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バリン

概要

カテゴリー人名
スペルBalin
異訳バーリン
その他の呼び名モリアの領主(Lord of Moria)
種族ドワーフ長鬚族
性別
生没年第三紀2763~†2994年(享年231)
フンディン(父)
兄弟ドワリン(弟)

解説

ホビットの冒険』及び書籍版『指輪物語』での表記はバーリン。『指輪物語』電子書籍版の翻訳改訂でバリンに修正された。

ギムリの祖父グローインの兄であるフンディンの息子(ギムリの父の従兄)。弟はドワリン
ホビットの冒険』においてビルボと旅をした13人のドワーフの一人。鬚は白く、赤い頭巾を被っていた。

エレボールの遺臣

バリンは盛時の山の下の王国の民であり、第三紀2770年にスマウグエレボールに襲来した時、スラーイン二世とその息子のソーリン二世らと共に脱出する。スラーインらが褐色国ダンランドを放浪していた時も彼らに付き従い、2799年のナンドゥヒリオンの合戦にも参加。戦いが終わると一党は褐色国に戻るが、やがてエリアドールを放浪し、2802年に青の山脈に移住した。

2841年、スラーイン二世エレボールに向かおうとした時、バリンはドワリンらと共にその従者となるが、道中スラーインは行方不明になる(ドル・グルドゥル死人占い師に捕らわれた)。バリン達はスラーインを空しく捜索したが見出せず、青の山脈のソーリンの許に戻った。

ホビットの冒険』におけるバリン

2941年、バリンはビルボ・バギンズと共にエレボールへ遠征した13人のドワーフの一人となる。この遠征に参加した時点で13人の中ではソーリン二世に次ぐ年長者だった。お茶の時間に袋小路屋敷に押しかけた際には、食後にドワリンと同じくヴィオラを演奏している。

一行の中では見張り役を務め、これがきっかけになってビルボと特に親しい仲となる。
バリンは自慢の見張りをいとも簡単にすり抜けられてしまったことで、ビルボを高く評価するようになった。これは実は一つの指輪を使って体が透明になっていたためなのだが、それを打ち明けられてからもバリンのビルボへの好意は変わらなかった。
ビルボがスマウグに対して「たるにのるぞう」と名乗ったせいでエスガロスが襲撃されたのではないかと気に病んだ時には、ビルボに責はないと強く励ましている。

彼は五軍の合戦でも生き残り、再興された山の下の王国に移住。
その後もビルボとの交友は続き、2949年にはガンダルフと共に袋小路屋敷のビルボを訪問した。

指輪物語』で明かされるバリンの運命

山の下の王国に腰を落ち着けたドワーフ達だが、やがて若いドワーフを中心として父祖の地であるモリアを奪回する機が熟したとの声が聞かれるようになる。ダーイン二世は難色を示したが、バリンは彼らの声に押されてて一族の者のうち一部を率いてエレボールを後にし、モリア復興を試みた(その中にはオーリオーインも含まれていた)。
グローインによると、バリンには失われた七つの指輪の一つを見つけたいという目論見もあったという。

バリンの一党は2989年にモリアに入ってそこを占拠していたオークを駆逐、一時はバリンがモリアの領主を名乗るほど順調に復興を進める。だが新手のオークの襲来によって一党は窮地に陥り、バリンは2994年11月10日におぼろ谷鏡の湖を覗きに出かけた際、オークに射殺されて非業の死を遂げた。その遺体はマザルブルの間に設けられた墓所に葬られた(詳細はマザルブルの書を参照のこと)。
これらの顛末は大いなる年の3019年1月15日に指輪の仲間がモリアに潜入してバリンの墓を発見するまで、外部の者には不明のままだった。

ビルボ別れの宴(3001年)でホビット庄を離れた後、一度エレボールまで旅をしているが、その時すでにバリンはモリアで行方不明となっていたため、ビルボとバリンの再会は果たせなかった。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

ギムリには"cousin"と表現されており「いとこ」と訳されているが正確には父の従兄(従伯父)であり、どちらかというと「親類」とすべき誤訳。
バリンがモリアで音信不通になっている経緯などは省略されており、ギムリは(原作とは異なり)モリアでバリンに出会えると確信していた。

映画『ホビット』における設定

俳優ケン・ストット
日本語吹き替え稲垣隆史

字幕及び吹替での名前は『ホビットの冒険』書籍版及び『指輪物語』書籍新版に従いバーリン

原作では、ソーリンより17歳年下だが、映画ではソーリンよりも年上に描かれている。ソーリンの老家臣的な立場として、助言などを行っている。また、短気な者が多い仲間たちを諌める役割も担っている。
かつてスロールが囚われた黄金に対する執着を直接見ており、ソーリンも同じ事になる(スマウグの黄金病にとりつかれる)のではないかと懸念するようになる。ソーリンは彼自身もそんな祖父の暗部を見ていたため、自分はそうならないと否定していたが、結果的にはバリンの懸念通りになってしまった(『思いがけない冒険』エクステンデッド・エディションでは、同様の懸念をエルロンドも示している場面がある)。

『決戦のゆくえ』エクステンデッド・エディションでは、五軍の合戦フィーリキーリドワリンと共に山羊が引く戦車に乗って、アゾグの元へ向かうソーリンを追う。だがワーグの攻撃で戦車を引く山羊を次々と失ったため、ドワリン達を残った山羊に乗せて行かせ、自分は戦車に残り、戦車に搭載された連弩で追ってくる敵を引き受けた。
下記画像左手。

バリン(左)とドワリン(右)

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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

モリアに向かった理由についてドワリンの口から語られている。
ある時期からはなれ山では徐々に工芸品の品質が低下し始め、バリンはその原因をアーケン石をソーリンの墓に封印した事が原因だと考え、石を墓から出して奉るべきだと考えた。
しかしダーインはそれに反対し、バリンと対立した末に彼を相談役から外した。これがきっかけとなり、バリンはモリアの復興に赴く決意を固めた。

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるバリンとドワリン(五軍の合戦前) 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるバリンの墓石

Include/ソーリンとその仲間

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 剣さばきカッコ良かったな 歴戦の勇士て感じ -- 2016-04-18 (月) 16:16:33
    • あの鉾は重心が先端部に寄ってるから、腕力の劣る使用者でも振り回せば遠心力を利用して強力な攻撃ができる。剣よりも厚みがあるから切れ味が鈍っても殺傷力が衰えない。何気に高スペックだよ -- 2016-04-18 (月) 23:32:59
  • ドワーフは250~300歳が寿命で、しかも老いが始まるのが寿命の十数年前となると、178歳で白髭の年老いたドワーフという表現は少しおかしい気が……設定が固まってなかっただけ? -- 2016-05-29 (日) 18:51:50
    • 映画の改変は著しいですからね。 原作と映画は、別物と割りきったほうがいいかと💦 -- 2016-10-24 (月) 09:49:43
      • 原作設定で178歳なのですよ。寿命の直前まで老いないのも原作 -- 2016-10-24 (月) 10:19:02
    • 老化はしてなかったけど、苦労を重ねて“老けた”って考えても良いかと。 -- 2017-01-02 (月) 00:03:25
      • プライドの高いトーリンを諌めたり他種族との間を取り成したりするのが負担になって老け込んだとか?性格が他のドワーフよりも穏やかそうなのも災いしてる感じ -- 2017-01-02 (月) 02:57:49
    • ただでさえ見分けのつけづらいドワーフですから、やはり映像化するためのキャラ付けでしょう。映画ではトーリンよりも年長者のようですしね。 -- 2017-01-02 (月) 01:13:26
  • コンセプト段階では口髭が付いてたのに、映画本編で無くなってるのは何故でしょう。 -- 2017-08-22 (火) 03:16:08
  • モリア奪還に向かった理由の中に、ダインと仲違いしたっていうのはなかっただろうか。あの2人、なんか馬が合いそうにも見えなかったし。 -- 2018-07-25 (水) 20:49:40
    • 本当の所は、分かりませんけど。ダインとの関係が悪いというよりも、どんな危険が有るかわからないから。場合によっては若手を諌め導く誰かが必要と判断して -- 2019-07-29 (月) 07:09:46
    • ソリが合わないというよりは、ダインの手腕を認めてたからこそバーリンが引き受けたんじゃないでしょうか?老いも迫り来る中、不用になりつつある己の身を生涯最後の使命に費やそうとした老臣の決意のようなものがあったのだと思います。 -- 2020-12-26 (土) 20:56:27
    • バーリンはドワーフの指輪の恩恵を知っている数少ない老人です。それだけ指輪のもたらした繁栄と喪失感が凄まじいのでしょう -- 2020-12-26 (土) 21:04:02
  • 映画版ではバーリン及びその一党がモリアを掌握している旨ギムリが確信していたが、これはギムリが決して楽天的だった訳ではなく原作との時間経過の差異によるものだろう。原作ではモリアのドワーフ全滅から指輪の一行がモリアに至るまで25年も経過しており、さすがにガンダルフやギムリも生き残りがいればいい程度の認識だった。しかし映画版ではビルボの出立からフロドがホビット庄を去るまでの期間を17年→1年未満に短縮した都合上モリアとの音信不通も10年も経過しておらず、ドワーフの寿命的には十分想定の範囲内だった。 -- 2019-01-06 (日) 02:35:46
    • おお、わかりやすい。映画での年数はいろいろ改変があるから混乱するわ…。 -- 2019-03-09 (土) 00:24:47
  • 子供、本当に子供の頃にホビットの冒険を読んで
    「おみそれいたした、あんたにおじぎする」
    と言ったバーリンが子供心に好きで、それからまさかのLotR映画化で
    ホビットの冒険と指輪物語の繋がりすら知らないまま英国でLotR映画を観て、ガンダルフやビルボやバーリンという単語が頭の中で一つになったあの感動は忘れ難い。
    同時に、めちゃくちゃ好きだったほのぼのキャラが自作で残酷な死を迎えた事にショックで、薄暗いドミトリーの堅いベッドで少しだけ泣いたよ。
    子供にも、たとえ作品は違くていいから似たような体験をしてほしいな。 -- 2021-09-25 (土) 14:28:30
    • 得難い経験をされましたね。
      私の場合、小学4年生でホビットの原作を読み、大いに感動。その設定の奥深さに魅了されたクチでした。
      あとがきで「指輪物語」という続編があると知っていましたが、翻訳されていると知らなかったので、読まずに数年・・・
      中学生の時、本屋のレジの後ろの取り置きのコーナーに「指輪物語」ハードカバーがあったのを見て、店員さんに買えますか?と聞き
      ダッシュで家に戻り、なけなしのお金を払って「旅の仲間(上)」だけを買ったのを思い出しました・・・
      家で初めてページをめくった時の興奮は、一生忘れませんねえ。
      王の帰還にて、ビルボとフロドが旅立ったシーンを読んで、自分がずーーっと、恋焦がれていた物語を読み終えた
      その寂しさで思わず泣いてしまったのも、覚えています。 -- 2022-02-02 (水) 17:13:00
      • 元ネタ投稿したものですが、
        「旅が終わってしまった寂しさ」
        わかりますね。フロド達が今生の別れを遂げたことも相まって、
        「ああ、本当に終わってしまったんだなぁ」
        となりました。
        最近、久々にホビットを妻と観直しましたが(妻は初見)、妻もバーリンが1番お気に入りのようでほっこりしました。
        「LotRにも出てきた?」という問いには「…登場はしないよ設定では出てくるけど」としか答えられませんでしたが。 -- 2023-03-18 (土) 10:08:27
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