ハリフィリアン

概要

カテゴリー地名
スペルHalifirien*1
異訳ハリフィリエン
その他の呼び名聖なる山(Holy Mount)
アモン・アンワル(Amon Anwar)
畏怖の丘(Hill of Awe)
アンワルの丘(Hill of Anwar)
エイレナイア(Eilenaer)

解説

ローハン語で「聖なる山(holy mountian)」の意。白の山脈(エレド・ニムライス)の北側、ゴンドールローハンの国境付近にある、ゴンドールの烽火山の一つ。七つある烽火山の中で最も高い、西端の丘。周囲をフィリエンの森に囲まれ、丘自体も頂上付近まで木に覆われている。この丘の背後にはメリング川が流れ出すフィリエン谷と、白の山脈の最高峰がある。

終わらざりし物語』によると、イシルドゥルによって密かにエレンディルの墓所が築かれた場所。また、エオルによってエオルの誓いが立てられ、キリオンロヒルリムへのカレナルゾン割譲を宣言した場所でもある。

烽火台の管理者たちの他には、野生動物は別にして、森に住む者はいなかった。 … ほとんどの者にとっては、帰郷は喜びだった。それは野生の動物による危険のせいだけではなく、昼なお暗い森をねっとりと覆う邪な影のせいでもなく、風の音、野鳥や野獣の叫び、あるいは時おり街道を急いで走る騎馬の騒めきに隠れてそこにある沈黙のせいであり、ふと気がつくと、かれらは命令を囁き声で下しているのだった。遥か彼方、遥か昔からの大いなる呼び声の木霊こだまが聞こえるのを待つかのように。*2

エレンディルの墓所(Tomb of Elendil)

頂上に着くと、広い楕円形の平らな芝生の場所があって、そこには何も囲いがなかったが、東端には低い塚山があって、そこには白いアルフィリンの花が咲き、西に傾いている太陽が花を金色に染めていた。ドル・アムロスの領主、キリオンの一行の指揮官がその塚の方へ進んで行き、その前の草の上にあって、風雨にも雑草にも傷つけられていない、黒い石を見た。その石には文字が三つ刻まれていた。*3

元来この丘は現地の人間の言葉(先ヌーメノール語)でエイレナイアと呼ばれており、古のゴンドール国土の中心付近に位置していた。
最後の同盟の戦いの後、ここを訪れたイシルドゥルは丘の頂上に塚を築かせ、そこに自ら運んできた父エレンディルの棺を安置した。そして王国が続く限り、ここを南方王国の中心とし、ヴァラールのもとに永久とこしえ御座おわす節士エレンディルの記念碑とする。この丘は聖地とし、エレンディルの世継を除いて、その安らぎと静けさを乱すものは何人なんぴとたりとも立ち入らせまい。と命じ、ドゥーネダインの聖地と定める。
以来、ここは厳粛な気配に満ちた場所となり、シンダリンで「畏怖の丘」の意味である、アモン・アンワルと呼ばれるようになった。

イシルドゥルはメネルディルに忠告し、王と王が伴う者を除いては何人も頂上へ続く階段に足をかけさせてはならないこと、また王は折に触れてこの聖所を訪れて困難への智慧を見出すべきこと、世継が成人した時にはこの聖所に伴い王が知るべき事柄を明かすこと等を定めた。これはイシルドゥルのしきたり(Tradition of Isildur)と呼ばれ、はじめは口承で伝えられたが、ローメンダキル一世はこれを巻物の形として保存し秘密裏に受け継がれるべきものとした。
こうしてエレンディルの墓所とその秘密は代々の王に継承され、王統が途絶えた後は代々の執政によって継承されていった。

墓石には三つの文字、フェアノール文字のL・ND・Lすなわちランベ、アンド、ランベ(lambe, ando, lambe)と刻まれているが、これはエレンディルの名を母音記号なしで綴ったものであり、彼が自らの印としていたものだった。

ゴンドールとローハンの聖地

第三紀2510年、ケレブラントの野の戦いゴンドールの危機を救ったエーオセーオドカレナルゾンの地が割譲され、ローハンが建国される。
この時執政キリオンは、エーオセーオドの王エオルをここに案内して割譲の意向を伝え、エレンディルの墓の前でエオルの誓いが立てられた。
キリオンのこの行いはイシルドゥルのしきたりを破ることになった。キリオンはエオルに対し、最大限の謹厳でもって接するため、あえてそうしたのであった。

イシルドゥルのしきたりが無効となったため、エレンディルの棺はミナス・ティリスの聖所(ラス・ディーネン)へと移されたが、緑の塚はそのまま残された。以来、アンワルの丘はゴンドールとローハン双方に聖地として崇敬される場所となった。
初め丘は両国によって共同管理されていたが、ゴンドールが衰退するとローハンのイーストフォルドの民が管理を担うようになり、周囲のフィリエンの森は事実上ローハン王家の領有地と見なされていった。そのため、丘はローハン語で「聖なる山」を意味するハリフィリアンと呼ばれるようになった。

そこに烽火台が設置された後も、厳粛な気配は生き続けた。ハリフィリアンを訪れる者は誰もが畏怖の念に圧倒され、口をつぐんだという。

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるハリフィリアンの遺跡

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • エレンディルの塚ってそんなところにあったのか! -- 2008-02-24 (日) 23:46:43
    • あまりにも酷いと思う。
      せめてオスギリアスに移していただきたい。
      エレスサール王、よろしくお願いいたします。 -- 2022-02-09 (水) 20:39:59
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