ギル=ガラド†
概要†
カテゴリー | 人名 |
---|---|
スペル | Gil-galad |
その他の呼び名 | エレイニオン(Ereinion) |
種族 | エルフ(ノルドール) |
性別 | 男 |
生没年 | 不明~†第二紀3441年 |
親 | フィンゴン(父)(父はオロドレスの可能性もあり。後述) |
兄弟 | (姉妹がフィンドゥイラスの可能性もあり。後述) |
解説†
フィンゴンの息子エレイニオンの呼び名。中つ国における最後のノルドールの上級王。アエグロスの槍の使い手。エルフの三つの指輪の一つ、風の指輪ヴィルヤの最初の守護者。その最期はギル=ガラドの討死に歌われている。
ギル゠ガラドは、エルフの王なりきと、
竪琴ひきは、悲しく歌う。
海と山との間にありし、
美しき自由の国の、最後の王なりきと。*1
宝玉戦争†
ダゴール・ブラゴッラハにおけるフィンゴルフィンの死後、フィンゴルフィン王家と全ノルドール王国の王位を継承したフィンゴンの使者として、ファラス地方のブリソンバールとエグラレストの港に遣わされる。
ニルナエス・アルノエディアドの後、この地がモルゴスの軍によって攻撃されると、ギル=ガラドはキールダンと共にバラール島に撤退し、そこに避難所を作り上げた。やがてゴンドリンが滅亡しトゥルゴンが死ぬと、ギル=ガラドは中つ国のノルドールの上級王となった。
モルゴスが怒りの戦いで打ち破られるまで、ギル=ガラドとキールダンはシリオンの河口で持ちこたえ、生き残ったエルダールとエダインの最後の拠り所となった。
リンドンの王として†
第二紀になってもギル=ガラドは流離のノルドールの上級王として中つ国に留まり、キールダン、エルロンドと共に中つ国北西部に残ったエルダールを指揮する。かれらはベレリアンドの最後の名残りであるリンドンに灰色港を建造した。
ギル=ガラドとエルロンドは正体を隠して接近してきたサウロンを信用せず、やがて正体を現したサウロンによってエレギオンが滅ぼされると、その力に対抗して戦った。当時、リンドンのギル=ガラドの許にはヌーメノールの船団がしばしば訪れて交流が行われており、ギル=ガラドはタル=ミナスティルの援助を得て第二紀1700年にサウロンをエリアドールから駆逐することに成功した。
それ以後もヌーメノールとの交流は続いたが、ヌーメノール人が次第に堕落しエルフの不死を羨むようになるとそれも途絶え、ギル=ガラドの許にはヌーメノールを逃れた節士派しか訪れなくなる。王党派のヌーメノール人は中つ国の沿岸部に植民地を築き、過酷な圧制者として君臨したが、ギル=ガラドの勢力があるため北西部にやってくることはなかった。
第二紀3262年にアル=ファラゾーンによってサウロンがヌーメノールへ連れ去られると、ギル=ガラドは一時の平和を享受して勢力を霧ふり山脈を越えた先にまで拡大させる。ヌーメノールの没落を逃れて灰色港に漂着したエレンディルは、ギル=ガラドの援助を受けてエリアドールにアルノールを建国し、亡国の民の王国の上級王となった。
最後の同盟†
しかしサウロンもまたヌーメノールの没落から生き延びて中つ国に戻っており、サウロンがゴンドールを攻撃すると、ギル=ガラドとエレンディルは最後の同盟を結んで対抗した。
同盟軍は霧ふり山脈を越えてダゴルラドの合戦で勝利してモルドールに入り、バラド=ドゥールを包囲攻撃した。当時のエルフと人間の力は強く、ギル=ガラドの槍アエグロスと、エレンディルの剣ナルシルには、何者も抗しがたかった*2という。
ついにバラド=ドゥールから姿を現したサウロンとの滅びの山の戦いで、ギル=ガラドとエレンディルはサウロンを打ち倒したが、二人の上級王もまたこの戦いによって討ち死にした。ギル=ガラドの死の因はサウロンの手の黒くして、火のごとく燃えいたる熱気によるという*3。
その死はギル=ガラドの討死に歌われ、彼の死によって中つ国におけるノルドールの上級王は絶えた。
エルフの指輪の守護者†
ギル=ガラドは、三つの指輪の内でもっとも力のある風の指輪ヴィルヤをケレブリンボールより受け取り、その守護者となった。彼は死ぬ前にこれをエルロンドに譲った。
『終わらざりし物語』によると、ギル=ガラドがエルロンドにヴィルヤを譲ったのはサウロンがエリアドールから駆逐され(第二紀1701年)、会議が開かれた時のことである。またこの時ギル=ガラドはエルロンドをエリアドールの副摂政に任じたという。
血筋についての設定†
『The Peoples of Middle-earth』の「The Shibboleth of Fëanor」によると、『シルマリルの物語』の元になった原稿よりも後にジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンが書いた原稿では、ギル=ガラドはフィンゴルフィン王家のフィンゴンの息子ではなく、フィナルフィン王家のアングロドの息子であるオロドレスの息子(フィンドゥイラスの兄弟)とされ、クリストファ・トールキンは(『シルマリルの物語』における)前者の設定を誤りだったとしている。また、ギル=ガラドがファラスの港へと送られるエピソードは彼がフェラグンドの息子として構想されていた時期の原稿から採用したものであるという。先に出版されて物語上も矛盾がなく広まっている設定を受け入れるべきか、クリストファの訂正説を受け入れるべきかは議論になっており、どちらを正史とすべきかはファンの間でも意見が分かれている。
多数の名の意味†
- エレイニオン(Ereinion)
- シンダリンで「王家の子(Scion of Kings)」の意味。
- ギル=ガラド(Gil-galad)
- 最もよく知られる異名。シンダリンで「燦然たる輝きの星(Star of Radiance)」の意味*4。
以下の名前とその説明は『終わらざりし物語』及び『The Peoples of Middle-earth』の「The Shibboleth of Fëanor」による。
- ギル=ガラド(Gil-galad)
- エペッセ*5。「The Shibboleth of Fëanor」の一説では彼の母親*6はこの名で呼んだ。
- Artanáro(アルタナーロ)
- クウェンヤの名。
- Rodnor(ロドノール)
- Artanároのシンダリン形。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
俳優 | マーク・ファーガソン |
---|---|
日本語吹き替え |
名前は一切登場しないが、冒頭でヴィルヤを手にしている姿や、最後の同盟の戦いで槍(アエグロス)を振るって戦う姿がわずかに描写されている。
グッズ†
#amazon(B0002ZGVO2) #amazon(B0006FUEFA) #amazon(B004K8ZFEO)ドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』における設定†
俳優 | ベンジャミン・ウォーカー |
---|---|
日本語吹き替え | 加瀬康之 |
リンドンに住まう、上のエルフの上級王として登場。
サウロンの脅威が去った訳ではないという事は認めているものの、悪を根絶しようとするガラドリエルらの強硬な姿勢が却って敵の増長を促す事を懸念している。
そのため第二紀の戦いの終結を布告し、冥王の討伐で功を上げた者たちを褒章としてヴァリノールへ帰還させようとする。エルロンドには、ケレブリンボールの仕事を手伝うよう命じエレギオンへと派遣する。
画像†
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
最後の同盟の戦いの回想シーンに登場。
コメント†
最新の6件を表示しています。 コメントページを参照