドール族のエルフは彼らが最初に野営地を築いたこの地を、モルゴスが彼らの野営地に送りつけた雲に由来して、クウェンヤで「霧の国(Land of Mist)」の意味のヒーシローメと名付けた。そしてこの地に住んだシンダール族のエルフの言葉ではヒスルムと呼ばれるようになった。
ミスリムはフェアノールの軍勢が野営地を築いてダゴール=ヌイン=ギリアスの合戦場となり、後にはフィンゴルフィンに率いられてヘルカラクセの海峡を横断してきた軍勢も野営地を築いた。その後ヒスルム全土がノルドールの上級王フィンゴルフィンが統治するエルフの国となり、南西部のドル=ローミンは息子のフィンゴンに与えられた。ただし彼らの本拠地はエレド・ウェスリンの東側にあるエイセル・シリオンの城砦だった。
後にドル=ローミンはエダイン(人間)であるハドル家に与えられた。
ダゴール・ブラゴッラハの合戦後にフィンゴルフィンがモルゴスとの一騎討ちで死ぬと、息子のフィンゴンがノルドールの上級王位とヒスルムの王国を受け継いだ。
合戦から七年後、ヒスルムはモルゴス軍の攻撃を受けた。エレド・ウェスリンの山脈での戦闘では、エイセル・シリオンの包囲戦で同地の城砦を守っていたハドル家のガルドールが戦死したが、彼の息子フーリンが敵を撃退した。モルゴス軍は北からも攻め寄せ、ヒスルムの平原でこれを迎え撃ったフィンゴンは数に圧倒されたが、海から駆けつけたキールダンの援軍に救われ、こちらも撃退に成功した。
しかしニルナエス・アルノエディアドの敗北でフィンゴンは戦死し、フーリンは虜囚の身となり、ハドルの族の戦士を含むヒスルムの軍勢は大多数が戦死した。こうしてヒスルムの王国は滅び、この地に残ったエルフとハドルの族の生き残りは、モルゴスが差し向けた東夷とオークから迫害を受け、奴隷にされた(エルフの中にはアンナイル達のようにモルゴスの配下から逃れ、山岳部に隠れ住んだ者もいた)。
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