ドルソニオン†
概要†
カテゴリー | 地名 |
---|---|
スペル | Dorthonion |
その他の呼び名 | タウル=ヌ=フイン、タウア=ヌ=フイン(Taur-nu-Fuin) デルドゥーワス(Deldúwath) トル・フイン(Tol Fuin) |
解説†
シンダリンで「松の木の国(Land of Pines)」の意味。ベレリアンドの北の辺境に存在した、東西およそ六十リーグ(約290km)の広大な高地*1。名の通り大きな松林がたくさんあり(特に北側と西側)、寒々しい高地にはエレド・ウェスリン(影の山脈)の山々よりも高い裸の岩山が聳え、それらの麓には多くの湖があった。北側はアルド=ガレン(アンファウグリス)の平原から緩やかな斜面が高地へと続いていたが、南側はエレド・ゴルゴロス(恐怖の山脈)と呼ばれる急な断崖になっていた。エレド・ゴルゴロスの西端にはディンバールへ下るアナハの山道があった。
ノルドール族の帰還後その民の一部が住み着いており、アングロドとアエグノールが北の斜面を防衛していた。ベオルの族も後にこの地に定住し、ボロミルはドルソニオン北東部のラドロスの統治権を与えられた。
ダゴール・ブラゴッラハの合戦の際にモルゴスが放った火の川によって北側の斜面の森が焼き尽くされ、その後に育った根が絡まり合い黒くねじ曲った樹々に覆われると、迷い込んだ者は恐ろしい幻影に追い回されて、しまいには狂死する恐ろしい迷いの森となった。そのためこの森はシンダリンで「夜闇の森(Forest under Night, Forest under Nightshade)」の意であるタウル=ヌ=フイン、あるいは「夜闇の恐怖(Horror of Night-shadow)」の意であるデルドゥーワスと呼ばれ、オークですらよほどの必要に迫られなければ近寄らなくなった。
バラヒル率いるドルソニオンの無宿者たちは高地の東にあるタルン・アエルインの湖畔を隠れ家として踏みとどまり、モルゴスの勢力に対して抵抗を行った。
ベレグがオークに拉致されたトゥーリンを探してやってきた際にタウル=ヌ=フインの森でグウィンドールを発見した。その後救出されたトゥーリンが誤ってベレグを殺してしまうと、ベレグの遺体はトゥーリンとグウィンドールによってタウル=ヌ=フインに埋葬された。
ドルソニオンの名は『指輪物語』の木の鬚の歌にも登場し、その中ではドルソニオンに存在したオロド=ナ=ソーンという山に言及している。
『終わらざりし物語』の付属の地図とクリストファ・トールキンの解説によると、ベレリアンドの崩壊後も一部はトル・フインという島となって残っている。
画像†
上掲の水彩画は、トールキンが1928年に、Taur-na-Fuinの森でベレグがFlindingを発見する場面を描いたものである(後に森の名はTaur-nu-Fuinに、Flindingはグウィンドールに改名される)。
この絵はトールキンの同意を得て「ファンゴルンの森(Fangorn Forest)」に改題され、1974年のトールキン・カレンダーに収録された。
コメント†
最新の6件を表示しています。 コメントページを参照