ダゴール=ヌイン=ギリアス

概要

カテゴリー歴史・事件
スペルDagor-nuin-Giliath
その他の呼び名ベレリアンド戦役の二度目の合戦、ベレリアンド戦争の第二の合戦(Second Battle in the Wars of Beleriand)

解説

シンダリンで「星々の下の合戦(Battle-under-Stars)」の意。太陽が昇る前、流謫の身となりアマンから中つ国に来たフェアノール率いるノルドール族の一党とモルゴスの軍勢との間で行われた戦い。宝玉戦争における第二の合戦。

ノルドール上級王フィンウェの仇であるモルゴスを討ち、彼に奪われたシルマリルを取り戻すために大海を渡ったフェアノール彼の息子たちの一党は、ドレンギストの入り江の外のランモスの海岸から中つ国に上陸した。彼らは乗ってきたファルマリの船をロスガールで燃やした後、ミスリム湖の北岸まで来て野営した。しかし、ロスガールで焼かれた船の燃えさかる明かりを見て警戒していたモルゴスの軍勢が、エレド・ウェスリン(影の山脈)の山道を通ってまだ設営の十分に整っていないフェアノールの陣地を急襲し、星空の下のミスリムの野で合戦が行われた。フェアノールらノルドール族側は数に劣り、不意をつかれたにも関わらず速やかに勝利を収め、モルゴス軍はエレド・ウェスリンを越えて敗走し、北のアルド=ガレンの大平原まで追撃された。
この時、ベレリアンド最初の合戦ファラスの港のキールダンを包囲していたモルゴスの軍勢が援軍として差し向けられたが、ケレゴルムがこの動きを察知し、待ち伏せてエイセル・シリオンに近い丘陵から奇襲をかけ、セレヒの沼沢地に追い込んで壊滅させた。

合戦は十日間に及び、モルゴスの軍勢に甚大な損害を与えたが、フェアノールは憤怒にかられて突出し、アングバンドまで行き着こうとしてドル・ダエデロスの境界で包囲され、バルログの首領ゴスモグに襲われて致命傷を負った。そして、追いついた息子たちによって救出された後、ミスリムに引き揚げる途中のエイセル・シリオンに近いエレド・ウェスリンの山腹で、モルゴスの名を三度罵り、息子たちにシルマリルを取り戻す誓言を守り、自分の仇を討つことを託して死んだ。彼の魂は火のように燃え、自らの肉体を灰にして飛び去ったという。

フィンゴンによるマエズロスの救出と、ノルドール族の和解

フェアノールが死んだ直後、モルゴスの使者が来て偽りの休戦交渉を持ちかけ、シルマリルの一つを引き渡してもよいと言ってきた。マエズロスは弟たちを説得し、十分に警戒して交渉の場に赴いたが、モルゴス側の使者にはバルログまでおり、マエズロスは生きたまま人質としてアングバンドに捕らえられた。モルゴスはフェアノールの息子たちに戦いを放棄してベレリアンドを去るよう要求したが、マエズロスの弟たちは自分たちがどのように行動しようとモルゴスがマエズロスを釈放することはなく、また誓言に縛られている以上戦いを放棄することも出来ないことを知っていた。
そこでモルゴスは、マエズロスをサンゴロドリムの絶壁から右手に枷を嵌めて吊り下げた。

初めて昇ったに全世界が驚嘆していた頃、フィンゴルフィンの率いるノルドール族の一党がヘルカラクセの海峡を渡って進軍してきた。彼らは太陽の光に脅えたモルゴスの配下たちがアングバンドに籠っている間にドル・ダエデロスを通過し、アングバンドの門の前でモルゴスに挑戦を呼びかけた(この時マエズロスは声を上げて助けを求めたが、彼らは気付かなかった)。だがフィンゴルフィンはそのまま中に攻め込むような無謀な真似はせず、退いてフェアノールの息子たちがいるミスリムに向かった。こうしてフェアノールの一党とフィンゴルフィンの一党はミスリム湖を挟んで居住することになった。

マエズロスがアングバンドに捕らわれていることを知ったフィンゴンは、単身彼を救出することを決意し、サンゴロドリムの山に登ってマエズロスを発見した。だがマエズロスの吊るされている絶壁に近づくことは出来ず、マエズロスは自分を殺してくれるように頼んだ。万策尽きたフィンゴンがマンウェに呼びかけると、それに応えて大鷲の王ソロンドールが現われ、フィンゴンをマエズロスの許まで運んだ。フィンゴンは魔法のかけられた手枷からマエズロスの右手首を切断して彼を救出し、二人はソロンドールによってミスリムに送り届けられた。

回復したマエズロスは、アラマンフィンゴルフィンたちを置き去りにしたことへの許しを請い、自らノルドールの王権を放棄してフィンゴルフィンに王位を譲ったことで両家の遺恨は和らげられ、ノルドール族はここに再び団結した。

Include/宝玉戦争

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