• 冷血龍に殺された灰色山脈の統治者ダイン一世(Dáin I)については、ダイン一世を参照してください。

ダイン二世

概要

カテゴリー人名
スペルDáin II
異訳ダーイン二世
その他の呼び名鉄の足(Ironfeet)
山の下の王(King under the Mountain)
種族ドワーフ長鬚族
性別
生没年第三紀2767~†3019(享年252)。在位2941~3019(78年間)
ナイン(父)
トーリン三世(息子)

解説

長鬚族の王
先代
トーリン二世
2850~2941
鉄の足ダイン二世
第三紀2941~3019
次代
トーリン三世
3019~不明

鉄の足のダインと呼ばれる。ナインの息子。トーリン三世の父。
くろがね連山の統治者であったが、彼の家系は長鬚族王家の分家にあたるため、トーリン二世の死後は本家にあたる再興された山の下の王国の王となった。

ナンドゥヒリオンの合戦におけるダイン

かれの後から赤いまさかりを持ったドワーフが一人跳ぶように階段を駆け上がって行った。ナインの息子、鉄の足のダインである。ちょうど入口の前でかれはアゾグに追いつき、かれを討ち取って、その首を刎ねた。これはたいへんな手柄といえた。なぜならダインはドワーフの年齢からいえば、まだほんの青二才だったからである。しかしかれの前途には長い生涯と数々の闘いが横たわっていた。そして指輪戦争の時、年老いたりとはいえ矍鑠と背も曲がらぬかれも遂に命を落とすのである。*1

ダイン二世の祖父グロールは、長鬚族の王であったダイン一世の三男であった。ダイン一世が冷血竜に殺された後、長男のスロールエレボールに戻って山の下の王国の王となったが、グロールはくろがね連山に移り住んだ。
スロールがアゾグに殺されたことに端を発するドワーフとオークの戦争に、グロールの息子ナインはくろがね連山の郎党を引き連れて加勢し、ダインもそれに同行した。第三紀2799年、決戦となるナンドゥヒリオンの合戦において父ナインはアゾグに挑戦して殺されたが、ダインは逃げるアゾグの後を追いかけてこれを討ち取り、父と大伯父の仇を取るという大変な武勲を立てた。

この時、モリア東門に足をかけたダインはバルログの脅威を感じ取ったらしく、華々しい手柄を立てた直後にも関わらずその顔は恐怖に襲われた者のように土気色をしていたという。そのため、スロールの息子のスライン二世が勢いに乗じてモリアを奪回しようと呼びかけた時にはこれを諌め、次のように忠言した。

「あなたはわれら一族の父です。われわれはあなたのために血を流しました。これからも流しますよ。しかし、われわれはカザド=ドゥムの中にははいりません。あなたもおはいりにならないでください。わたしは門の陰の暗闇をすかし見ただけです。暗闇の向こうで今もまだあれが、ドゥリンの禍が、あなたを待っています。ドゥリンの一族がふたたびモリアを歩くまでには、世の中が変わり、われわれ以外の別の力が出現しなければならないのです。」*2

五軍の合戦におけるダイン

ダインは郎党を引き連れてくろがね連山に戻り、その統治者となった。

第三紀2941年、スライン二世の息子で今や長鬚族の王となっていたトーリン・オーケンシールドは、黄金竜スマウグに奪われたエレボール山の下の王国とその財宝の奪回を試みる(『ホビットの冒険』)。
スマウグはエスガロスバルドに討たれたが、これによりエレボールの財宝を巡って諍いが発生する。トーリンは財宝を我が物とするために又従兄弟のダインに援軍を要請、ダインはこの呼びかけに応え、郎党を引き連れてエレボールまで遠征した。

エレボールの門前に達したダインの軍勢は、そこで門を包囲する湖の町の人間および森の王国エルフの軍勢に阻まれる。あくまでトーリンと合流しようとするダインは強行突破を試み、両者一触即発の事態となったが、そこにゴブリンワーグの連合軍が襲来した。ダインは人間・エルフとの休戦調停に応じ、かれらは協同してゴブリン・ワーグの連合軍と戦ってこれを打ち破った(五軍の合戦)。

しかしこの戦いでトーリンは戦死し、トーリンの甥であったフィーリキーリも戦死する。そのため再興された山の下の王国はダインが継ぐこととなり、彼は長鬚族の王となった。
山の下の王となったダインは、トーリンの遺言とビルボの意向を尊重し、エレボールの財宝の14分の1をバルドに分け与える。こうしてダインの下で山の下の王国は、再建された谷間の国エスガロス森の王国との友好関係を確立し、昔日の繁栄をほぼ取り戻した。

指輪戦争におけるダイン

しかしフロドは、今はもう老齢の(二百五十歳を過ぎた)ダインが、徳高く、莫大な富をかかえ、今なお山の下の王として君臨しているという話を興味深く聞きました。*3

ダインとその民はエレボールで平和を謳歌していたが、やがてその心に影が兆すようになる。
第三紀2989年、若者たちの意を受けたバーリンは賛同者を引き連れてモリア再興のために旅立とうとする。ダインはこれに反対したものの、彼らを引き留めることはできなかった。結果バーリン一党は行方不明となる。
3017年、モルドールからの使者がダインのもとに現れ、サウロンビルボ・バギンズと彼の持つ小さな指輪を捜しており、捜索に協力するよう暗に脅迫される。ダインはこれに一切の返答を与えなかったが、大きな懸念を抱いた。
そこで第三紀3018年(大いなる年)、グローインとその息子ギムリ裂け谷に派遣し、ビルボへ警告を伝えるとともにエルロンドの助言を仰いだ(『指輪物語』)。

山の下の王国谷間の国はモルドールへの臣従を拒み、そのためサウロンの意を受けた東夷の攻撃を受ける。
3019年の谷間の国の合戦においてドワーフ谷間の国の人間はエレボール山中に籠城して抵抗した。この時、谷間の国の王ブランドは討ち死にし、ダインは彼の亡骸を守ってエレボールの門前で討ち死にした。

「トーリンが死んだ時、わしはたいそう悲しく思ったもんじゃ。」と、ガンダルフはいった。「そして今度はダインがまたも谷間の国で戦って死んだという知らせじゃ。ちょうどわしらがここで戦っている頃のことじゃのう。これは重大な損失というべきじゃろうが、かれがあの高齢でエレボールの門の前でブランド王の亡骸の傍らに立ちはだかり、暗闘が襲うまで、人々のいうごとく力強くまさかりを揮うことができたとは、むしろ驚異ではないか。」*4

ダインの死後、山の下の王国の王位は息子のトーリン三世が継いだ。

年表

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

The Lord of the Rings Trading Card Gameに、Weta監修のもとにダインのカードが実写で作られている。

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映画『ホビット』における設定

俳優ビリー・コノリー
日本語吹き替え石塚運昇

トーリンの「いとこ(cousin)」と呼ばれている*5。原作の年齢はトーリンより21歳年下であるが、映画では同年代に設定されていると思われる。
猪に跨り、赤い戦鎚を振るう。たてがみのような髪に牙を模した鬚など、自身も猪を彷彿とさせる風貌。

くろがね連山ドワーフを率いてエレボールに馳せ参じた際には森の王国エルフ軍を罵倒し、一歩も譲らない構えを見せていたが、ドル・グルドゥアの大軍が現れると瞬時に共同戦線を張るなど、言動こそ好戦的だが、優れた指揮官としても描かれている。自軍が苦戦を強いられる中で、大型のオーク数体を一度に相手にしても全く怯まない強靱さを見せた。

劇場公開版では、あくまでくろがね連山の王として描かれており、エレボールの王位を継いだ経緯は省略された。エクステンデッド・エディションでは原作通りトーリンの葬儀の後、跡を継いで山の下の王として戴冠している。
また、特典映像には谷間の国の合戦東夷とオークの大軍を相手に戦う、老いたダインの姿を描いたコンセプトアートが収録されている。

画像

『ホビット』におけるダイン二世CU_9DMFXAAA-xeO.jpg

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるダイン二世

コメント

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  • 葬儀で頭を垂れる所が思いがけず王位を継いでしまった男の重責と亡き友への哀悼の意が籠められているように見えた。カットするべきじゃなかったと思う。 -- 2016-05-11 (水) 22:08:13
    • はげどう -- 2016-07-20 (水) 00:13:48
  • 息子がいるという事は妻がいるということ。思いがけずエレボール王妃になったわけだけど、どんな人だったんだろうか -- 2016-05-27 (金) 23:28:50
  • 映画のナンドゥヒリオンに出してもよかった気がする。アゾグ以外の巨大オークを難なく葬るシーンとか -- 2016-06-16 (木) 13:16:37
    • エクステンデットエディションにちらっとでも良いから出しても良かったと思う。 -- 2016-06-16 (木) 23:11:00
  • EE眺めてたら、スランドゥイルが乗ってた鹿にオークがしがみついてるのをすれ違い様に戦鎚で叩き落としてるのを見て惚れた。討ち死にした時も大層立派だったんだろう -- 2016-06-23 (木) 23:48:46
    • もうちょいズレていればエルフ王の頭に命中したのに、惜しいことをした。 -- 2016-06-24 (金) 00:00:19
      • ダインがそんな卑怯な事するかよ。たとえ相手が卑怯者のエルフ王だとしても正面から堂々とぶつかってこそのドワーフ王だろ? -- 2016-06-24 (金) 00:19:02
      • 撤退しようとしたことは臆病者だの私欲だのと言われ、逆に戦ってる描写に対しては死ねばよかったのにと言われる。どうしろと? -- 2016-09-25 (日) 02:02:56
  • EEでエルフ軍を圧倒するシーンは最高だったね -- 2016-09-02 (金) 22:54:31
    • >EEでエルフ軍を圧倒するシーンは最高だったね  禿同! -- 2016-12-07 (水) 22:01:20
  • 豚は人間が跨がれるくらい巨大化する個体もいるからドワーフを乗せられるのがいてもおかしくはないな -- 2016-11-05 (土) 13:09:20
    • ドワーフは足短いので、実用的にもああいう動物がちょうどいいのでは?ギムリは馬に乗るのは嫌がってたけどイノブタさんだったら乗ったのかな?w -- 2016-12-13 (火) 14:05:56
    • しかし、最初猪で最終的に豚に落ち着くなんて妙なセンスだな。良いのか悪いのか判断に困る -- 2016-12-14 (水) 22:39:59
    • ホビット三部作の全てに何処かしらにブタさんが出演なさっていますw -- 2017-05-27 (土) 11:16:03
  • 映画版では戦鎚だったが棍棒も似合いそう -- 2016-12-16 (金) 21:37:04
  • 映画ではダインとトーリンの二人がかりなら生きてアゾグを倒せたような気がする。 -- 2016-12-26 (月) 20:26:58
  • スランドゥイルをお姫様呼ばわりしたのは煽ってたのか素で女だと思い込んでいたのか。 -- 2017-03-23 (木) 13:04:27
  • 経験してきた合戦のどれもがドワーフ氏族の命運を賭けた合戦でその内二つは自身の活躍で勝利を得たのだから間違いなく英雄ですよね。黄金に惑わされる事も無し、モリアへの対応も現実を見据えているしもっとメディア露出してもらいたかった・・・(映画のナンドゥヒリオンでは活躍の場が失われてて悲しかった・・・演出的には仕方の無かったことかもしれませんが -- 2018-03-22 (木) 23:42:13
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*1 指輪物語 追補編』「ドゥリンの一族」
*2 同上
*3 旅の仲間』「数々の出会い」
*4 『追補編』「ドゥリンの一族」
*5 ‘cousin’には「いとこ」のほかに「親戚、親類、同胞」の意味もある。

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Last-modified: 2018-03-22 (木) 23:42:14 (66d)